Q&A インスリン自己注射

インスリン自己注射
Q& A
Q1
なぜ空打ち(試し打ち)は大切なのですか?
A . 空 打 ちは余 分 な 空 気を抜くだけではなく、
インスリンを正確に注射できるかどうか注入器
と針を毎回確認するための大切な作業です。
注射した後でトラブルに気が付いた場合には、対応が難しいこともあ
ります。実際に針を刺してから困らないように、注射の前に注入器や
針に問題はないか、針先からインスリンが出るか、空打ちで確認して
から注射を行いましょう。
針先から薬液が出る
注 入ボタンを最 後まで押した
あと単位表示窓の目盛りが0に
戻る
注入ボタンが押せる
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Q2
空打ちを繰り返しても針先から薬液が
出ない場合は、何を確認したらよいですか?
A. 以下のことを確認してみましょう。
◆ インスリン側の針が曲がっていませんか?
針を注入器に装着するときに、斜めに刺してしまうと、後針(インスリ
ン側の針)が曲がってしまうことがあります。
曲がってしまった針では注射ができ
ないので、新しい針に交換しましょう。
針を装着するときは、注入器にまっす
ぐ刺しましょう。
◆ ピストン棒がゴム栓(ガスケット)に接していますか?
インスリンを押し出すピストン棒が、カートリッジのゴム栓に届いて
いないと、インスリンが出ません。ピストン棒がゴム栓に届くまで空
打ちを繰り返しましょう。
ゴム栓 ピストン棒
注意 : 新しいインスリンを使用する時は、注入器のピストン棒とゴム栓の間に隙間
があいていることがあります。空打ちを繰り返すことによって隙間が解消されます。
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◆ 針を再使用していませんか?
針の中に残ったインスリンや血液などが固まって針が詰まってしまう
( Q10 参照)
ことがあります。毎回新しい針を使用しましょう。
血液など
インスリン
◆ インスリンや注入器を適切に保管していますか?
針を注入器に付けたままにしていると、針先から気泡が混入したり、
薬液が漏れ出ることがあります。また、注入器の故障の原因になるこ
ともあります。針は、注射直前に装着し、注射後すぐに取り外して廃棄
( Q9 参照)
するようにしましょう。
使用後すぐに外しましょう。
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◆ インスリン(懸濁インスリン)は十分混ざっていますか?
白く濁るインスリンを使用している場合、十分に混ぜていないと、結
晶化しているインスリンが針の中で詰まってしまうことがあります。
インスリンおよび注入器の取扱説明書に従って、注射前にインスリ
ンをよく混ぜましょう。
イ ン スリン の 取 扱 説 明 書 に
従って、注射前にインスリンを
よく混ぜましょう。
もし注入ボタンが押しにくかったり、押せない場合は、注入ボタンを無
理に押そうとせず、新しい針に交換してみてください。
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Q3
インスリンは、
どこに注射したらよいですか?
A. 注射場所を選ぶためのポイントをご説明します。
◆ インスリン自己注射に適した部位
インスリン自己注射は、皮下組織(皮膚と筋肉の間にあり、皮下脂肪
が存在するところ)に行います。身体の中でも比較的皮下脂肪が多
いところ、大きな血管がないところ、手が届いて注射しやすいところ
という理由から、お腹、肘より上の腕、おしり、そして、太ももの 4箇所
が注射部位として推奨されています。
皮 膚
皮下組織
肘より
上の腕
お 腹
おしり
筋 肉
太もも
◆ 同じ時間帯に同じ体の部位に注射
原則的に、同じ時間帯に同じ体の部位に注射しましょう。例えば、食前
の注射がお腹ならお腹と決めて、いつもお腹に注射するようにしま
す。注射部位をお腹から腕、腕からおしりと毎回変えたり、別の体の
部位に突然変えると、血糖値のコントロールが不安定になるおそれ
( Q5 参照)
があります。
5
◆ 前回注射した場所から2 ∼ 3cm 以上ずらした場所
インスリンを同じような場所に繰り返し注射すると、その場所に「しこ
り」や「くぼみ」ができてしまうことがあります。
これは脂肪組織の異常
で、インスリン療法を続ける患者様の血糖コントロールに影響を及ぼ
すおそれがあります。
「しこり」
(リポハイパートロフィ)
「くぼみ」
(リポアトロフィ)
注射部位の「健康」を維持するために、決められた注射部位の中をな
るべく広く使い、注射場所を毎回 2 ∼ 3cm 以上ずらして注射するよう
にしましょう。
なるべく広 い 範 囲で、
毎回2∼3cm以上ず
らしましょう。
お へ そ の 周りへ の 注
射は避けましょう。
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Q4
針は、どのように刺したらよいですか?
A . 皮下組織(皮下脂肪があるところ)にインス
リンを注入するために、針の長さによっては、
皮膚をつまんで注射する場合があります。
皮 膚
皮下組織
筋 肉
皮下組織は、
皮膚と筋肉の間にあります。
◆
5mm の針を使用する場合
①極端に痩せている方を除いて、皮膚をつまみ上げずに注射すること
ができます。
針先が筋肉に届くことがほ
とんどありませんので、皮
膚をつまみ上げずに、皮下
組織にインスリンを注入す
ることができます。皮膚にたるみがあり、針を刺しにくい場合には、皮膚を
親指と人差し指で伸ばして注射することもできます。
②皮膚に対して垂直に根元まで刺しましょう。
針を斜めに刺したり、浅く刺すと、皮下組
織に針先が届かないことがあります。浅
い部分に注射をすると、痛みが強く出た
り、皮膚からインスリンが漏れてしまうこ
とがあるので注意しましょう。
7
◆
8mm の針を使用する場合
①針が深く入りすぎないように、皮膚をつまみ上げて刺しましょう。
長い針は、そのまま垂直に刺すと皮下組織の下の筋肉に入ってしま
うことがあります。そのため筋肉内注射にならないように皮膚を軽
くつまんで刺します。
皮膚をつまむ場合は、親指と人差し指で、または、親指と人差し指と
中指の3本で軽くつまんで注射しましょう。強くつまむと、圧迫により
インスリンが皮膚から漏れ出てしまうことがあります。
また、大きくつ
かむようにつまむと、筋肉も一緒につまんで筋肉内注射になってしま
うことがあります。少しつまみあげてから、上下または左右に揺らす
と、筋肉までつまんでいないかが分かりやすいです。
正しい方法
正しくない方法
筋肉組織もつまんでいる
皮膚のみをつまんでいる
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Q5
インスリンの効果が毎回確実に出るように
するためには、どのようなことに注意したら
よいですか?
A. インスリンの効果が確実に出るように、
以下のことに注意して注射をしましょう。
◆ 濁っているインスリンは、注射前によく混ぜる
白く濁るインスリンには、インスリンがゆっくり効くための成分が入っ
ています。注射前に毎回均一に混ぜなければ、血糖値が不安定にな
り、予期せぬ低血糖を起こすおそれもあります。
白く濁るインスリンのカートリッジ
の中にはガラス玉が入っています。
注射前に、
このガラス玉がカートリッジの中の
隅々まで動くように注入器を振ってインスリ
ンを良く混ぜましょう。
(正しいインスリンの混ぜ方は、ペン型インス
リン注入器取扱い説明書をご確認ください。)
インスリンカートリッジを光に透かしてみると、
沈殿が残っていないか確認しやすくなります。
注入器を横にして保管すると
インスリンが混ぜやすくなります。
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◆ 注射部位を毎回変えない
インスリン注射に適している部位は、お腹、肘より上の腕、おしり、太
ももです。これらの部位は、お腹→肘より上の腕→おしり→太ももの
順にインスリンの効き方が遅くなります。注射部位を毎回変えたり、
突然違う部位に変更すると、インスリンの効き方が変わり、血糖値が
(Q3 参照)
乱れるおそれがあります。
吸収速度
(お腹)
→(肘より上の腕)→(おしり)
→(太もも)の順にインスリンの効き
方が遅くなります。
◆「しこり」や「くぼみ」がある場所への注射を避ける
インスリンを繰り返し同じ場所に注射していると、その場所の脂肪細
胞が肥大して「しこり」になったり、脂肪細胞が喪失して、その場所に
「くぼみ」ができることがあります。
右側腹部
腹部
腹部
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「しこり」になっている場所は、他の正常な場所と比べて痛みが少な
いため、無意識にその場所を選んで注射をしていることがあります。
しかし、この場所はインスリンの吸収が不安定なので、血糖値のコン
トロールが悪くなったり、インスリンの量を増やさなければならなく
なることがあります。もし
「しこり」や「くぼみ」を発見したら、その場所
には注射をしないようにし、医療機関を受診したときに医師や看護師
に知らせてください。
「しこり」や「くぼみ」は目で見るより、手で触ったほうが簡単に発見で
きます。
時 々 注 射 部 位を手で触り、
「しこり」や「くぼ み 」ができてい な いか
チェックするようにしましょう。
◆ 注射の後はもまない
インスリンを注射した場所をマッサージすると、インスリンの吸収が
速まり、効き過ぎてしまうことがあるのでもまないようにしましょう。
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Q6
注射の痛みを軽くすることはできますか?
A. できるだけ痛みを和らげるポイントをご紹介します。
1 毎回新しい針を使う(Q10参照)
針を再使用すると、痛みや出血が増すおそれがあります。
2 冷たいインスリンの注射を避ける
インスリンを冷たいまま注 射すると、痛
みを強く感じることがあります。新しいイ
ンスリンを冷蔵庫から出して使う場合は、
30 分∼ 1 時間室温に置いてから使用した
ほうがよいでしょう。なお、使用中のイン
スリンは、必ず室温で保存しましょう。
3 消毒用アルコールが十分乾いてから針を刺す
消毒後アルコールが乾く前に針を刺すと、
アルコールの刺激によ
り刺入部に痛みを強く感じることがあります。十分な消毒効果を
得るためにも、
アルコールがきちんと乾いてから注射しましょう。
消毒液が乾いてから注射しましょう。
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4 針に針キャップが触らないように、まっすぐ抜く
針キャップをはずすときに、針キャップが針に触れてしまうと、針先が
曲がってしまうことがあります。このような針で注射を行うと、注射に
伴う痛みが増すことがあります。
注射前に針が曲がってしまった場合は、使用せずに新しい針に交換してください。
曲がってしまった針をまっすぐに戻したり、そのまま使用すると注射中に針が折れ
てしまうことがあります。
5 針を刺してから注入ボタンを楽に押せるように
握っているか、針を刺す前に確認する
針を刺してから注入ボタンが届かないために、途中で手をずらした
り、注入器を持ち替えると、針が動いたり曲がったりすることによっ
て、痛みが強くなるおそれがあります。
単位表示窓が見える
ように握っている
単位を設定した状態で
親指の第一関節が注入
ボタンの上端に届いて
いる
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6 針を根元まで刺す
皮膚には神経が多く存在し、刺激に敏感なため、インス
リンを浅い部分に注射すると強い痛みを感じることがあ
ります。また、注射後インスリンが皮膚から漏れてしまっ
(Q4参照)
たり、皮膚が赤く腫れてしまうこともあります。
根
元
ま
で
刺
す
7 注入ボタンをゆっくり押す
注入ボタンを速く押すと、針先からインス
リンが勢いよく出てしまい、痛みを強く感
じることがあります。
ゆ
っ
く
り
・
・
・
注入ボタンを押す際は、設定単位が減ってい
くのを目で追えるくらいゆっくり押しましょう。
8 針をまっすぐ抜く
皮膚から針を抜くときに針が斜めになっ
てしまうと、注射した場所の周辺組織を傷
つけることがあります。針を刺したときと
同じ角度でまっすぐ抜きましょう。
まっすぐ抜く
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Q7
インスリンを注射した後、
インスリンが
針先から滴っていたり、注射した場所から
漏れていることはありませんか?
A. 針を抜いたときに、インスリンが針先から滴っ
たり、注射場所から漏れている場合、設定した
量のインスリンが全量注入できていない可能
性があります。
針からインスリンが 3 ∼ 5 滴くらい滴ると、
インスリン約1単位が注入できていないこ
とになります。
針先から滴ったインスリンや、皮膚から漏れたインスリンは、ほんの
わずかに見えても血糖値に影響することがあります。
しかし、
このような場合は、自己判断でインスリンを追加して注射しな
いようにしましょう。不足したインスリンの正確な量は分からないた
め、インスリンを追加することにより低血糖を招くおそれがあります。
次回から注意するようにしましょう。
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Q8
なぜ注射の後、インスリンが針先から滴ったり、
皮膚から漏れてしまうのですか?
防ぐ方法はありますか?
A . 正しい方法で注射が行えていない可能性が
あります。注射したインスリンを無駄にしな
いために、医 師 、看 護 師 、または薬 剤 師と注
射手技の確認をしましょう。
1 大きな気泡は、空打ちで除去していますか?
カートリッジ内に気泡が入ったままインスリン注射を行うと、気泡がな
いときに比べて注入ボタンを押してからインスリンが出始めるまでの
時間が長くなります。そのため、イ
ンスリン注入に時間がかかり、針
を抜いたときに注入しきれなかっ
たインスリンが針先から滴ってい
ることがあります。
大きな気泡は、なるべく空打ちで
除去してから注射しましょう。
小さな 気 泡 は残って い ても問 題
ありません。
2 注射場所が浅すぎませんか?( Q4 参照)
インスリンを注射するときに、針が適切な深さまで入っていないと、
注射後インスリンが皮膚から漏れてしまうことがあります。
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3 皮膚を強くつまんで注射していませんか?
皮膚を強くつまむと、圧迫によりインスリンが皮膚から漏れ出てしま
うおそれがあります。皮膚をつまんで注射する場合は、軽くつまむよ
うにしましょう。
また、針を抜く前につまんだ皮膚をゆるめると、注入したインスリン
がしぼり出されることを防ぐことができます。
5mmの針を使用している場合は、
皮膚をつまみ上げる必要はありません。
( Q4 参照)
4 注入ボタンをゆっくり、最後まで押していますか?
注入ボタンが押し切れていないと、注入ボタ
ンを押しながら針を抜くときに力が入り、針先
からインスリンが出てしまうことがあります。
注入ボタンを押したときに、最後まで押せたか
単位表示窓を見て確認しましょう。
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5 注入ボタンを最後まで押したあと、
5 ∼ 10 秒以上待ってから針を抜いていますか?
注入ボタンを押してからすぐに針を抜いたり、待ち時間が短いと、針を
抜いたときにインスリンが針先から滴ることがあります。
1、2、3、4、5・・・
注入ボタンを最後まで押したあと、5∼10 秒以上待ってから針を抜きましょう。
1 回のインスリン注射量が多い方は注入時間がより長く必要ですので、
より長めに待ってから針を抜きましょう。
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Q9
針の再使用は本当に危険ですか?
A . 針を習慣的に再使用することは、以下のよう
な様々な危険を伴います。
危険① 穿刺による針先の損傷
針の先端は、1 回注射するだけで損傷を受ける可能性があります。曲
がった針先は、針が細いため肉眼では確認が難しいかもしれません。
しかし、そのような針を再び使用すると、曲がった針先が注射中に折れ
てしまうおそれがあります。
出典 : Dieter Look and Kenneth Strauss study:
"Nadeln mehrfach verwenden?"
Diabetes Journal 1998, 10: S. 31-34.
複数回使用した針先の拡大写真
(2000倍)
危険② 痛み・出血の増加
再使用した針は、針先が損傷していることがあります
(前述)。そのような針を用いて注射を行うと、注射に伴
う痛みや出血が増すおそれがあります。
また、刺したときのすべりを良くし、根元まで挿入すると
きの痛みを抑えるために、針の表面には潤滑剤が塗られ
ています。針を一度使用することにより、
この潤滑剤の効
果が落ちてしまう可能性があり、
これも痛みが増す原因
になります。
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との関係(Q5参照)
危険③ 注射部位の「しこり」
再使用によって先端が磨耗した針で注射を繰り返すことにより、注射部
位に「しこり」ができやすくなる可能性があることが、複数の研究で報
告されています。
注射部位の「しこり」
(リポハイパートロフィ)
大腿
危険④ 非衛生的
針は、製造されるときに滅菌処理が施され、
保護シールを開けるまでは無菌状態が保た
れています。注射に使用した針は、皮膚表面
や毛根にいる菌、血液などが付着している可
能性があり、清潔な針とはいえません。
した
がって、針を再使用することは衛生的にも良
くありません。
危険⑤ 針詰まり
注射に使用した針の内部に残ったインスリ
ンや血液などが固まって、針が詰まることが
あります。
さらに、習慣的に注射前の空打ちを省いて
いると、万が一針が詰まっていた場合に、イ
ンスリンが注入できていないことに気づか
ない、
という危険性もあります。
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危険⑤ 針先や針管が曲がるおそれ
・ 目が見えにくいので細かい作業が大変。
・ 注射のたびに手がふるえてしまう。
このようなことで普段お困りの患者様は、特に再使用は危険です。
例えば、再 使 用するために針キャップや針ケースをかぶせて保 管すると、針
キャップや針ケースをかぶせるときに針に触れてしまい、針先や針管が曲がっ
てしまうおそれがあります。
曲がった針をまっすぐに戻したり、そのまま使用することは絶対に
しないでください。使用中に折れてしまうおそれがあります。
このように針の再使用は大変危険ですのでやめましょう。
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Q10
なぜ注入器に針をつけたままにしては
いけないのですか?
A . 針先からカートリッジ内に空気が入ったり、インス
リンが漏れて、インスリンの種類によっては、成分
の割合が変化してしまうおそれがあるからです。
また、注入器の故障の原因になることもあります。
インスリンの膨張
による漏れ
注入器に針をつけたまま、温度が低い
場所から温度が高い場所に移動すると、
インスリンが漏れ出ることがあります。
インスリンの収縮
による気泡混入
注入器に針をつけたまま、温度が高い
場 所から温 度が低 い 場 所に移 動する
と、気泡が混入することがあります。
一度使用した針を注入器につけたままにしていると、針内部に残った血液
がカートリッジ内に引き込まれ、インスリンが汚染するおそれもあります。
針は、注射直前に装着し、注射後は速やかにはずしましょう。
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