Title Author(s) Citation Issue Date URL Publisher Rights 聴性脳幹反応(ABR)の両耳間相互作用( fulltext ) 池田,一成 東京学芸大学教育実践研究支援センター紀要, 10: 151-158 2014-03-31 http://hdl.handle.net/2309/135359 東京学芸大学教育実践研究支援センター 東京学芸大学教育実践研究支援セ ンター紀要 第1 0集 p p.1 51 -1 5 8,2 01 4 聴性脳幹反応 ( ABR)の両耳間相互作用 池 田 一 成* ( 201 3年 1 1月25日受理) ⅨEDA, K. ; Bi na ur a lI nt e r a c t i o ni nAudi t o r yBr a i ns t e mRe s po ns e : AMi ni Re vi e w. I SS N1 3 49958 0 I na ni ma la ndhu ma ns t udi e s ,bi na ur a li nt e r a c t i o nf わra udi t o r ybr a i ns t e mr e s po ns e( ABR)r e pr e s e nt st hedi f f e r e nc e be t we e nabi na ur a lr e s po ns ea ndas t mme dmo na ur a lr e s po ns e .Thi sphe no me no ni si nt e r pr e t e da so igi r na t i ngao m t hebr a i ns t e m bi na ur alne ur onst ha tde mons t r a t et her e s pons ei nt e r f e r e ncewhe nr e c e i vl ngbi na ur a li nput s .The ABRbi na ur a li nt e r a c t i onc o r r e s pondsbe ha vi o r a l l ywi t ht hef us i onofmo na ur a li ma ge s ,a ndt husi t spe a kl a t e nc y a nda mpl i t udea r es e ns i t i vet oi nt e r a ur a lt i mea ndl e ve ldi fe r e nc e s .I fvi e wl ngaf a c t o r i a li nt e r a c t i o nbe t we e nt o na l re f q ue nc ya nda t t e nt i o nmoda l i yu t po nt heABR, t hebi na ur a li n t e r a c t i o ni sq ui t er o bus ta nddi f f i c ul tt obei nnue nc e dby t het a s kmoda l i y whe t nus i nga ud i t o r ys t i mul i ,l i kec l i c ks ,whi c hc o nt a i nhi he g rt o na lf re q ue nc i e s .I nr e s po ns et ot o na l ,o nt heo t he rha nd, t heABRbi na ur a li n t e r a c t i o ni sr e l a t i ve l ywe a ka nds e e mst ode pe ndo n Re q ue nc i e sbe l o w 1500Hz 000Hzt o nepi psde mo ns t r a t e dt ha tt heABRbi na ur a li nt e r a c t i o nwa s t het a s kmoda l i y.Fo t ri ns t nc a e ,o u rs t ud yus i ng1 de t e c t e dd ur nga i na udi t o r ya t t e n t i o nt a s kwhe r e a st hee fe c tdi s a p pe a r e dwhe na t t e n t i o nwa sdi r e c t e dt ovi s ua lmoda l i y. t Thes ee vi de nc e ss ugge s tac l os er e l a t i onofs oundl oc a l i z a t i onwi t ha udi t or ya t t e nt i oni nt hea udi t or ybr a i ns t e m pr oc e s s i ng.A m o ngpe r s o nswi t hde ve l o pme nt a ldi s a bi l i t i e s ,a na bno ma r l i yi t nt heABRbi n叩r a li nt e r a c t i o nha sbe e n .Thebi na ur a li nt e r a c t i o n f o T n df u わ rc hi l d r e nw it he i t he ra udi t o r ypr oc e s s l ngdi s o r de r so rs pe c i f i cl a ng ua gei mpa l r me nt a bno r ma l i yf t ou ndf ort he s ec hi l d r e nha sbe e nc o ns i de r e dt or e ne c ts o mede f i c i ti nbi na ur a lpr oc e s s i nga tt hea udi t o r y br a i ns t e m,a l t ho ug ht hi se x pl a na t i o ns ho wsi nc o ns i s t e nc yw it ht hee x pe ime r nt a lda t a .The r e f o r e ,t her e l a t i o nbe t we e n l . t hos ede ve l o pme nt a ldi s a bi l i t i e sa ndt heABRbi na ur a l i nt e r a c t i o ns ho ul dbeM l e re xa mi ne di nde t a i KEYWORDS: Audi t o r yBr a i ns t e m Re s po ns e ,Bi na ur a lI n t e r a c t i o n,So n dLoc u a l i z a t i o n, Audi t o r yAt t e nt i on,Ef f e T r e n t mpa i r me nt Pa t hwa y , Aud i t o r yPr oc e s s i ngDi s o r de r s ,Spe c i icLa f ng ua geI *CenterjT ort heRe s e ar c handSu ppor to fEduc at i onal Pr ac t i c e ,T oo) oGaku ge iUni v e r s i o) ニューロン応答 とは異 なることを意味す る。 この現象 1.ABR両耳間相互作用の基本現象 が聴覚系 において最 も初期 に生 じる段 階は,左右耳か らの聴覚入力が合流する聴覚脳幹 ( 上オ リーブ核以降) 両耳 間相互作用 ( bi na ur a li nt e r a c t i o n) とは,両耳刺 であると考 えられる。 激 に対す る神経応答が単耳刺激 に対す る神経応答 の代 数和 ( 左耳反応 +右耳反応) と異 なる現象 をい う。 つ 晴乳 動 物 や 人 間 を対 象 とす る両 耳 間相 互 作 用 の ま り両耳へ 同時に入力があった場合 に入力 間の相互作 生 理 学 的検 討 は, 聴 性 脳 幹 反 応 ( Audi t o r ybr a i ns t e m 用が聴覚ニューロンで生 じ,単耳のみの入力 に対す る r e s pons e: ABR) を指標 と して多数お こなわれている。 *東京学芸大学教育実践研究支援センター 生涯発達支援部門 - 15 1 - ー 1 J 巧 東京学芸大学教育実践研究支援 セ ンター紀要 第1 0集 ( 2 01 4) ABRは主に聴覚脳幹か ら発生する遠隔電位であ り,顔 音圧刺激を用いても,多 くの場合に第Ⅳ波から第 V波に 皮上の電極 か ら記録 される。晴乳動物 を対象 とした かけての潜時で開始することが知 られている。 したがっ ABR研究か ら; 両耳間相互作用の典型的反応 として, て,ABR両耳間相互作用の原因が耳小骨筋反射による聴 第Ⅳ波以降で両耳刺激 による振幅が単耳刺激 による振 覚入力減衰にあるという推論は不適切であろう。 幅の代数和 より減少することが明 らかになっている13) ′第 2の異論 に関 しては部分 的 に肯定す る知見があ 2 4 )3 5 )44)5 9 )6 1 ) 。一方,人間のABRを対象 とした場合,両 ns l i ea ndBos t o nl)は単耳刺激時の交叉聴取 を防 る。Ai 耳間相互作用の典塾的反応 ( 両耳刺激振幅<単耳刺激 ぐため,非刺激耳 にマスク用の雑音 を提示する手続 き 代数和振幅)は第 V波以降で成立する1)5)14)36)39)49)65)。 を採用 した。その結果,非刺激耳のマスキングをおこ ABR上の両耳間相互作用は両耳刺激波形 と単耳刺激 なわなか った際にABR両耳間相互作用が顕著 に出現 代数和波形 との差波形 として表わされ,その算出法に した ものの,対側マスキングの導入 にともない両耳間 は 2通 りある。両耳刺激波形か ら単耳刺激代数和波形 相互作用の成分が大 きく減衰することを観察 した。ま を差 し引いた場合,両耳間相互作用の典型的反応は陰 たLe vi ne 3 9 ) は単耳刺激の音圧 が一定水準 よ り大 き く 性波 として表現 され,逆の引 き算の場合 は陽性波 とし なった場合 に限 り,DN2 ( DNlに続 く両耳間相互作 て表現 される。前者の算出法 を適用 した とき,晴乳動 用の陰性成分)振幅が顕著に大 きくなることを見出 し, 物の第Ⅳ波潜時または人間の第 V波潜時で生 じる陰性 DN2が交叉聴取 に影響 されやすい と考 えた。 これ ら ea ndBe r l i n13) とDo bi ea ndNo r t o n14)はDNl 成分 をDobi の研究か ら,ABR両耳間相互作用 を適切に計測する手 と名付 けた。なお DNlに先立つ陽性成分 はDPlと呼 続 きとして,交叉聴取 を防 ぐためのマスキングが必要 ばれる。後者の算出法か らDNlと同潜時の陽性波が得 ea ndWi l s o n15) はク であることがわかる。 ただ しDobi vi ne 3 9 ) はこれにギリシア文字 をあてはめ られるが,Le リック刺激時のABR両耳間相互作用 を対側マスキング β (ベータ)成分 と命名 した。彼の用語法では. β成 分 のある条件 と無い条件で比較 し,両条件の間に差異 を アルファ)成分 と呼ぶ。晴乳動 に先立つ陰性波 を α ( 見出さなかった占この結果か ら,Do bi ea ndWi l s o n15)は 物 と人間のDNlは機能上,同一の誘発反応成分である ABR両耳間相互作用の計測時に交叉聴取の影響 を考慮 と考 えられ, またそれ らの発生源 も解剖学上同 じであ して対側マスキングを実施する必要はない と述べてい ると推定される17)53)60)。 る。その後の研究を概観すると,交叉聴取の影響 に関 する上記の研究間の不一致 を反映 し,単耳刺激時の対 側マスキ ングを実施 した もの と実施 しなかった ものに 2.ABR両耳間相互作用の方法論上の問題 分かれている。 ABRの両耳 間相互作用が研究 として発表 された当 3.音源定位 とABR両耳間相互作用 初か ら異論があ り,その結果が本来の両耳ニューロン の示す応答 とい うよりも,刺激状況によって生 じた人 工産物 ( アーティファク ト)ではないか とい う疑問が ABRの両耳間相互作用は音源定位,特に水平面の定 提出された 1)39)。その ような異論 として代表的な主張 位 に関わる聴覚脳幹の処理 を表わす ことが先行研究か は 2つある。 第 1に両耳へ同時に音が提示 される状況 ら明 らかになっている。水平方向あ音源定位の手がか は耳小骨筋反射 を誘発 Lやすいため,耳小骨筋反射に りである,両耳刺激間の時間差や音圧差 を系統的に操 よって生 じた聴覚入力の減衰が両耳刺激時のABR振 作す る と,ABR両耳 間相互作用の頂点潜時 と振 幅が 幅減少 をもた らした可能性がある。 第 2に単耳刺激時 やは り系統的に変化する 13)37)52)53)60)65)。人間を対象 の音圧が大 きい場合,非刺激耳- も頭蓋骨等 を通 して とした精神物理学実験の結果 と照 らし合 わせた場合, 刺激音が伝 わるために,両耳で聞 くことと同 じになる DNlの生起する刺激条件は両耳間の音像が融合 して知 ( 交叉聴取)。交叉聴取が成立 しているとき,左右の単 覚 される刺激条件に対応する18)43)。 耳刺激によるABRの代数和振幅は当然なが ら両耳刺激 4.音周波数 とABR両耳間相互作用 によるABR振幅 よりも木 きくなる可能性が高い。 第 1の異論か ら予想 されることとして,耳小骨筋反 射による聴覚入力の減衰は内耳の処理より前に生 じるた DNlの生起に寄与する音周波数の効果を調べた先行 め,ABRの振幅減衰が もし生 じるとすれば第 Ⅰ波か ら 研究によれば,主に高周波数成分の寄与が大 きい とさ 始まるはずである39)。 しか しなが ら,これまでの研究で れる。すなわち,低帯域通過雑音 または高帯域通過雑 ABR両耳間相互作用は,耳小骨筋反射 を誘発 しうる高 音 によりマスキングをかけたクリック音 を用いて人間 - 1 52- 」■ 池田 :聴性脳幹反応 ( ABR)の両耳間相互作用 のA BRを誘発 した結果,DNlの生起 には2 0 0 0Hzより 続時間 ( 1 0ms ) ,立ち上が り ・立ち下が り時間 ( 5ms ) 高い周波数帯域が主に寄与 していることが明 らかになっ ともにより長い 1 0 0 0Hzピップ音 を使用 してABR両耳 た40)50)。例 えば, ク リック音 に よ り誘発 された D Nl 間相互作用 を検討 した。視覚刺激検 出課題時の結果 に はマスキ ング無 しの場合 と低帯域通過雑音 による2 0 0 0 限定す る と, ク リック音 ( 持続時間 0 . 1msの矩形波) Hz 未満のマスキ ングをかけた場合 との間で差 を示 さな 0 0 0Hzよ り か った。「方 ,高帯域 通過雑音 に よって 1 の成分が安定 して生起 したの に対 し,1 0 0 0Hzピップ 高い周波数成分 にマスキ ングをかけた ところ, クリッ R両耳間相互作 音 による誘発の際には統計上有意なAB ク音 に よ り誘発 された D Nlは著 しく減衰 した 50)。 こ によ り誘発 されたAB R両耳 間相互作用 ではDNl以降 の生理学的結果 は一見す ると人間の精神物理学実験 の 用が成立 しなかった。 この結果が支持す るのは,旦B R 両耳間相互作用の生起 に刺激の高周波数成分の寄与が 結果 と敵齢 をきたす ようである。人間を対象 とした精 大 きい とい う主張である。す なわち帯域通過雑音 によ 神物理学実験 によれば,1 5 0 Hzよ り低 い周波数帯域 を るマスキングをクリック音提示 に施す手続 きか ら得 ら 用 いた両耳刺激間の時間差が音源定位 の手がか りとし れた知見 40)50) を支持 している。 て支配的であるとされる54)62)。上記の不整合 を解 く糸 口はAB R実験 と精神物理学実験 との刺激提示方法の違 5. 課題遂行 とABR両耳間相互作用 Rの測定では音刺激が短 いに求めることがで きる。 AB い間隔で多数回繰 り返 されるのに対 し,精神物理学実 AB Rを指標 とする両耳間相互作用の研究で注意の効果は 験 でな され る音刺激 は多 くの場合,単発提示 である。 全 く検討されないできた。晴乳動物を対象 とした研究では 精神物理学実験 において もクリック音 を反復提示する )3 5 ) 4 4 ) 5 9 ) 全て麻酔をされを状態で記録がなされている13)17)24 と,低周波 数帯域 をマ ス ク された場 合 ( 有効帯域 > 6 1 ) 。また人間を対象 とした研究では,覚醒水準の統制や課 1 5 0 0Hz)の音源定位成績が高周波数帯域 をマスクされ 題による統制がなされていない1)5)14)16)17)18)3 4 )3 6 ) 3 7 ) 3 9 ) 4 0 ) 4 3 ) た場合 ( 有効帯域 < 1 5 0 0Hz )と同程度 まで向上す る ことが知 られている66)67)。 4 9 畑) 5 2 ) 5 3 ) 6 5 ) 。おそらく特定の感覚様相に対する注意の効果 ABR両耳 間相 互作用 に刺 激音 の高周 波 数成分 が大 は,これまで多 くの研究がA B Rを指標 として覚醒 ・注意効 き く寄与 す る こ とを示 す知見 が あ る一方 で,刺 激舌 果の検出に失敗 してきたことに由来するであろう。対象者 の低 ・中周波数成分の寄与 を強調 し,人間を対象 とす の覚醒水準変化はA B R生起に対 し基本的に影響を与えない る精神物理学実験結果 との整合 をはかる研究 も存在す とされている2)6)。また人間を対象 とした研究の多 くは課題 る。 クリック音 よ りも周波数特異性の大 きい,バース によって聴覚刺激に対する注意を操作 しても,A B Rに著明 ト音や ピップ音 を使用 し,帯域通過雑音 によるマスキ な変化が生 じないことを見出している8)9)ll)27)28)47)4 8 ) 6 4 ) 。 B R両耳間相互作用の研究において無視されてきた理由 がA ングをお こなわなかった研 究では,刺激音 の周波数が しか しなが ら,経験的証拠は聴覚系末梢や脳幹におい よ り低 くなるに従いD Nlの振幅 と潜時が より大 きくな て注意効果が成立することを全 く否定 しているわけでは る こ とを示 した 16)3 4 ) 。 この知見 はAB R両耳 間相 互作 ない。神経解剖学は大脳新皮質か ら脳幹 を経て内耳-至 用 に刺激音 の低 ・中周波数成分が寄与す ることを示唆 る聴覚遠心性経路が晴乳動物で明確 に存在することを証 す る ものの,同時に実験方法上の問題 を有 していると 明 している32)51)63)。そ して晴乳動物の大脳聴覚皮質活 考 え られる。 これ らの実験 で使用 されたバ ース ト音や 動 を実験的に操作することにより,聴覚脳幹部の神経活 ピップ音 は持続時間 ( ≦2ms ) ,立ち上が り ・立 ち下が 動を変化 させることが可能である5 7 ) 5 8 ) .例えば,大脳聴 り時間 ( ≦lms ) ともに極めて短 く16)34),そのために 覚皮質活動の操作により,両耳に提示 された音源定位手 刺激音 の周波数特異性 を充分 に確保す ることが困難で がか り刺激に対する聴覚中脳のニューロン応答が変化 し あった と推測 される。 この事実 とは対照的に,帯域通 た4 6 ) 6 8 ) 6 9 ) 。 したがって聴覚刺激への注意や無視が大脳 過雑音 によるマスキ ングをクリック音提示 に施す手続 聴覚皮質活動に基づいているとすれば,そのことが聴覚 きは周波数特異性 を確保 している。 刺激音 の低 ・中周 性遠心路 を機能 させてAB R両耳間相互作用 を変容 させ 波数成分が AB R両耳間相互作用 を増強す るのか,その ることはあ りうることである。-この仮定を検証するため ことを確認す る 目的でバ ース ト音や ピップ音 を使用す には,人間において聴覚遠心性活動の検出を容易にする る場合,刺激の持続時間 と立 ち上が り ・立 ち下が り時 刺激条件 をつ きとめてお く必要がある。 間をよ り長 くす ることで周波数特異性 を充分 に保証す 研究の現況か ら推察すれば,人間において音源定位の 手がか りとして有効な,1 5 0 0Hzより低い周波数帯域5 4 ) 6 2 ) ることが必要であろう。 が聴覚遠心性の脳幹活動 を検 出するための刺激 として 上記の刺激条件の要請 を考慮 し,池田 と松 田33) は持 - 1 53- I 一 詞 東京学芸大学教育実践研究支援 セ ンター紀要 最適であると考えられる。 この主張の論拠 になる,周 第1 0集 ( 2 01 4 ) I mpa i me r nt ) の子 どもである。聴覚処理障害 と昼聴覚 末梢の機能に問題が無いにもかかわらず,聞こえの機 &e q ue nl C yf ol l o ingr w e s po ns e‥ FFR) の研 波数対応反応 ( 能 ( 例 えば,音源定位,音弁別,妨害音下の信号音聴 究につい, て見てみ よう。FFRは刺激音の基本周波数に 対応する正弦波状の反応であ り,その発生源は聴覚中 取な ど) に問題 を呈する症状である4)。文部科学省 に 脳以下の脳幹ニューロンが示す位相同期活動 にある2 5 ) - よる学習障害の定義 19)の中にある,「 聞 く能力の障害」 4 2 )5 5 ) 。FFRは2 0 0 0Hzより低い周波数音に対 して応答性 におお よそ該当すると考 えられる。 聴覚処理障害では が良 く2 5 ) 4 5 ) ,興味深いことにこの周波数帯域 は人間の 非言語音 を含めた聞こえ一般の問題 に着 目しているの 水平面定位 において特 に有効な周波数帯域 と重複 して に対 し,特異的言語発達障害の概念では問題の焦点が いる5 4 ) 6 2 ) 。 この事実か ら予想 される通 り,FFRにおい 言語的側面 に絞 られる。特異的言語発達障害 とは言語 ても両耳間相互作用の成立が確認されている3)10)29)38)。 発達上の困難が見 られる事例の中で,原因として明確 先行研究においてABRを指標 とする遠心性脳幹活動の な神経学的障害,運動障害,末梢の感覚障害,知的障 検出は困難 とさー れたものの,FFRを指標 とした場合には 害が除外 される場合 をい う4)7)。 しか し,実際には特 注意による影響が見 られ,遠心性脳幹活動の検出が示唆 異的言語発達障害の事例 と聴覚処理障害の事例 を明確 されている20) 2 1 )2 2 )2 3 ) 3 0 )3 1 ) 。従って,FFRの発生源になっ に区別することは困難である。 特異的言語発達障害の ている,刺激の低 ・中周波数帯域 に応答 し両耳間相互 事例 に聴覚処理の困難が見出され,逆 に聴覚処理障害 作用 に関与するニューロン群は. また,注意による遠心 の事例 に言語発達の問題が見出されることが多 くある 性活動の影響 をも受けるといえよう。FFRの知見か ら 類推すると,ABRの発生源になっているニューロン群 ため, これ ら2つの障害概念は畢複 した臨床像 を対象 にしていると考えられる4)。 のうち,低 ・中周波数刺激に応答 し両耳間相互作用 に 聴覚処理障害 または特異的言語発達障害 を対象 とし も関与するものは,注意による遠心性活動の効果 をも たABR両耳間相互作用の研究は少数である。著者の後 索 しえた範囲では聴覚処理障害児童の研究が 2例 12)26), 示す と予想できる41)56)。 上記の予想 を検証するため,池田と松 田33) は先に述 特異的言語発達障害児童の研究が 1例 7) であった。 こ べた通 り,ABR両耳間相互作用の成立 を 1 0 0 0Hzピッ れら3つの研究のうち,2つでは両耳間相互作用の振幅 プ音 とク リック音 との間で比較 した。その際,注意 に異常が報告 されてお り,障害のある群のDNl振幅が の対象 になる感覚様相 を操作するため,聴覚注意課題 障害のない群の同振幅よりも有意に小 さかった7)26)。残 と視覚注意課題の 2つ を設けた。予想通 りであれば, り1研究では参加児のうちDNlの出現を確認で きた者 ABR両耳間相互作用 に対する注意の影響 ( 聴覚注意課 2 ) 。DNlが検出された人数は の人数に群間差があった1 題時 と視覚注意課題時の差異)は 1 0 0 0Hzピップ音 に 聴覚処理障害の認め られる群の方が障害の認め られな よる誘発で より顕著 に現われるはずである。 実験結果 い群 よりも少なかった ( 最 も顕著 な条件で群間のDNl はこの予想 を支持 した。 ピップ音 を使用 した とき,聴 出現率は2 4 %対 7 6 %) 。聴覚処理障害 または特異的言語 覚注意課題時にはABR両耳間相互作用が不充分なが ら 発達障害のABR両耳間相互作用に異常が認め られる原 成立 したのに対 し,視覚注意課題時には両耳間相互作 因 として,Go pa la ndPi e r e 1 2 6 ) は両耳刺激 に対する脳幹 用 を示す統計上有意な反応 区間が検 出されなかった。 ニューロンの処理障害 ( 両耳か らの同時入力によって 一方,クリック音 を提示 したとき,注意の対象 になっ 反応干渉が生 じるはずであるのに,それが障害 された た感覚様相 に関わ らず ABR両耳間相互作用はほぼ同一 la nd 状態) を考 えた。 しか しなが ら, この仮説はGopa の反応区間で成立 した。以上の結果か ら,ABRの発生 pi e r e 1 2 6 ) 自身のデー タと整合 していない。両耳間相互 源ではあって も,低 ・中周波数刺激 に応答 し両耳間相 作用のABR波形は両耳刺激による波形 と単耳刺激によ 互作用 にも関与するニューロンは注意による遠心性活 pa la ndPi e r e 1 2 6 )の る代数和波形か ら算出されるが,Go 動の影響 を受けやすい と推定で きる。 仮説が正 しい とすれば,異常は両耳刺激による波形に 現われるはずである。 実際には障害のある群 と障害の 6.発達障害児の ABR両耳間相互作用 ない群の間で両耳刺激 による波形 に差異は認め られな かった2 6 ) 。群間の差異はむ しろ単耳刺激による代数和 発達障害児 の一部 にはABR両耳 間相互作用の異常 波形に見出された。単耳刺激による代数和波形の振幅 が見 られる。 ABR両耳間相互作用の異常が報告 されて について障害のない群の平均 より1標準偏差以上小 さ いるの は聴覚処理障害 ( Audi t o r yPr oc e s s i ngDi s o r de r ) かった事例 を姶い担 してみると,障害のない群 ( 全9 な らび に特 異 的 言 語 発 達 障 害 ( spe c i f i cLa ng ua ge 名)では 1嶺 であったのに対 し,障害のある群 ( 全9 - 1 54 - 一 ■ 池田 :聴性脳幹反応 ( ABR)の両耳間相互作用 名 )では 5名であった。 この事実か ら,両耳刺激 とい a udi t o r ye vo ke dpo t e nt i a l sf わrmo na ur a la ndbi na ur a l うよ りも単耳刺激 に対す る脳幹ニューロンの処理障害 s t i mul i .El e c t r o e nc e p ha l o g rCl i nNe u r o p h ys i o149:291 が,聴覚処理障害 または特異的言語発達障害の ABR両 30 2,1 98 0. 耳 間相互作用 に異常 を もた らす原因 として妥当である 2)AmadeoM,ShagassC.Bri efl at encycl i ck- と思 われる。 この点 について Go pa la ndPi e r e 1 2 6 )以外 の 2研究では差波形の群間比較が主になされ,差波形の元 e voke dpot e nt i a l sd ur i ngwa ki nga nds l e e pl nma n. Ps y c ho p h ys i o l o g y1 0: 2 4 425 0 ,1 9 7 3. になる 2つの波形 自体 の群 間比較 は充分 に′ なされてい 3)Ba l l a c ha ndaBB,Mo us he g i a nG. Fr e q ue nc yf ol T l o wi ng ない 7)12)。聴覚処理障害 または特異的言語発達障害児童 r es pons e:e f f e c t sofi nt e r a ur alt i mea ndi nt e ns i t y m Ac a dAud i oll l :1 l l ,20 0 0. d i f f e T r e nc e s . JA に見 られるABR両耳間相互作用の異常の原因は未確定 の まー まであ り,後続の研 究 において差波形 のみ を検討 4)Ba mi o uDE. ,Mus i e kFE,Luxo nLM. Ae t i ol o g ya nd の対象 とす るのでな く,両耳刺激 と単耳刺激 による各 c l i ni c a lp r e s e nt a t i o nso fa u d i t o r yp r o c e s s l ngd i s o r d e r s :a 波形 を詳細 に分析することが課題 として残 されている。 r e vi e wAr c hDi sChi l d8 5: 3 61 3 6 5 ,20 01 . 5)Br a nt be r gK,Fr a ns s onP A,Ha ns s onH,Ros e nha l l 7.結 論 U.Me a s ur e soft hebi na u r a li nt e r a c t i o nc o mpo ne n ti n huma na udi t or ybr a i ns t e mr e s pons eus l ngOb j e c t i ve de t e c t i o nc it r e ia r . Sc a ndAud i 01 28:1 5 1 26,1 9 9 9. 人間や他 の晴乳動物 において,ABR両耳間相互作用 は両耳入力 に対す る反応 と単耳入力 に対す る反応代数 加1 iEA・Huma n. a udi t o r ye voke d 6)Ca mpbe l lKB・ Ba po t e nt i a l sd u r i ngna 山r a ls l e e p:t hee a r l yc o mpo ne nt s ・ 和 との差異 として示 される。 この現象の原 因は両耳入 力 によって聴覚脳幹 にある両耳ニューロンで生 じる反 応干渉である と解釈 されている。 聴覚心理学の観点か El e c t r oe nc e pha l og rCl i nNe ur o phys i o165:1 421 49, 1 98 6. らすれば,ABR両耳間相互作用 は左右耳か らの入力が 7)Cl a r keEM, Ad a msC. Bi na ur a li n t e r a c t i o ni ns pe c i f i c 音像 として融合 している状態 に対応 してお り,ABR両 l a ngua gei mpa l r me nt :a na udi t or ye voke dpo t e nt i a l 耳 間相互作用 の頂点潜時 と振幅が両耳 間時間差や両耳 s 山d y . De vMe dChi l dNe u r o1 49: 27 427 9 ,2 0 0 7. 間音圧差 に対 して感度 を持つ。音周波数 と課題遂行の 8)col l e tL,Duc l a ux良.Audi t or ybr a i ns t e me voke d 相互作用の観点か らすれば, クリック音の ような高音 r e s po ns e sa nda 仕e n t i o n:c o nt r i b ut i o nt oac o n t r o ve r s i a l 域 を含 む刺激 に対 しABR両耳間相互作用 は頑健 に生起 s u b j e c t . Ac t aOt o l a r y ng o 11 01 : 43 9 4 41 ,1 98 6・ し,課題遂行 の影響 を受 け難 い。一万, 1 5 0 0Hzよ り 9)co nnol l yJ F,Aubr yK,Mc Gi l l i va r yN,Sc o t tDW. 低 い音周波数 に対 して ABR両耳間相互作用の生起 は比 Huma nbr a i ns t e ma udi t o r ye vo ke dpo t e nt i a l sf a i lt o 較 的困難 になることが知 られているが,課題遂行 の影 pr ovi dee vi de nc eofe f f e r e ntmod ul a t i onofa udi t o r y 0 0 0Hzピッ 響 も受けやす くなるようであるb 例 えば,1 l nputd ur i nga t t e nt i o na lt a s ks .Ps yc ho phys i ol og y26: プ音 を使用 した 自験例 では聴覚様相へ注意 を向けた場 29 23 0 3 ,1 98 9. 合 にABR両耳間相互作用が出現 しやす くな り,視覚様 us he gi a nG.The丘e q ue nc y1 0)Da l yDM,Ro e s e rRJ,Mo 棉-注意 を向けた場合 に出現 困難 になった。 これ らの f o l l o wl ngr e s po ns ei ns u b j e c t swi t hpr o f o u ndu ni l a t e r a l 知見が示唆す るのは,人間の聴覚脳幹 において音源定 he a ingl r os s . El e c t r o e nc e p ha l og rCl i nNe ur o p h ys i o 140: 位 の機構 と聴覚的注意の機構 が密接 に関連す ることで 1 3 2 1 1 4 2,1 9 7 6. ある。 ABR両耳間相互作用 に異常が見 られる発達障害 l l )Da vi sAE,Be a gl e yHA. Ac o us t i cb r a i ns t e mr e s po ns e s として聴覚処理障害 と特異的言語発達障害が知 られて f o T rc l i ni c a lus e : t hee f f e T c to fa t t e n t i o n.Cl i nOt ol a r mg y ol いる。 これ らの発達障害 に両耳間相互作用の異常が見 l O: 31 ト31 4,1 98 5. られる原 因 として,両耳入力 に対す る聴覚脳幹 での処 1 2)De l bW,Str a us sDJ ,Ho he nbe r gG,Pl i nke r tPK. The 理障害が想定 されている ものの,実際のデー タと整合 bi na ur a li n t e r a c t i o nc o mpo ne n tPI C)i nc hi l d r e nwi t h していない。発達障害 とABR両耳間相互作用の関連 に c e nt r a la udi t o r ypr oc e s s i ngdi s o r de r s( CAPD).I nt∫ ついてはさらに精密に検討 されるべ き余地がある。 Au d i 0 1 4 2: 40ト41 2 ,2 0 0 3. r l i nCI . Bi na ur a li n t e r a c t i o ni nb r a i ns t e n i 1 3)Do bi eI RA,Be 引用文献 e voke dr e s pons e s . Ar c hOt ol a r yngol1 05:391 398, 1 97 9. 1 4)Do bi eRA,No r t o nSJ .Bi na ur a li nt e r a c t i o ni nhuma n 1)Ai ns l i ePJ ,Bos t onJ R.Compa r i s onofbr a i ns t e m - 15 5 - 「葛 東京学芸大学教育実践研究支援 セ ンター紀要 ( 2 0 1 4 ) 55 7560 ,1 98 9. a udi t or ye voke dpot e nt i a l s .El e c t r oe nc e phal ogrCl i n Ne ur o phys i o149: 30331 3,1 98 0. 第1 0集 dor f fM,Hi l l yar dSA・Cr os s 28)Hackl eySA,Wpl moda ls e l e c t i vea t t e nt i o ne f f e c t so nr e t i na l ,myoge ni c , l s opMJ・Bi naur ali nt er act i oni n 1 5)Dobi eRA,Wi a udi t or ybr ai ns t e mr es pons es :ef f ec t sofmas ki ng. brai ns t em,andcerebralevokedpot ent i al s. El e c t r oe nc e pha l ogrCl i nNe ur o phys i o16 2: 566 4,1 98 5. 1 6)Fo wl e rCG,Le o na r dsJ S.Fr e q ue nc yd e pe nd e nc eof仇e Ps yc ho phys i ol og y27:1 95 208 ,1 990. 29)Hi nkRF,Kode r aK,Ya ma da0,Ka gaK,Su zukiJ . bi na ur a li nt e r a c t i o nc o mpo ne n toft hea udi t o r ybr a i ns t e m Bi na ur a li nt e r a c t i o nofabe a t i ngf r T e q ue nc yf ol l owl ng r e s po ns e . Audi o l og y24: 420429,1 98 5. r e s po ns e ・ Aud i ol og y1 9: 3643,1 98 0. 1 7)Ful l er t onBC,Levi neRA,Hos f or dDunnHL, ke ns t ei nM,Hohns bei nJ.Ear l y 30)Hoor ma nn∫,Fal Ki a ngNY Compa r i s o norc a tandhuma nbr a i nS t e m a t t e nt i o ne fe c t si nhu ma na udi t or ye vo ke dpo t e nt i a l s . a udi t or ye voke dpot e nt i a l s .El e c t r oe nc e pha l ogrCl i n Ps yc ho p hys i ol o g y3 7: 29 42,2000. 31 )Hoor ma nnJ ,Fa l ke ns t e i nM,Ho hns be i nJ .Ef f e c t sof Ne ur o phys i o166: 5 475 70,1 98 7. 1 8)Furs tM,Levi neRA,McGaf f i ganPM.Cl i ck s pa t i a la t t e nt i o no nt hebr a ns i t e m ae q ue nc yf ol l o wl ng po t e nt i a l . Ne u r o r e po r t1 5:1 5 39 1 5 42,200 4. l a t e r al i za t i on、 i sr el a t edt ot heβc omp9ne ntOft he 3 2)Hu氏na nRF,He ns o nOW J r .Thede s c e ndi nga udi t o r y di c ho t i cbr a i ns t e ma udi t o r ye vo ke dpo t e nt i a l sofhu ma n s ub j e c t s . JAc o us tSocA m 78:1 6 441 651 ,1 98 5. pa t hwa ya nda cous t i comot ors ys t e ms :c onnec t i ons 1 9)学習障害及 び これに類似す る学習上の困難 を有す wt i ht hei nf e T io r rc ol l i c ul us . Br a i nRe sRe v1 5:295 1 3 23, 1 990. る児童生徒 の指導方法 に関す る調査研 究協力者会 .文 議 .学習障害児 に対す る指導 について ( 報告) 33)池 田一成 ・松 田修 .聴覚刺激特性 と注意様相 に よ るABR両耳間相互作用の差異 .臨床神経生理学 41 : 99 9. 部省,1 477,2 01 3. 20)Gal br ai t hGC,Ar r oyoC.Sel ec t i vea t t e nt i ona nd br a i ns t e mf i e q ue nc yf ol T l o wl ngr e s po ns e s .Bi oIPs yc ho1 3 4)I t oS,HokeM,Pa nt e vC,L屯t ke nh6ne rB.Bi na ur a l 37: 322,1 99 3. i nt e r a c t i oni nbr a i ns t e ma udi t or ye voke dpot e nt i a l s 21 )Ga l br a i t hGC,Bhut aSM,Choa t eAK,Ki t a ha r aJ M, e l i c i t e dbyf r T e que nc ys pe c i f i cs t i mul i .He a rRe s35: 9 1 9;1 988. Mul l e nTAJ r . Br a i ns t e mf re q ue nc yf ol T l o wl ngr e s po ns e t odi c hot i cvowel sdur i nga t t e nt i on.Ne ur or e por t9: 1 8 8 91 8 93 ,1 998. 35)J e we t tDL・ . Vol ume c o nduc t e dpot e nt i a l si nr e s po ns e t oa udi t o r ys t i mul ia sde t e c t e dbya ve r a gl ngi nt hec a t . f ol l owl nga ndbe ha vi or a lr e s pons e sdur i ngs el e c t i ve El e c t r oe nc e pha l ogrCl i nNe ur ophys i o128:60961 8, 1 970. a t t e n t i o nt opur et o nea ndmi s s l ng触l da me nt a ls t i mul i . 36)J i a ngZD.Bi na ur ali nt e r ac t i ona ndt heef f ec t sof 22)Gal br ai t hGC,Doa nBQ.Br ai ns t em f r eque nc y- I ntJPs yc ho phys i o11 9: 20 321 4,1 995. s t i mul usi nt e ns i ya t ndr e pe t i t i o nr a t ei nhma na udi t o r y 23)Ga l br a i t hGC,Ol f ha nDM,Huf f ma nTM.Se l e c t i ve br a i ns t e m.El e c t r oe nc e pha l ogrCl i nNe ur o phys i ol1 00: 505 51 6,1 9 96. a t t e nt i o na f f e T c t shu ma nbr a i ns t e mf re q ue nc yf ol l o wi ng 37)J onesSJ ,Va nde r b poelJ C.Bi na ur ali nt e r ac t i oni n r e s po ns e . Ne ur o r e po r t1 4: 7 35 7 38 ,20 03. 24)Ga r diJ N,Be r l i nCI .Bi na ur a li nt e r a c t i o nc o mpo ne nt s . t hebr a i ns t e ma udi t or ye vokedpot e nt i a l :e vi de nc e The i rpos s i bl eo ngl nSi ngui ne aPi ga udi t or ybr a i ns t e m f orade l a yl i necoi nc i de nc ede t ec t i onme c ha ni s m. r e s po ns e . Ar c hOt ol a r mgo11 y 07:1 641 68 ,1 981 . El e c t r oe nc e pha l ogrCl i nNe ur ophys i o177:21 4224, 1 990. 25)Ga r diJ ,Me r ze ni c hM,Mc Kea l nc.or i gi nsoft he s c a l pr e c o r d e df re q ue nc yf ol T l o wl ngr e s po ns ei nt hec a t . 38)Kr i s hna nA,Mc Da ni elSS.Bi na ur ali nt e r ac t i oni n Audi ol og y1 8: 35 31 381 ,1 9 79. t hehuma nf r e q ue nc yf ol l owi ngr es pons e:e f f e c t sof 26)Go pa lKV,Pi e r e lK.Bi na ur a li n t e r a c t i o nc o mpo ne nti n i nt e r a ur a li nt e ns i yd t i f f e T r e nc e . Audi oI Ne ur oo t o13: 29 ト 299,1 998. c hi l d r e na tr iS kf わrc e nt r a la ud i t o r ypr oc e s s i ngdi s o r de r s . Sc a nd Aud i 01 28: 77 8 4,1 9 99. メ 3 9)Le vi neRA.Bi na ur a li n t e r a c t i o ni nbr a i ns t e mpo t e n t i a l s ofhu ma ns ub j e c t s . m Ne A ur o19: 38 4393 ,1 981 . 27)Gr e go r ySD,He a hJ t A,Ros e nbe r gME.Doe ss e l e c t i ve a t t e nt i oni nf lue nc et hebr a i ns t e ma udi t or ye voke d 40)Le vi neRA,Da vi sPJ.Or i gi noft hecl i c ke voked pot e nt i a l ?El e c t r oe nc e pha l ogrCl i nNe ur o phys i o173: bi na ur a li nt e r a c t i o npo t e nt i a l ,β,o fhu血a ns .He a rRe s - 15 6 - 池田 :聴性脳幹反応 ( ABR)の両耳間相互作用 5 5)smi t hJ C,Ma r s hJ T,Br ow n WS.Fa r f i e l dr e c o r de d 5 7:1 21 1 28 ,1 9 91. 41 )Luka sJ H.HL ma na udi t o r ya t t e n t i o n:t heo l i voc o c hl e a r f r eque nc yf ol l owi ngr es pons es :e vi de nc ef ort he . bundl emayf unct i onasaper i pher alf i l t er l oc usofbr a i ns t e ms o ur c e s .El e c t r oe nc e pha l og rCl i n Ps yc ho p hys i ol o g y1 7: 44 4 45 2,1 98 0・ Ne u r o p h ys i o 1 3 9: 46 5 4 7 2,1 9 75. 42)Ma r s hJ T,S mi t hJ C,Wb r de nFG. Re c e p t o ra ndne u r a l 5 6)S6 r q vi s tP,St e nf e l tS,R6 nn be r gJ .Wo r ki ngme mo r y r e s po ns e si na ud i t o r yma s ki ngo fl o wf i e q ue nc yt o ne s . c a pa c i t ya ndvi s ua l ve r ba lc og nl t l Vel oa dmod ul a t e El e c t r o e nc e p ha l o g rCl nNe i u r o p h ys i o 13 2: 6 3 1 7 4,1 9 7 2・ a udi t o r ys e ns or yga t i ngi nt hebr a i ns t e m:t owa r da 43)Mc Phe r s o nDL,S t a r rA. Audi t o r yt i me i n t e ns i yc t ue s uni f i e dvi e wofa t t e nt i o n.JCog nNe ur os c i24:21 47-21 5 4 ,201 2. i nt hebi na ur a li nt e r a c t i o nc o mpo ne ntoft hea udi t o r y 5 7)sugaN.Rol eofc o r t i c of uga lf e e d ba c ki nhe a r i ng.J e vo ke dpo t e nt i a l s ・ He a rRe s8 9:1 6 2 1 71 ,1 9 9 5・ Co mpPh ys i o I A1 9 4:1 6 9 1 8 3 ,2 0 08 . 4 4)Mel c he rJ R.Cel l ul a rge ne r a t or soft hebi na ur al d i f f e T r e nc epo t e n t i a l i nc a t ・ He a rRe s95:1 4 4 1 6 0 ,1 9 9 6. 5 8)sug aN,MaX. Mul t i pa r a me t icc r o r t i c of uga l mod ul a t i o n 45)Mous heg ia nG,Rupe r tAL,St i l l ma nRD.Scal p- a ndpl a s t i c i yi t nt hea ud i t o r ys ys t e m. Na tRe vNe ur os c i 4: 78 3 7 9 4,20 0 3. r e c o r d e de a r l yr e s po ns e si nma nt of r T e q ue nc i e si nt he s pe e t hr a ng e . El e c t r o e nc e p ha l o g rCl i nNe u r o p h ys i o 135: 5 9)Ung n P,Ya a g c i o g l uS. Or ig i no ft hebi na u r a l i n t e r a c t i o n 6 6 5 6 6 7 ,1 9 7 3. c ompo ne nti nwa veP40rt hes ho r t l a t e nc ya ud i t or y 46)Na ka mot oKT,J on占ssJ ,Pa l me rAR.De s c e ndi ng e vo ke dpo t e n t i a l si nt hec a t :e va l ua t i o nofs e r i a ld e pt h p r o j e c t i o nsko ma ud i t o r yc o r t e xmo d ul a t es e ns i t i i vt yi n , r e c o r d i ngsf r T o mt hebr a i ns t e m・ He a rRe s1 67:81 1 01 20 0 2. t hemi d b r a i nt oc ue sf o rs pa t i a lpos i t i o n. JNe wo ph ys i o 1 9 9: 23 47 2 35 6 ,20 08 . gc i ogl uS,Oz me nB.I nt e r a ur a lde l a y6 0)Unga np,Ya 4 7)pi と t onTW,Hi l l ya r dSA.Huma na udi t or ye voked d e pe nd e n tc ha ng e si nt hebi na ur a ld i fe r e nc epo t e n t i a li n po t e n t i a l s . I I :Efe c t sofa t t e nt i o n.El e c t r oe nc e pha l og r c a ta ud i t o r yb r a i ns t e mr e s po ns e :i mpl i c a t i o nsa bo u tt he Cl i nNe u r o p h ys i o 13 6:1 91 1 9 9 ,1 9 7 4. o ng l nOft hebi na ur a li n t e r a c t i o nc o mpo ne n t . He a rRe s l O 6: 6 6 8 2,1 9 9 7. 48)pi c t onTW,St a pe l l sDR,Ca mpbe l lKB.Audi t or y 61 )wadaS,St a r rA.Ana t omi calbas esofbi na ur al e vokedpot e nt i al sf r om t hehuma ncoc hl eaa nd b r a i ns t e m. JOt o l a r y ng o IS h p p19:1 1 41 ,1 9 81 ' ・ nt i e r a c t i o ni na ud i t o r yb r a i ns t e mr e s po ns e s丘o mg u i ne a 49)pol ya kovA,Pr a t tH.T・ hr eec ha nnelLi s s a j ous' t r a j e c t or yoft hebi na ur a li nt e r a c t i onc ompone nt s pi g・ El e c t r o p nc e p ha l o g rCl i nNe ur o p h ys i o 17 2:5 3 5 5 4 4, 1 98 9 . i nhuma n・ a udi t or ybr a i ns t e me voke dpot e nt i al s . 6 2)Wi ght ma nFL,Ki s t l e rDJ.Thedomi na ntr ol eof El e c t r oe nc e pha l ogrCl i nNe ur ophys i o192:396404, 1 9 9 4. Il owf r e q ue nc yl nt e r a ur a lt i medi f f e r e nc e si ns ound 5 0)pol ya ko vA,Pr a t tH.Co nt r i but i o nofc l i c kf r e q ue nc y 6 3)wi ne rJ A. De c o d i ngt hea ud i t o r ic o r t i c of ug a ls ys t e ms . l o c a l i z a t i o n. JAc o us tSo cAm91 : 1 6 48 1 6 61 ,1 9 9 2. He a rRe s21 2:1 8 ,2 0 0 6. ba ndst ot hehuma nbi na ur a li nt e r a c t i o nc o mpo ne nt s . C,・ Hi l l ya r dSA.Evi de nce 6 4)wol dor f fM,Ha ns e nJ Au d i o l o g y38: 3 21 3 27 ,1 9 9 9. f ore f f e c t sofs e l e c t i vea t t e nt i o ni nt hemi dl a t e nc y i va r ype d unc l ea ndo t he rf i be r 51 )Ra s mus s e nGL.Theol pr 亘i e c t i o nsoft hes upe r i o rol i va r yc o mpl e x.JCo mp l . r a ngeoft hehuma na udi t o r ye ve nt r e l a t e dpo t e nt i a Ne u r o18 4:1 41 21 9 ,1 9 46. El e c t r oe nc e pha l o g rCl i nNe ur o p hys i oIS up p140:1 46 - 1 5 4,_ 1 98 7. 5 2)Ri e d e lH,Ko l l me i e rB. Aud i t o r yb r a i ns t e mr e s po ns e l s e vo ke db yl a t e r a l i z e dc l i c ks : i sl a t e r a l i z a t i o ne x t r a c t e di n 65 )wr e geKS,St a r rA・Bi na ur q li nt e r a c t i o ni nhuma n 也eh u ma nb r a i ns t e m?He a rRe s1 6 3:1 226 ,20 0 2. a ud i t o r yb r a i ns t e me vo ke dpo t e n t i a l s . Ar c hNe u r o138∴ 5 7 25 8 0 ,1 9 81. 5 3)Ri e de lH,Kol l me i e rB.I nt e r a ur a lde l a yde pe nde nt 6 6)Yos tWA. La t e r a l i z a t i o no fr e pe a t e df il t e r e dtr a ns i e n t s . J c ha ng e si nt hebi na ur a l d i f f e T r e nc epo t e n t i a l o ft heh ma u n Ac o us tSo cAm6 0:1 78 1 81 ,1 9 7 6. a ud i t o r yb r a i ns t e mr e s po ns e . He a rRe s21 8: 5 1 1 9 ,20 0 6. 5 4)sa nde lTT,Te a sDC,Fe dde r s e nWE,J e f f r e s sLA. 6 ウ)Yos twA,Wi g ht ma nFL,Gr e e nDM.La t e r a l i z a t i o nof 丘l t e r e dc l i c ks . JAc o us tSo cAm5 0:1 5 26 1 5 31 ,1 9 71. Lo c a l i z a t i o no fs o und丘o ms l ng l ea n dpa i r e ds o u r c e s .J Ac o us tSo cAm2 7: 8 4 28 5 2,1 9 5 5. 6 8)zha ngJ P,J e nPHS,SunX.Di r e tt i onde pe hde nt - 157 - L 7 1 東京学芸大学教育実践研 究支援 セ ンター紀要 第1 0集 ( 2 01 4 ) C o r t i c of uga lmod ul a t i onoff r e q ue nc yt uni ngc ur ve s ofi nf e r i orc ol l i c ul a rne ur onsi nt hebi gbr ownba t , Ept e s i c usf us c us .JCompPhys i oIA 1 86:91 31 9 22, 20 0 0. 6 9)zhouX,J e nPHS.Cor t i cof ugalmodul a t i onof d i r e c t i o na ls e ns i t i vi yi t nt hehl i d b r a n oft i hebi gb r o n w ba t ,Ep t e s i c usf us c us . He a rRe s20 3: 2 01 1 21 5 ,2 0 05 ・ -1 5 8- 一l
© Copyright 2024