クリーンルームの維持管理

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クリーンルームの維持管理
公益社団法人 日本技術士会 登録
食品産業関連技術懇話会 会員
遠山技術士事務所 所長
技術士(農業:農芸化学)
遠山 茂雄
1.はじめに
用されてきました。1978年には国産のHEPA
フィルタが開発され、米国からの輸入に頼って
今や、クリーンルームは特別なものでなく多
いたものから国産品に切り替えられてきました。
くの業種に採用されています。歴史を振り返っ
てみると、米国では1940年代、電気・精密機器
2.クリーンルームの種類
の製造に清浄の必要性から、空気のきれいなグ
リーンランドや大西洋上の船内を工場にしてい
クリーンルームには、工業製品の製造工程で
たようです。その頃米国原子力委員会によって
用いる「インダストリアル(工業用)クリーン
放射性粉塵用エアフィルタとして、HEPA
ルーム(ICR)
」と、食品分野・医療分野で
(high efficiency particulate air)フィルタが開
用いられる
「バイオロジカルクリーンルーム(B
CR)
」に分けられます。
発され、米国ではこれを搭載したプレハブク
リーンルームを軍用として第2次世界大戦で活
微生物類は、空気中で浮遊微粒子に付着して
用しました。通信機器・電子機器の故障の原因
存在するためその微粒子を捕捉することによっ
が浮遊微粒子のためと判明したため、フィルタ
て浮遊微生物が除去されます。浮遊微粒子の除
を用いて清浄化されたクリーンルームで組み立
去にはHEPAフィルタやULPAフィルタ等
てられたものは故障率が70%から数%に激減し
の高性能フィルタが用いられ、清浄化された空
たとのことでした。
気で清浄空間を図っています。
その後、クリーンルームはNASAのアポロ計
3.清浄度について
画や半導体の高密度化に伴って発展してきまし
要求される清浄度は、
製品の種類や賞味期限・
た。わが国では、1966年に電気メーカー、1976
消費期限によって異なります。
年に製薬メーカー、1984年にハムメーカーで使
表-1 クリーンルームの種類
ICR
・主に空気中における浮遊微粒子が対象。
・半導体を中心とする電子工業や精密機械工業におけるクリーン環境で、0.1μm以
下の微粒子が対象。
BCR
・主に空気中における浮遊微生物が対象。
・薬品工場、病院の手術室、食品工場など無菌に近い環境で、ウィルスやカビ、細
菌類が製品に混入されないようにする。
-1-
-1-
A4P01-06.indd
1
2015/05/08
14:21:11
⑴ 食品・薬品工場用BCR清浄度区分例
クラス
100
クラス5
ロングライフミルク
調合、充填
高速充填部
高品質製品の包装工程
クラス
1,
000
クラス6
チルドデザート
チーズ、マーガリン
一般充填機
ロングライフ製品 包装部
クラス
10,
000
クラス7
酸性飲料、
はんぺん、カステラ
陽圧製造室
一般的クリーンゾーン
クラス
100,
000
クラス8
清浄化製造室
誤動作防止
ミサイル部門、リレー
組み立て等
カメラ、プリント基板
・陽圧度の確認(給気風量と排気風量のバ
ランス確認をする)
良好な品質で有効な消費期限であることを保証
・室内の日常清掃と定期清掃、洗浄、殺菌
するために欠かせない道具でありプロセスであ
b予防保全の実施
るため高度な維持管理が求められます。
・クリーンルームが、その性能を維持して
いることを確認する
・クリーンルームを構成する機器、設備等
の劣化を予測し、許容できない範囲にな
た性能が維持しているか、常に確認しておかね
る前に処置をする。
ばなりません。そして性能低下の兆候が現れた
・そのために点検は次のようにおこなう。
14:21:12
2015/05/08
磁気ヘッド
コンピューター
日常点検
週間点検
月間点検
年次点検
週間点検
週 間月
点間
検点 検
月間点検
日常点検
日常点検
日週
常間
点点
検検
月間
年次点検
年次点検
年点
次検
点検
クラス7
4.クリーンルームの維持管理
4.1.1「予防保全と保守管理」の実施
10,
000
クラス
10,
000
クラス
精密機械
光学・印刷
クリーンルームは製品が安全・安心であり、
維持管理には、ハード面とソフト面があります。
4.1 ハード面
ら性能を元にもどすよう管理しなければなりま
せん。予防保全および保守管理が必要になります。
・クリーンルーム構成機器、構造の性能確
2
2
認と保守点検
-2-
-2-
3.2.1ク
3.2.1ク
リー
ーム
ンの
ル
リ4
ー
ー原
ム
ン則
の
ルの
4
ー理
原
ム解
則
のと
の
4実
理
原行
解
則と
の実
理行
解と実行
3.2.1ク
リーン
ル
クル
リー
ーム
ン
クの
ル
リ清
ー
ー浄
ム
ン度
の
ルを
清
ー維
浄
ム持
度
のす
を
清る
維
浄た
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度め
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4
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共
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有
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る
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、
有る
実
すこ
行
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る
実こ
行と
すで
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クリーン
安心
全で
・き
安
安る
心
全製
で
・品
き
安つ
る
心く
製
でら
品
きれ
つ
るま
く
製す
ら
品。
れ
つま
くす
ら。
れます。
安全・安
クル
リー
ーム
ン
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ル
リ4
ー
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44
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4
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次で
の
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内
4。
容
つで
のす
内。
容です。
クリーン
1ま
持な
ちい
込
1:
ま
持埃
な
ちや
い
込ゴ
:
まミ
埃
な、
や
い微
ゴ
:生
ミ
埃物
、
やを
微
ゴ持
生
ミち
物
、込
を
微ま
持
生な
ち
物い
込
を。
ま
持な
ちい
込。
まない。
1持ち込
クリーンルームを構成する機器類が定められ
2
2
A4P01-06.indd
ロングライフ製品 充填部
注射液充填部
保証する
保た
証め
すに
る
保欠
た
証か
め
すせ
に
るな
欠
たい
か
め道
せ
に具
な
欠で
い
かあ
道
せり
具
なプ
で
いロ
あ
道セ
り
具ス
プ
でで
ロ
ああ
セ
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ス
プ高
で
ロ度
あ
セな
る
ス維
高
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度
あ管
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維
高が
持
度求
管
なめ
理
維ら
が
持れ
求
管ま
め
理す
ら
が。
れ
求ま
めす
ら。
れます
維持管理
維に
持は
管、
理
維ハ
に
持ー
は
管ド
、
理面
ハ
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ド
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フ
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ト
とり
面
ソま
が
フす
あ
ト。
り
面ま
がす
あ。
ります。
3・1 ハ3・1
ード面
ハ 3・1
ード面
ハード面
クル
リー
ーム
ン
クを
ル
リ構
ー
ー成
ム
ンす
を
ルる
構
ー機
成
ム器
す
を類
る
構が
機
成定
器
すめ
類
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が
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定
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め
類性
ら
が能
れ
定が
た
め維
性
ら持
能
れし
が
たて
維
性い
持
能る
し
がか
て
維、
い
持常
る
しに
か
て確
、
い認
常
るし
に
かて
確
、認
常し
にて
確認
クリーン
おな
から
ねな
ば
おい
な
か。
ら
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な
ばし
い
なて
。
ら性
そ
な能
し
い低
て
。下
性
その
能
し兆
低
て候
下
性が
の
能現
兆
低れ
候
下た
が
のら
現
兆性
れ
候能
た
がを
ら
現元
性
れに
能
たも
を
らど
元
性す
に
能よ
も
をう
ど
元管
す
に理
よ
もし
う
どな
管
すけ
理
よし
うな
管け
理し
おかねば
れま
ばせ
なん
り
れ。
ま
ば予
せ
な防
ん
り保
。
ま全
予
せお
防
んよ
保
。び
全
予保
お
防守
よ
保管
び
全理
保
おが
守
よ必
管
び要
理
保に
が
守な
必
管り
要
理ま
に
がす
な
必。
り
要ま
にす
な。
ります。
ればなり
クラス7
10,
000
クラス
電子機械
クラス7
3.1.1「
3.1.1「
予と
防保
保守
全
予管
と
防理
保
保」
守
全の
管
と実
理
保施
」
守の
管実
理施
」の実施
3.1.1「
予防保
全
a全
予と
防保
保
a守
全
予管
と
防理
保
保の
守
全対
管
と象
理
保の
守対
管象
理の対象
a予防保
・ン
クル
リー
ー
・ム
ン
ク構
ル
リ成
ー
ー機
ム
ン器
構
ル、
成
ー構
機
ム造
器
構の
、
成性
構
機能
造
器確
の
、認
性
構と
能
造保
確
の守
認
性点
と
能検
保
確守
認点
と検
保守点検
・クリー
・陽圧度
・の
陽確
圧認
度
・(
の
陽給
確
圧気
認
度風
(
の量
給
確と
気
認排
風
(気
量
給風
と
気量
排
風の
気
量バ
風
とラ
量
排ン
の
気ス
バ
風確
ラ
量認
ン
のを
ス
バ確
ラ認
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ス確認を
・日
室常
内清
の
・掃
日
室と
常
内定
清
の期
掃
日清
と
常掃
定
清、
期
掃洗
清
と浄
掃
定、
、
期殺
洗
清菌
浄
掃、
、殺
洗菌
浄、殺菌
・室内の
b全
予の
防実
保
b施
全
予の
防実
保施
全の実施
b予防保
・ン
クル
リー
ー
・ム
ン
クが
ル
リ、
ー
ーそ
ム
ンの
が
ル性
、
ー能
そ
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の
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性
、持
能
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維
性い
持
能る
し
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て
維と
い
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る
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こ
て認
と
いす
を
るる
確
こ認
とす
をる
確認する
・クリー
・ン
クル
リー
ー
・ム
ン
クを
ル
リ構
ー
ー成
ム
ンす
を
ルる
構
ー機
成
ム器
す
を、
る
構設
機
成備
器
す等
、
るの
設
機劣
備
器化
等
、を
の
設予
劣
備測
化
等し
を
の、
予
劣許
測
化容
し
をで
、
予き
許
測な
容
しい
で
、範
き
許囲
な
容に
い
でな
範
き囲
なに
いな
範囲に
・クリー
る置
前を
にす
処
るる
置
前。
を
にす
処る
置。
をする。
る前に処
・め
そに
のは
た
・点
め
そ検
に
のは
は
た点
め検
には
は点検は
・そのた
超精密加工
マスク製造工程など
c理
保の
守実
管
c践
理
保の
守実
管践
理の実践
c保守管
・ク
目リ
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:
・ン
ク
目ル
リ
的ー
ー
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ル
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ー
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ム
ン維
の
ル持
性
ー能
ム維
の持
性能維持
・目的:
・目
管:
理①
項
・室
目
管内
:
理塵
①
項埃
室
目の
内
:堆
塵
①積
埃
室状
の
内況
堆
塵の
積
埃確
状
の認
況
堆の
積確
状認
況の確認
・管理項
②ル
クー
リム
ー
②内
ル
クの
ー
リ陽
ム
ー圧
内
ルの
の
ー確
陽
ム保
圧
内の
の確
陽保
圧の確保
②クリー
③量
循の
環確
風
③保
量
循の
環確
風保
量の確保
③循環風
④A
Hフ
Eイ
P
④ル
A
Hタ
フ
Eな
イ
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ル
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タ
フ破
な
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ルチ
の
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破
なッ
損
どク
チ
のェ
破ッ
損ク
チェック
④HEP
3.2ソ
3.2ソ
ト面 フト面
3.2ソ フ
ト面 フ
ル作
ー業
ル手
や
ル順
作
ーに
業
ル基
手
やづ
順
作い
に
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基
手ク
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順リ
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ク
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ル
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ー
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ム
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な
てを
清
高確
浄
度保
度
なす
を
清る
確
浄。
保
度す
をる
確。
保する。
で清浄度
クラス
4~5
クラス 10~100
半導体工業
a予防保全と保守管理の対象
内容
製品(例)
JIS B
9920
清浄度基準
NASA・209E
工業別分類
内容
製品名(例)
JIS B 9920
清浄度基準
NASA・209E
製品の工程区分
⑵ 工業用ICR清浄度区分例
維持されます。
そして維持管理が行き届いた「ク
発生させない
1.ムダな動きをしない
2.専用作業衣を着用する
2.専用作業衣を正しく着用して入出する
3.機器、材料は清掃してから持ち込む
3.塵・埃を出す材料や機器を使わない
4.私物は持ち込まない
4.不用品を持ち込まない
1.清掃及び消毒・殺菌をする
2.製品、中間製品を溜めないで搬出する
2.掃除方法を工夫する
3.配線、ダクトの室内露出を少なくする
3.局所排気設備を活用する
4.床に物を置かない
4.不要品はクリーンルームから取り除く
清 浄 度 基清
準浄 度 基清
準浄J度I基S準 B
JIS B
JIS
内容
B
1.清掃しやすいレイアウトにする
1.入室ルールが守られている
-3-
内容
-3-
2 発生させない:
・目的:クリーンルームの性能維持
クリーンルーム内に埃、ゴミを発生さ
・管理項目:①室内塵埃の堆積状況の確認
せない。
②クリールーム内の陽圧の確保
3 堆積させない:
③循環風量の確保 埃・ゴミを溜めない。
④HEPAフイルタなどの破
微生物を付けない。
損チェック
4 排除する:
クリーンルームの4原則とは次の4つの内容
内容
精ラ
密加
工精 密 加超
工精 密 加 工
クラス クラス クラス
ク ラ ス ク ラ ス超ク
ス超
ク製
造
工ク
程製
な
マ
造
ど
ス
工ク
程製
な造
ど工 程 な
10~1
10
00
~1
10
00
~
41
~0
504 ~マ5ス 4
~マ
5ス
磁 気 ヘ ッ磁
ド気 ヘ ッ磁
ド気 ヘ ッ ド
クラス クラス クラス
ク ラ スク
7ラ ス ク
7ラ ス 7
ーン
タピ
ーュコ
ーン
タピ
ーュ ー タ ー
1 0 ,0
10
00
,0
10
00
,0 0 0 コ ン ピ ュコ
誤 動 作 防誤
止動 作 防誤
止動 作 防 止
クラス クラス クラス
ク ラ スク
7ラ ス ク
7ラ ス 7
部サ
門イ
、ル
リ
ミ
部
レ
サ
門
ー
イ
、ル
リ部
レ門
ー、 リ
10,0
10
00
,0
10
00
, 0 0 0 ミ サ イ ルミ
組 み 立 て組
等み 立 て組
等み 立 て 等
クラス クラス クラス
ク ラ スク
7ラ ス ク
7ラ ス 7
プメ
リラ
ン、
ト
カ
プ
基
メ
リ
板
ラ
ン、
トプ
基リ
板ン ト
1 0 、0
10
00
、0
10
00
、0 0 0 カ メ ラ 、カ
3、クリ
3ー
、ン
クル
リ
3ー
ー
、ム
ン
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ル
リ維
ー
ー持
ム
ン管
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ル理
維
ー持
ム管
の理
維持管理
クリーン
クル
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ーム
ン
クは
ル
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ー
ー品
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安
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全
品で
・
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安
安り
心
全、
で
・良
あ
安好
り
心な
、
で品
良
あ質
好
りで
な
、有
品
良効
質
好な
で
な消
有
品費
効
質期
な
で限
消
有で
費
効あ
期
なる
限
消こ
で
費と
あ
期を
る
限こ
でと
あを
るこ
保証する
保た
証め
すに
る
保欠
た
証か
め
すせ
に
るな
欠
たい
か
め道
せ
に具
な
欠で
い
かあ
道
せり
具
なプ
で
いロ
あ
道セ
り
具ス
プ
でで
ロ
ああ
セ
りる
ス
プ高
で
ロ度
あ
セな
る
ス維
高
で持
度
あ管
な
る理
維
高が
持
度求
管
なめ
理
維ら
が
持れ
求
管ま
め
理す
ら
が。
れ
求ま
めす
ら。
れます
維持管理
維に
持は
管、
理
維ハ
に
持ー
は
管ド
、
理面
ハ
にと
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ド
、フ
面
ハト
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ー面
ソ
ドが
フ
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ト
とり
面
ソま
が
フす
あ
ト。
り
面ま
がす
あ。
ります。
3・1 ハ3・1
ード面
ハ 3・1
ード面
ハード面
クリーン
クル
リー
ーム
ン
クを
ル
リ構
ー
ー成
ム
ンす
を
ルる
構
ー機
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ム器
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構が
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成定
器
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類
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性
ら持
能
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たて
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持
能る
し
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維、
い
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る
しに
か
て確
、
い認
常
るし
に
かて
確
、認
常し
にて
確認
おかねば
おな
から
ねな
ば
おい
な
か。
ら
ねそ
な
ばし
い
なて
。
ら性
そ
な能
し
い低
て
。下
性
その
能
し兆
低
て候
下
性が
の
能現
兆
低れ
候
下た
が
のら
現
兆性
れ
候能
た
がを
ら
現元
性
れに
能
たも
を
らど
元
性す
に
能よ
も
をう
ど
元管
す
に理
よ
もし
う
どな
管
すけ
理
よし
うな
管け
理し
5.マスクを付ける
微生物を殺菌する。
ルールや作業手順に基づいてクリーンルーム
で清浄度を維持することは至難であるため人が
4.
2.
2 クリーンルームの4原則が活かされ
関与して高度な清浄度を確保します。
る支援
4.2.
1 クリーンルームの4原則の理解と実行
くつかの支援が大切です。
「人的支援」
、
「シス
クリーンルームの清浄度を維持するための4
テム支援」
、
「環境支援」の3つです。活かされ
原則を社内で共有し、実行することで安全・安
た「クリーンルームの4原則」に理解・行動が
心できる製品がつくられます。
できていれば「有効性高いクリーンルーム」が
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N A S AN
・A
2S
0A
9N
・
EA
2S
0A
9
9
・
E
9
22
00
9
9E
9 2 09 9
製2
品0
( 例製
)品 ( 例製
)品 ( 例 )
工 業 別工
分業
類別 工
分業
類別 分 類
電 子 機電
械子 機 電
械子 機 械
精 密 機精
械密 機 精
械密 機 械
持ち込まない
半 導 体半
工導
業体 半
工導
業体 工 業
表 クリーンルームの4原則
(2)工
(業
2用
)I
工
(C
業
2R
用
)清
I
工浄
C
業度
R
用区
清
I分
浄
C例
度
R区
清分
浄例
度区分例
埃やゴミ、微生物を持ち込まない。
光 学 ・光
印学
刷・ 光
印学
刷・ 印 刷
5.帯電させない、除電する
存性の製品」がつくられ、
顧客満足が得られます。
1 持ち込まない:
排除する
堆積させない
リーンルーム」で「安全・安心・高品質・高保
です。
埃・ゴミ及びその発生源を排除する。
4.2 ソフト面
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c保守管理の実践
の清浄度を高めに維持することです。ハード面
クリーンルーム4原則が活かされるには、い
ク リ ー ン ル ー ム 4 原 則 が 活 か さ れ る に は 、い く つ か の 支 援 が 大 切 で す 。
「 人 的 支 援 」、
「シ
ス テ ム 支 援 」、「 環 境 支 援 」 の 3 つ で す 。 活 か さ れ た 「 ク リ ー ン ル ー ム の 4 原 則 」 に 理 解 ・
行動できていれば「有効性高いクリーンルーム」が維持されます。そして維持管理が行き
届いた「クリーンルーム」で「安全・安心・高品質・高保存性の製品」がつくられ、顧客
満足が得られる。
安全・安心・高品質
保存性の高い製品
有効性の高い
クリーンルーム
クリーンルーム
の4原則
人的支援
・汚染に感受性のある人々
・ルールや手順の順守
・5Sの実行
システム支援
・ゾーニング
・動線
・ ク リ3ー ン ル ー ム の 特 性
4.3 モニタリング
環境支援
・防虫対策
・異物対策
設計・設定の条件は、気流状態、風速、室内
クリーンルームは、設計・設定の条件どおり
圧力(差圧)
、フイルタのリーク、湿度、温度、
に運用されているか定期的にモニタリングをし
浮遊菌、落下菌、空気中の微粒子数等が「表―
て確かめることが必要です。要求品質の製品が
2 NASA 209E」規格を満足するよう決め
作られるか検証しなければなりません。
られています。
表-2 NASA 209E 規格
清浄度クラス
JIS 9920
粒子
生物粒子
浮遊菌
落下菌
NASA209E
粒形
粒子数
クラス
(μm) (個╱m3) (CFU╱m3) (CFU╱m2╱週)
クラス 5
100
0.5以上
3,500<
3.5<
12,900<
クラス 7
10,000
0.5以上
350,000<
17.6<
64,600<
クラス 8
100,000
0.5以上
3,500,000<
88.4<
323,000<
圧力
Pa
気流
(m╱S)
{換気回数}
12.7 (0.45±0.1)
以上 {>20回╱時}
注 落下菌:1m2に1週間に落下する菌の平均
浮遊菌:1m3中の菌最大数
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、
「シ
解・
行き
顧客
a、モニタリング方法
モニタリングは測定項目に相応しい機器を活用して行います。
項目
内容
測定機器(参照)
清浄度測定
粒子数の計測
パーティクルカウンタ (PMS製LASAIR-110)
気流速度、風量測定
気流測定
Tr式微風速計 (RION製AM-111)
室間差圧
差圧
差圧計(マノメーター)
フィルタリーク測定
HEPAフィルタの破損検査
パーティクルカウンタ (PMS製LASAIR-110)
温湿度測定
所定の確認
温湿度自己記録計(IZUMI製3-3126)
通風式乾湿球計(TOSHINO製SS-1DM)
照度
照度計(HIOKI製3423)
騒音
精密騒音計(RION製NA-29E)
出典:クリーンルーム環境の計画と設計 (公社)日本空気清浄協会、オーム社(注:測定機器名は参照例です)
4.4 クリーンルームのドライ化、カビ対策
大きな対処とは、ドライ化の徹底、徹底的な
クリーンルームは経過するにつれ、衛生的に
清掃、クリーンルームの殺菌処理です。
処置された人や材料が加工され、製品として出
⑴ ドライ化
荷される一連のプロセスから、眼に見えない
クリーンルームの給気を低湿度にして、室
塵・埃による汚れ及び微生物の発生で清浄度が
内を乾燥させ室内湿度を55%以下に保ち、カ
下がってきます。
ビの繁殖・発生を防止します。
清浄度を維持するために、前述したクリーン
⑵ 清掃の実施
ルームの4原則、モニタリングを実施してきま
ここでの清掃は堆積した塵・埃を取り去る
したが、製品特性の変化、材料の質的変化、設
ことでクリーンルームの4原則では行き届か
備・機器の劣化、人のローテーションなどが清
なかった箇所が対象になります。
浄度変化をもたらします。
⑶ 殺菌・カビ対策
食品工場は「水を使用する機会」が多い産業
a清拭殺菌
です。
「水」
は食品工場にとって大切な資源です。
しかし、いつしか大切さを忘れ「水」を粗雑
床、壁、天井、機器類の表面を薬剤で拭
き殺菌します。
に扱うことが多々あり、その結果クリーンルー
bガス殺菌
ムは湿気が満ちて微生物やカビが繁殖し、製品
製造生産過程、設備工事で汚染された施
を汚しています。
設を一定のレベルまで清浄する目的で手作
また、塵や埃は人や材料が持ち込んできます
業洗浄・殺菌の不均一性を補うためにガス
ので、知らず知らずクリーンルーム内に堆積し
殺菌などにより洗浄消毒、清拭殺菌しにく
てきます。クリーンルームの4原則は悪くなる
い場所の微生物汚染を減少するための方法
のを遅くする効果が高いものです。ですが、何
です。
時かは大きな対処が必要になります。
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表-3 除染方法の比較
除染剤
ホルムアルデヒド
過酸化水素
オゾン
二酸化塩素
過酢酸系除菌剤
専用発生器使用
気化器でガス化
高電下による
オゾン発生
二酸化塩素ガス
生成
ドライフォク噴霧
過酸化水素、過酢酸、
酢酸混合液
除染時間
12 ~ 72時間
3~6時間
10 ~ 12時間
1mg╱2hr保持 4時間
除染原理
アルキル化による
凝固
ヒドロキシラジカル ヒドロキシラジカル
による酸化殺菌
発生方法
除染時制限
酸化殺菌
ヒドロキシラジカル
ダクト部のダンバー閉
ドア周りの目張り 立ち入り禁止 残留性
吸着による残留あり 分解可能
酸素原料のため無し 残留性低い
残留性低い
浸透性
素材内部まで浸透
素材表面
素材表面
素材表面
素材表面
英国Bioquell
IHIシバウラ
カイコーポレー
ション
米国CS社
米国マーコァ社
取り扱い イカリ消毒
メーカー
注記 表―3は、クリーンテクノロジー 2014.8 月号「クリーンルームの殺菌サービスについて」37 ページ
より抜粋
5.まとめ
造工程の環境づくりを含めて設置することが必
食品工場のクリーンルームは、BCR(バイ
要であり、そして長期にクリーンルームを活用
オロジカルクリーン)で塵・埃、微生物を除去
するための維持管理の充実が望まれます。
するものであるため、工場内のゾーニング、製
物数
測定原理
測定法
主要機器
補助機器
落下法
落下法
平板寒天培地
各種寒天培地
スリット法
スリットサンプラ本体
ピンホール法
ピンホールサンプラ本体
平板固形培地・ペトリ皿
ポンプ・流量計
多段多孔坂法
アンダーセンサンプラ本体
インピンジャ法
インピンジャ
衝突法
衝突法
液体培地・ポンプ・流量計
落下法
衝突法
インピンジャ法
微振動
騒音
風速
気流性状
圧力(差圧)
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