第77号 発行:平成27年4月6日(偶数月発行) 編集:県立薩南病院 南さつま市加世田高橋1968-4 電話:0993-53-5300 ホームページアドレス http://hospital.pref.kagoshima.jp/ satsunan/ 知って得する医師の話シリーズ60 慢性腎臓病について 副 院 長 (兼 )内 科 部 長 大橋 保 腎臓の病気は、腎炎、糖尿病、高血圧、多発性嚢胞腎などさまざま な原因で起こり、長い間続くと腎機能が低下し、最終的に慢性腎不全 に陥ることがあります。 慢性腎不全がさらに進行すると倦怠感、むくみ、食欲不振などの尿毒症症状が出現 してきて、生命を維持できなくなりますので、その時は透析療法が必要となります。 全 国 で 血 液 透 析 を 受 け て い る 患 者 さ ん は 、 平 成 25年 末 で 314,180人 ( 鹿 児 島 県 は 5,285人 ) と 30万 人 を 超 え 、 い ま だ に 増 加 し 続 け て お り ま す 。 特に糖尿病性腎症からの腎不全患者さんが依然として多く、最近は加齢や高血圧症 から起こる腎硬化症の割合が増加しております。 このように慢性に経過する腎臓障害・腎機能低下の進行を予防・治療することと、 腎 臓 病 に 合 併 し や す い 心 血 管 病 ( 脳 卒 中 や 心 筋 梗 塞 な ど ) を 防 ぐ こ と を 目 的 に 、 2002 年 に 慢 性 腎 臓 病 ( chronic kidney disease:C K D ) と い う 概 念 が 出 さ れ ま し た 。 慢 性 腎 臓 病 の 定 義 は 、「 尿 蛋 白 陽 性 な ど の 腎 疾 患 の 存 在 を 示 す 所 見 」 も し く は 「 腎 機 能 低 下 が 3ヶ 月 以 上 続 く 状 態 」 を 言 い ま す 。 慢 性 腎 臓 病 の 重 症 度 は 、 糸 球 体 濾 過 量 ( GFR) と い う 腎 機 能 の 程 度 で 、 ス テ ー ジ 1 ( 腎 機 能 正 常 、 無 症 状 、 蛋 白 尿 、 血 尿 ) か ら ス テ ー ジ 5 ( 腎 機 能 は 15%未 満 、 尿 毒 症 期 ) の 5段 階 に 分 類 さ れ て お り ま す 。 こ の 分 類 は 大 変 わ か り や す く 、 広 く 受 け 入 れ ら れ ま し た 。 そ し て 、 2012年 に は 再 評 価 が 行 わ れ 、「 尿 蛋 白 量 」 が 末 期 腎 不 全 や 心 血 管 疾患発症の危険因子であること、また「糖尿病」は末期腎不全の最大の原因であるこ と な ど か ら 、 重 症 度 の 分 類 は 、「 腎 機 能 の 程 度 」 に 加 え て 、「 原 疾 患 ( 糖 尿 病 性 腎 症 、 慢性腎炎など)の種類」と「蛋白尿の程度」を入れた分類になりました。 慢性腎臓病は自覚症状がほとんどなく、健診、人間ドックなどで蛋白尿や腎機能障 害を指摘される場合が多く、現在、日本の成人人口における慢性腎臓病患者数は約 1,330万 人 (12.9%)と 推 計 さ れ て お り ま す 。 最近は腎不全の最大の原因である糖尿病や高血圧などへの対策が進んでおりますの で、慢性腎臓病と診断されましたら、まず原因疾患(慢性糸球体腎炎、糖尿病、腎硬 化症など)を特定し、その治療を行い、進行を抑制するために定期的に血液および尿 検査を受けて、その病状に応じて治療を続けることが大切です。 尚 、 H27年 1月 か ら 難 病 患 者 さ ん へ の 医 療 費 助 成 制 度 が 変 わ り 、 腎 臓 病 の 中 で は IgA 腎症と多発性嚢胞腎が新たに難病指定されました。この疾患で治療中の方がおられま したら主治医へ御相談下さい。 平成27年度 医師診療日一覧 平成27年4月1日 新任医師の紹介 人工透析内科 ※平成27年4月1日付けで着任した医師5名です。 人工透析内科部長:吉嶺 出身地 陽仁(よしみね はるひと) :枕崎市 前勤務地:南風病院 専門分野:腎臓・透析内科 所属学会:日本内科学会,日本腎臓学会,日本透析医学会, 日本アクセス研究会 趣 味 :バレー,バドミントン 抱 負 :よろしくお願いします。 【次ページへ続く】 総合診療科 総合診療科医長:石橋 和久(いしばし かずひさ) 出身地 :曽於市末吉町 前勤務地:鹿児島赤十字病院 内科 専門分野:総合診療科,糖尿病内科 所 属 学 会 : 日 本 プ ラ イ マ リ ・ ケ ア 連 合 学 会 ,日 本 糖 尿 病 学 会 趣 味 :読書,ジョギング,バレーボール 抱 負 :一生懸命頑張ります。宜しくお願いします。 総合診療科医長:上村 英里(かみむら えり) 出身地 :鹿児島市 前勤務地:南大隅町立郡へき地出張診療所 専門分野:内科 所属学会:日本内科学会,日本産科婦人科学会, 日本プライマリ・ケア連合学会 趣 味 :ドライブ,スキューバダイビング,料理, 芸術鑑賞,読書 抱 負 :久しぶりの病院勤務で緊張しています。 家庭と仕事の両立を目指します。 消化器内科 消化器内科部長:上野 雄一(うえの ゆういち) 出身地 :姶良郡姶良町 前勤務地:指宿医療センター 専門分野:消化器内科 所属学会:日本消化器内科学会,日本消化器内視鏡学会 趣 味 :読書 抱 負 :丁寧な検査を心がけています。 宜しくお願いします。 医務技師:田淵 雅裕(たぶち まさひろ) 出身地 :鹿児島 前勤務地:済生会川内病院 専門分野:消化器内科 所属学会:日本消化器病学会,内視鏡学会,内科学会 趣 味 :食べること 抱 負 :少しでもお役に立てるよう頑張ります。 循環器内科 循環器内科部長:吉重 祐介(よししげ ゆうすけ) 出身地 :肝付町 前勤務地:県立大島病院 専門分野:循環器内科 所属学会:日本循環器学会,日本内科学会,心臓病学会, 超音波学会,日本インターベンション学会 趣 味 :フットサル 抱 負 :がんばります。 自宅で簡単エクササイズ リハビリテーション部 技術主査 森薗 真吾 ○当院の所在地・連絡先 【所在地】 〒897-1123 【TEL】 0993-53-5300 【FAX】 0993-53-6764(事務室), 53-5436(地域医療連携室) 薩南病院の理念 鹿児島県南さつま市加世田高橋1968-4 県立薩南病院は,中核的病院として地域医療に貢献し,住民に信頼され, 安心して医療を受けられる病院を目指します。 方 針 1 職員は,常に「患者さんのための病院」であることを自覚し,安全に充 分配慮して医療サービスを提供する。 2 職員は,常に研修・研究し,医療の質の向上に努める。 3 職員は,常に「和」をもって,より充実したチーム医療を実践する。 4 県立薩南病院は,常に他の医療・保健・福祉機関と連携し,効果的で最 善の医療を提供する。
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