加齢黄斑変性症の治療について 新潟市中央区田町 1-3239

加齢黄斑変性症の治療について
新潟市中央区田町 1-3239-1(旧済生会新潟病院跡)
いかい眼科 院長 井海雄介
(社)日本眼科学会認定 眼科専門医
先回は加齢黄斑変性症の症状や病態について触れました。今回は一般的な治療法につい
て書きたいと思います。
病気の進行度や重症度、また病気のタイプによって治療法はいくつかに分かれています。
滲出型では新生血管が黄斑の真ん中(中心窩)になければ、新生血管に対するレーザー光
凝固で新生血管を焼きつぶします。
中心窩にある場合には、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬が第一選択になります。
新生血管の発生、発育を抑制する効果のある抗血管内皮増殖因子を眼の中、つまり硝子体
内に注射します。
なんどか繰り返し注射することにより新生血管の消退を目指します。
光線力学療法といって、光を感じやすくする薬と弱いレーザー光を使って新生血管を血
栓で詰まらせる方法もあります。
日本人に多いポリープを示すタイプには光線力学療法は有用で、抗 VEGF 薬と比べると改
善の程度は低いですが視力が改善します。
また、抗 VEGF 薬だけでは治りにくい方や、特殊なタイプの新生血管を持つ方には抗 VEGF
薬と光線力学療法を併用する場合もあります。
出血の予防のため止血剤を内服したり、黄斑に新鮮な出血が多いときには出血を動かす
ため眼内にガス注入などの処置をすることもあります。
中心窩の新生血管に対する治療は、新生血管の大きさや活動性、病気のタイプ、全身状態
などによって個々に決める必要があります。
主治医の先生とよく相談して治療を選択してもらいたいと思います。
うつ病について
新発田市住吉町4丁目8-26
しばた心と体クリニック 院長
小河原克人
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医
職場で遭遇するこころの病気、今回は「うつ病」についでご紹介したいと思います。
「うつ病」は良く聞く病気かと思いますが、残念ながら自分で病気になったとは気づかな
い事がほとんどです。
「抑うつ気分」や「意欲低下」等の症状が、ある一定の期間持続しているようであれば診
断が可能ですが、
「抑うつ気分」
「意欲低下」と言われても、病気か否かを判定することは容
易ではありません。
これらの症状をピックアップして、病院へつなげることはきわめて難しいと考えます。
分かりやすい事象として、無断欠勤が続く、仕事のミスが多くなった、(体の病気も無い
のに)食欲低下や体重減少が認められる等の問題があれば「うつ病」の可能性を考え、医療
機関へ受診させるよう勧めることが大切と考えます。
先に申し上げた通り、自分では病気と思っていませんから、多くの場合は受診を避ける傾
向にあると思われます。
その場合には、不眠、食欲低下等の問題があると思われるため、それらの相談を契機に受
診を促してあげるということも一つの工夫と考えられます。
寝付きが悪い、夜中に何回も目が覚める、朝起きても疲れが取れないなどの症状があれば
不眠を疑って良いでしょう。
また、これまでおいしく食べていたモノがおいしくない、食事を無理に押し込んで摂取し
ている、食べてもすぐに満腹となり食が進まない、という症状があれば食欲低下と考えられ
ます。
春の時期は、職場内では人事異動、場合によっては引っ越し、家庭では子供達の進級など
が重なりストレスフルの時期です。
物事を人任せに出来ず、仕事を自分で抱え込みやすいまじめな方がおられませんでしょ
うか?
これらの方々は要注意です。
「うつ病」は適切な治療を行えば、完治(寛解)する病気です。
症状が重くならないうちに、早めの医療機関への受診を心がけましょう。