ブルーベリー葉抽出物によるインスリン抵抗性改善作用 まつやま ゆう すけ はや せ が わ りんたろう はまだ けんさく か い たか のり かめ なが こうぞう まつうら やすし ゆ きざき ○松山 勇 介 1, 早 瀬川 倫太郎 1,濱田 健作 1,甲斐 孝 憲 2, 亀 長 浩蔵 2, 松浦 靖 3,柚 木崎 ち づ こ にしやま かずお やまさき まさお 千鶴子3,西山 和夫1,山崎 正夫1 (1 宮崎大農応生,2(株)なな葉コーポレーション,3 宮崎県食品開発センター) 【目的】 エネルギーの過剰摂取、運動不足によるエネルギー消費の減少を原因とした肥 満を伴う高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の増加が問題となって おり、食品成分によるその予防、改善作用が期待されている。ブルーベリー葉 は宮崎県における JST 地域結集型共同研究事業の成果として脂肪肝抑制、血圧 降下作用が報告され、抗生活習慣病作用を有する新規な機能性食材として期待 されている。一方で糖代謝への影響は不明であり、本研究では C57BL/6 マウス に高脂肪・高ショ糖食を与えたマウスを用いてブルーベリー葉の糖代謝に与え る影響について検討した。 【方法】 ブルーベリー葉から熱水抽出を行い、スプレードライによる乾燥をした抽出物 を実験サンプルとした(BLEx)。実験動物として C57BL/6 マウスを 2 群に分け、 それぞれ通常食と 30 % 高脂肪、20 % 高ショ糖食を 4 週間給餌した。その後、 高脂肪、高ショ糖食には 0、1、3 %の BLEx を混ぜた餌を給餌した。通常食群で は通常食の給餌を 8 週間継続させた。6 週間飼育後に経口グルコース負荷試験を 実施し、その 2 週間後に屠殺を行い、血清、各臓器を解析に供した。 【結果・考察】 摂食量および飲水量には食餌の影響なかったが、体重は BLEx 3 %群において減 少傾向が認められた。さらに精巣上体脂肪組織、腎臓周囲脂肪組織重量も BLEx 3 %群において減少傾向が認められ、肝臓重量はコントロールと比較して有意 に減少した。また、空腹時血糖値は BLEx 3 %群において有意な減少が認められ、 空腹時インスリン値も減少傾向が認められた。さらに、コントロールと比較し て BLEx 3 %群においてグルコース経口負荷後 0 、60 、120 分後において血糖 値の有意な減少が認められた。以上の結果から BLEx はインスリン抵抗性を改善 し、抗糖尿病作用を有する食品成分としての有用性が期待された。
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