形にしないワークショップ

NPO法人プラス・アーツとは?
「教育」、
「まちづくり」、
「防災」、
「福祉」、
「環境」、
「国際協力」
といった社会の既存の分野に対して、アートそのものを持
ち込むのではなく、アート的な発想やアーティストの持つ
既成概念にとらわれない創造力を導入し、それらの分野が
それぞれ抱えている様々な課題や、問題を解消し、再活性
化させることを活動目的としている非営利団体。
『イザ!カエルキャラバン!』(2005∼2008)
楽しみながら防災を学ぶ、体験型のプログラム。
『RIC アートカプセル』(2003∼2008)
藤浩志氏が展開する、子供を対象とした、おもちゃの物々交換のプログラム「かえっこ
美術館と地域が協力して行なうアートをテーマとした地域の祭典。
バザール」と防災訓練を組み合わせた、楽しみながら防災の「知識」や「技」を学ぶこ
とができるプログラム。
形にしないワークショップ
∼若者の防災意識啓発、防災力向上のためにできること∼
社会学
A
都市計画
アート
デザイン
プラスアーツ
寳槻 泰伸
株式会社ワイズポケット
代表取締役
山田絵美
ハウジング
アンド
後藤良子
山本直
岩崎美冴
高橋孝治
百田真治
株式会社 UG 都市計画 主幹
神奈川大学 工学研究科
特定非営利活動法人
株式会社良品計画
NPO 法人プラスアーツ
建築学専攻 曽我部昌史研究室
黄金町エリアマネジメントセンター
生活雑貨部 企画デザイン室
渡辺ゆうか
毛原大樹
島田陽介
小倉丈佳
アーティスト
株式会社サン・アド 制作本部 NPO法人プラスアーツ
コミュニティ財団
ワークショップの趣旨説明
建築
B
今回の「形にしないワークショップ」 は、5月23日と6月5日の2日間にわたって開催された、NPO法
人プラスアーツによって開催されたワークショップです。プラスアーツが普段取り組んでいる防災につ
いて、議論していく形式のワークショップです。テーマは「若者の防災意識を啓発する方法」で、おもに
島本昌典
松浦沙和
名古屋大学大学院 国際言語文化研究科
昭和株式会社 まちづくり計画室
地震に対しての防災意識を現代の若者たちに、いかにして持ってもらうかという課題でした。また「形に
東アジア言語文化講座 博士前期課程
アートディレクター
しない」ということばがタイトルにある通り、このワークショップでは、形にすることを最終的な目標
にするのではなく、考え方の過程を大切にしたワークショップでした。
参加者の方々はアート、都市計画、デザイン、社会学、そしてプラスアーツ関係者と、様々なバック
C
グラウンドを持っており、各分野の知識を生かせる様にするため、各個人の分野が均等になるよう、グルー
プを A、B、Cの3グループに分けられました。
1日目は、各チームで議論を重ね、若者の防災意識を高める方法を時間の許す限り使って考えていき
ました。そして、2日目は話し合った内容、結論のプレゼンテーションという形になりました。
結論は形にしないチーム、具体的な解決策を提案したチームと、様々でした。
竹田恵子
安田啓紀
中林仁子
笹原晃平
酒井博基
田辺稔規
早稲田大学演劇博物館
日建設計総合研究所
小泉アトリエ
フリーアーティスト
株式会社セントラルライン
NPO 法人+アーツ
研究員
研究員
一級建築士
代表取締役 / デザイナー
たまたま買ったら防災グッズだったみたいのは、防災に関
災害が起きた直後に生きのびるというのと避難所でライフラインとか住むとこ
して意味があるのかって思う。意識が高まらないと、実際
ろの復帰を待つのはまた違う。
に災害が起こった時に使いこなせなければ意味がない...。
タイムラインにそって知識と経験を発揮する必要がある。
物がないのは?
物
地震が起きた時一番最初に考えることは、自分が助かるかどうかで次は家族。
街中できない?
行政とかは基本的にたぶん防災のシナリオを作ってるんですよ。それがうまく
防災意識
結びついて、他の人に伝えられる形になるといいかなぁ。
おばぁちゃんの知恵
物だけあればいいわけじゃないし、シナリオだけあればいいわけでもないし、
キャンプの地域サークル
それを伝える人も必要だし、すごい要素はいっぱいあるのかなって感じる。
知識
アーリーアダプター
行動
マジョリティー
シミュレーション
キャズム理論
ラガード
ホームレス最強説
東京マラソン
家電芸人みたいな、防災芸人をつくる!!
防災バード
フォロワー
防災にラガードの人が、お笑いにはアー
リーアダプターかも知れない。
避難場所
いろんな人
ゴミ
人災(戦争)
人間関係
行政
ヤンキー
グリーンバード
強迫観念
新潟の地震の時におばぁちゃんたちが
至急された物をうまく保存したりして、
役立った。そういうおばぁちゃんの知
防災意識が高いとは?
NPO
かっこいい
防災
東海地震
地域
リーダー
吉本に頼む。
天災
もしもタイプ
必要最低限の備え
「気づいたら
防災の一歩を踏み出してた」
「楽しく防災」
「カッコ良く防砂」
若者の
防災意識
向上
もしもタイプじゃ
ダメ?
防災意識高い?
若者
当事者意識
無印とプラスアーツと吉本で
防災グッズ
の時あなたはどうやって大事な人とコ
ンタクトをとりますか?
昔は、駅に掲示板があった。というこ
脱出ゲーム防災版
身体スケール
自分が生き残る
2 大事な人とコンタクト
防災つぶやき
ロハスデザイン大賞
防災の日常化
1
地震ナウ
ツイッター
キャンペーン
NO ケータイデーみたいの作って、そ
意識の変化
タイムラインに沿って
考えないといけない
防災じゃない
防災
防災芸人
恵みたいのも防災には必要ではないか。
3
支援が入るまで 72h
牛乳パック
新聞紙
物が必要
火起こし
モテる
とは、昔はコンタクトをとる能力が
あった。でも今はケータイないとどう
しようもない。今は時間も待ち合わせ
もルーズになった。ドタキャンもしや
すくなった。
スポーツ × 防災
なにもしない防災
アウトドア
職業を防災につなげていくみたいな、ガソリンスタンドの人は大き
テント
な声を出せるとか、タクシーの運転手は道をよく知ってるだとか、
自分ができることを防災に役立てる。
誰かが助けてに来てくれると思いがちだけど、
啓発
危機感を持たせる
現実はそうではない。
実は普段やっていることが防災に関係しているんだよ
現代人は情報を
防災って事なんでしょうね。
自ら発信している
※
防災と盆栽って似てません…?
ハウスシェア
USTREAM
子供は鬱屈したイメージばっかり押し付け
ルームシェア
ネットだけのつながりでなく、現実世界
救助は 1 割程度
コミュニケーション
知恵袋
おばあちゃんが「今日の月は傾いているから地震が起きる」
事実とのギャップ
静岡県の不動産屋に「地震が来てもつぶれない家がいい」
親任せ
アンケート結果
不安は感じている
あまり気にしていない?
家庭菜園
一人二役
的なもの
防災に関係
キャンプ
9月1日
気付き
テント
遊び
4
11
認知度の低さ
19
26
1
2
3
5
6
7
8
9
10
12
13
14
15
17
18
20
21
22
23
24
25
27
28
29
30
1
2
隣人を知らない
来るか来ないか、分からないようなものに
お金をかけている余裕はない。
避難指定マップ
おばあちゃんの知恵袋って言うのは防災の
ハザードマップ
知識の宝庫なんですよ。
地域を学ぶ
人をネガティブな気持ちにさせない表現の
なかなか来ない地震
ギリギリのラインを探る必要がありますね。
「防災」の授業
東京にいると、防災を意識しづらい。
企業、人がたくさん集まっているからこそ
※簡易ラジオ局をつくり発信できる道具
ウェザーニューズ
FM COCORO
災害伝言ダイヤル
できる防災の形もありますよね。
視聴者からの
情報提供
張り方を覚える
ツリーハウス
9
地域との
体を鍛える
防災の日
意識が低い事実
関わりの低さ
ガチャガチャ
ジム
日常
盆栽型のパソコンです!
楽しく続ける
地震に関する
と言うと笑う。地震がくると言われ続けているが、
とっている人がほとんどですよね。
マン盆栽
盆栽
防災を意識させない
若者の
防災意識
向上
語り部
と言ったら、本当に地震が起きた!
Twitter
おばあちゃんの
救急、消防の
視野に入れておかないといけない。
携帯を使ってコミュニケーションを
盆栽型のパソコン
ネット上の
若者同士のつながり
へのフィードバック、実際のふれあいは
20 代、30 代の人は、日常的にネットや
ピンッときました!
ケータイ
防災も同じなんだと思います。
Wi- Fi
SNS
電車のモニター
やな予感指数
トランスミッター
られると、意識を閉じてしまうらしいんですよ。
第六感
iPhone アプリ
ってのを提案する、気付きを与えることだけでも
お金のかけ方で県別の意識の違いとか出そうですね。一番
C
プラスアーツの活動
お金をかけてる県って防災意識がうまく浸透してるってこ
私、静岡県の浜松出身で、「東海地震」の周期の 150 年が、もう過
とですよね。
ぎてるって小学校1年の防災訓練から、ずぅーっと言われて 20 歳
「イザ!カエルキャラバン!」
子供向け
になったので・・・
「来ないじゃん」ってゆう気持ちが物凄く強いんですよ。
若者向け
千代田区の避難訓練ていって、「帰宅困難者対策」。オフィス
おもしろいね!幼いころにされてた啓発が裏切られすぎて、もう信
に勤めてる人達が、電車が止まった時、安全に歩いて帰るルー
用してないんですね。笑
おしゃれさが必要?
トを知るために、歩いて帰らせるとか。それを年に一回、1
月 17 日近辺にやってるんですね。2千人くらい参加しますよ。
県別の防災意識
防災イベントとか、防災訓練とか時期が決まっ
裏切られ
「ロングウォーク」
てしまっている。
「帰宅困難者対策」
でも、地震はいつ来るかわからないって言わ
れてて凄い矛盾があるなって。
瞬発力
20 キロ歩く
「東海地震」
天災
体力づくり
人災(戦争)
イベント
静岡県
防災グッズ
「もしもクエスチョン」
お祭り
防災
建築
行政
防災意識が高いとは?
訓練
準備してる
信じられるのは「人」
お祭りタイプの啓発イベントってゆうのがあって。
「いつでも・どこでも・だれとでも」
「もしもセンパイ」
若者の
防災意識
向上
シュミレーション
してる
啓発
地震=もしも
るむというか。
若者
家族持ち
意識の変化
一人暮らし
「もしも」を「いつも」
考える
「向こう三軒両隣」
非常用ツイッター
「地震マニュフェスト」
興味のない人
独り身の 20 代 30 代がポイント?
プレゼント+防災
機会があれば
興味を持つ人
結婚して、子供できるといろんな意識が変わる。順応能力高いから、災害時も
父の日・母の日
ような環境づくりができないかと思って。今、自分が作ってる iPhone アプリが使えるのかなって。
「もしも ] から始まる質問をこのキャラが繰り返して、飲み会とかで話しのきっかけを作るんですよ。そ
うすることで、話しが広がって、セカンドクエッションが生まれるんです。
対応できちゃうけど、子供がいたら、その子を誘導しなきゃいけないとか、守
らなきゃとかあるし。
被災時みんなからあれやってこれやってって頼まれる立場じゃないですか。
ワークショップを開催しなくても、日常的に防災の話しが、「いつでも・どこでも・だれとでも」できる
「もしもセンパイ」
独り身の 20 代 30 代
がポイント?
近所付き合い
約束する
約束カード
世の中に
興味がある人
なイメージがあるんだけど、それを「お祭り」でく
回覧板
新しいものに
興味がある人
飲み会で防災話
啓発ってゆうとすごくお勉強的な、上からの教育的
防災意識高い?
具体的な誰かを
助ける
iPhone アプリ
アイスブレイキングツール
上からの教育
災害に順応できる
防災話大好き!
ド調査したことがあるんですけど。
エイズ啓発イベント
防災訓練
地域
エイズに関する啓発イベントっていうのをフィール
病災
啓発
食料
確実なステップ
20 代 30 代へのアクションはしようとしているが、きっかけ
が作れてないというか…。
単純に「おしゃれさ」が必要だから、おしゃれな防災グッズ
集めたセレクトショップやったりしているが、そこまで強く
ない。
そこに行く前段階が欲しいんだなってのは感じています。
反射神経
高校の防災イベント
倫理
人間関係
気づかない位の
ステップ
ノストラダムス
ングウォーク」っていって。
防災グッズの
セレクトショップ
きっかけがない
防ノストラダムス
私も学校で防災訓練の一貫で毎年 20 キロ歩いてました。「ロ
インフラ
防災訓練参観
日常に近づける
具体的じゃない他人を助けるように啓発するかってポイントですよね。
誰か一人、助ける相手を決めとくとか?
「私あんた助けるから、あんた誰か助けなよ」みたいな。
飲み会で「地震の話しようよっ!」って言ったら恥ずかしいし。
みんなを助けるとか、不特定多数の誰かを助けてって言うと、若者ってちょっとひいちゃう
例えば、「もしも地震が起こったらどうする?」みたいな、「もしもセンパイ災害編」とか。
と思うんですよ。
こういうツールも防災グッズと言えるのかなって。
具体的な誰かってのを意識して、で、それをみんなが意識したら、結果大人数が啓発される。
A
B
C
プレゼンテーション/ A チーム
プレゼンテーション/ B チーム
プレゼンテーション/ C チーム
A チームは、他の 2 チームとは違い、具体的なアプリやプロ
B チームは、一日目以降にメーリングリストで話し合った結果、
C チームは、一日目の話し合いで出てきた iPhone アプリ「も ダクトを作るのではなく、「このワークショップがゴールじゃ
最終的に第六感予報の案を採用し、「虫の知らせ指すう」という
しもセンパイ」の防災編をワークショップ形式で紹介しました。
ない!」というスローガンを掲げ、一日目に話し合った内容
ものを提案していました。これはウェブ上で、様々な人に今日
「もしもセンパイ」の質問をカードにして各グループに配って会
を深めるとともに、二日目も様々な案出しを行った。
は何か嫌な予感がするか、しないかを投票してもらい、統計を
話してもらいました。
二日目に出た案
出し、ビジュアル化したものです。現在の虫の知らせ指数と同
・何もしない防災:普段の職業や趣味、タバコなどの嗜好品まで、
時に、防災の知恵などの情報を提供しています。楽しいアプリ
①一人が裏返してある「もしもカード」を引き、その質問に答える。
普段慣れていることを、お互いに知ることができれば、防災
の一方で、何かが起きるかもしれないという危機意識を持たせ、
②その応えに、グループの他のメンバーがセカンドクエッション
に役立つのでは?
防災の啓発につなげよう、というコンセプトでした。展開とし
を重ねていく。
・防災 4 コマ:新聞の 4 コマ欄に、防災のことに関しての 4 コ
てアイフォンアプリ、パソコンのダッシュボードや、電車の液
③会話につまったらまた新しいカードをひく。
マを載せることで、防災への啓発。
晶モニターなどがあがりました。
④繰り返し。
《基本ルール》
・脱出ゲーム(防災版):実際に震災が起きた時を想定して、起
※最終的にカードが忘れ去られるくらい、議論や会話が白熱す
こる問題などを、仮想空間で体験できるアトラクション。
ると望ましい。
・身ひとつ:実際に、震災の時頼れるのは自分の身体である。
ということで、普段から、震災時に役立つであろう、ゆび笛
などを練習しておく。
防災 4 コマ
たばこばっかり
キャーーー
ゆび笛
それ、悲し
くなる∼笑
もしもあなたが被災し
なんだろー…
たら、聞きたい1曲は
アルマゲドンのあれか
なんですか?だって。
な…笑
え∼笑
死なないでー !!・・・・はっ !!!
劇的過ぎるでしょ∼笑
「Let it be」とかは?
ありがとう・・・
会議風景
P
また高齢者の方と若者をつ
なぐツールとして盆栽型パ
ソコン「Bousai Bonsai 」の
提案もしていました。
「もしもセンパイ」ワーク
ショップの様子。
c
n
I
・
u