モザイク症状を発症するナシ樹におけるサビダニの越冬場所からの離脱時期およ び新梢先端葉におけるサビダニの寄生部位とモザイク症状発症部位との関係 ○ 砂 原 明 日 美 ・ 上 遠 野 冨 士 夫 ( 法 政 大 ・ 生 命 科 学 )・ 土 田 聡 ・ 中 畝 良 二 ・ 井 原 史 雄 ( 農 研 機 構 ・ 果 樹 研 )・ 杉 浦 直 幸 ( 熊 本 農 研 セ ・ 果 樹 研 )・ 口 木 文 孝 ( 佐 賀 果 試 ) 九州を中心にニホンナシの葉にモザイク症状が多発し大きな問題になっており、その 被害は他のナシ産地にも拡大している。演者らは、本症状がみられるナシ葉に寄生する サビダニの形態を調査したところ、ニセナシサビダニと形態的差異はみられなかった。 そこで、つくば市と熊本市のナシ園でサビダニの越冬場所からの離脱時期を調査し、こ れ と ニ セ ナ シ サ ビ ダ ニ の 離 脱 開 始 日 ( 3 月 の 最 高 気 温 が 18℃ に な る 日 ) と 1 世 代 の 有 効 積 算 温 度( 1 1 3 . 4 日 度 )か ら 第 1 世 代 虫 の 出 現 予 測 日 を 比 較 し た と こ ろ 、両 者 は ほ ぼ 一 致 した。また、新梢先端の未展開葉におけるサビダニの寄生部位とモザイク症状の発症部 位を調査したところ、両者はほぼ一致した。以上のことから、ナシ葉のモザイク症状の 原因はニセナシサビダニの加害によるものと推察される。なお、本症状が生じる理由に ついては、ウイルスとの関連も含めて今後検討する必要があると思われる。
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