医薬品インタビューフォーム

市 販直後 調査
平成 27 年 5 月~平成 27 年 11 月
2015 年 7 月(改訂第 14 版)
対象:ソホスブビルとの併用によるセロ
グループ 2 の C 型慢性肝炎又は C 型代償
性肝硬変におけるウイルス血症の改善
日本標準商品分類番号
87625
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会のIF記載要領 2013 に準拠して作成
剤
形
フィルムコーティング錠
製 剤 の 規 制 区 分
劇薬、処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)
規
1 錠中にリバビリン 200mg 含有
一
格
・
般
含
量
名
製造販売承認年月日
薬価基準収載・発売年月日
開発・製造販売(輸入)
・提
携 ・ 販 売 会 社 名
和名:リバビリン(JAN)
洋名:Ribavirin(JAN)
製造販売承認年月日:2007 年 1 月 26 日
薬価基準収載年月日:2007 年 3 月 16 日
発 売 年 月 日:2007 年 3 月 16 日
製造販売元:中外製薬株式会社
医薬情報担当者の連絡先
中外製薬株式会社 医薬情報センター
TEL:0120-189706 FAX:0120-189705
問 い 合 わ せ 窓 口
医療関係者向けホームページ
http://www.chugai-pharm.co.jp
本IFは2015年7月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した。
最新の添付文書情報は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページ http://www.pmda.go.jp/
にてご確認ください。
IF利用の手引きの概要
-日本病院薬剤師会-
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯
医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書(以下、添付文書と略す)がある。医
療現場で医師・薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際には、
添付文書に記載された情報を裏付ける更に詳細な情報が必要な場合がある。
医療現場では、当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者等に情報の追加請求や質疑をして情
報を補完して対処してきている。この際に必要な情報を網羅的に入手するための情報リストとしてイ
ンタビューフォームが誕生した。
昭和 63 年に日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第2小委員会が「医薬品インタビューフ
ォーム」
(以下、IFと略す)の位置付け並びにIF記載様式を策定した。その後、医療従事者向け並
びに患者向け医薬品情報ニーズの変化を受けて、平成 10 年 9 月に日病薬学術第3小委員会においてI
F記載要領の改訂が行われた。
更に 10 年が経過し、医薬品情報の創り手である製薬企業、使い手である医療現場の薬剤師、双方に
とって薬事・医療環境は大きく変化したことを受けて、平成 20 年 9 月に日病薬医薬情報委員会におい
てIF記載要領 2008 が策定された。
IF記載要領 2008 では、IFを紙媒体の冊子として提供する方式から、PDF等の電磁的データと
して提供すること(e-IF)が原則となった。この変更にあわせて、添付文書において「効能・効果
の追加」
、
「警告・禁忌・重要な基本的注意の改訂」などの改訂があった場合に、改訂の根拠データを追
加した最新版のe-IFが提供されることとなった。
最新版のe-IFは、
(独)医薬品医療機器総合機構ホームページ(http://www.pmda.go.jp/)から一
括して入手可能となっている。日本病院薬剤師会では、e-IFを掲載する医薬品医療機器総合機構
ホームページが公的サイトであることに配慮して、薬価基準収載にあわせてe-IFの情報を検討す
る組織を設置して、個々のIFが添付文書を補完する適正使用情報として適切か審査・検討すること
とした。
2008 年より年4回のインタビューフォーム検討会を開催した中で指摘してきた事項を再評価し、製
薬企業にとっても、医師・薬剤師等にとっても、効率の良い情報源とすることを考えた。そこで今般、
IF記載要領の一部改訂を行いIF記載要領 2013 として公表する運びとなった。
2.IFとは
IFは「添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な、医薬品の品
質管理のための情報、処方設計のための情報、調剤のための情報、医薬品の適正使用のための情報、薬
学的な患者ケアのための情報等が集約された総合的な個別の医薬品解説書として、日病薬が記載要領
を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置
付けられる。
ただし、薬事法・製薬企業機密等に関わるもの、製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師自
らが評価・判断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはならない。言い換えると、製薬企業から提供
されたIFは、薬剤師自らが評価・判断・臨床適応するとともに、必要な補完をするものという認識を
持つことを前提としている。
[IFの様式]
①規格はA4版、横書きとし、原則として9ポイント以上の字体(図表は除く)で記載し、一色刷り
とする。ただし、添付文書で赤枠・赤字を用いた場合には、電子媒体ではこれに従うものとする。
②IF記載要領に基づき作成し、各項目名はゴシック体で記載する。
③表紙の記載は統一し、表紙に続けて日病薬作成の「IF利用の手引きの概要」の全文を記載するも
のとし、2 頁にまとめる。
[IFの作成]
①IFは原則として製剤の投与経路別(内用剤、注射剤、外用剤)に作成される。
②IFに記載する項目及び配列は日病薬が策定したIF記載要領に準拠する。
③添付文書の内容を補完するとのIFの主旨に沿って必要な情報が記載される。
④製薬企業の機密等に関するもの、製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師をはじめ医療従
事者自らが評価・判断・提供すべき事項については記載されない。
⑤「医薬品インタビューフォーム記載要領 2013」
(以下、
「IF記載要領 2013」と略す)により作成
されたIFは、電子媒体での提供を基本とし、必要に応じて薬剤師が電子媒体(PDF)から印刷
して使用する。企業での製本は必須ではない。
[IFの発行]
①「IF記載要領 2013」は、平成 25 年 10 月以降に承認された新医薬品から適用となる。
②上記以外の医薬品については、
「IF記載要領 2013」による作成・提供は強制されるものではない。
③使用上の注意の改訂、再審査結果又は再評価結果(臨床再評価)が公表された時点並びに適応症の
拡大等がなされ、記載すべき内容が大きく変わった場合にはIFが改訂される。
3.IFの利用にあたって
「IF記載要領 2013」においては、PDFファイルによる電子媒体での提供を基本としている。情
報を利用する薬剤師は、電子媒体から印刷して利用することが原則である。
電子媒体のIFについては、医薬品医療機器総合機構ホームページに掲載場所が設定されている。
製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従って作成・提供するが、IFの原点を
踏まえ、医療現場に不足している情報やIF作成時に記載し難い情報等については製薬企業のMR等
へのインタビューにより薬剤師等自らが内容を充実させ、IFの利用性を高める必要がある。また、随
時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては、IFが改訂されるまでの間は、当該医薬品の
製薬企業が提供する添付文書やお知らせ文書等、あるいは医薬品医療機器情報配信サービス等により
薬剤師等自らが整備するとともに、IFの使用にあたっては、最新の添付文書を医薬品医療機器総合
機構ホームページで確認する。
なお、適正使用や安全性の確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」に
関する項目等は承認事項に関わることがあり、その取扱いには十分留意すべきである。
4.利用に際しての留意点
IFを薬剤師等の日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用して頂きたい。
しかし、薬事法や医療用医薬品プロモーションコード等による規制により、製薬企業が医薬品情報と
して提供できる範囲には自ずと限界がある。IFは日病薬の記載要領を受けて、当該医薬品の製薬企
業が作成・提供するものであることから、記載・表現には制約を受けざるを得ないことを認識しておか
なければならない。
また製薬企業は、IFがあくまでも添付文書を補完する情報資材であり、インターネットでの公開
等も踏まえ、薬事法上の広告規制に抵触しないよう留意し作成されていることを理解して情報を活用
する必要がある。
(2013 年 4 月改訂)
目 次
Ⅰ.概要に関する項目
1.効能又は効果 ·································· 7
1.開発の経緯 ···································· 1
2.用法及び用量 ·································· 7
2.製品の治療学的・製剤学的特性 ········· 1
3.臨床成績 ······································ 10
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名 ·········································· 3
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物
2.一般名 ·········································· 3
群··············································· 18
3.構造式又は示性式 ··························· 3
2.薬理作用 ······································ 18
4.分子式及び分子量 ··························· 3
5.化学名(命名法) ··························· 3
Ⅶ.薬物動態に関する項目
6.慣用名、別名、略号、記号番号 ········· 3
1.血中濃度の推移・測定法 ················· 20
7.CAS登録番号 ······························ 3
2.薬物速度論的パラメータ ················· 22
3.吸収 ············································ 22
Ⅲ.有効成分に関する項目
4.分布 ············································ 22
1.物理化学的性質 ······························ 4
5.代謝 ············································ 23
2.有効成分の各種条件下における安定性· 4
6.排泄 ············································ 24
3.有効成分の確認試験法 ····················· 4
7.トランスポーターに関する情報 ········ 24
4.有効成分の定量法 ··························· 4
8.透析等による除去率 ······················· 24
Ⅳ.製剤に関する項目
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.剤形 ············································· 5
1.警告内容とその理由 ······················· 25
2.製剤の組成 ···································· 5
2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)
3.懸濁剤、乳剤の分散性に対する注意···· 5
·················································· 25
4.製剤の各種条件下における安定性 ······ 5
5.調製法及び溶解後の安定性 ··············· 5
6.他剤との配合変化(物理化学的変化)· 5
3.効能又は効果に関連する使用上の注意
とその理由 ··································· 27
4.用法及び用量に関連する使用上の注意
7.溶出性 ·········································· 6
とその理由 ··································· 27
8.生物学的試験法 ······························ 6
5.慎重投与内容とその理由 ················· 27
9.製剤中の有効成分の確認試験法 ········· 6
6.重要な基本的注意とその理由及び処置
10.製剤中の有効成分の定量法 ··············· 6
方法············································ 29
11.力価 ············································· 6
7.相互作用 ······································ 31
12.混入する可能性のある夾雑物 ············ 6
8.副作用 ········································· 32
13.注意が必要な容器・外観が特殊な容器
9.高齢者への投与 ····························· 47
に関する情報 ································· 6
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ········ 47
14.その他 ·········································· 6
11.小児等への投与 ····························· 48
12.臨床検査結果に及ぼす影響·············· 48
Ⅴ.治療に関する項目
13.過量投与 ····································· 48
14.適用上の注意 ································ 48
15.その他の注意 ································ 48
16.その他 ········································· 49
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.薬理試験 ······································ 50
2.毒性試験 ······································ 50
Ⅹ.管理的事項に関する項目
1.規制区分 ······································ 52
2.有効期間又は使用期限 ···················· 52
3.貯法・保存条件 ····························· 52
4.薬剤取扱い上の注意点 ···················· 52
5.承認条件等 ··································· 52
6.包装 ············································ 52
7.容器の材質 ··································· 52
8.同一成分・同効薬 ·························· 52
9.国際誕生年月日 ····························· 53
10.製造販売承認年月日及び承認番号 ····· 53
11.薬価基準収載年月日 ······················· 53
12.効能又は効果追加、用法及び用量変更
追加等の年月日及びその内容 ··········· 53
13.再審査結果、再評価結果公表年月日及
びその内容 ··································· 53
14.再審査期間 ··································· 53
15.投薬期間制限医薬品に関する情報 ····· 54
16.各種コード ··································· 54
17.保険給付上の注意 ·························· 54
ⅩⅠ.文献
1.引用文献 ······································ 55
2.その他の参考文献 ·························· 55
ⅩⅡ.参考資料
1.主な外国での発売状況 ···················· 56
2.海外における臨床支援情報 ·············· 56
ⅩⅢ.備考
その他の関連資料 ································ 58
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
リバビリンは、1972 年に合成されたヌクレオシドアナログの一種で、RNA 及び DNA ウイルスに
対して幅広い抗ウイルス活性を有することが知られている。海外では小児の RS ウイルス重症感
染症を適応症として 1986 年に米国で承認され、以後、インフルエンザウイルス、ラッサ熱ウイル
ス、麻疹ウイルス、HIV ウイルス等による種々の感染症の治療に用いられてきた。
C 型慢性肝炎に対しては、ALT(GPT)の一過性の改善が認められたものの、HCV-RNA 量の低
下や肝組織の改善を認めるには至らなかった。その後、IFNαとの併用が検討され、ウイルス学的
効果の上昇や肝線維化の進行を抑制する効果が認められた。さらに、ロシュ社によりコペガス錠
200mg(リバビリン:以下コペガス)とペガシス皮下注 180μg(PEG-IFN:以下ペガシス)との
併用による効果が検討され、C 型慢性肝炎及び代償性肝硬変を伴う C 型慢性肝炎におけるウイル
ス血症を適応として 2002 年 6 月に欧州、2002 年 12 月に米国で承認され、欧米のガイドライン
における世界標準的治療法として地位を確立した。
国内では、C 型慢性肝炎におけるウイルス血症に対するペガシス単独投与の第Ⅱ相臨床試験終了
後、コペガスとペガシスとの併用投与の第Ⅲ相臨床試験を実施し、ジェノタイプ 1b 型かつ高ウイ
ルス量の難治例に対して優れた効果が認められたことから、コペガスは厚生労働省の優先審査品
目に指定され、2007 年 1 月に承認された。また、C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
に対して実施された第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験の成績から、厚生労働省より優先審査品目に指定され、
2011 年 7 月に C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に対するペガシスとの併用療法の
効能追加が承認された。肝硬変の患者のウイルス血症に対して、ウイルス量やジェノタイプにか
かわらず、ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法が可能となった。さらに、2015 年 3 月
にジェノタイプ 2 の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に対するソ
ホスブビルとの併用療法の効能追加が承認された。
2013 年 9 月には「ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による以下の
いずれかの C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善[(1)セログループ 1(ジェノタイプⅠ
(1a)又はⅡ(1b)
)で HCV-RNA 量が高値の患者、
(2)インターフェロン単独療法で無効又は
インターフェロン単独療法後再燃した患者]
」の効能・効果につき、薬事法第 14 条第 2 項第 3 号
イからハまで(承認拒否事由)のいずれにも該当しないとの再審査結果を得た。
2.製品の治療学的・製剤学的特性
(1)ペガシスとの併用による C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善では、ジェノタイプ 1b
かつ高ウイルス量例や IFN 既治療例に対して優れた効果を示す。
(Ⅴ-3.臨床成績)
(2)ペガシスとの併用による C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善では、ジェノタイ
プやウイルス量にかかわらず優れた効果を示す。
(Ⅴ-3.臨床成績)
(3)ソホスブビルとの併用によるジェノタイプ 2 の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけ
るウイルス血症の改善では、経口薬のみの治療で優れた効果を示す
(Ⅴ-3.臨床成績)
(4)剤型は、長楕円形の錠剤である。
(Ⅳ-1.剤形)
1
(5)副作用(臨床検査値異常を含む)は、以下の通りである。
<ペガシスとの併用の場合>
C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:
国内第Ⅲ相臨床試験において、副作用(臨床検査値異常を含む)は、安全性評価の対象
となった 199 例全例に認められた。
主な副作用は、
発熱 146 件(73.4%)、注射部位反応 142 件(71.4%)、
けん怠感 138 件(69.3%)
等であった。副作用としての臨床検査値の異常は、白血球減少 184 件(92.5%)、好中球減
少 178 件(89.4%)、ヘモグロビン減少 169 件(84.9%)等であった。(承認時)
製造販売後調査等(特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)において、安全性評価の
対象となった 1210 例中、臨床検査値の異常を含む副作用が 953 例に認められた。主な
副作用は、そう痒症 188 件(15.5%)、けん怠感 172 件(14.2%)
、発熱 155 件(12.8%)
等であった。副作用としての臨床検査値の異常は、ヘモグロビン減少 383 件(31.7%)、
好中球減少 357 件(29.5%)、血小板減少 242 件(20.0%)等であった。
(再審査終了時)
C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善:
国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験において、副作用(臨床検査値異常を含む)は、安全性評価の対
象となった 61 例全例に認められた。
主な副作用は、けん怠感 45 件(73.8%)
、発熱 41 件(67.2%)、そう痒症 38 件(62.3%)
等であった。副作用としての臨床検査値の異常は、好中球減少 58 件(95.1%)、白血球
減少 54 件(88.5%)
、赤血球減少 48 件(78.7%)
、血小板減少 48 件(78.7%)等であっ
た。
(効能追加承認時)
重大な副作用として、貧血〔赤血球減少(250 万/μL 未満)
、ヘモグロビン減少(8g/dL 未
満)、ヘモグロビン減少(8 以上 9.5g/dL 未満)、ヘモグロビン減少(9.5 以上 11g/dL 未満)
〕、
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少(2,000/μL 未満)
、血小板減少(50,000/μL 未満)
、
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)
、再生不良性貧血、赤芽
球癆、間質性肺炎、肺浸潤、呼吸困難、うつ病、自殺念慮、自殺企図、躁状態、攻撃的行動、
肝炎の増悪、肝機能障害、自己免疫現象、心筋症、心不全、狭心症、不整脈(心室性頻脈等)、
心筋梗塞、心内膜炎、心膜炎、敗血症、脳出血、脳梗塞、肺塞栓症、意識障害、痙攣、てん
かん発作、見当識障害、昏睡、せん妄、錯乱、幻覚、認知症様症状(特に高齢者)
、糖尿病、
甲状腺機能異常、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、中毒性表皮壊死融解症
(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、多形紅斑、乾癬、急性腎不全、ネフローゼ症候群、
消化管出血(下血、血便等)、消化性潰瘍、虚血性大腸炎、ショック、網膜症が報告されて
いる。
<ソホスブビルとの併用の場合>
C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善:
国内第Ⅲ相臨床試験において、安全性評価の対象となった 140 例中 61 例(43.6%)に臨
床検査値異常を含む副作用が認められた。
主な副作用は、貧血又はヘモグロビン減少 21 例(15.0%)
、頭痛 7 例(5.0%)
、けん怠感
6 例(4.3%)
、悪心 6 例(4.3%)、そう痒症 6 例(4.3%)等であった。
(承認時)[ソバル
ディ錠 400mg 添付文書]
重大な副作用として、貧血が報告されている。
2
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
(1)和名
コペガス®錠 200mg
(2)洋名
COPEGUS® Tablet 200mg
(3)名称の由来
co-prescribed with PEGASYS:ペガシスとともに処方する薬剤
2.一般名
(1)和名(命名法)
リバビリン(JAN)
(2)洋名(命名法)
Ribavirin(JAN)
ribavirin(r-INN)
(3)ステム
抗ウイルス薬:vir
3.構造式又は示性式
O
H2N
HO
HO
N
N
O
N
OH
4.分子式及び分子量
分子式:C8H12N4O5
分子量:244.20
5.化学名(命名法)
1-β-D-Ribofuranosyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide (IUPAC)
6.慣用名、別名、略号、記号番号
記号番号:Ro20-9963
7.CAS登録番号
36791-04-5
3
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.物理化学的性質
(1)外観・性状
白色の粉末又は塊のある粉末である。
(2)溶解性
水に溶けやすく、メタノール及びエタノール(95)には溶けにくく、酢酸エチルにはほとんど溶け
ない。
(3)吸湿性
吸湿性は認められない。
(4)融点(分解点)
、沸点、凝固点
融点:166~168 ℃
(5)酸塩基解離定数
pKa=12.25
(6)分配係数
pH
5.0
7.0
9.0
分配係数(1-オクタノール/
水)
-2.36
-2.25
-2.10
(7)その他の主な示性値
旋光度 〔α〕20D -33.5~-37.0°(0.5g、水、50mL)
2.有効成分の各種条件下における安定性
試験名
長期保存試験
加速試験
苛
温度
酷
試 光
験
保存条件
25℃60%RH
金属容器中の
30℃75%RH
ポリエチレン袋
40℃75%RH
50℃
105℃
無包装
4305.6 lx
6
(総照度:9.3×10 lx・hr)
3.有効成分の確認試験法
赤外吸収スペクトル測定法による。
4.有効成分の定量法
液体クロマトグラフィーによる。
4
保存期間
36 カ月
36 カ月
6 カ月
1 カ月
14 日
3 カ月
結果
経時的変化は認められ
ず安定であった。
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤形
(1)剤形の区別、外観及び性状
外形
色・剤形
淡赤色のフィルム
コーティング錠
平面
RIB
200
側面
C H E
R O
長径
短径
厚さ
平均重量
約
12.5mm
約 6.7mm
約 4.9mm
約 364mg
(2)製剤の物性
日局一般試験法の製剤均一性試験法 質量偏差試験法により試験を行うとき、これに適合する。
(3)識別コード
RIB 200(錠剤上面)
、ROCHE(錠剤下面)
(4)pH、浸透圧比、粘度、比重、無菌の旨及び安定な pH 域等
該当資料なし
2.製剤の組成
(1)有効成分(活性成分)の含量
1錠中にリバビリン 200mg を含有する。
(2)添加物
アルファー化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、結晶セルロース、トウモロコシデン
プン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三
二酸化鉄、エチルセルロース、セタノール、ラウリル硫酸ナトリウム、トリアセチン
(3)その他
該当しない
3.懸濁剤、乳剤の分散性に対する注意
該当しない
4.製剤の各種条件下における安定性
試験名
長期保存試験
加速試験
苛
酷
試
験
温度
光
保存条件
25℃60%RH
ポリプロピレン製
PTP/アルミピロー
40℃75%RH
50℃
105℃
無包装
総照度:1.2×106 lx・hr
総近紫外放射エネルギ
ー:200W・h/m2 以上
5.調製法及び溶解後の安定性
該当しない
6.他剤との配合変化(物理化学的変化)
該当資料なし
5
保存期間
60 カ月
6 カ月
1 カ月
14 日
―
結果
経時的変化は認められず
安定であった。
7.溶出性
日局試験法「溶出試験法パドル法」
(回転数:50rpm、試験液:水)により試験を行うとき、30 分
後に 85%以上溶出した
8.生物学的試験法
該当しない
9.製剤中の有効成分の確認試験法
赤外吸収スペクトル測定法による。
10.製剤中の有効成分の定量法
液体クロマトグラフィーによる。
11.力価
該当しない
12.混入する可能性のある夾雑物
原薬由来の主な夾雑物として 1,2,4-Triazole-3-carboxamide、Ribose triazole carboxylic acid がわ
ずかに認められることがある。
13.注意が必要な容器・外観が特殊な容器に関する情報
該当しない
14.その他
該当しない
6
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果
1.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による以下のいずれかの C 型
慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
(1)セログループ 1(ジェノタイプⅠ(1a)又はⅡ(1b)
)で HCV-RNA 量が高値の患者
(2)インターフェロン単独療法で無効又はインターフェロン単独療法後再燃した患者
2.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による C 型代償性肝硬変にお
けるウイルス血症の改善
3.ソホスブビルとの併用によるセログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎又は C 型代
償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
<効能・効果に関連する使用上の注意>
(1)本剤はペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又はソホスブビルとの併用
療法で使用すること。C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変に対する本剤の単独療法は無
効である。
(2)C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善への本剤の併用にあた
っては、HCV-RNA が陽性であること、及び組織像又は肝予備能、血小板数などにより、
慢性肝炎又は代償性肝硬変であることを確認すること。
(解説)
(1)臨床試験において、本剤の単独治療は効果が認められていないため、本剤は単独で使用せ
ず、ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)
〔以後 PEG-IFN〕又はソホスブ
ビルと併用すること。
(2)PEG-IFN 又はソホスブビルと、本剤による治療にあたっては、C 型慢性肝炎又は C 型代
償性肝硬変であることを必ず確認する必要がある。
2.用法及び用量
ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又はソホスブビルと併用すること。
通常、成人には、下記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。
本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行うこと。
体重
1 日投与量
朝食後
夕食後
60kg 以下
600mg
200mg
400mg
60kg を超え 80kg 以下
800mg
400mg
400mg
80kg を超える
1,000mg
400mg
600mg
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)は、C 型慢性肝炎においては、通常、
成人には 1 回 180μg を、C 型代償性肝硬変においては、通常、成人には 1 回 90μg を週 1
回、皮下に投与する。
2.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による C 型慢性肝炎及び C 型
代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善への本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程
度を考慮しながら慎重に決定するが、投与 24 週で効果が認められない場合には投与の中止
を考慮すること。
3.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による臨床試験の結果より、
投与中止例では有効率が低下するため、減量・休薬などの処置により、可能な限り 48 週間
投与することが望ましい。ただし、C 型慢性肝炎において、セログループ 1(ジェノタイプ
Ⅰ(1a)又はⅡ(1b)
)で HCV-RNA 量が高値の患者以外に対しては、患者の状態や治療へ
の反応性に応じて 24 週間で投与終了するなど投与期間の短縮も考慮すること。
7
4.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)と併用する場合、本剤の投与は、下表
の臨床検査値を確認してから開始すること。
C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
投与前値
検査項目
白血球数
3,000/μL 以上
好中球数
1,500/μL 以上
血小板数
90,000/μL 以上
ヘモグロビン量
12g/dL 以上
C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
投与前値
検査項目
白血球数
3,000/μL 以上
好中球数
1,500/μL 以上
血小板数
75,000/μL 以上
ヘモグロビン量
12g/dL 以上
5.ソホスブビルと併用する場合の投与開始時の臨床検査値基準、投与期間、ソホスブビルの用
法・用量は、ソホスブビルの添付文書を確認すること。
6.本剤投与中は、定期的に血液学的検査を実施し、好中球数、血小板数、ヘモグロビン量の減
少が発現した場合には、下表を参考にして用量を調整すること。
なお、投与を再開する場合には、臨床検査値が下表の中止基準を上回ったことを確認するこ
と。また、血小板数の減少による投与中止後の本剤の再開は、下表を参考にすること。
C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
検査項目
数値
好中球数
750/μL 未満
500/μL 未満
血小板数
50,000/μL 未満
リバビリン
変更なし
中止
中止
25,000/μL 未満
ヘモグロビン量
(心疾患又はその
既往なし)
ヘモグロビン量
(心疾患又はその
既往あり)
中止(再開不可)
減量
600mg/日 →400mg/日
10g/dL 未満
800mg/日 →600mg/日
1,000mg/日→600mg/日
8.5g/dL 未満
中止
10g/dL 未満、
減量
又は投与中、投与前値に比べ 600mg/日 →400mg/日
2g/dL 以上の減少が 4 週間持 800mg/日 →600mg/日
1,000mg/日→600mg/日
続
8.5g/dL 未満、
又は減量後、4 週間経過して
中止
も 12g/dL 未満
8
ペグインターフェロン
アルファ-2a(遺伝子組換え)
90μg に減量
中止
中止(50,000/μL 以上に回
復後 90μg で再開可)
中止(再開不可)
変更なし
中止
変更なし
中止
C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
検査項目
数値
リバビリン
好中球数
1,000/μL 未満
750/μL 未満
500/μL 未満
変更なし
変更なし
中止
血小板数
50,000/μL 未満
中止
35,000/μL 未満
中止
25,000/μL 未満
ヘモグロビン量
(心疾患又はその
既往なし)
ヘモグロビン量
(心疾患又はその
既往あり)
中止(再開不可)
減量
投与開始 1~4 週時 11g/dL
600mg/日 →200mg/日
未満
800mg/日 →400mg/日
1,000mg/日→400mg/日
減量
投与開始 5~48 週時 10g/dL 600mg/日 →200mg/日
未満
800mg/日 →400mg/日
1,000mg/日→400mg/日
8.5g/dL 未満
中止
投与開始 1~4 週時
減量
11g/dL 未満、
600mg/日 →200mg/日
又は投与中、投与前値に比べ 800mg/日 →400mg/日
2g/dL 以上の減少が 4 週間持 1,000mg/日→400mg/日
続
投与開始 5~48 週時
減量
10g/dL 未満、
600mg/日 →200mg/日
又は投与中、投与前値に比べ 800mg/日 →400mg/日
2g/dL 以上の減少が 4 週間持 1,000mg/日→400mg/日
続
8.5g/dL 未満、
又は減量後、4 週間経過して
中止
も 12g/dL 未満
ペグインターフェロン
アルファ-2a(遺伝子組換え)
45μg に減量
22.5μg に減量
中止
中止(50,000/μL 以上に回
復後 45μg で再開可)
中止(50,000/μL 以上に回
復後 22.5μg で再開可)
中止(再開不可)
変更なし
変更なし
中止
変更なし
変更なし
中止
(解説)
1.本剤と併用する PEG-IFN は、C 型慢性肝炎においては、通常、成人には 1 回 180μg を、
C 型代償性肝硬変においては、通常、成人には 1 回 90μg を週 1 回投与する。併用時には
必ず、PEG-IFN の添付文書を確認すること。
2.C 型慢性肝炎患者に対する PEG-IFN と本剤との併用による国内第Ⅲ相臨床試験及び C 型
代償性肝硬変に対する PEG-IFN と本剤との併用による国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験において投
与 24 週間以降に初めて HCV-RNA の陰性化が認められた症例では、最終的にウイルス学的
効果が認められなかったことから設定した。
3.本剤と PEG-IFN 併用において、C 型慢性肝炎患者に対しては、本剤又は PEG-IFN の休薬・
減量によるウイルス学的効果への影響は認められなかったが、C 型代償性肝硬変患者に対し
ては、休薬・減量によって服薬率が悪化するとウイルス学的効果の低下傾向が認められた。
なお、C 型慢性肝炎患者、C 型代償性肝硬変患者ともに投与を中止した症例においてウイル
ス学的効果の低下が認められた。減量、休薬などの処置により可能な限り 48 週間投与を行
うこと。また、C 型慢性肝炎で「ジェノタイプ 1 かつ高ウイルス量」以外の患者においては、
国内ガイドラインにおいてリバビリン併用療法として 24~48 週間の投与が推奨されている。
さらに、日本肝臓学会コンセンサスミーティングにて推奨されているように、IFN 既治療例
の投与期間については、ジェノタイプと HCV-RNA 量に従った治療方針に加えて、個々の
症例における抗ウイルス療法に対する反応性を考慮に入れて最終的に治療期間が決定され
るべきであるとされている。したがって、「ジェノタイプ 1 かつ高ウイルス量」以外の患者
9
においては、患者の状態や過去の IFN 治療効果、再投与における早期反応性に基づき、PEGIFN と本剤の併用療法を 24 週間で終了することも考慮に入れる必要がある。
4.重度の副作用の発現を防ぐため、PEG-IFN と本剤による治療を開始する前に注意すべき臨
床検査値について記載した。国内又は国外の臨床試験における除外基準として設定された検
査値である。この基準値に満たない患者における有効性・安全性は調べられていない。
PEG-IFN と本剤による治療を開始する前に必ず臨床検査を実施し、これらの基準を満たし
ていることを確認してから投与を開始する必要がある。
なお、血小板については、C 型慢性肝炎の患者に比較し、C 型代償性肝炎の患者で低値であ
ることから、基準値を低く設定している。
5.ソホスブビルと併用する場合の投与開始時の臨床検査値基準、投与期間及びソホスブビルの
用法・用量については、ソホスブビルの添付文書を十分確認すること。
6.C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変の治療中に好中球数、血小板数、ヘモグロビン量が中止
基準に至った場合には、投与を中止すること。投与の再開は、それぞれの適応症に対して、
好中球数、血小板数、ヘモグロビン量が中止基準値を超えたことを確認してから行うこと。
3.臨床成績
(1)臨床データパッケージ
「ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による C 型慢性肝炎における
ウイルス血症の改善」は 2009 年 3 月以前の承認であるため該当しない。
「ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による C 型代償性肝硬変にお
けるウイルス血症の改善」の臨床データパッケージ(評価資料)
試験名
(試験 No.)
投与方法
投与
投与
投与経路
期間
例数
PEG-IFN:90、180μg
無作為化
国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験
並行群間
週 1 回皮下投与
48 週
157
(JV19595)
多施設共同
リバビリン:600、800、1,000mg
部分盲検
1 日 2 回食後経口投与
PEG-IFN: 180μg
国内一般臨床試験
多施設共同
週 1 回皮下投与
48 週
25
(JV19889)
オープン試験
リバビリン:600、800、1,000mg
1 日 2 回食後経口投与
注)C 型代償性肝硬変において、PEG-IFN 180μg の用量は承認を取得していない。本効能において承認された
用法・用量は 1 回 90μg を週 1 回皮下投与である。
試験デザイン
「ソホスブビルとの併用によるセログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎又は C 型代
償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」はギリアド・サイエンシズ社により実施されたソホ
スブビルの国内第Ⅲ相臨床試験の結果による承認であるため該当しない。
(2)臨床効果
<ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用での成績>
C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
ジェノタイプ 1b でインターフェロン未治療の C 型慢性肝炎患者を対象に、本剤と PEG-IFN の
48 週間併用投与群と PEG-IFN 48 週間単独投与群の比較試験 1)を実施した。その結果、高ウイ
ルス量(血中 HCV-RNA 100KIU/mL 以上)症例に対する投与終了後 24 週時の HCV-RNA 陰
性化率(ウイルス学的効果)は、PEG-IFN 単独投与群で 24.0%(23/96)であったのに対し、
本剤と PEG-IFN 併用投与群で 59.4%(57/96)と有意に高いウイルス学的効果が認められた。
10
ジェノタイプ 1b の初回治療例に対するウイルス学的効果
リバビリン+ PEG-IFN 併用群注 1)
PEG-IFN 単独群注 2)
ウイルス量
≧100KIU/mL
59.4%(57/96)
24.0%(23/96)
注1)本剤 600~1,000mg/日×48 週間+PEG-IFN 180μg 週 1 回×48 週間
注2)PEG-IFN 180μg 週 1 回×48 週間
また、インターフェロン既治療の C 型慢性肝炎患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験 1)において、
本剤と PEG-IFN の 48 週間併用投与を行った場合のウイルス学的効果は、全体で 54.0%
(54/100)
、無効例で 47.5%(19/40)及び再燃例で 58.3%(35/60)であった。一方、インター
フェロン既治療で「セログループ 1 かつ高ウイルス量」以外の C 型慢性肝炎患者を対象とした
製造販売後臨床試験 2)において、本剤と PEG-IFN の 24 週間併用投与を行った場合のウイルス
学的効果は、全体で 69. 4%(25/36)であった。
再治療例に対するウイルス学的効果
リバビリン+PEG-IFN
48 週間併用投与 1)、注1)
24 週間併用投与 2)、注2)
全体
無効例
再燃例
100%
100%
-
-
1a
<100KIU/mL
(1/1)
(1/1)
50. 6%
51. 4%
50. 0%
0%注3)
≧100KIU/mL
(41/81)
(18/35)
(23/46)
(0/1)
1b
66. 7%
0%
100%
0%
<100KIU/mL
(2/3)
(0/1)
(2/2)
(0/1)
57. 1%
0%
80. 0%
78.6%
≧100KIU/mL
(4/7)
(0/2)
(4/5)
(11/14)
100%
100%
66.7%
-
2a
<100KIU/mL
(2/2)
(2/2)
(2/3)
100%
不明
-
-
-
(1/1)
66. 7%
50. 0%
75. 0%
64.3%
≧100KIU/mL
2b
(4/6)
(1/2)
(3/4)
(9/14)
100%
≧100KIU/mL
-
-
-
(1/1)
不明
100%
-
-
-
<100KIU/mL
(1/1)
54. 0%
47. 5%
58. 3%
69.4%
合計
(54/100)
(19/40)
(35/60)
(25/36)
注1)本剤 600~1,000mg/日×48 週間+PEG-IFN 180μg 週 1 回×48 週間
注2)本剤 600~1, 000mg/日×24 週間+PEG-IFN 180μg 週 1 回×24 週間
注3)登録時は低ウイルス量(<100KIU/mL)であった症例
1)社内資料:第Ⅲ相臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV15725)
2)社内資料:製造販売後臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV21134)
ジェノ
タイプ
ウイルス量
C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善 3)
C 型代償性肝硬変患者に対する観察群を対照とした国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験において、PEG-IFN
90μg 又は 180μg 注)とリバビリンの 48 週間併用投与におけるウイルス学的効果は、それぞれ
17/61(27.9%)、17/63 (27.0%)であった。
11
48 週間併用投与におけるウイルス学的効果
第Ⅱ/Ⅲ相試験
ジェノタイプ
ウイルス量
注)
90μg 群
180μg 群注)
11/50(22.0%)
1a、1b
≧100KIU/mL
8/45(17.8%)
9/46 (19.6%)
≧500KIU/mL
6/40(15.0%)
2/4 (50.0%)
100~500KIU/mL
2/5(40.0%)
<100KIU/mL
2/3(66.7%)
2/3(66.7%)
13/53 (24.5%)
合計
10/48(20.8%)
2a、2b
≧100KIU/mL
2/7(28.6%)
5/11(45.5%)
1/6(16.7%)
≧500KIU/mL
1/6(16.7%)
1/1(100.0%)
100~500KIU/mL
4/5(80.0%)
<100KIU/mL
1/1(100%)
2/3(66.7%)
合計
6/12(50.0%)
4/10 (40.0%)
−
不明
≧500KIU/mL
1/1(100%)
17/63(27.0%)
合計
17/61(27.9%)
注) C 型代償性肝硬変において、PEG-IFN 180μg の用量は承認を取得していない。本効能に
おいて承認された用法・用量は 1 回 PEG-IFN 90μg を週 1 回皮下投与である。
3)社内資料:第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV19595)
<ソホスブビルとの併用での成績>4)
未治療又は前治療のあるジェノタイプ 2 の C 型慢性肝炎患者又は C 型代償性肝硬変患者 140 例
を対象として、本剤とソホスブビルの併用(12 週間投与)による国内第Ⅲ相臨床試験(非盲検
非対照試験)が実施された。主要評価項目は、投与終了から 12 週間後の HCV RNA 量が定量
下限値未満の割合(SVR12 率)で、SVR12 率は 96.4%(135/140 例)であり、未治療の患者の
SVR12 率は 97.6%(81/83 例)
、前治療のある患者の SVR12 率は 94.7%(54/57 例)であった。
部分集団における SVR12 率を下表に示す。
部分集団における投与終了後 12 週の SVR(SVR12 率)
部分集団別
SVR12 率
97.6% (81/83 例)
全体
97.3% (73/75 例)
なし
代償性肝硬変注)
あり
100% (8/8 例)
65 歳未満
98.6% (68/69 例)
年齢
未治療患者
65 歳以上
92.9% (13/14 例)
97.2% (69/71 例)
適格
IFN 適格性
不適格
100% (5/5 例)
IFN 望まず
100% (7/7 例)
94.7% (54/57 例)
全体
なし
96.0% (48/50 例)
代償性肝硬変注)
あり
85.7% (6/7 例)
65 歳未満
94.9% (37/39 例)
前治療のある
年齢
患者
65 歳以上
94.4% (17/18 例)
無効
100% (13/13 例)
前治療に対する
反応性
再燃/ブレイクスルー
92.7% (38/41 例)
IFN 不耐容
100% (3/3 例)
注)肝硬変の判定基準には、肝生検又は Fibroscan の結果(> 12.5 kPa)が用いられている。
投与対象
4)ソバルディ錠 400mg 添付文書
12
(3)臨床薬理試験 5)
健康成人男子の日本人(24 例)及び白人(24 例)を対象にして、本剤 200、600、800、
1000mg 注)を日本人、白人、それぞれ6例ずつに単回経口投与した。
日本人 24 例において、有害事象は 4 例(16.7%)9 件に認められ、投与量別では 800mg 群で 6
例中 3 例(50%)に 8 件、1,000mg 群で 6 例中 1 例(16.7%)に 1 件に認められた。
白人 24 例においては、有害事象は 7 例(29.2%)10 件に認められ、投与量群別では 200mg 群
は 6 例中 2 例(33.3%)に 2 件、600mg 群は 6 例中 2 例(33.3%)に 2 件、800mg 群は 6 例中
1 例(16.7%)に 1 件、1,000mg 群では 6 例中 2 例(33.3%)に 5 件認められた。
本試験中に有害事象による死亡例、重篤な有害事象及び有害事象による試験中止例も認められ
ず、有害事象の発生率及び重症度に人種間の明らかな差は認められなかった。
日本人では、副作用は 1 例 1 件(4.2%)に認められ、800mg 群の水様便であった。白人では、
副作用は 3 例 3 件(12.5%)に認められ、投与量別では 600mg 群では 1 例 1 件(頭痛)、800mg
群では 1 例 1 件(頭痛)
、1,000mg 群では 1 例 1 件(C-反応性蛋白増加)が認められた。これ
らの副作用の重症度はすべて「軽度」であり、処置なしですべて回復した。
以上の結果から、本剤の 1,000mg 単回経口投与時までの忍容性が確認された。
注)本剤の承認された 1 回用量は、200~600mg である。
5)社内資料:第Ⅰ相臨床試験(国内:JP18500)
(4)探索的試験
該当資料なし
(5)検証的試験
1)無作為化並行用量反応試験
該当資料なし
2)比較試験
<C 型慢性肝炎患者に対する PEG-IFN との併用での成績>1)
ジェノタイプ 1b でインターフェロン未治療の C 型慢性肝炎患者を対象に、本剤(体重に応じ
て 600~1,000mg/日)と PEG-IFN(180μg/週)の 48 週間併用投与群と PEG-IFN(180μ
g/週)48 週間単独投与群の比較試験を実施した。その結果、高ウイルス量(血中 HCV-RNA
100KIU/mL 以上)症例に対する投与終了後 24 週時の HCV-RNA 陰性化率(ウイルス学的効
果)は、PEG-IFN 単独投与群で 24.0%(23/96)であったのに対し、本剤と PEG-IFN 併用
投与群で 59.4%(57/96)と有意に高いウイルス学的効果が認められた。
(P<0.001、CochranMantel-Haenszel 検定)
(
「3.(2)臨床効果」の項参照)
有害事象は、
PEG-IFN 単独投与群及び PEG-IFN と本剤併用投与群の全例に発現した。なお、
発現した有害事象の種類は、両群でほぼ同様であった。発現頻度の高かった有害事象(いずれ
かの群で 30%以上の発現率)は、インフルエンザ様症状(発熱・けん怠感・頭痛・関節痛)
、
皮膚症状(脱毛・そう痒症)
、咳嗽、不眠症、背部痛、食欲減退、鼻咽頭炎、咽喉頭疼痛及び
下痢であった。また主な臨床検査値異常(いずれかの群で 30%以上の発現率)は、白血球減
少、好中球減少、リンパ球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、赤血
球減少、トリグリセライド上昇及び AST(GOT)上昇であった。
PEG-IFN 単独投与群に比し PEG-IFN と本剤併用群で 10%以上発現率が高かった有害事象
は、皮膚症状(湿疹・全身そう痒症・発疹・紅斑・皮膚乾燥)
、疲労及び味覚異常等の自覚症
状、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、リンパ球減少及び総ビリルビン上
昇の臨床検査値異常であった。これらはリバビリンに特有の有害事象であると考えられるが、
従来リバビリン投与により発現することが知られている事象であり、休薬・減量等の処置で
コントロール可能であった。しかしながら本剤併用で特に発現率が高かったヘモグロビン減
少、血小板減少及びヘマトクリット減少については十分な注意が必要であると考えられた。
また、有害事象による投与中止率は、PEG-IFN 単独群で 14.9%(15/101 例)
、PEG-IFN と
本剤併用群で 12.1%(12/99 例)と本剤併用による中止率の増加は認められなかった。しかし
ながら、中止理由の内訳において、PEG-IFN 単独群で自覚症状による中止が多かった一方、
13
PEG-IFN と本剤併用群では臨床検査値(主にヘモグロビン減少)による中止が多かった。
さらに、重篤な有害事象の発現率は PEG-IFN 単独群で 12.9%(13/101 例)
、PEG-IFN と本
剤併用で 12.1%(12/99 例)と、本剤併用による重篤な有害事象発現率の増加は認められなか
った。
1)社内資料:第Ⅲ相臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV15725)
<C 型代償性肝硬変患者に対する PEG-IFN との併用での成績>3)
C 型代償性肝硬変患者 157 例を対象に抗ウイルス療法無治療群(観察群)
、PEG-IFN 90μg
週 1 回と本剤併用群※)
(90μg 群)及び PEG-IFN 180μg 週 1 回と本剤併用群※)
(180μg 群)
における 48 週投与による無作為化部分盲検並行群間比較試験が実施された。本試験では観察
群の目標症例数を試験途中で変更したため、観察群の登録締切までに登録された前期登録例
と全登録期間で集積された通期登録例の 2 つの解析集団にわけられた。観察群に対する有効
性は前期登録例で、90μg 群と 180μg 群の有効性は通期登録例で比較した。
有効性について、主要評価項目である前期登録例における「投与終了後 24 週時のウイルス学
的効果(HCV-RNA 陰性化)
」は、90μg 群 27.3%(9/33 例)
、180μg 群 23.3%(7/30 例)及
び観察群 0%(0/33 例)であった。観察群に対する 90μg 群及び 180μg 群の Fisher Exact
検定における P 値はそれぞれ 0.0021 及び 0.0037 であり、両群とも有意に高いウイルス学的
効果を示した。また、通期登録例における「投与終了後 24 週時のウイルス学的効果(HCVRNA 陰性化)
」は、90μg 群 27.9%(17/61 例)及び 180μg 群 27.0%(17/63 例)であった。
安全性について 90μg 群及び 180μg 群ともに全例に有害事象が認められ、
観察群では 87.9%
(29/33 例)に認められた。いずれかの投与群で発現率が 20%以上の因果関係が否定できな
い有害事象は、好中球数減少(90μg 群、180μg 群:95.1%、96.8% 以下同様)
、白血球数
減少(88.5%、90.5%)
、へモグロビン減少(77.0%、85.7%)、赤血球数減少(78.7%、84.1%)
、
血小板数減少(78.7%、77.8%)
、ヘマトクリット減少(60.7%、68.3%)、リンパ球数減少(44.3%、
60.3%)
、γ-GTP 増加(18.0%、34.9%)
、AST(GOT)増加(13.1%、36.5%)
、ALT(GPT)増
加(13.1%、34.9%)
、体重減少(3.3%、20.6%)
、発熱(67.2%、92.1%)
、けん怠感(73.8%、
73.0%)
、注射部位そう痒感(16.4%、22.2%)
、熱感(14.8%、23.8%)
、注射部位紅斑(11.5%、
22.2%)
、そう痒症(44.3%、41.3%)
、発疹(32.8%、28.6%)
、脱毛症(24.6%、22.2%)、全
身性そう痒症(23.0%、19.0%)
、悪心(16.4%、20.6%)、頭痛(44.3%、49.2%)
、関節痛(34.4%、
31.7%)
、咳嗽(16.4%、25.4%)
、不眠症(31.1%、27.0%)
、食欲不振(18.0%、22.2%)であ
った。これらの内、180μg 群で 90μg 群より 10%以上高い因果関係が否定できない有害事象
はリンパ球数減少、γ-GTP 増加、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、体重減少、発熱、注射
部位紅斑、悪寒(4.9%、15.9%)
、口唇炎(0%、11.1%)であった。
※)患者の体重によりリバビリン 600mg/日、800mg/日又は 1,000mg/日を 1 日 2 回投与
注)C 型慢性肝炎において承認された PEG-IFN の用法・用量は 1 回 180μg を週 1 回皮下投与であり、C 型代
償性肝硬変において承認された PEG-IFN の用法・用量は 1 回 90μg を週 1 回皮下投与である。
3)社内資料:第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV19595)
3)安全性試験
該当資料なし
4)患者・病態別試験
該当資料なし
(6)治療的使用
1)使用成績調査・特定使用成績調査(特別調査)
・製造販売後臨床試験(市販後臨床試験)
①特定使用成績調査
<C 型慢性肝炎患者(セログループ 1 で高ウイルス量)に対する PEG-IFN との併用での成績>
本調査は、リバビリン/PEG-IFN 併用において、使用実態下での有害事象の発生状況を把握す
14
るとともに、未知の副作用の検出、安全性に影響を与える要因及び有効性に影響を与える要因
を把握することを目的として、
「セログループ 1 で HCV-RNA 量が高値の C 型慢性肝炎」を対
象症例として、2007 年 3 月~2010 年 9 月まで実施した。
安全性:
安全性解析対象症例 1056 例における副作用発現症例率は 78.03%(824 例)であり、発現件
数は 2467 件であった。
発現した主な副作用(発現率 5%以上)の種類は、
「ヘモグロビン減少」が 29.26%(309 例)、
「好中球数減少」が 23.77%(251 例)
、
「貧血」が 21.21%(224 例)、
「血小板数減少」が 16.86%
(178 例)
、
「そう痒症」が 12.50%(132 例)、
「けん怠感」が 10.98%(116 例)、
「白血球数減
少」が 8.43%(89 例)
、
「発熱」が 8.33%(88 例)、
「不眠症」が 6.34%(67 例)、「発疹」が
5.30%(56 例)であった。
有効性:
有効性集計対象症例 741 例において、投与終了後 24 週時の HCV-RNA 陰性化(sustained
virological response:以下、SVR)率は 44.92%(296/659 例)、投与終了後 24 週時の ALT
正常化率は 80.50%(454/ 564 例)であった。
<C 型慢性肝炎患者(
「セログループ 1 で高ウイルス量」以外)に対する PEG-IFN との併用での成
績>
リバビリン/PEG-IFN 併用において、使用実態下での有害事象の発生状況を把握するとともに、
未知の副作用の検出、安全性に影響を与える要因及び有効性に影響を与える要因を把握するこ
とを目的として、
「セログループ 1 で HCV-RNA 量が高値以外のインターフェロン単独療法で無効
又はインターフェロン単独療法後再燃した C 型慢性肝炎」を対象症例として、2007 年 3 月~2010
年 9 月まで実施した。
安全性:
安全性解析対象症例 71 例における副作用発現症例率は 64.79%(46 例)、発現件数は 142 件
であった。
発現した主な副作用(発現率 5%以上)の種類は、
「ヘモグロビン減少」が 21.13%(15 例)
、
「血小板数減少」が 16.90%(12 例)、
「好中球数減少」が 14.08%(10 例)、
「貧血」が 12.68%
(9 例)
、
「白血球数減少」が 5.63%(4 例)であった。
有効性:
有効性集計対象症例 33 例において、SVR 率は 73.91 %(17/ 23 例)
、投与終了後 24 週時の
ALT 正常化率は 95.65 %(22/23 例)であった。
②製造販売後臨床試験
「Ⅶ-3-(6)-2) 承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要」の項参照
2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要
コペガス錠の製造販売承認時(2007 年 1 月)に次の承認条件が付された。
「ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用療法について、体重による用
量区分区切りを変更した際の有効性及び安全性を確認するための製造販売後臨床試験を実施
し、結果を速やかに報告すること。
」
この承認条件に基づき以下に示す製造販売後臨床試験①が実施され、また、コペガス錠承認時
の指示事項に基づき製造販売後臨床試験②が実施された。
①コペガス錠の承認条件試験(体重 50 kg 以下で「セログループ 1 かつ高ウイルス量」の C 型慢
性肝炎を対象とした一般臨床試験)
体重 50 kg 以下の低体重患者のリバビリン初期用量の妥当性について検討することが目的であ
15
ることから、体重 50 kg 以下で「セログループ 1(ジェノタイプ 1a 又は 1b)かつ高ウイルス
量」の C 型慢性肝炎の患者に対して、リバビリン の初期用量を 400 mg/日とした場合のリバビ
リン/PEG-IFN 併用 48 週間投与を行った有効性及び安全性の結果と国内第 ΙΙΙ 相臨床試験
(JV15725)の該当体重層(リバビリンの初期用量:600 mg/日)の有効性及び安全性の結果を
比較検討した。
試験デザイン:中央登録方式による多施設共同オープン試験
対象疾患:体重 50 kg 以下で「セログループ 1 かつ高ウイルス量」の C 型慢性肝炎患者
目標症例数:47 例
投与期間:48 週(追跡期間 24 週)
主要評価項目:投与終了後 24 週時のウイルス学的効果(HCV-RNA 陰性化)
試験期間:2008 年 4 月~2011 年 2 月
有効性:
有効性の解析は、本試験の有効性解析対象集団 47 例と国内第 ΙΙΙ 相臨床試験(JV15725)の体
重 50 kg 以下でセログループ 1 かつ高ウイルス量の該当体重層(リバビリン初期用量:600 mg/
日)有効性解析対象集団 11 例(以下、JV15725)との比較検討を行った。
主要評価項目である「投与終了後 24 週時のウイルス学的効果(HCV-RNA 陰性化)」は、本
試験では 29.8%(14/47 例)
「95%信頼区間は 17.3~44.9%」であり、JV15725 では 45.5%(5/11
例)
「95%信頼区間は 16.7~76.6%」であった。主要評価項目について本試験の期待有効率(SVR
率)は 56%、臨床的に許容できる SVR 率の目安は 40%と設定したが、本試験の「投与終了後
24 週時のウイルス学的効果」は 29.8%とこのいずれよりも低かった。
安全性:
安全性の解析は、本試験の安全性解析対象集団 47 例と国内第 ΙΙΙ 相臨床試験(JV15725)の体
重 50 kg 以下でセログループ 1 かつ高ウイルス量の該当体重層(リバビリン初期用量:600 mg/
日)安全性解析対象集団 11 例との比較検討を行った。有害事象の判定は主治医が行った。
安全性解析対象症例 47 例における有害事象の発現率及び因果関係が否定できない有害事象の
発現率は、いずれも 100%であった。
②ペガシス皮下注/コペガス錠の指示事項に基づく試験(IFN 既治療で「セログループ 1 かつ高ウイ
ルス量」以外の C 型慢性肝炎を対象とした一般臨床試験)2)
IFN 既治療で「セログループ 1 かつ高ウイルス量」以外の C 型慢性肝炎患者を対象として、リ
バビリン/PEG-IFN 併用 24 週間投与による有効性及び安全性を確認することを目的として実
施し、リバビリン/PEG-IFN 併用 48 週間投与による IFN 既治療で「セログループ 1 かつ高
ウイルス量」以外の C 型慢性肝炎患者に対する国内第 ΙΙΙ 相臨床試験(JV15725)の有効性及
び安全性とレトロスペクティブに比較検討した。
試験デザイン:中央登録方式による多施設共同オープン試験
対象疾患:IFN 既治療で「セログループ 1 かつ高ウイルス量」以外の C 型慢性肝炎患者
目標症例数:30 例
投与期間:24 週(追跡期間 24 週)
主要評価項目:投与終了後 24 週時のウイルス学的効果(HCV-RNA 陰性化)
試験期間:2008 年 2 月~2010 年 8 月
有効性:
有効性の解析は、本試験(24 週間投与群)の有効性解析対象集団 36 例と国内第 ΙΙΙ 相臨床試
験(JV15725)の IFN 既治療で「セログループ 1 かつ高ウイルス量」以外の患者(48 週間投
与群)の有効性解析対象集団 19 例(以下、JV15725)と比較検討を行った。
主要評価項目である「投与終了後 24 週時のウイルス学的効果(HCV-RNA 陰性化)」は、本
試験及び JV15725 でそれぞれ 69.4%(25/36 例)及び 68.4%(13/19 例)、その 95%信頼区
16
間は 51.9~83.7%及び 43.4%~87.4%で、本試験(24 週間投与群)と JV15725(48 週間投与
群)の結果は同様の結果であった。
しかしながら、初回 HCV-RNA 陰性化時期別のウイルス学的効果の検討では、投与 4 週時ま
でに HCV-RNA が初めて陰性化した患者における投与終了後 24 週時のウイルス学的効果は、
本試験及び JV15725 でそれぞれ 76.9%(20/26 例)及び 83.3%(10/12 例)、投与 8 週時ま
でに HCV-RNA が初めて陰性化した患者では、それぞれ 77.4%(24/31 例)及び 81.3%(13/16
例)、投与 12 週時までに HCV-RNA が初めて陰性化した患者では、それぞれ 75.8%(25/33
例)及び 81.3%(13/16 例)と、いずれの場合においても一貫して JV15725(48 週間投与群)
で高値を示していた。
安全性:
安全性の解析は、本試験(24 週間投与群)の安全性解析対象集団 36 例と国内第 ΙΙΙ 相臨床試
験(JV15725)IFN 既治療(48 週間投与群)の安全性解析対象集団 100 例(以下、JV15725)
と比較検討を行った。有害事象の判定は主治医が行った。
両試験間における有害事象の発現率及び因果関係が否定できない有害事象の発現率は、いず
れも 100%であった。
17
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
ヌクレオシドアナログ
2.薬理作用
(1)作用部位・作用機序
1)リバビリンの抗ウイルス作用 6)
リバビリンの抗ウイルス作用の作用機序は、明らかでないが、次のような機序が考えられてお
り、中でも HCV-RNA 依存性 RNA ポリメラーゼによるグアノシン三リン酸(GTP)の RNA へ
の取り込みを抑制する作用と、ヘルパーT 細胞のバランスを変動させる免疫調節作用により抗
HCV 作用を示すと考えられている。
①HCV-RNA の基質合成を阻害する。
リバビリン一リン酸(RMP)がプリン生合成の律速酵素の1つであるイノシン一リン酸脱水
酵素(IMPDH)を阻害することにより、細胞内のグアノシン三リン酸(GTP)プールを減少
又は枯渇させ、間接的にウイルス RNA の複製を抑制する。
②HCV-RNA 鎖の伸張を停止させる。
リバビリン三リン酸(RTP)が HCV-RNA 複製・増殖の際に結合する酵素「RNA 依存 RNA
ポリメラーゼ(RdRp)
」との結合を阻害し、ウイルス RNA の複製を抑制する。
③HCV-RNA の変異を誘導し、複製を阻害する。
RTP が HCV ゲノムに取り込まれることで、RNA 変異が誘発され、不完全な HCV 粒子を産
生し、複製を阻害する。
④免疫調整作用によりウイルスを排除する。
リバビリンが Th1/Th2 バランスを Th1 優位にすることでウイルス感染細胞からのウイルス
排除を促進する。
2)インターフェロン・リバビリン併用による抗ウイルス作用 7-9)
インターフェロン(IFN)は、2’,5’-オリゴアデニレート合成酵素(2’,5’-OAS)やプロテインキ
ナーゼ(PK)などを活性化させて抗ウイルス効果を発揮するといわれている。これに加え、リ
バビリンがウイルスによる 2’,5’-OAS 活性阻害や PK の不活化を回復させるため、相乗的な抗ウ
イルス効果が得られる可能性がある。
また、ジェノタイプ 1b 型の HCV-RNA はウイルスの遺伝子配列のなかで NS5A 領域に変異が
少なく、IFN 抵抗性であるといわれているが、リバビリンにより変異が誘発され、IFN の抗ウ
イルス作用を得られやすくなることも考えられている。したがって、リバビリンの抗ウイルス
作用に加え、IFN の抗ウイルス作用を増強させていると考えられている。
(2)薬効を裏付ける試験成績
1)抗ウイルス作用(in vitro)10)
リバビリンの抗ウイルス作用を直接的に検証するための in vitro 細胞培養系が存在しないこと
から、これに代わるモデルとして、ヒト肝細胞株(Huh-7)内で自己複製する HCV-RNA サブ
ゲノムレプリコンを用いて、リバビリンの抗ウイルス活性を評価した。
リバビリンにおける HCV-RNA レプリコン複製阻害作用は用量依存的で、高用量(約 100μM)
では完全阻害がみられた。また、本試験でみられた HCV レプリコン複製阻害作用は、細胞毒性
によるものではないと考えられた。C 型肝炎患者の血清中リバビリン濃度は約 10μM 付近であ
るとの報告があり、HCV レプリコンアッセイから得られたリバビリンの 50%阻害濃度(IC50)
と同程度であった。
2)免疫調節作用(in vitro)11)
C 型慢性肝炎患者の T 細胞を HCV 抗原で活性化したとき、Th1 サイトカインの産生がみられ
た場合は予後の良好性、
自然治癒の可能性、又は IFNαの持続的な HCV-RNA 陰性化と関係し、
18
Th2 サイトカインの産生がみられた場合は、慢性的な肝疾患や IFNαへの感受性の欠如と結び
つくことが知られている。このように、C 型肝炎の予後が Th1/Th2 サイトカインのバランス
と関連することが認められていることから、リバビリンの免疫調節作用について検討した。
正常ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)をブドウ球菌性エンテロトキシン B(SEB)で刺激した
とき、リバビリンは Th1 サイトカインである IFNγ、IL-2 の産生を増加させ、Th2 サイトカイ
ンである IL-10 の産生に影響をおよぼさなかった。また、正常ヒト(PBMC)をホルボールエ
ステル、イオノマイシンで刺激したとき、リバビリンは Th1 サイトカインである IFNγ、IL2、TNFαの産生を増加させ、Th2 サイトカインである IL-4 や IL-10 の産生を減少させた。
3)リバビリンと PEG-IFN との併用効果(in vitro)12)
HCV-RNA レプリコンシステムを用いて HCV サブゲノム RNA 複製に及ぼすリバビリンと
PEG-IFN の併用効果を検討した。その結果、リバビリンと PEG-IFN との併用時における HCVRNA レプリコン複製阻害効果は相加的~準相乗的であった。
(3)作用発現時間・持続時間
該当資料なし
19
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移・測定法
(1)治療上有効な血中濃度
該当資料なし
(2)最高血中濃度到達時間
「Ⅶ-1(3)臨床試験で確認された血中濃度」参照
(3)臨床試験で確認された血中濃度
1)単回投与 5)
本剤 200、600、800、1,000mg 注)を健康成人男性6名ずつに単回経口投与したときの血漿中リ
バビリン濃度は投与量に従って高くなった。投与後 0.5~3 時間(範囲)で最高値をとり、その
後 3 相性の消失を示した。また、暴露量は用量増加に依存して増加する傾向が認められた。
1400
血漿中リバビリン濃度 (ng/mL)
1200
200 mg投与群
600 mg投与群
1000
800 mg投与群
1000 mg投与群
800
600
400
200
0
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
投与後経過時間 (hr)
(h)
単回投与時における血漿中濃度推移(平均±標準偏差)
投与量
(mg)
200
600
800 注)
1000 注)
tmax
(hr)
1.00
1.00
1.50
3.00
健康成人男性における薬物動態パラメータ(中央値)
AUC0-192hr
Cmax
t1/2
kel
CL/F
(ng・hr/mL)
(ng/mL)
(hr)
(/hr)
(L/hr)
543
7220
118
0.00593
21.6
949
16000
136
0.00511
28.2
1010
17100
85.4
0.00899
36.9
1180
23300
122
0.00571
33.3
Vd/F
(L)
3450
4880
5310
5330
注)本剤の承認された 1 回用量は、200~600mg である。
2)反復投与 1, 3)
C 型慢性肝炎患者(21 名)にペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)
〔以後 PEG注)
IFN〕180μg 週 1 回皮下投与と併用して、本剤 600~1000mg/日 (体重に応じて設定)を朝
夕食後に 1 日 2 回反復経口投与した際、投与後 12 週時に血漿中リバビリン濃度は定常状態に達
していた。投与後 12 週時の血漿中リバビリン濃度の推移及び薬物動態パラメータは以下の通り
であった。
なお、C 型代償性肝硬変患者の薬物動態は、C 型慢性肝炎患者のものと同様であった。
20
3500
血漿中リバビリン濃度 . (ng/mL)
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
-2
0
2
4
6
8
10
12
14
投与後経過時間 (h)
(hr)
投与後 12 週時の血漿中薬物濃度推移(平均±標準偏差)
C 型慢性肝炎患者における投与後 12 週時の薬物動態パラメータ(n=21)
tmax(hr)
2.96±1.89
Cmax (ng/mL)
2710±989
AUC0-12hr(ng・hr/mL)
25800±9260*
(平均値±標準偏差)
* 解析対象例数は 14 例であった。
注)400mg/日に減量した 2 例を含む。なお、本剤の承認された 1 回用量は、200~600mg である。
(4)中毒域
該当資料なし
(5)食事・併用薬の影響
1)食事の影響(外国人のデータ)13)
本剤の単回経口投与後のバイオアベイラビリティは、高脂肪食を同時に摂取した場合に上昇し
た。本剤を高脂肪食とともに投与した場合は、絶食時に投与した場合と比較すると、吸収は遅く
なり(tmax が 2 倍)
、AUC0-192hr 及び Cmax はそれぞれ 42%及び 66%上昇した。
2)PEG-IFN の薬物動態に与える影響 1)
C 型慢性肝炎患者 36 例(本剤と PEG-IFN 併用投与群、PEG-IFN 単独投与群各 18 例)におい
て PEG-IFN と本剤の薬物相互作用を検討したところ、投与後 12 週時の Cmax 及び AUC0-168hr
は両群で類似しており本剤の併用は PEG-IFN の薬物動態に影響を及ぼさないと考えられた。
リバビリンと PEG-IFN 併用投与群、PEG-IFN 単独投与群における PEG-IFN の薬物動態パラメータ
PEG-IF
リバビリン+PEG-IFN
単独投与群
併用投与群
n =18
n =18
tmax(hr)
73.6±58.5
69.2± 34.8
Cmax (ng/mL)
30.5±16.0
30.7±14.2
AUC0-168hr(ng・hr/mL)
4080±860
4220±1880
(平均±標準偏差)
3)その他の併用薬の影響
「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 7.相互作用」の項参照
21
(6)母集団(ポピュレーション)解析により判明した薬物体内動態変動要因
該当資料なし
2.薬物速度論的パラメータ
(1)解析方法
ノンコンパートメント解析により実施
(2)吸収速度定数
該当資料なし
(3)バイオアベイラビリティ
該当資料なし
(4)消失速度定数
「Ⅶ-1(3) 臨床試験で確認された血中濃度」参照
(5)クリアランス
「Ⅶ-1(3) 臨床試験で確認された血中濃度」参照
(6)分布容積
「Ⅶ-1(3) 臨床試験で確認された血中濃度」参照
(7)血漿蛋白結合率 14)
ヒト及びラット血漿を使用した 14C-リバビリンの in vitro タンパク結合試験において、14C-リバ
ビリンは両種とも血漿タンパクにはほとんど結合しないことが示された。
3.吸収
該当資料なし
4.分布
(1)血液-脳関門通過性
該当資料なし
<参考:ラット>15)
雄ラットに 14C-リバビリン 20mg/kg を単回投与した時の放射能の組織内分布を検討した結果、
本剤の血液-脳関門通過性が認められた。
(2)血液-胎盤関門通過性
該当資料なし
<参考:ラット>16)
妊娠 13 及び 18 日のラットに 14C-リバビリン 20mg/kg を経口投与した。放射能は胎盤を通過し
て胎児に移行し、母動物の組織内は投与後 2~8 時間、胎児は投与後 8 時間で最大放射能濃度が
認められた。母動物の羊水、卵巣、子宮、胎盤では血漿と同様かやや高い放射能濃度を示した。
胎児では母動物の血漿とほぼ同じで、肝臓では他の組織に比べて約 2 倍の放射能濃度を示した。
(3)乳汁への移行性
該当資料なし
22
<参考:ラット>15)
分娩後 12 日の授乳ラットに 14C-リバビリン 20mg/kg を単回経口投与した時、放射能(本薬及び
代謝物)の乳汁中への移行が認められた。血漿中放射能は投与後 1 時間で最大濃度(4.57μg eq./g)
に達したが、乳汁中への放射能の移行はやや遅れ、投与後 1 時間では血漿中濃度の約 1/2 の濃
度であり、投与後 8 時間で最大濃度(3.67μg eq./g)に達した後、速やかに消失した。
(4)髄液への移行性
該当資料なし
(5)その他の組織への移行性
該当資料なし
<参考:ラット>15)
雄ラットに 14C-リバビリン 20mg/kg を単回投与した時の放射能の組織内分布を検討した。放射
能は各組織に速やかに分布し、多くの組織で血中放射能濃度を超える濃度を示した。高濃度の
移行が認められた主な組織は消化管を除くと、肝臓、腎臓髄質、腎臓、腎臓皮質、心筋及び膵臓
であった。放射能は精巣、小脳、大脳、脊髄にも少量みられ、血液精巣関門、血液脳関門を通過
し、これら組織に分布することが示唆された。放射能濃度は、ほとんどの組織において投与後 8
時間までにピークに達し、その後時間の経過とともに消失し、投与後 120 時間ではほとんどの
組織で定量限界以下となった。また、放射能は有色ラットの眼、皮膚への蓄積は認められず、
14C-リバビリンはメラニン組織には結合しないことが示唆された。
5.代謝
(1)代謝部位及び代謝経路 17)
リバビリンの代謝経路には同化系と異化系の 2 種類が知られている。同化系は細胞内において
のみ認められ、リン酸化によるリバビリン一リン酸(RMP)
、リバビリン二リン酸(RDP)およ
及びびリバビリン三リン酸(RTP)の生成である。異化系には 2 経路が推定されており、①脱
リボシルによる 1,2,4-triazole-3-carboxamide(T-CONH2 )の生成を経て 1,2,4-triazole-3carboxylic acid(T-COOH)への分解、②脱アミドによる 1-β-D-ribofuranosyl-1,2,4-triazole3-carboxylic acid(RT-COOH)の生成を経て T-COOH への分解であると推定されている。
(2)代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種 18)
ヒト肝ミクロソーム及び発現系 CYP 分子種を用いた in vitro 試験系において,リバビリンは
CYP450 により代謝されず安定であった。
<参考>19)
ヒト肝ミクロソームを用いた in vitro 試験系において、
CYP1A2、
CYP2A6、
CYP2C9、
CYP2D6、
CYP2C19、CYP2E1 及び CYP3A4 の各基質の代謝に対する阻害能を検討した結果、これら
CYP450 分子種の各基質代謝に対して阻害はほとんど認められなかった。
(3)初回通過効果の有無及びその割合
該当資料なし
(4)代謝物の活性の有無及び比率 20)
主代謝物である T-CONH2 自体は抗ウイルス活性を有しない。
(5)活性代謝物の速度論的パラメータ
該当資料なし
23
6.排泄
(1)排泄部位及び経路
主に尿中
<参考:ラット>15)
ラットに 14C-リバビリン 20mg/kg を単回経口投与した時の放射能の投与量に対する排泄率は、
投与後 120 時間で尿中 87.9%(雄)~84.4%(雌)
、糞中に 6.61%(雄)~7.61%(雌)であっ
た。放射能の排泄は速やかであり、投与後 24 時間以内に尿中に 75%以上、糞中に約 6%が排泄
された。尿中へは主として脱リボシル化代謝物である T-CONH2 として排泄された。
(2)排泄率 5)
日本人健康成人男子 24 名に本剤 200、600、800、1,000mg 注)を単回経口投与し、投与量ごと
の未変化体の累積尿中排泄率を検討した。
48 時間までの未変化体の累積尿中排泄率の中央値は、
200、600、800 及び 1,000mg 投与量群で 13.5%、10.1%、7.23%及び 7.86%であり、全体で 8.97%
であった。
注)本剤の承認された 1 回用量は、200~600mg である。
<参考:海外データ>21)
ヒトに 14C-リバビリン投与後 22~24 時間における尿試料中の放射能の内訳としては、
T-CONH2
が 50%を占め、次いで T-COOH 及び未変化体が、22%及び 17%確認された。主代謝物は TCONH2 であった。
(3)排泄速度
「Ⅶ-6-(1)排泄部位」参照
7.トランスポーターに関する情報 22)
ヒト肝細胞及び小腸細胞(LC-180)を用いた in vitro トランスポーター誘導試験において、リバ
ビリンは、MDR1、MRP2 に対して誘導能を示さなかった。
8.透析等による除去率
該当資料なし
24
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
【警告】
1.本剤では催奇形性が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与
しないこと(
【禁忌】及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)。
2.本剤では催奇形性及び精巣・精子の形態変化等が報告されているので、妊娠する可能性のあ
る女性患者及びパートナーが妊娠する可能性のある男性患者に投与する場合には、避妊をさ
せること(
「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)。
3.本剤では精液中への移行が否定できないことから、パートナーが妊婦の男性患者に投与する
場合には、
【使用上の注意】を厳守すること(
「重要な基本的注意」の項参照)
。
(解説)
1.本剤は、ラット受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験、ラット及びウサギ胚・胎児発
生に関する試験及びラット出生前及び出生後の発生並びに母動物の機能に関する試験で、胚・
胎児毒性(着床前損失率、吸収数の増加など)
、催奇形性が、出生児では体重低下、精巣・精
巣上体の重量減少が認められている。
本剤の使用に際して必ず守らなければならない注意事項として、
【警告】の項に記載した。
2.本剤のヒト胎児への影響に関する報告はないが、動物実験で胎児への影響が認められている。
臨床用量より低い用量で胎児毒性がみられていることから、妊婦及び妊娠している可能性の
ある女性への使用を禁忌とした。妊娠している可能性のある女性患者又は妊娠する可能性の
ある女性患者に投与する場合には、直前の妊娠検査により妊娠していないことを確認する必
要がある。また、妊娠していないことを確認するため、月 1 回は妊娠検査を実施すること。
3.本剤は、上記のような生殖発生毒性を有すること、また、動物実験で精巣・精子の形態変化等
や精巣への少量の分布が認められており、精液が子宮内に到達した場合には、胚・胎児が暴露
される可能性がある。従って、パートナーが妊婦である男性患者に投与する場合には、投与
中、投与中止後 6 カ月間*は、コンドームを使用して子宮内への精液の移行を防ぐよう指導す
る必要がある。
*:ヒトの精原細胞から精子までの分裂・成熟に要する期間は約 74 日間といわれていることから安全性
を考慮して避妊期間は 6 カ月間と設定した。
2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)
【禁忌(次の患者には投与しないこと)
】
1.妊婦、妊娠している可能性のある婦人又は授乳中の婦人[動物実験で催奇形性作用及び胚・
胎児致死作用が報告されている。
]
2.本剤の成分又は他のヌクレオシドアナログ(アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン等)
に対し過敏症の既往歴のある患者
3.コントロールの困難な心疾患(心筋梗塞、心不全、不整脈等)のある患者[貧血により心疾
患が悪化することがある。
]
4.異常ヘモグロビン症(サラセミア、鎌状赤血球性貧血等)の患者[貧血により異常ヘモグロ
ビン症が悪化することがある。
]
5.慢性腎不全又はクレアチニンクリアランスが 50mL/分以下の腎機能障害のある患者[本剤の
血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。
]
6.重度のうつ病、自殺念慮又は自殺企図等の重度の精神病状態にある患者又はその既往歴のあ
る患者[うつ病が悪化又は再燃することがある。
]
7.重度の肝機能障害のある患者[肝予備能が低下している可能性があり、重大な副作用が生じ
ることがある。
]
8.自己免疫性肝炎の患者[肝炎が重症化することがある。
]
25
(解説)
1.本剤は、ラット受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験、ラット及びウサギ胚・胎児発
生に関する試験及びラット出生前及び出生後の発生並びに母動物の機能に関する試験で、胚・
胎児毒性(着床前損失率、吸収数の増加など)
、催奇形性、出生児で体重低下が報告されてい
るため、妊娠又は妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とした。また、動物実験で乳
汁中への移行が認められているので、投与中は授乳を行わないこと。
2.過敏症に対する一般的な注意である。本剤の有効成分であるリバビリンは、合成プリンヌク
レオシドアナログである。本剤に含有されている成分、又は、他のヌクレオシドアナログであ
るアシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン等で過敏症の既往歴がある場合には、本剤の投
与によって再度過敏症を起こす可能性が高いため禁忌とした。
3.リバビリンの主な毒性として溶血性貧血がある。貧血によって酸素運搬能が低下すると心臓
の負担が増加し、心疾患を悪化させる可能性がある。
心臓の正常な機能に影響を与える高血圧、不整脈、うっ血性心不全、胸痛(狭心症)
、心筋梗
塞などの心血管系の症状及び症候、心機能などに変動がみられ、薬物治療などによっても改
善の認められない状態の患者に本剤を投与すると、疾患が急激に悪化する可能性があるため
禁忌とした。
また、安定な心血管系の状態の患者において、心血管系の状態の悪化や症状の再燃が見られ
た場合には、心疾患が安定した状態から不安定な状態へと変化したと考えられるので、この
ような場合にも休薬、中止を考慮する必要がある。
心疾患の既往のある患者に投与する場合には、投与前、投与期間中に心電図の検査を実施す
ること。
4.サラセミアはグロビン鎖(α又はβ)の合成減少により特徴付けられる遺伝性疾患である。グ
ロビン鎖合成減少によりヘモグロビン合成の減少を引き起こし、最終的に、赤血球のヘモグ
ロビン化が不完全なため、小球性低色素性貧血を来たす異常ヘモグロビンに関連する貧血の
一種である。
鎌状赤血球性貧血は、異常なヘモグロビンが慢性溶血性貧血を引き起こし、多数の臨床的結
果を伴う常染色体性劣性疾患である。
リバビリンの主な副作用として溶血性貧血があるため、このような赤血球産生の減少や赤血
球喪失の促進に関連した貧血を発症する異常ヘモグロビン症の患者さんに投与した場合に、
症状が悪化することがあるため禁忌とした。
5.本剤は主に腎臓から排泄される。腎機能が低下している患者では、リバビリンの血中濃度が
大幅に上昇し、リバビリンの副作用が発現する可能性がある。また、腎機能が低下している患
者に対する推奨用量は確立されていない。従って、慢性腎不全のある患者や、クレアチニンク
リアランスが 50mL/分以下の腎機能障害のある患者を禁忌に設定した。
6.他のインターフェロン製剤と同様に、PEG-IFN 治療において抑うつ、自殺念慮、自殺企図等
の報告がある。重度の中枢神経系への影響、特にうつ、自殺念慮、自殺企図が、治療中、治療
中止後、主に 6 カ月間の追跡期間に報告されている。従って、重度の精神神経症状のある患
者やその既往歴のある患者では、PEG-IFN と本剤による治療により症状が増悪又は再燃する
おそれがあるため禁忌に設定した。
7.C 型慢性肝炎を対象とした PEG-IFN との併用による国内第Ⅲ相臨床試験に「非代償性肝硬
変の患者」は含まれていない。これらの患者における検討はなされていないため、
「重度の肝
機能障害のある患者」を【禁忌】としている。
8.自己免疫性肝炎の患者では、PEG-IFN 又は PEG-IFN と本剤による治療により自己免疫性肝
26
炎が増悪するおそれがあるので、投与しないこと。
3.効能又は効果に関連する使用上の注意とその理由
「Ⅴ.治療に関する項目」を参照すること。
4.用法及び用量に関連する使用上の注意とその理由
「Ⅴ.治療に関する項目」を参照すること。
5.慎重投与内容とその理由
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)アレルギー素因のある患者
(2)心疾患のある患者又はその既往歴のある患者[貧血により心疾患が悪化することがある。
]
(3)腎機能障害のある患者[より重篤な障害に至ることがある。]
(4)高血圧症の患者[脳出血があらわれることがある。]
(5)中枢・精神神経障害のある患者又はその既往歴のある患者[中枢・精神神経障害が増悪する
ことがある。
]
(6)骨髄機能抑制のある患者[重度の白血球減少、血小板減少を起こすことがあり、感染症や出
血傾向を合併しやすい(
「重大な副作用」の項参照)
。]
(7)糖尿病の患者又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者[糖尿病が増悪又
は発症しやすい。
]
(8)自己免疫疾患の患者又はその素因のある患者[疾患が増悪又は顕性化することがある(「重
大な副作用」の項参照)
。
]
(9)高齢者(
「高齢者への投与」の項参照)
(10)体重 50kg 未満の患者[ヘモグロビン減少や血小板減少等の副作用が発現しやすいので、観
察を十分に行うこと。
]
(解説)
(1)インターフェロン-α製剤治療によって、過敏反応(蕁麻疹、血管浮腫、気管支収縮、アナ
フィラキシー様症状等)がまれに報告されている。アレルギー素因のある患者においては
特に注意が必要である。治療中に過敏反応が発現した場合には、投与を中止しすぐに適切
な処置を行う必要がある。
(2)リバビリンによる貧血によって心疾患が増悪する可能性があるため、心疾患のある患者又
はその既往歴のある患者に投与する場合には特に注意が必要である。心疾患の既往歴のあ
る患者には、治療を開始する前及び投与中は心電図検査を実施するなど観察を十分に行い
慎重に投与する必要がある。
(3)リバビリンの主な排泄経路は腎である。クレアチニンクリアランスの低下に伴いリバビリ
ンのクリアランスが低下し、リバビリンの血中濃度が上昇するおそれがある。腎機能障害
のある患者では、クレアチニンクリアランスが低下しているため、本剤の血中濃度が上昇
し、重大な副作用が発現する可能性があるため慎重に投与する必要がある。なお、慢性腎不
全又はクレアチニンクリアランスが 50mL/分以下の場合には投与しないこと。
(4)インターフェロン製剤とリバビリンの併用療法において、死亡例を含む「脳出血」が、高血
圧症又は高血圧症と糖尿病を合併した症例で報告されている。高血圧症、糖尿病は脳出血
のリスクファクターとなる疾患である。治療導入時には、血圧のコントロールが良好であ
ることを確認すること。また、投与中に血圧のコントロールが不良になった患者について
は、休薬又は中止等の対応も併せて検討する必要がある。
(5)インターフェロン-α製剤とリバビリンの併用療法において、重度の中枢神経系の影響、特
27
にうつ、自殺念慮、自殺企図が、併用療法中、治療中止後(主に 6 カ月間の追跡期間)に報
告されている。中枢・精神神経系障害のある患者又はその既往歴のある患者に投与する場
合には、精神障害の徴候や症状を慎重に観察すること。精神神経障害の症状があらわれた
場合には、患者の状態をよく観察し、重篤な症状に至らないように適切な治療を考慮する
こと。また、精神障害が遷延、増悪、又は自殺念慮がみられた場合には、投与を中止し、必
要に応じて精神医学的介入を行う必要がある。
(6)インターフェロン-α製剤は、骨髄機能を抑制し重度の血球減少を起こすおそれがあり、再
生不良性貧血を含む汎血球減少症が報告されている。一方、リバビリンの副作用として溶
血が知られている。国外臨床試験において、PEG-IFN 180μg と本剤 1000mg 又は 1200mg
*
による併用療法を 48 週間行った患者の 15%で、ヘモグロビン量が 10g/dL 未満に低下し
ていた。また、PEG-IFN 180μg と本剤 800mg による併用療法を 24 週間行った患者の 3%
で、ヘモグロビン量が 10g/dL 未満に低下していた。骨髄機能抑制のある患者においては、
重度の血球減少が発現し、感染症や出血などがあらわれるおそれがあるので観察を十分に
行う必要がある。
*:国内における本剤の用法・用量は 600mg~1000mg/日である。
(7)PEG-IFN と本剤による併用療法において低血糖、高血糖、糖尿病の副作用が報告されてい
る。糖尿病、耐糖能障害のある患者やその素因のある患者に併用療法を行う場合には、糖尿
病の増悪又は発症が起こる可能性があるので、観察を十分に行う必要がある。なお、投与前
の糖尿病の状態を確認し、糖尿病の管理が難しい場合には、治療を開始しないこと。
(8)インターフェロン-α製剤において筋炎、肝炎、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ、
甲状腺炎、SLE 等の自己免疫疾患の増悪や発症が報告されている。自己免疫疾患のある患
者又はその素因のある患者においては、自己免疫疾患の増悪又は顕性化する可能性がある
ので慎重に投与すること。
(9)C 型慢性肝炎を対象とした PEG-IFN との併用による国内第Ⅲ相臨床試験で認められたヘ
モグロビン減少及び血小板数減少について、高齢者(65 歳以上)と非高齢者(65 歳未満)
別の臨床検査値異常の発現率を下表に示した。二重盲検群及び非盲検群の PEG-IFN と本
剤との併用群のいずれの群においてもこれらの臨床検査値異常の発現率は 65 歳以上の高
齢者でやや高い傾向が認められた。また、高齢者では腎機能が低下していることが多いた
め本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。高齢者では臨床検査値異常などの有害事象発
現に十分に注意し、異常が認められた場合には減量、休薬等の処置を行う必要がある。
年齢で層別したヘモグロビン減少及び血小板数減少
(国内第Ⅲ相臨床試験、安全性解析対象)
年齢
ヘモグロビン減少
血小板数減少
65歳以上
65歳未満
65歳以上
65歳未満
二重盲検群
PEG-IFN 単独
リバビリン併用
n=101
n=99
61.1% (11/18)
100% (9/9)
47.0% (39/83)
88.9% (80/90)
94.4% (17/18)
100% (9/9)
79.5% (66/83)
74.4% (67/90)
非盲検群
リバビリン併用
n=100
100% (9/9)
79.1% (72/91)
77.8% (7/9)
69.2% (63/91)
(10)C 型慢性肝炎を対象とした PEG-IFN との併用による国内第Ⅲ相臨床試験で認められた血
小板数減少、赤血球数減少及びヘモグロビン減少について、体重 50 kg 未満と 50 kg 以上
別の臨床検査値異常の発現率を下表に示した。二重盲検群及び非盲検群の PEG-IFN と本
剤との併用群のいずれの群においてもこれらの臨床検査値異常の発現率は 50 kg 未満の患
者でやや高い傾向が認められた。また、用量変更率が高い傾向が認められたため、観察を十
分に行い慎重に投与する必要がある。
28
体重で層別した血小板数減少、赤血球数減少及びヘモグロビン減少
(国内第Ⅲ相臨床試験、安全性解析対象)
体重
血小板数減少
赤血球数減少
ヘモグロビン減少
50 kg 未満
50 kg 以上
50 kg 未満
50 kg 以上
50 kg 未満
50 kg 以上
二重盲検群
PEG-IFN 単独
リバビリン併用
n=101
n=99
78.6% (11/14)
83.3% (5/6)
82.8% (72/87)
76.3% (71/93)
50.0% (7/14)
100% (6/6)
42.5% (37/87)
89.2% (83/93)
57.1% (8/14)
100% (6/6)
48.3% (42/87)
89.2% (83/93)
非盲検群
リバビリン併用
n=100
80.0% (4/5)
69.5% (66/95)
80.0% (4/5)
76.8% (73/95)
80.0% (4/5)
81.1% (77/95)
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
重要な基本的注意
(1)ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)と併用する場合には、ペグインター
フェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)の添付文書の【使用上の注意】を必ず確認するこ
と。
(2)抗 HCV 剤と併用する場合には、抗 HCV 剤の添付文書の【使用上の注意】を必ず確認す
ること。
(3)本剤による C 型代償性肝硬変患者に対する治療は、ウイルス血症の改善を目的としたもの
であり、ウイルス学的効果が得られた場合であっても、肝硬変が治癒するものではないた
め、肝硬変に対する適切な処置は継続すること。また、C 型代償性肝硬変においては、C
型慢性肝炎と比べ、血球系の減少が多く発現するおそれがあるので、十分注意すること。
(4)妊娠する可能性のある女性患者及びパートナーが妊娠する可能性のある男性患者は、投与
中及び投与終了後 6 カ月間は信頼できる避妊法を用いるなどして妊娠を避けること。ま
た、投与直前の妊娠検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。なお、妊
娠していないことを確認するために、妊娠検査を毎月 1 回実施すること(
【警告】及び【禁
忌】の項参照)
。
(5)精液中への本剤の移行が否定できないことから、パートナーが妊娠している男性患者には、
その危険性を患者に十分理解させ、投与中及び投与終了後 6 カ月間は本剤が子宮内へ移行
しないようにコンドームを使用するよう指導すること(【警告】及び「その他の注意」の項
参照)
。
(6)本剤を長期投与する場合には、臨床効果及び副作用の程度を考慮して投与を行い、効果が
認められない場合には投与を中止すること。なお、48 週を超えて本剤を投与した場合の有
効性・安全性は確立していない。
(7)本剤の投与により、貧血(溶血性貧血等)を起こす可能性があることから、患者に対し貧
血に関連する副作用(めまい等)の発現の可能性について十分説明すること。また、定期
的に臨床検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休
薬等の適切な処置を行うこと。
(8)抑うつ、自殺企図があらわれることがある。また、躁状態、攻撃的行動があらわれ、他害
行為に至ることがある。患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、
易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検
討すること。また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続するこ
とが望ましい。
(9)抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易
刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これら
の症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。
(10)高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意す
ること。
29
(解説)
(1)
(2)リバビリン単独投与による有効性は認められていない。本剤は必ず PEG-IFN 又はソ
ホスブビルと併用して使用する必要がある。なお、併用時には、本剤の添付文書と併せて、
PEG-IFN や、併用する抗 HCV 剤の添付文書の注意事項も必ず確認すること。
(3)一般に C 型代償性肝硬変に対する治療として、ウイルスの排除を目的とする抗ウイルス療
法と肝炎の鎮静化を目的とする肝庇護療法が行われている。抗ウイルス療法によりウイル
ス学的効果が得られた場合でも、肝臓の炎症抑制を目的としたウルソデオキシコール酸又
はグリチルリチン製剤等による肝庇護療法等、肝硬変に対する必要な処置は継続する必要
がある。
また、C 型慢性肝炎と同様に C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善においても、
血球系の減少に十分注意する必要がある。これらの副作用の発現には十分に注意し、特に
重度の副作用を発現する可能性の高い患者や好中球数、血小板数、ヘモグロビン量が投与
開始基準に近い患者には必要に応じて適切な対応を行う必要がある。
(4)リバビリンは動物実験において催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認められている。妊
娠する可能性のある女性患者*又はパートナーが妊娠する可能性のある男性患者**には、
催奇形性作用及び胚・胎児致死作用について説明し、治療中及び治療終了後 6 カ月間は、
本人及びパートナーが同時にそれぞれ避妊を行うなど確実な避妊を行うように指導するこ
と。妊娠する可能性のある女性患者は、治療直前の妊娠検査が陰性であることを確認して
から投与を開始し、定期的な妊娠検査を実施して妊娠していないことを確認する必要があ
る。もし、妊娠していることが判明した場合には、すぐに担当医師に報告するように指導す
ること。
*: リバビリンを反復投与した場合の血中半減期は 12 日(国外試験)から、リバビリン
が体内から消失する期間を考慮して投与終了後 6 カ月間の避妊期間を設けた。
**: ヒトの精原細胞から精子までの分裂・成熟に要する期間は約 74 日間といわれている
ことから、安全性を考慮して避妊期間は 6 カ月間と設定した。
(5)リバビリンは、細胞内に蓄積し、ゆっくりと体外に排泄される。精子に移行したリバビリン
が、卵子との受精により催奇形性作用を発現するかは不明である。従って、男性患者には、
配偶者へのリバビリンの移行を避けるためコンドームを使用するように指導すること。リ
バビリン治療中及び投与終了後 6 カ月間は、男性患者と妊娠する可能性のあるパートナー
は、それぞれが同時に避妊を行うなど、確実な避妊を行うように指導すること。
(6)国内臨床試験において、48 週間を超えて、PEG-IFN と本剤による併用療法を行った場合
の有効性・安全性については調べられていないため設定した。
(7)リバビリンの副作用として貧血が高頻度で報告されている。C 型慢性肝炎を対象とした
PEG-IFN との併用による国内第Ⅲ相臨床試験においても、ヘモグロビン減少、赤血球数減
少、ヘマトクリット減少の臨床検査値異常が 80%以上で報告された。投与に際しては、定
期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等を
行う必要がある。また、貧血に関連した症状ついて患者に説明し、異常を感じた場合には担
当医師に連絡するように指導すること。
<貧血の症状>
めまい・立ちくらみ 頭が重い・頭痛 耳鳴り 顔色が悪い 唇の色が悪い 肩や首筋
がこる 動悸・息切れ むくみ 疲れやすい 体がだるい 注意力低下など
(8,9)本邦において、インターフェロン製剤による「うつ病、自殺念慮、自殺企図」等の副作用
発現症例が報告されており、それらの症例の中には「躁状態」
、
「攻撃的行動」を示す例もあ
30
ることから、精神神経症状発現に関する注意事項を記載した。
(10)インターフェロン製剤とリバビリンの併用で、脳出血の報告があり、脳出血症例のリスクフ
ァクターとして高血圧症と糖尿病があった。高血圧症と糖尿病の両方を合併する患者では
特に注意して投与すること。
7.相互作用
(1)併用禁忌とその理由
該当しない
(2)併用注意とその理由
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
ジダノシン
乳酸アシドーシス等のジダノシ
ンの副作用を増強するおそれが
ある。
スタブジン
本剤は、スタブジン及びジドブジ
ジドブジン
ンの効果を減弱する可能性があ
る。併用する場合には、血漿中
HIV-RNA 量を観察することが望
ましい。HIV-RNA 量が上昇した
場合には、本剤の中止等適切な処
置を行うこと。
アザチオプリン 骨髄機能抑制が起こるおそれが
ある。
併用する場合には、定期的に血液
検査を行うなど、患者の状態を十
分に観察すること。本剤の減量、
中止については、<用法・用量に
関連する使用上の注意>の項を
参照すること。
機序・危険因子
in vitro において、本剤はプリン
ヌクレオシドのリン酸化を促進
する。
in vitro において、本剤はスタブ
ジン、ジドブジンのリン酸化を阻
害する。
本剤がアザチオプリンの代謝酵
素であるイノシン一リン酸脱水
素酵素(IMPDH)を阻害するこ
とにより、代謝産物のメチルチオ
イノシン一リン酸(meTIMP)が
蓄積すると考えられる。
(解説)
in vitro 及び動物実験で、リバビリンは、ジダノシンの活性細胞内三リン酸塩同化産物の生成を
増加させ、ジダノシンの抗ウイルス効果を増強した。細胞内の薬剤三リン酸塩の濃度の増加は、
ジダノシンによる有害事象(末梢ニューロパシー、膵炎、乳酸アシドーシスを伴う脂肪肝)の危
険性が増加するおそれがある。また、リバビリンとジダノシンの併用において肝障害による死
亡が報告されているので、これらの併用は推奨されない。
in vitro で、リバビリンはスタブジンとジドブジンのリン酸化を阻害した。この阻害の臨床上の
意味は不明だが、リバビリンとの併用によってジドブジン、スタブジンの細胞内薬剤リン酸塩
の濃度が低下し血漿 HIV ウイルス量が増加する可能性がある。これらの薬剤とリバビリンを併
用する場合には、血漿 HIV ウイルス量をモニターし、HIV-RNA 量の増加が認められた場合に
は、リバビリンとこれらの薬剤との併用使用について見直す必要がある。
海外で、リバビリンのイノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)阻害作用により、リバビリンが
アザチオプリンの代謝を阻害し、骨髄抑制に関連すると考えられているメチルチオイノシン一
リン酸(meTIMP)の蓄積を引き起こす可能性があるとの報告がある。
31
8.副作用
(1)副作用の概要
副作用
<ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用の場合>
C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:本剤とペグインターフェロン アルファ-2a(遺
伝子組換え)を併用した国内臨床試験において、安全性評価の対象となった 199 例全例に
臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、発熱 146 件(73.4%)
、注射
部位反応 142 件(71.4%)、けん怠感 138 件(69.3%)等であった。副作用としての臨床検査
値の異常は、白血球減少 184 件(92.5%)、好中球減少 178 件(89.4%)、ヘモグロビン減少
169 件(84.9%)等であった。
(承認時)
製造販売後調査等(特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)において、安全性評価の対象
となった 1210 例中、臨床検査値の異常を含む副作用が 953 例に認められた。主な副作用
は、そう痒症 188 件(15.5%)、けん怠感 172 件(14.2%)、発熱 155 件(12.8%)等であ
った。副作用としての臨床検査値の異常は、ヘモグロビン減少 383 件(31.7%)、好中球減
少 357 件(29.5%)、血小板減少 242 件(20.0%)等であった。(再審査終了時)
C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善:本剤とペグインターフェロン アルファ2a(遺伝子組換え)を併用した国内臨床試験において、安全性評価の対象となった 61 例全
例に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、けん怠感 45 件(73.8%)
、
発熱 41 件(67.2%)
、そう痒症 38 件(62.3%)等であった。副作用としての臨床検査値の
異常は、好中球減少 58 件(95.1%)、白血球減少 54 件(88.5%)、赤血球減少 48 件(78.7%)、
血小板減少 48 件(78.7%)等であった。
(効能追加承認時:2011 年 7 月)
<ソホスブビルとの併用の場合>4)
ジェノタイプ 2 の C 型慢性肝炎患者又は C 型代償性肝硬変を対象に本剤とソホスブビルを
併用した国内第Ⅲ相臨床試験において、140 例中 61 例(43.6%)に副作用(臨床検査値異
常を含む)が認められた。主な副作用は、貧血又はヘモグロビン減少 21 例(15.0%)
、頭痛
7 例(5.0%)
、けん怠感 6 例(4.3%)
、悪心 6 例(4.3%)、そう痒症 6 例(4.3%)等であっ
た。
(承認時)
[ソバルディ錠 400mg の添付文書による]
(2)重大な副作用と初期症状
重大な副作用
<ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用の場合>
1)貧血〔ヘモグロビン減少(8g/dL 未満)(6%未満 a))
、ヘモグロビン減少(8 以上 9.5g/dL 未
満)(10%以上 a))
、ヘモグロビン減少(9.5 以上 11g/dL 未満)(10%以上 a))
、赤血球減少
(250 万/μL 未満)(4%未満 b))
〕:定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、重度
の貧血を認めた場合は、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
a)国内臨床試験及び製造販売後調査等(特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)におけ
る頻度を算出した。
b)国内臨床試験における頻度を算出した。
2)汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少(2,000/μL 未満)、血小板減少(50,000/μL 未満)
(頻度不明注))
:定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。本剤
の減量、中止については、<用法・用量に関連する使用上の注意>の項を参照すること。
3)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)
(頻度不明注))
:血小板減
少、貧血、腎不全を主徴とする血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群
(HUS)があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板、赤血球等)及び腎
機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切
な処置を行うこと。
4)再生不良性貧血、赤芽球癆(頻度不明注))
:定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を
十分に観察すること。本剤の減量、中止については、<用法・用量に関連する使用上の注
意>の項を参照すること。
5)間質性肺炎、肺浸潤、呼吸困難(頻度不明注))
:発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状を十
32
分に観察し、異常が認められた場合は、速やかに胸部 X 線等の検査を実施し、本剤の投
与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困
難等があらわれた場合には直ちに連絡するように患者に対し注意を与えること。
6)うつ病、自殺念慮、自殺企図、躁状態、攻撃的行動(頻度不明注))
:観察を十分に行い、
不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するな
ど、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
7)肝炎の増悪、肝機能障害(頻度不明注))
:黄疸や著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う
肝機能障害が報告されているので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分
に観察すること。黄疸や著しいトランスアミナーゼ上昇[ALT(GPT)≧500IU/L]を伴う
肝機能障害があらわれた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8)自己免疫現象(頻度不明注))
:自己免疫現象によると思われる症状・徴候[肝炎、溶血性
貧血、特発性血小板減少性紫斑病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、SLE、血管炎、フォー
クト・小柳・原田病、各種自己抗体の陽性化等]があらわれることがあるので、自己免疫
疾患の患者又はその素因のある患者には定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、慎
重に投与すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ただし、自己免疫性肝炎の患者には投与しないこと。
9)心筋症、心不全、狭心症、不整脈(心室性頻脈等)、心筋梗塞、心内膜炎、心膜炎(頻度
不明注))
:心疾患のある患者又はその既往歴のある患者には慎重に投与すること。異常が
認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
10)敗血症(頻度不明注))
:易感染性となり、敗血症、肺炎があらわれることがあるので、患
者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を
行うこと。
11)脳出血(頻度不明注))
:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適
切な処置を行うこと。
12)脳梗塞、肺塞栓症(頻度不明注))
:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を
中止し、適切な処置を行うこと。
13)意識障害、痙攣、てんかん発作、見当識障害、昏睡、せん妄、錯乱、幻覚、認知症様症状
(特に高齢者)(頻度不明注)):異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処
置を行うこと。
14)糖尿病(頻度不明注))
:糖尿病[1 型及び 2 型]が増悪又は発症することがあり、昏睡に
至ることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行い、異常が認められた場合に
は適切な処置を行うこと。
15)甲状腺機能異常(頻度不明注))
:甲状腺機能亢進又は低下が増悪又は発症することがある
ので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。甲状腺機能の管理が難しい場合
には、投与の中止を考慮すること。なお、甲状腺機能異常等で本剤中止後もなお処置の
継続を必要とした症例が報告されている。
16)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal
Necrolysis:TEN)、多形紅斑(頻度不明注))
:皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、
多形紅斑等の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら
れた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
17)乾癬(頻度不明注))
:乾癬が増悪又は発症することがあるので、定期的に検査を行うなど
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与の中止を考慮すること。
18) 急性腎不全、ネフローゼ症候群(頻度不明注))
:定期的に検査を行うなど、患者の状態を
十分に観察すること。異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこ
と。
19) 消化管出血(下血、血便等)
、消化性潰瘍、虚血性大腸炎(頻度不明注))
:観察を十分に行
い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
20)ショック(頻度不明注))
:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
21)網膜症(頻度不明注))
:網膜症があらわれることがあるので、網膜出血や糖尿病網膜症の
増悪に注意し、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合
33
には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、視力低下、視野中の暗点が出現
した場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導すること。
<ソホスブビルとの併用の場合>4)
貧血(11.4%):貧血があらわれることがあるので、ヘモグロビン量を定期的に測定する
など観察を十分に行い、ヘモグロビン量の減少を認めた場合は、本剤の用量を調節するな
ど、適切な処置を行うこと。なお、本剤の投与を中止する場合は、ソホスブビルの投与も
中止すること。
注) 国外の臨床試験の副作用又は自発報告にて報告された頻度を算出できない副作用につい
ては頻度不明とした。
(3)その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど、症状に応じて適切な処置を
行うこと。
<ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用の場合> (頻度不明は※)
発熱及び
インフル
エンザ様
症状
消化器
筋・骨格
精神・神経
系
皮膚
血液
循環器
肝臓
腎臓
呼吸器
眼
5%以上又は頻度不明注1)
け ん 怠 感 ( 24.4% )、 発 熱
(23.7%)
、頭痛(16.8%)
、関
節痛、筋痛、脱力※
1%以上5%未満
1%未満
悪寒
食欲減退(12.2%)
、下痢・軟 便秘、嘔吐、味覚異常、口渇、 腹部膨満、歯痛、消化不良、
便、口内炎及び口腔内潰瘍形 歯肉出血、胃炎、口唇炎
舌痛、口内乾燥、歯肉炎、舌
炎、膵炎(腹痛、アミラーゼ
成、嘔気、腹部不快感、腹痛、
上昇、リパーゼ上昇)
嚥下障害※、舌色素沈着※
背部痛、骨痛※、筋炎※
筋骨格硬直、筋骨格痛、四肢 頚部痛、筋脱力、関節炎
痛、筋痙攣
睡眠障害(不眠症)
(12.2%)
、 感覚減退、易刺激性、不安
気分変動、異常感覚、傾眠、
めまい、攻撃性※、性欲減退※、
記憶障害、集中力低下、末梢
性ニューロパシー、不快感、
悪夢※、嗜眠※
神経痛、嗅覚錯誤、振戦、知
覚過敏、失神、神経過敏
そ う 痒 症 ( 23.1% )、 発 疹 皮膚炎、紅斑、蕁麻疹、皮膚
(13.5%)
、脱毛症(11.1%)
、 乾燥、皮脂欠乏性湿疹
湿疹、接触性皮膚炎※
ヘモグロビン減少(42.0%)
、
好中球数減少(41.9%)
、血小
板数減少(30.5%)
、白血球数
減少(28.8%)
、赤血球数減少
(19.6%)
、貧血(18.8%)
、ヘ
マトクリット減少(17.8%)
、
リンパ球数減少(14.1%)
動悸、胸痛、高血圧
胆管炎※
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)
上昇、γ-GTP上昇、ビリルビ
ン上昇、LDH上昇、Al-P上昇
血尿陽性、蛋白尿陽性
咳嗽、鼻・咽頭炎
咽喉頭痛、鼻漏、喀痰、鼻出
血、咽頭不快感、鼻閉
角膜潰瘍※
網膜出血、網膜の微小循環障
害注2)、眼の炎症(結膜炎、角
膜炎等)
、眼痛
34
多汗、寝汗、脂漏性皮膚炎、
光線過敏症
好酸球数増加、PTT延長
潮紅
脂肪肝
頻尿、排尿障害、尿路結石
嗄声、副鼻腔炎、咽頭紅斑、
気管支炎
霧視、結膜充血、眼の異常感、
眼乾燥
その他
注射部位反応注3)、トリグリセ
ライド上昇、体重減少、電解
質異常(カルシウム、リン等)
、
勃起機能不全※、尿糖陽性※
感染症(細菌・真菌・ウイル
ス等)の誘発又は増悪、CRP
上昇、TSH上昇、疲労、熱感、
疼痛、浮腫、耳鳴、血糖上昇、
胸部不快感、尿路感染
TSH減少、冷感、血中アルブ
ミン減少、T4上昇・減少、T3
上昇、痔出血、難聴、耳痛、
耳閉感、中耳炎、外耳炎、末
梢腫脹、慢性甲状腺炎、サル
コイドーシス、リンパ節症、
無力症、異常感
<ソホスブビルとの併用の場合>4)
5%以上
感染
血液・リンパ系
精神系
神経系
血管系
呼吸器
消化器
肝臓
皮膚
筋・骨格
その他
頭痛
1%以上 5%未満
鼻咽頭炎
ヘモグロビン減少
うつ病、不眠症
傾眠、めまい
高血圧
1%未満
悪心、便秘、口内炎、
腹部不快感、下痢、
口唇炎
高ビリルビン血症
そう痒症、発疹、脱
毛症
筋肉痛
関節痛
けん怠感、疲労
易刺激性、 発熱
頻度不明注 4)
注意力障害
呼吸困難、咳嗽
消化不良
皮膚乾燥
背部痛、筋痙縮
無力症
注1)国外の臨床試験の副作用又は自発報告にて報告された頻度を算出できない副作用については頻度不明
とした。
注2)網膜滲出物、網膜動脈・静脈血栓症、硝子体浮遊物、乳頭浮腫、視力低下、視野欠損等を伴うことが
あるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
注3)注射部位に炎症、刺激感、挫傷、皮膚炎、紅斑、疼痛、そう痒、硬結、腫脹、潰瘍等をみることがあ
る。
注4)国外の臨床試験においてのみ報告された副作用は頻度不明とした。
(解説)
<ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用の場合>
PEG-IFN と本剤併用の国内臨床試験、製造販売後調査等(特定使用成績調査、製造販売後臨床
試験)
、国外添付文書、PEG-IFN 製剤の添付文書に基づき設定した。
国内臨床試験及び製造販売後調査等において発現した副作用を集計し、0.3%以上発現していた
副作用について記載した。10%以上発現した副作用については、発現率も示している。
国内臨床試験で認められなかった副作用であっても、国外添付文書に記載されている副作用に
ついては、
「頻度不明」として記載した。
<ソホスブビルとの併用の場合>
本剤とソホスブビルを併用した場合の副作用について、ソホスブビル製剤(ソバルディ錠 400mg)
の添付文書に基づき記載した。
35
(4)項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧
<ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用の場合>
調査症例数
副作用等の発現症例数
副作用等の発現件数
副作用等の発現症例率(%)
副作用等の種類
感染症および寄生虫症
膿瘍
脳膿瘍
気管支炎
気管支肺炎
慢性副鼻腔炎
ウイルス性結膜炎
膀胱炎
感染性皮膚炎
毛包炎
胃腸炎
ウイルス性胃腸炎
単純ヘルペス
ヘルペスウイルス感染
帯状疱疹
麦粒腫
リンパ管炎
乳腺炎
鼻前庭炎
鼻咽頭炎
外耳炎
中耳炎
慢性中耳炎
爪囲炎
耳下腺炎
咽頭炎
肺炎
急性腎盂腎炎
膿疱性皮疹
鼻炎
副鼻腔炎
皮下組織膿瘍
股部白癬
足部白癬
扁桃炎
上気道感染
尿路感染
創傷感染
頚部膿瘍
感染性腸炎
白癬感染
化膿
皮膚皮下組織炎
口腔ヘルペス
良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞および
ポリープを含む)
胆管癌
膀胱新生物
脂漏性角化症
胃食道癌
血液およびリンパ系障害
貧血
好酸球増加症
赤血球減少症
溶血性貧血
鉄欠乏性貧血
白血球減少症
86
1
5
1
1
6
1
1
3
2
1
2
1
1
46
1
2
1
1
1
8
1
1
1
3
2
1
16
1
2
1
C 型慢性肝炎
C 型代償性肝硬変
承認時
製造販売後
承認時
199
1210
61
199
953
61
4436
3966
1102
100.00
78.76
100.00
副作用等の種類別発現症例(件数)率(%)
(43.22)
66
(5.45)
16
(26.23)
(0.50)
1
(0.08)
(2.51)
4
(0.33)
3
(4.92)
1
(0.08)
(0.50)
(0.50)
(3.02)
7
(0.58)
1
(1.64)
(0.50)
1
(0.08)
(0.50)
1
(0.08)
3
(4.92)
(1.51)
2
(0.17)
(1.01)
1
(0.08)
1
(0.08)
(0.50)
2
(0.17)
(1.01)
1
(1.64)
(0.50)
(0.50)
1
(0.08)
(23.12)
22
(1.82)
7
(11.48)
(0.50)
1
(0.08)
1
(1.64)
(1.01)
2
(0.17)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(4.02)
9
(0.74)
7
(0.58)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
2
(0.17)
(1.51)
1
(0.08)
1
(0.08)
1
(1.64)
(1.01)
1
(0.08)
1
(1.64)
(0.50)
1
(0.08)
1
(1.64)
(8.04)
4
(6.56)
(0.50)
1
(1.64)
1
(0.08)
1
(0.08)
1
(0.08)
2
(0.17)
(1.01)
1
(0.08)
(0.50)
6
(0.50)
1
(0.50)
1
(0.50)
12
10
36
(6.03)
(5.03)
2
(0.17)
1
(0.08)
1
274
236
1
1
2
2
7
(0.08)
(22.64)
(19.50)
(0.08)
(0.08)
(0.17)
(0.17)
(0.58)
1
(1.64)
1
(1.64)
3
3
(4.92)
(4.92)
リンパ節炎
リンパ節症
好中球減少症
脾腫
血小板減少症
出血性素因
免疫系障害
過敏症
サルコイドーシス
季節性アレルギー
内分泌障害
バセドウ病
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能低下症
慢性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎
自己免疫性甲状腺炎
代謝および栄養障害
脱水
糖尿病
耐糖能障害
痛風
高カリウム血症
高トリグリセリド血症
高尿酸血症
低アルブミン血症
低コレステロール血症
低血糖症
低カリウム血症
亜鉛欠乏
食欲減退
高脂血症
2型糖尿病
精神障害
不安
譫妄
抑うつ気分
うつ病
失見当識
不快気分
気分変調性障害
幻覚
幻視
心気症
初期不眠症
不眠症
気力低下
気分変化
気分動揺
神経過敏
神経症
落ち着きのなさ
睡眠障害
ストレス
自殺念慮
抜毛癖
心身症
抑うつ症状
感情不安定
不安障害
異常行動
適応障害
神経系障害
意識変容状態
1
1
5
1
1
3
8
3
1
3
1
84
2
1
1
82
C 型慢性肝炎
承認時
製造販売後
(0.50)
(0.50)
2
(0.17)
28
(2.31)
1
(0.08)
12
(0.99)
1
(0.08)
(2.51)
(0.50)
(0.50)
(1.51)
(4.02)
24
(1.98)
(1.51)
1
(0.08)
(0.50)
12
(0.99)
(1.51)
9
(0.74)
(0.50)
1
(0.08)
2
(0.17)
(42.21)
99
(8.18)
1
(0.08)
(1.01)
6
(0.50)
(0.50)
1
(0.08)
1
(0.08)
1
(0.08)
1
(0.08)
2
(0.17)
3
(0.25)
1
(0.08)
(0.50)
2
(0.17)
1
(0.08)
(41.21)
79
(6.53)
2
(0.17)
70
7
(35.18)
(3.52)
140
2
(11.57)
(0.17)
3
1
(1.51)
(0.50)
1
41
(0.08)
(3.39)
2
(1.01)
1
1
(0.08)
(0.08)
1
1
56
1
(0.50)
(0.50)
(28.14)
(0.50)
3
3
1
(1.51)
(1.51)
(0.50)
9
(4.52)
2
(1.01)
147
1
(73.87)
(0.50)
37
96
3
9
2
2
1
(7.93)
(0.25)
(0.74)
(0.17)
(0.17)
(0.08)
1
1
1
1
(0.08)
(0.08)
(0.08)
(0.08)
1
2
(0.08)
(0.17)
1
147
(0.08)
(12.15)
C 型代償性肝硬変
承認時
1
(1.64)
1
19
(1.64)
(31.15)
3
(4.92)
17
(27.87)
1
24
1
1
(1.64)
(39.34)
(1.64)
(1.64)
1
2
(1.64)
(3.28)
1
(1.64)
19
(31.15)
1
(1.64)
1
(1.64)
1
1
(1.64)
(1.64)
35
(57.38)
健忘
筋萎縮性側索硬化症
自律神経失調
灼熱感
手根管症候群
脳出血
頚髄症
泣き
注意力障害
浮動性めまい
体位性めまい
味覚異常
てんかん
頭部不快感
頭痛
知覚過敏
感覚鈍麻
味覚減退
意識消失
記憶障害
片頭痛
もやもや病
重症筋無力症
神経痛
末梢性ニューロパチー
眼振
錯感覚
嗅覚錯誤
失神寸前の状態
坐骨神経痛
感覚障害
傾眠
くも膜下出血
失神
緊張性頭痛
一過性脳虚血発作
振戦
視野欠損
睡眠の質低下
眼障害
眼の異常感
眼精疲労
眼瞼炎
白内障
霰粒腫
結膜出血
結膜炎
アレルギー性結膜炎
糖尿病網膜症
複視
眼乾燥
眼瞼紅斑
眼脂
眼出血
眼痛
眼瞼浮腫
眼瞼知覚障害
緑内障
角膜炎
涙液分泌低下
眼充血
視神経乳頭出血
光視症
点状角膜炎
網膜変性
1
1
1
1
6
23
22
31
123
1
14
1
C 型慢性肝炎
承認時
製造販売後
(0.50)
1
(0.08)
1
(0.08)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
2
(0.17)
1
(0.08)
1
(0.08)
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2
(0.17)
(11.56)
39
(3.22)
(11.06)
2
(0.17)
(15.58)
25
(2.07)
1
(0.08)
1
(0.08)
(61.81)
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(7.60)
(0.50)
(7.04)
7
(0.58)
1
(0.08)
(0.50)
5
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1
(0.50)
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(2.01)
1
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(0.50)
(2.01)
(2.51)
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(2.01)
1
1
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(0.50)
(0.50)
(0.50)
(1.51)
(0.50)
(0.50)
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(1.51)
(0.50)
(1.01)
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(2.01)
2
2
3
3
(1.01)
(1.01)
(1.51)
(1.51)
11
1
1
(5.53)
(0.50)
(0.50)
1
1
4
1
1
1
1
(0.50)
(0.50)
(2.01)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
38
1
1
1
4
C 型代償性肝硬変
承認時
1
9
5
4
(1.64)
(14.75)
(8.20)
(6.56)
27
(44.26)
3
(4.92)
1
1
(1.64)
(1.64)
1
(1.64)
2
1
(3.28)
(1.64)
1
1
(1.64)
(1.64)
(0.08)
(0.08)
(0.08)
(0.33)
1
(0.08)
1
1
(0.08)
(0.08)
1
(0.08)
1
(1.64)
51
1
(4.21)
(0.08)
23
1
(37.70)
(1.64)
1
(1.64)
1
1
2
(1.64)
(1.64)
(3.28)
2
(3.28)
2
2
(3.28)
(3.28)
1
(1.64)
1
(1.64)
1
(1.64)
2
1
1
1
(0.17)
(0.08)
(0.08)
(0.08)
1
(0.08)
3
(0.25)
1
(0.08)
網膜剥離
網膜滲出物
網膜出血
網膜裂孔
網膜症
強膜炎
ブドウ膜炎
霧視
視力低下
視力障害
硝子体剥離
硝子体浮遊物
硝子体出血
眼球乾燥
結膜充血
眼瞼そう痒症
眼そう痒症
黄疸眼
耳および迷路障害
耳介腫脹
難聴
感音性難聴
耳痛
メニエール病
耳漏
耳鳴
鼓膜穿孔
回転性めまい
頭位性回転性めまい
聴力低下
耳不快感
中耳滲出液
心臓障害
徐脈
右脚ブロック
心不全
動悸
上室性頻脈
頻脈
三尖弁閉鎖不全症
心室性期外収縮
血管障害
潮紅
高血圧
低血圧
リンパ浮腫
起立性低血圧
蒼白
末梢冷感
レイノー現象
血管障害
ほてり
呼吸器、胸郭および縦隔障害
急性呼吸窮迫症候群
喘息
慢性気管支炎
息詰まり感
咳嗽
発声障害
呼吸困難
労作性呼吸困難
鼻出血
喀血
しゃっくり
1
8
8
1
2
1
2
2
1
1
2
1
1
2
3
1
44
1
2
1
3
1
13
1
27
1
2
6
1
29
C 型慢性肝炎
承認時
製造販売後
(0.50)
1
(0.08)
(4.02)
9
(0.74)
(4.02)
16
(1.32)
(0.50)
(1.01)
13
(1.07)
(0.50)
1
(0.08)
(1.01)
(1.01)
1
(0.08)
(0.50)
3
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(0.50)
(1.01)
1
(0.08)
1
(0.08)
(0.50)
(0.50)
(1.01)
2
(0.17)
(1.51)
2
(0.17)
(0.50)
(22.11)
13
(1.07)
(0.50)
1
(0.08)
(1.01)
(0.50)
1
(0.08)
(1.51)
1
(0.08)
1
(0.08)
(0.50)
(6.53)
4
(0.33)
(0.50)
(13.57)
4
(0.33)
(0.50)
1
(0.08)
(1.01)
(3.02)
(0.50)
(14.57)
13
(1.07)
27
(13.57)
2
(1.01)
1
12
2
2
(0.50)
(6.03)
(1.01)
(1.01)
2
1
1
1
(1.01)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
4
123
(2.01)
(61.81)
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(0.50)
3
73
4
33
(1.51)
(36.68)
(2.01)
(16.58)
19
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1
(9.55)
(1.51)
(0.50)
39
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9
1
1
(0.17)
(0.74)
(0.08)
(0.08)
11
1
3
1
1
(0.91)
(0.08)
(0.25)
(0.08)
(0.08)
1
2
1
1
88
1
(0.08)
(0.17)
(0.08)
(0.08)
(7.27)
(0.08)
2
(0.17)
38
1
12
1
13
3
2
(3.14)
(0.08)
(0.99)
(0.08)
(1.07)
(0.25)
(0.17)
C 型代償性肝硬変
承認時
6
7
(9.84)
(11.48)
5
(8.20)
1
(1.64)
6
(9.84)
1
(1.64)
1
1
3
(1.64)
(1.64)
(4.92)
3
(4.92)
1
(1.64)
3
1
1
(4.92)
(1.64)
(1.64)
2
(3.28)
1
1
3
(1.64)
(1.64)
(4.92)
2
(3.28)
1
27
(1.64)
(44.26)
10
(16.39)
5
1
12
(8.20)
(1.64)
(19.67)
過換気
低酸素症
間質性肺疾患
鼻閉
鼻閉塞
咽頭出血
胸水
湿性咳嗽
肺線維症
肺サルコイドーシス
アレルギー性鼻炎
鼻漏
くしゃみ
喀痰増加
咽喉刺激感
扁桃肥大
血管運動性鼻炎
夜間呼吸困難
上気道の炎症
声帯萎縮
高粘稠性気管支分泌物
咽頭紅斑
咽頭びらん
肺動脈高血圧症
口腔咽頭不快感
口腔咽頭痛
上気道咳症候群
胃腸障害
腹部不快感
腹部膨満
腹痛
下腹部痛
上腹部痛
腹部圧痛
裂肛
肛門潰瘍
アフタ性口内炎
腹水
口唇炎
結腸ポリープ
便秘
齲歯
下痢
口内乾燥
十二指腸潰瘍
十二指腸炎
消化不良
腸炎
変色便
硬便
排便回数増加
胃出血
胃ポリープ
胃潰瘍
胃炎
萎縮性胃炎
胃食道逆流性疾患
胃腸出血
歯肉出血
歯肉痛
歯肉腫脹
歯肉炎
舌炎
舌痛
吐血
1
10
1
1
1
1
28
3
31
1
1
C 型慢性肝炎
承認時
製造販売後
(0.50)
1
(0.08)
9
(0.74)
(5.03)
3
(0.25)
(0.50)
(0.50)
2
(0.17)
4
(0.33)
1
(0.08)
(0.50)
(0.50)
1
(0.08)
(14.07)
2
(0.17)
(1.51)
(15.58)
3
(0.25)
(0.50)
1
1
(1.64)
(1.64)
4
(6.56)
1
2
1
(1.64)
(3.28)
(1.64)
1
1
(1.64)
(1.64)
1
(1.64)
2
(3.28)
3
7
(4.92)
(11.48)
41
12
2
3
(67.21)
(19.67)
(3.28)
(4.92)
2
(3.28)
1
(1.64)
1
(1.64)
10
(16.39)
6
(9.84)
2
(3.28)
1
(1.64)
1
1
(1.64)
(1.64)
1
1
(1.64)
(1.64)
5
1
1
1
1
1
1
(8.20)
(1.64)
(1.64)
(1.64)
(1.64)
(1.64)
(1.64)
(0.50)
4
1
6
1
(0.50)
(3.02)
(0.50)
18
43
(9.05)
(21.61)
140
34
5
28
3
31
1
1
(70.35)
(17.09)
(2.51)
(14.07)
(1.51)
(15.58)
(0.50)
(0.50)
11
(5.53)
25
3
55
2
1
1
7
2
(12.56)
(1.51)
(27.64)
(1.01)
(0.50)
(0.50)
(3.52)
(1.01)
3
(1.51)
1
(0.50)
8
1
(4.02)
(0.50)
1
11
1
3
3
4
40
C 型代償性肝硬変
承認時
(0.33)
1
(0.08)
1
2
11
1
169
29
1
6
1
12
(0.08)
(0.17)
(0.91)
(0.08)
(13.97)
(2.40)
(0.08)
(0.50)
(0.08)
(0.99)
1
(0.08)
1
2
10
1
20
3
36
(0.08)
(0.17)
(0.83)
(0.08)
(1.65)
(0.25)
(2.98)
4
1
(0.33)
(0.08)
8
1
1
(0.66)
(0.08)
(0.08)
(0.50)
(5.53)
5
(0.41)
(0.50)
(1.51)
(1.51)
(2.01)
1
3
3
2
(0.08)
(0.25)
(0.25)
(0.17)
C 型慢性肝炎
製造販売後
1
(0.08)
(0.50)
2
(0.17)
(0.50)
1
(0.08)
2
(0.17)
承認時
血便排泄
痔核
裂孔ヘルニア
過敏性腸症候群
口腔内白斑症
口唇乾燥
メレナ
口腔内出血
悪心
嚥下痛
口腔内不快感
口腔扁平苔癬
口腔内痛
急性膵炎
歯周病
歯周炎
肛門周囲炎
肛門周囲痛
逆流性食道炎
流涎過多
口内炎
舌変色
舌障害
歯痛
嘔吐
口唇のひび割れ
口唇水疱
肛門出血
胃静脈瘤
排便障害
小腸出血
心窩部不快感
痔出血
食道静脈瘤
口の感覚鈍麻
口の錯感覚
消化管運動障害
不正咬合
びらん性食道炎
口腔障害
胃腸音異常
肛門そう痒症
肝胆道系障害
胆管結石
胆石症
胆嚢障害
肝嚢胞
肝機能異常
脂肪肝
過形成性胆嚢症
黄疸
肝障害
皮膚および皮下組織障害
ざ瘡
脱毛症
円形脱毛症
肝斑
頭部粃糠疹
皮膚炎
アレルギー性皮膚炎
接触性皮膚炎
薬疹
皮膚乾燥
湿疹
皮脂欠乏性湿疹
1
1
1
2
1
48
1
(0.50)
(1.01)
(0.50)
(24.12)
(0.50)
1
2
(0.50)
(1.01)
3
1
2
1
1
28
(1.51)
(0.50)
(1.01)
(0.50)
(0.50)
(14.07)
2
9
27
2
1
2
(1.01)
(4.52)
(13.57)
(1.01)
(0.50)
(1.01)
5
5
1
2
2
2
(2.51)
(2.51)
(0.50)
(1.01)
(1.01)
(1.01)
1
(0.50)
2
3
1
1
(1.01)
(1.51)
(0.50)
(0.50)
1
(0.50)
175
1
88
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1
1
2
(87.94)
(0.50)
(44.22)
(2.01)
(0.50)
(0.50)
(1.01)
5
3
24
51
10
(2.51)
(1.51)
(12.06)
(25.63)
(5.03)
41
C 型代償性肝硬変
承認時
1
(1.64)
33
(2.73)
10
(16.39)
1
(0.08)
2
1
(3.28)
(1.64)
1
1
(0.08)
(0.08)
4
(0.33)
54
1
(4.46)
(0.08)
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(14.75)
11
(0.91)
1
4
1
(1.64)
(6.56)
(1.64)
1
(0.08)
2
1
1
(3.28)
(1.64)
(1.64)
1
(1.64)
1
(1.64)
1
(1.64)
1
(1.64)
49
(80.33)
15
(24.59)
1
1
2
11
1
(1.64)
(1.64)
(3.28)
(18.03)
(1.64)
3
(0.25)
1
(0.08)
1
(0.08)
27
(2.23)
4
1
1
14
2
(0.33)
(0.08)
(0.08)
(1.16)
(0.17)
8
309
(0.66)
(25.54)
57
1
(4.71)
(0.08)
6
3
(0.50)
(0.25)
4
2
39
4
(0.33)
(0.17)
(3.22)
(0.33)
貨幣状湿疹
紅斑
皮下出血
毛髪成長異常
紅色汗疹
多汗症
白斑
爪変色
爪肥厚
寝汗
皮膚疼痛
脂肪織炎
丘疹
点状出血
光線過敏性反応
炎症後色素沈着変化
痒疹
そう痒症
乾癬
紫斑
発疹
紅斑性皮疹
全身性皮疹
丘疹性皮疹
そう痒性皮疹
痂皮
脂漏性皮膚炎
ひび・あかぎれ
皮膚変色
皮膚不快感
皮膚剥脱
皮膚亀裂
皮膚潰瘍
顔面腫脹
蕁麻疹
乾皮症
全身紅斑
慢性蕁麻疹
全身性そう痒症
好酸球性膿疱性毛包炎
中毒性皮疹
色素沈着障害
筋骨格系および結合組織障害
関節痛
関節炎
背部痛
側腹部痛
筋萎縮
筋痙縮
筋力低下
筋骨格痛
筋肉痛
肋間筋肉痛
頚部痛
骨炎
変形性関節症
四肢痛
足底筋膜炎
多発性関節炎
肩回旋筋腱板症候群
変形性脊椎症
滑液嚢腫
腱炎
筋緊張
筋骨格系胸痛
1
28
3
1
1
8
1
1
1
4
4
C 型慢性肝炎
承認時
製造販売後
(0.50)
3
(0.25)
(14.07)
9
(0.74)
(1.51)
(0.50)
(0.50)
(4.02)
(0.50)
1
(0.08)
(0.50)
1
(0.08)
(0.50)
(2.01)
1
(0.08)
(2.01)
1
1
1
1
2
69
1
1
64
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(1.01)
(34.67)
(0.50)
(0.50)
(32.16)
8
2
(4.02)
(1.01)
1
7
(0.50)
(3.52)
2
1
1
(1.01)
(0.50)
(0.50)
1
5
1
6
1
49
1
2
3
127
75
1
54
5
1
3
2
6
43
1
5
(0.50)
(2.51)
(0.50)
(3.02)
(0.50)
(24.62)
(0.50)
(1.01)
(1.51)
(63.82)
(37.69)
(0.50)
(27.14)
(2.51)
(0.50)
(1.51)
(1.01)
(3.02)
(21.61)
(0.50)
(2.51)
8
1
(4.02)
(0.50)
1
1
3
42
(0.50)
(0.50)
(1.51)
C 型代償性肝硬変
承認時
3
(4.92)
10
(16.39)
1
(1.64)
1
(1.64)
27
(44.26)
1
20
1
2
(1.64)
(32.79)
(1.64)
(3.28)
1
(1.64)
1
(0.08)
1
(0.08)
2
156
(0.17)
(12.89)
2
71
(0.17)
(5.87)
17
(1.40)
3
(0.25)
1
1
1
(0.08)
(0.08)
(0.08)
1
(0.08)
1
1
9
(0.08)
(0.08)
(0.74)
3
(0.25)
3
(4.92)
33
(2.73)
14
(22.95)
3
(0.25)
96
49
(7.93)
(4.05)
1
36
21
(1.64)
(59.02)
(34.43)
27
1
(2.23)
(0.08)
10
(16.39)
9
(0.74)
3
(4.92)
1
20
(0.08)
(1.65)
6
9
(9.84)
(14.75)
2
1
(0.17)
(0.08)
2
(3.28)
2
(0.17)
2
9
(3.28)
(14.75)
1
(0.08)
1
1
(1.64)
(1.64)
1
(0.08)
1
(0.08)
1
(1.64)
3
(0.25)
筋骨格硬直
筋骨格不快感
腎および尿路障害
尿管結石
尿路結石
着色尿
排尿困難
血尿
緊張性膀胱
腎結石症
神経因性膀胱
夜間頻尿
頻尿
蛋白尿
膿尿
尿閉
生殖系および乳房障害
良性前立腺肥大症
乳房痛
精巣上体炎
閉経期症状
不規則月経
不正子宮出血
前立腺炎
陰部そう痒症
腟出血
性器分泌物
性器出血
陰嚢血瘤
外陰部出血
一般・全身障害および投与部位の状態
無力症
胸部不快感
胸痛
悪寒
不快感
顔面痛
疲労
異常感
冷感
熱感
空腹
治癒不良
インフルエンザ様疾患
注射部位皮膚炎
注射部位紅斑
注射部位血腫
注射部位出血
注射部位硬結
注射部位炎症
注射部位疼痛
注射部位そう痒感
注射部位発疹
注射部位反応
注射部位熱感
易刺激性
局所腫脹
けん怠感
浮腫
粘膜浮腫
末梢性浮腫
疼痛
発熱
圧痛
口渇
18
3
17
1
1
1
5
4
2
1
6
1
1
3
9
1
1
1
1
1
1
2
1
1
C 型慢性肝炎
承認時
製造販売後
(9.05)
11
(0.91)
(1.51)
2
(0.17)
(8.54)
15
(1.24)
(0.50)
1
(0.08)
(0.50)
(0.50)
1
(0.08)
(2.51)
1
(0.08)
(2.01)
3
(0.25)
1
(0.08)
(1.01)
1
(0.08)
2
(0.17)
(0.50)
(3.02)
5
(0.41)
(0.50)
1
(0.08)
(0.50)
(1.51)
(4.52)
5
(0.41)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(1.01)
(0.50)
(0.50)
1
(0.08)
2
1
(0.17)
(0.08)
1
(0.08)
188
(94.47)
276
(22.81)
11
11
23
(5.53)
(5.53)
(11.56)
33
10
10
25
1
1
2
2
46
(16.58)
(5.03)
(5.03)
(12.56)
(0.50)
(0.50)
(1.01)
(1.01)
(23.12)
2
7
7
1
1
5
(0.17)
(0.58)
(0.58)
(0.08)
(0.08)
(0.41)
1
6
(0.08)
(0.50)
3
(0.25)
15
5
(1.24)
(0.41)
2
6
1
6
39
15
5
5
17
1
136
(1.01)
(3.02)
(0.50)
(3.02)
(19.60)
(7.54)
(2.51)
(2.51)
(8.54)
(0.50)
(68.34)
1
(0.08)
1
14
4
2
(0.08)
(1.16)
(0.33)
(0.17)
6
7
144
1
11
(3.02)
(3.52)
(72.36)
(0.50)
(5.53)
43
172
3
1
2
6
155
(14.21)
(0.25)
(0.08)
(0.17)
(0.50)
(12.81)
3
(0.25)
C 型代償性肝硬変
承認時
6
(9.84)
4
(6.56)
2
(3.28)
1
1
(1.64)
(1.64)
1
3
1
(1.64)
(4.92)
(1.64)
1
1
56
2
4
1
3
(1.64)
(1.64)
(91.80)
(3.28)
(6.56)
(1.64)
(4.92)
4
2
1
9
(6.56)
(3.28)
(1.64)
(14.75)
7
3
1
(11.48)
(4.92)
(1.64)
2
10
2
1
(3.28)
(16.39)
(3.28)
(1.64)
3
1
45
(4.92)
(1.64)
(73.77)
4
(6.56)
41
(67.21)
5
(8.20)
197
5
31
34
2
C 型慢性肝炎
製造販売後
1
(0.08)
1
(0.08)
(3.52)
(1.01)
(2.51)
4
(0.33)
(0.50)
(0.50)
2
(0.17)
2
(0.17)
(98.99)
666
(55.04)
(2.51)
(15.58)
19
(1.57)
(17.09)
22
(1.82)
(1.01)
5
29
(2.51)
(14.57)
11
(5.53)
3
(1.51)
13
17
(6.53)
(8.54)
承認時
乾燥症
腋窩痛
適用部位乾燥
注射部位変色
注射部位腫脹
注射部位不快感
体温調節障害
注射部位湿疹
注射部位乾燥
臨床検査
活性化部分トロンボプラスチン時間延長
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
好塩基球数増加
抱合ビリルビン増加
血中アルブミン減少
血中ビリルビン増加
血中非抱合ビリルビン増加
血中カルシウム減少
血中コレステロール減少
血中コレステロール増加
血中クレアチニン増加
血中ブドウ糖減少
血中ブドウ糖増加
血中乳酸脱水素酵素増加
血圧低下
拡張期血圧上昇
血圧上昇
血中甲状腺刺激ホルモン減少
血中甲状腺刺激ホルモン増加
血中トリグリセリド増加
血中尿素増加
血中尿酸増加
体温上昇
C-反応性蛋白増加
心雑音
心電図QT延長
心電図T波振幅減少
好酸球数減少
好酸球数増加
全血球数減少
γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加
尿中ブドウ糖陽性
顆粒球数減少
ヘマトクリット減少
尿中血陽性
ヘモグロビン減少
心拍数減少
心拍数増加
肝機能検査異常
リンパ球数減少
リンパ球数増加
単球数減少
単球数増加
好中球数減少
好中球数増加
血小板数減少
総蛋白減少
総蛋白増加
プロトロンビン量減少
プロトロンビン量増加
プロトロンビン時間延長
赤血球数減少
甲状腺機能検査異常
体重減少
7
2
5
1
1
6
5
30
57
2
3
1
27
(3.02)
(2.51)
(15.08)
(28.64)
(1.01)
(1.51)
(0.50)
(13.57)
1
4
(0.50)
(2.01)
34
6
(17.09)
(3.02)
162
14
169
(81.41)
(7.04)
(84.92)
3
(1.51)
131
(65.83)
1
1
178
1
146
3
2
1
(0.50)
(0.50)
(89.45)
(0.50)
(73.37)
(1.51)
(1.01)
(0.50)
2
165
(1.01)
(82.91)
45
(22.61)
44
6
1
3
6
5
1
2
2
2
4
3
1
3
1
4
21
(0.50)
(0.08)
(0.25)
(0.50)
(0.41)
(0.08)
(0.17)
(0.17)
(0.17)
(0.33)
(0.25)
(0.08)
(0.25)
(0.08)
(0.33)
(1.74)
2
(0.17)
6
(0.50)
3
1
26
1
3
61
4
383
2
2
1
50
4
(0.25)
(0.08)
(2.15)
(0.08)
(0.25)
(5.04)
(0.33)
(31.65)
(0.17)
(0.17)
(0.08)
(4.13)
(0.33)
6
340
(0.50)
(28.10)
230
1
1
(19.01)
(0.08)
(0.08)
3
(0.25)
73
4
29
(6.03)
(0.33)
(2.40)
C 型代償性肝硬変
承認時
1
(1.64)
61
(100.00)
8
8
(13.11)
(13.11)
7
(11.48)
5
7
6
(8.20)
(11.48)
(9.84)
4
(6.56)
1
(1.64)
2
(3.28)
2
3
1
2
(3.28)
(4.92)
(1.64)
(3.28)
2
1
1
1
(3.28)
(1.64)
(1.64)
(1.64)
11
3
(18.03)
(4.92)
37
1
47
(60.66)
(1.64)
(77.05)
2
(3.28)
27
(44.26)
58
(95.08)
48
(78.69)
1
1
(1.64)
(1.64)
48
(78.69)
2
(3.28)
承認時
体重増加
白血球数減少
白血球数増加
血中リン減少
血中リン増加
尿比重増加
単球百分率増加
リンパ球百分率増加
尿中蛋白陽性
脳性ナトリウム利尿ペプチド増加
遊離トリヨードチロニン増加
遊離トリヨードチロニン減少
トランスアミナーゼ上昇
遊離サイロキシン減少
遊離サイロキシン増加
血中アルカリホスファターゼ増加
肝酵素上昇
リンパ球形態異常
肝酵素異常
傷害、中毒および処置合併症
転倒
関節捻挫
頚椎神経根損傷
皮下血腫
創部分泌
口腔内損傷
擦過傷
挫傷
熱中症
外科および内科処置
抜歯
184
2
35
5
1
C 型慢性肝炎
製造販売後
(92.46)
(1.01)
(17.59)
(2.51)
(0.50)
18
(9.05)
8
3
(4.02)
(1.51)
10
5
14
(5.03)
(2.51)
(7.04)
1
(0.50)
6
(3.02)
1
1
1
3
(0.50)
(0.50)
(0.50)
(1.51)
1
1
(0.50)
(0.50)
169
1
9
1
(13.97)
(0.08)
(0.74)
(0.08)
3
2
1
(0.25)
(0.17)
(0.08)
25
2
3
C 型代償性肝硬変
承認時
1
(1.64)
54
(88.52)
11
(18.03)
3
1
(4.92)
(1.64)
(2.07)
(0.17)
(0.25)
1
(1.64)
3
1
(0.25)
(0.08)
2
(3.28)
1
6
1
1
1
1
(0.08)
(0.50)
(0.08)
(0.08)
(0.08)
(0.08)
1
(1.64)
1
(0.08)
2
1
(0.17)
(0.08)
1
(1.64)
副作用は MedDRA/J version(14.0)を使用して集計した。
<ソホスブビルとの併用の場合>4)
国内第Ⅲ相臨床試験における副作用発現状況
安全性評価対象例数
140 例
副作用発現症例数
61 例
副作用発現症例率
43.6%
副作用
器官別大分類
副作用発現例数(%)
基本語
血液およびリンパ系障害
16 (11.4%)
貧血
16 (11.4%)
耳および迷路障害
1 (0.7%)
回転性めまい
1 (0.7%)
胃腸障害*
21 (15.0%)
悪心
6 (4.3%)
便秘
4 (2.9%)
口内炎
4 (2.9%)
腹部不快感
3 (2.1%)
下痢
2 (1.4%)
口唇炎
2 (1.4%)
上腹部痛
1 (0.7%)
歯肉痛
1 (0.7%)
嘔吐
1 (0.7%)
一般・全身障害および投与部位の状態
12 (8.6%)
45
副作用
器官別大分類
副作用発現例数(%)
基本語
けん怠感
6 (4.3%)
疲労
3 (2.1%)
冷感
1 (0.7%)
易刺激性
1 (0.7%)
発熱
1 (0.7%)
肝胆道系障害
4 (2.9%)
高ビリルビン血症
4 (2.9%)
感染症および寄生虫症
3 (2.1%)
鼻咽頭炎
2 (1.4%)
咽頭炎
1 (0.7%)
臨床検査
6 (4.3%)
ヘモグロビン減少
5 (3.6%)
尿量増加
1 (0.7%)
代謝および栄養障害
1 (0.7%)
食欲減退
1 (0.7%)
筋骨格系および結合組織障害
4 (2.9%)
筋肉痛
3 (2.1%)
関節痛
神経系障害
1 (0.7%)
*
12 (8.6%)
頭痛
7 (5.0%)
傾眠
3 (2.1%)
浮動性めまい
2 (1.4%)
味覚異常
1 (0.7%)
精神障害
4 (2.9%)
抑うつ気分
2 (1.4%)
不眠症
2 (1.4%)
腎および尿路障害
1 (0.7%)
着色尿
1 (0.7%)
呼吸器、胸郭および縦隔障害
1 (0.7%)
口腔咽頭痛
1 (0.7%)
皮膚および皮下組織障害*
14 (10.0%)
そう痒症
6 (4.3%)
発疹
3 (2.1%)
脱毛症
2 (1.4%)
皮脂欠乏症
1 (0.7%)
皮膚炎
1 (0.7%)
接触性皮膚炎
1 (0.7%)
全身性そう痒症
1 (0.7%)
血管障害
2 (1.4%)
高血圧
2 (1.4%)
副作用は MedDRA/J version(16.1)を使用して集計した。
*:同一症例に同じ器官別大分類を持つ事象(基本語)が複数発現した場合は、器官別大分類の総
数は 1 例としてカウントしている。
46
(5)基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度
特定使用成績調査<C 型慢性肝炎患者(セログループ 1 で高ウイルス量)に対する PEG-IFN と
の併用での成績>における患者背景別副作用発現頻度は以下のとおりであった。
患者背景
安全性解析対象症例
性別
年齢(歳)(投与開始時)
症例数
男
女
0≦
65≦
体重(kg)(投与開始時)
インターフェロン前治療歴の有無
1056
511
545
750
306
168
804
84
612
417
27
<65
<50
50≦
不明
無
有
不明
発現症例数
824
373
451
566
258
144
621
59
472
337
15
発現率
(%)
78.03
72.99
82.75
75.47
84.31
85.71
77.24
70.24
77.12
80.82
55.56
χ2 検定
***
P=0.0001
**
P=0.0016
*
P=0.0147
N.S
P=0.1562
(6)薬物アレルギーに対する注意及び試験法
【禁忌(次の患者には投与しないこと)
】
本剤の成分又は他のヌクレオシドアナログ(アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン等)
に対し過敏症の既往歴のある患者
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
アレルギー素因のある患者
重大な副作用
ショック(頻度不明)
:観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な
処置を行うこと。
9.高齢者への投与
高齢者への投与
国内で実施した臨床試験において、高齢者ではヘモグロビン減少、血小板減少等の臨床検査値
異常の発現頻度が高くなる傾向が認められているので、患者の状態を十分に観察しながら、慎
重に投与すること。
(解説)
「Ⅷ-5.慎重投与(9)」を参照すること。
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験で催奇形性作用
(ラット:10mg/kg/日、ウサギ:1.0mg/kg/日)及び胚・胎児致死作用(ラット:10mg/kg/
日、ウサギ:1.0mg/kg/日以上)が認められている(【禁忌】の項参照)
。]
(2)授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。
[動物実験(ラット)で乳汁中への移行
が認められている(
【禁忌】の項参照)。]
(解説)
(1)動物実験で催奇形性作用、胚・胎児致死作用が認められているため、リバビリンは、妊娠し
ている婦人又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
投与を開始する前には妊娠検査の結果が陰性であることを必ず確認すること。
(2)授乳ラットにおいて乳汁移行が認められているため、授乳婦に投与する場合には授乳を避
けさせる必要がある。なおラットの乳汁移行については、
「Ⅶ-4.分布(3)」を参照すること。
47
11.小児等への投与
小児等への投与
(1)低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
[使用経
験がない。
]
(2)5~17 歳の C 型慢性肝炎患者を対象とした海外臨床試験において、治療期間中に体重増
加の遅れ及び身長の伸びの遅れが認められたとの報告がある。
(解説)
(1)小児等での臨床試験は実施していないため、小児等における有効性・安全性は確立してい
ない。
(2)5 歳~17 歳の C 型慢性肝炎患者を対象とした海外臨床試験において、体重増加の遅れ及び
身長の伸びの遅れに関する報告があることから、注意喚起のためその旨を記載した。
12.臨床検査結果に及ぼす影響
該当しない
13.過量投与
該当しない
14.適用上の注意
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTP シートの誤
飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症
を併発することが報告されている。
]
(解説)
PTP の誤飲事故防止の目的で、日本製薬団体連合会より通知された「日薬連発第 240 号(平成 8
年 3 月 27 日付)
」に基づき、PTP で包装した医薬品共通の注意事項として記載した。
15.その他の注意
その他の注意
(1)ラット雄受胎能試験で精子数のわずかな減少(100mg/kg/日)がみられた(休薬により回
復)
。また、マウス 4 週間試験で精巣上体における精子減少(400mg/kg/日の途中死亡例)
が報告されている。
(2)細菌を用いた復帰突然変異試験、マウス小核試験は陰性であったが、マウスリンパ腫細胞
株を用いた遺伝子突然変異試験は陽性であった。がん原性試験でラットに 60mg/kg/日ま
でを 2 年間、p53+/-ノックアウトマウスに 100mg/kg/日までを 26 週間投与しても本
薬投与による腫瘍発生の増加はみられなかったとの報告がある。
(解説)
(1)マウス 4 週間試験の 400 mg/kg/日群の死亡/切迫屠殺例で精巣上体の精子数減少が認めら
れ、ラット受胎能及び着床までの初期発生に関する試験の雄親動物 100 mg/kg/日群で精子
数のわずかな減少が認められた。また、ラット出生前及び出生後の発生並びに母動物の機
能に関する試験では、1.5 mg/kg/日以上の F1 出生児雄で精巣の重量が減少し、5.0 mg/kg/
日の F1 出生児雄で精巣上体の重量が減少した。このような精巣及び精巣上体の重量減少は
p53 ノックアウトマウス 26 週間がん原性試験の 50mg/kg/日以上においても認められた。
公表文献では、マウスにリバビリンを 35、75、150 mg/kg/日の用量で 6 カ月間経口投与し
た時、精子形成が影響され、精巣の精子数の減少、精子運動能の減少、異常形態を示す精子
数の増加が全群で認められたことが報告されている。この試験ではさらに、精巣重量が軽
度減少し、病理組織学的検査において精細管上皮の空胞化、層幅の減少、壊死が観察され
48
た。これらの変化は 1.5~3 カ月間の休薬(1~2 回の精上皮サイクル)で回復した。このよ
うにリバビリンでは、精子形成に対する影響が報告されている。
機序としては、以下の可能性が考えられる。
①精子形成過程においては、精祖細胞の分裂、精母細胞から精子細胞への減数分裂の過程
で DNA 合成が活発に行われているが、リバビリンの薬理作用である DNA 合成阻害作用
により精子形成が障害を受け雄生殖器の異常が誘発された。
②胎盤・胎児及び乳汁に移行したリバビリンを器官形成期、授乳期に暴露し、出生後の精巣
の発育分化が影響を受け、性成熟後の雄性生殖器の重量の減少を引き起こした。
(ラット
では、生後 2~3 日以内に生殖細胞の分裂が再開し、精細管の基底膜に移動、精祖細胞幹
細胞へ分化する)
(2)復帰突然変異試験(Ames 試験)
、マウスリンパ腫細胞株を用いた遺伝子突然変異試験及び
マウス小核試験を実施した結果、Ames 試験及びマウス小核試験は陰性であった。しかし、
マウスリンパ腫細胞株を用いた遺伝子突然変異試験では、代謝活性化系非存在下の 125 μ
g/mL 以上及び代謝活性化系存在下の 1000μg/mL 以上で陽性であった。
また、ラット 2 年間投与がん原性試験及び p53 ノックアウトマウス 26 週間投与がん原性
試験を実施し,がん原性は認められなかった。
16.その他
該当しない
49
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.薬理試験
(1)薬効薬理試験(
「Ⅵ.薬効薬理に関する項目」参照)
(2)副次的薬理試験
該当資料なし
(3)安全性薬理試験 23)
試験項目
中枢神経系
運動量、行動変化、感覚
/運動反射、体温
一般症状、行動
動物種
投与量(mg/kg)
結果
マウス
経口(単回)
0、100、500、2000
影響なし
マウス
経口(4 週間)
経口(13 週間)
経口(26 週間)
経口(26 週間)
経口(4 週間)
0、30、100
0、10、40、80
0、10、35、70
0、5、10、20
50、100
影響なし
ラット
イヌ
サル
心血管系、呼吸系
心拍数、血圧、呼吸数、
胸部圧ピーク値、体温、 イヌ
血液ガス、ECG
心電図、心拍数
イヌ
ECG
投与方法
サル
経口(1、5、9、13 日目) 0、50、150、500
経口(26 週間)
リバビリン:経口
PEG-IFN:皮下
(4 週間)
0、5、10、20
リバビリン:
0、50、100mg/kg/日
PEG-IFN:
0、600μg/kg/週 2 回
影響なし
影響なし
影響なし
(4)その他の薬理試験
該当資料なし
2.毒性試験 24)
(1)単回投与毒性試験
1)ラット単回投与試験(リバビリン 0、500、1,500、3,000mg/kg)
概略の致死量は、雄は 3,000mg/kg、雌は 3,000mg/kg 以上であった。3,000mg/kg では貧血及
び一般症状の変化(削痩、背彎姿勢、液状便等)が観察された。
2)サル単回併用投与試験(リバビリン 1,000mg/kg 単独投与、リバビリン 1,000mg/kg+PEG-IFN
6,000μg/kg 併用投与、PEG-IFN 6,000μg/kg 単独投与)
リバビリン単独投与では軽度貧血が認められたのみで死亡発現はなく、リバビリンの概略致死
量は 1,000mg/kg 以上であった。リバビリン+PEG-IFN 併用投与では雌 1 例が切迫屠殺され
た。
(2)反復投与毒性試験
1)マウス 4 週間試験(リバビリン 0、30、100、200、400mg/kg/日)
200 及び 400mg/kg/日で死亡/切迫屠殺がみられた。死亡例では、一般症状の変化、体重減少、
腸管陰窩細胞の壊死及び再生性変化、貧血等が認められた。生存例では 30mg/kg/日以上で脾臓
髄外造血の増加、100 mg/kg/日以上で死亡例と同様の血液学的変化及び肝機能パラメータの変
化(AST・ALT 減少)がみられた。
2)サル 4 週間試験(リバビリン 50 又は 100mg/kg/日 単独投与、リバビリン 50 又は 100mg/kg/日
+PEG-IFN 600μg/kg/回 併用投与、PEG-IFN 600μg/kg/回 単独投与)
リバビリン 100mg/kg/日+PEG-IFN 併用投与で死亡例が 1 例認められた。
リバビリン 50mg/kg/
日以上の単独投与では、体重・摂餌量が減少し、100mg/kg/日の単独投与では、貧血、網赤血球
の増加がみられた。PEG-IFN 単独投与では、体重・摂餌量の減少、血小板、白血球、好中球の
50
減少、一過性の軽度貧血等が認められた。リバビリン+PEG-IFN 併用投与では、それぞれの単
独投与と同様の変化がみられ、新規の毒性発現はなかったが、PEG-IFN 単独投与に比べ、造血
系毒性(貧血)に軽度増強が認められた。
3)ラット 13 週間試験(リバビリン 0、10、40、80、160mg/kg/日)
160mg/kg/日で死亡例が認められ、一般症状の変化、リンパ球数の減少等がみられた。10mg/kg/
日以上でヘモグロビン、ヘマトクリット減少、40mg/kg/日以上で摂餌量の減少にともなう体重
減少、80mg/kg/日以上で貧血、血小板数増加等が認められた。
4)ラット 26 週試験(リバビリン 0、10、35、70mg/kg/日)
35 mg/kg/日及び 70 mg/kg/日でそれぞれ切迫屠殺例がみられた。10 mg/kg/日以上で胸腺リンパ
球の枯渇、35 mg/kg/日以上で軽度の ALT 値の低下、骨髄細胞密度の増加等、70 mg/kg/日以上
では摂餌量の減少にともなう体重増加量の低下、赤血球系パラメータの減少等が認められた。
5)イヌ 26 週間試験(リバビリン 0、5、10、20 mg/kg/日)
死亡例は認められず、5 mg/kg/日以上でリンパ球数が減少し、10 mg/kg/日以上で十二指腸陰窩
細胞の拡張及び壊死の増加がみられた。20 mg/kg/日では軽度の貧血、脾臓の色素沈着の増加が
認められた。
(3)生殖発生毒性試験
1)ラット受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験(0、10、30、100mg/kg/日)
雄において、100mg/kg/日投与により明らかな体重増加抑制及び軽度の精子数減少が認められた。
雌では 30 mg/kg/日以上で着床前損失率及び吸収胚数の増加が、100 mg/kg/日で体重増加量の
減少が認められた。
2)ラット胚・胎児発生に関する試験(0、0.1、1.0、10mg/kg/日)
10mg/kg/日で吸収胚が増加し、投与期間後半の母動物体重増加量及び妊娠末期体重が減少した。
また、異常を有する胎児が有意に増加し、生存胎児の体重が減少した。
3)ウサギ胚・胎児発生に関する試験(0、0.1、1.0、10mg/kg/日)
10 mg/kg/日では、投与期間中の摂餌量及び体重増加が減少し、胚の全吸収が認められた。1.0
mg/kg/日の胎児では、肋骨の肥厚及び胸骨体の化骨遅延の有意な増加、頭蓋骨の小泉門拡張等
が認められた。
4)ラット出生前及び出生後の発生ならびに母動物の機能に関する試験(0、0.5、1.5、5.0mg/kg/日)
雌に対する 5.0 mg/kg/日投与で妊娠期間、出産率に影響はなかったが、妊娠期間中に体重増加
量の軽度減少、妊娠・授乳期間中に摂餌量の軽度減少が認められた。また生存胎児数が減少し、
死産児、死亡及び食殺された生存児が増加した。F1 出生児では、頭部、背部、胴体部、鼠径部
などの紫色の変色が観察され、授乳期間の体重低下が認められた。
雄では、1.5mg/kg/日以上で精巣の、5.0mg/kg/日で精巣上体の相対重量が減少したが、生殖能に
影響は認められなかった。
(4)その他の特殊毒性
1)遺伝毒性
リバビリンの復帰突然変異試験(Ames 試験)及びマウス小核試験は陰性であったが、マウスリ
ンパ腫細胞株を用いた遺伝子突然変異試験では陽性であったことから、リバビリンは遺伝毒性
を有すると判断された。
2)がん原性
ラットの 2 年間投与がん原性試験及び p53 ノックアウトマウス 26 週投与がん原性試験を実施
し、がん原性は認められなかった。
3)皮膚感作性試験
モルモットを用いた皮膚感作性試験を実施した結果、リバビリンの皮膚感作性は認められなか
った。
51
Ⅹ.管理的事項に関する項目
1.規制区分
製剤:コペガス錠 200mg
劇薬、処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
有効成分:リバビリン
劇薬
2.有効期間又は使用期限
使用期限:5 年(包装に表示の使用期限内に使用すること)
3.貯法・保存条件
室温保存
4.薬剤取扱い上の注意点
(1)薬局での取り扱い上の留意点について
該当しない
(2)薬剤交付時の取扱いについて(患者等に留意すべき必須事項等)
「Ⅷ-6. 重要な基本的注意とその理由及び処置方法」
、「Ⅷ-14. 適用上の注意」参照
患者向医薬品ガイド:有り
くすりのしおり:有り
(3)調剤時の留意点について
該当しない
5.承認条件等
<承認条件>
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
<医薬品リスク管理計画について>
本剤の医薬品リスク管理計画は下記 URL に公表されている。
医薬品医療機器総合機構ホームページ
「RMP 提出品目一覧」
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/rmp/0001.html
6.包装
コペガス錠 200mg:56 錠(PTP14 錠×4)
140 錠(PTP14 錠×10)
7.容器の材質
PTP シート:ポリプロピレンフィルム、アルミニウム
袋:ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アルミニウム
8.同一成分・同効薬
同一成分薬:レベトールカプセル 200mg、リバビリン錠 200mgRE「マイラン」
52
9.国際誕生年月日
2002 年 4 月 9 日(オランダ)
10.製造販売承認年月日及び承認番号
承認年月日:2007 年 1 月 26 日
承認番号:21900AMX00046
11.薬価基準収載年月日
2007 年 3 月 16 日
12.効能又は効果追加、用法及び用量変更追加等の年月日及びその内容
効能又は効果追加:2011 年 7 月 1 日
ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による C 型代償性肝硬変における
ウイルス血症の改善
効能又は効果追加:2015 年 3 月 26 日
ソホスブビルとの併用によるセログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性
肝硬変におけるウイルス血症の改善
用法及び用量変更追加:2015 年 3 月 26 日
ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又はソホスブビルと併用すること。
通常、成人には、下記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。
本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行うこと。
体重
1 日投与量
朝食後
夕食後
60kg 以下
600mg
200mg
400mg
60kg を超え 80kg 以下
800mg
400mg
400mg
80kg を超える
1,000mg
400mg
600mg
13.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容
下記の効能・効果につき、薬事法第 14 条第 2 項第 3 号イからハまで(承認拒否事由)のいずれに
も該当しないとの再審査結果を得た。
通知年月日
効能・効果
2013 年 9 月 26 日 ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による以
下のいずれかの C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
(1)セログループ 1(ジェノタイプⅠ(1a)又はⅡ(1b)
)で
HCV-RNA 量が高値の患者
(2)インターフェロン単独療法で無効又はインターフェロン単独
療法後再燃した患者
14.再審査期間
・ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による以下のいずれかの C 型慢
性肝炎におけるウイルス血症の改善
(1)セログループ 1(ジェノタイプⅠ(1a)又はⅡ(1b)
)で HCV-RNA 量が高値の患者
(2)インターフェロン単独療法で無効又はインターフェロン単独療法後再燃した患者
2007 年 1 月 26 日~2011 年 10 月 15 日(終了)
・ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による C 型代償性肝硬変におけ
53
るウイルス血症の改善
2011 年 7 月 1 日~2015 年 6 月 30 日(4 年間)
・ソホスブビルとの併用によるセログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎又は C 型代償
性肝硬変におけるウイルス血症の改善
2015 年 3 月 26 日~2023 年 3 月 25 日(8 年間)
15.投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は、投薬期間に関する制限は定められていない。
16.各種コード
販売名
コペガス錠 200mg
厚生労働省薬価基準
収載医薬品コード
6250022F1022
HOT(9 桁)番号
117737401
17.保険給付上の注意
該当しない
54
レセプト電算コード
620004852
ⅩⅠ.文献
1.引用文献
1)社内資料:第Ⅲ相臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV15725)
2)社内資料:製造販売後臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV21134)
3)社内資料:第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(PEG-IFNα-2a 併用)
(国内:JV19595)
4)ソバルディ錠 400mg 添付文書
5)社内資料:第Ⅰ相臨床試験(国内:JP18500)
6)Lau JYN, et al: Hepatology 35:1002-1009,2002
7)飯野四郎.C 型肝炎最前線 インターフェロン療法の進歩と今後.日本医事新報 2001;96-97
8)Fujii N,et al:Virus Res 65:175-185,1999
9)Witherell GW,et al:J Med Virol 63:8-16,2001
10)社内資料:HCV-RNA レプリコン複製阻害作用(in vitro 試験)
11)社内資料:リバビリンの免疫調節作用(in vitro 試験)
12)社内資料:リバビリンと PEG-IFNα-2a との併用効果(in vitro 試験)
13)社内資料:リバビリン単回経口投与時の食事の影響(国外:NR16230)
14)社内資料:血漿蛋白結合(in vitro 試験)
15)社内資料:動物実験:組織内分布,乳汁中移行
16)社内資料:動物実験:胎盤・胎児移行
17)Miller JP, et al:Ann N Y Acad Sci 284:211-229,1977
18)社内資料:代謝的安定性(in vitro 試験)
19)社内資料:酵素阻害試験(in vitro 試験)
20)Page T, et al:Int J Biochem 22:379-383,1990
21)Catlin DH, et al:Academic Press Rapid Manuscript Reproduction :83-98,1980
22)社内資料:薬物代謝酵素又はトランスポーターの誘導試験(in vitro 試験)
23)社内資料:一般薬理試験
24)社内資料:毒性試験
2.その他の参考文献
55
ⅩⅡ.参考資料
1.主な外国での発売状況
本邦における効能又は効果、用法及び用量は以下の通りであり、外国での承認状況とは異なる。
効能又は効果
1.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による以下のいずれかの C 型
慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
(1)セログループ 1(ジェノタイプⅠ(1a)又はⅡ(1b)
)で HCV-RNA 量が高値の患者
(2)インターフェロン単独療法で無効又はインターフェロン単独療法後再燃した患者
2.ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)との併用による C 型代償性肝硬変にお
けるウイルス血症の改善
3.ソホスブビルとの併用によるセログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎又は C 型代
償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
用法及び用量
ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又はソホスブビルと併用すること。
通常、成人には、下記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。
本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行うこと。
体重
60kg 以下
60kg を超え 80kg 以下
80kg を超える
1 日投与量
600mg
800mg
1,000mg
朝食後
夕食後
200mg
400mg
400mg
400mg
400mg
600mg
英国及び米国での承認状況
国名
効能・効果
用法・用量
承認年月日
2002 年 11 月 15 日
英国
C 型慢性肝炎に対する他の医薬品との併用
1 日量として 800~
1,400mg を経口投与
米国
C 型慢性肝炎及び代償性肝硬変を伴う C 型慢性肝炎
に対するペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝
子組換え)との併用
1 日量として 800~
1,200mg を経口投与
2002 年 12 月 3 日
2.海外における臨床支援情報
(1)妊婦に関する海外情報
本邦における使用上の注意「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項の記載は以下の通りであり、米
FDA、オーストラリア分類とは異なる。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験で催奇形性作用
(ラット:10mg/kg/日、ウサギ:1.0mg/kg/日)及び胚・胎児致死作用(ラット:10mg/kg/
日、ウサギ:1.0mg/kg/日以上)が認められている(【禁忌】の項参照)
。]
(2)授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。
[動物実験(ラット)で乳汁中への移行
が認められている(
【禁忌】の項参照)。]
分類
FDA の分類:Pregnancy Category
X(2014 年 4 月米国添付文書による)
オーストラリアの分類:
An Australian categorisation of risk of drug X(2015 年 4 月オーストラリア添付文書による)
use in pregnancy
56
参考:分類の概要
FDA:Pregnancy Category
X:Studies in animals or humans have demonstrated fetal abnormalities, or there is
positive evidence of fetal risk based on adverse reaction reports from investigational
or marketing experience, or both, and the risk of the use of the drug in a pregnant
woman clearly outweighs any possible benefit.
オーストラリア分類: An Australian categorisation of risk of drug use in pregnancy
X:Drugs which have such a high risk of causing permanent damage to the fetus that
they should not be used in pregnancy or when there is a possibility of pregnancy.
(2)小児等に関する海外情報
本邦における使用上の注意「小児等への投与」の項の記載は以下の通りであり、米国の添付文書及
び EU の SPC とは異なる。
小児等への投与
(1)低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
[使用経験
がない。
]
(2)5~17 歳の C 型慢性肝炎患者を対象とした海外臨床試験において、治療期間中に体重増加
の遅れ及び身長の伸びの遅れが認められたとの報告がある。
出典
WARNINGS AND PRECAUTIONS
米国の添付文書
(2014 年 4 月) Impact on Growth in Pediatric Patients
Pediatric subjects treated with PEGASYS plus COPEGUS
combination therapy showed a delay in weight and height increases
after 48 weeks of therapy compared with baseline. Both weight and
height for age z-scores as well as the percentiles of the normative
population for subject weight and height decreased during treatment.
At the end of 2 years follow-up after treatment, most subjects had
returned to baseline normative growth curve percentiles for weight
and height (mean weight for age percentile was 64% at baseline and
60% at 2 years post-treatment; mean height percentile was 54% at
baseline and 56% at 2 years post-treatment). At the end of treatment,
43% of subjects experienced a weight percentile decrease of 15
percentiles or more, and 25% experienced a height percentile decrease
of 15 percentiles or more on the normative growth curves. At 2 years
post-treatment, 16% of subjects remained 15 percentiles or more below
their baseline weight curve and 11% remained 15 percentiles or more
below their baseline height curve.
EU の SPC
(2015 年 1 月)
USE IN SPECIFIC POPULATIONS
Pediatric Use
Pharmacokinetic evaluations in pediatric patients have not been
performed.
Safety and effectiveness of COPEGUS have not been established in
patients below the age of 5 years.
Special populations
Use in patients under the age of 18 years
Treatment with Copegus is not recommended for use in children and
adolescents (<18 years) due to insufficient data on safety and efficacy
in combination with other medicinal products for the treatment of
hepatitis C. Only limited safety and efficacy data are available in
children and adolescents (6-18 years) in combination with
peginterferon alfa-2a. A case by case benefit/risk assessment with
respect to the use of Copegus in children is needed.
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ⅩⅢ.備考
その他の関連資料
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