振込 - 農林中金アカデミー

為替・決済実務
為替・決済実務
−2−
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−25−
為替・決済実務
目 次
内国為替の基本等
問1
決済業務の重要性と取扱上の留意点… ………………… 28
問2
内国為替業務の取扱い… ………………………………… 29
問3
為替業務取扱いに関する根拠法令等… ………………… 30
問4
内国為替取引の契約等… ………………………………… 30
問5
系統為替取引契約… ……………………………………… 31
問6
全国銀行内国為替制度… ………………………………… 32
問7
内国為替取引の範囲… …………………………………… 33
問8
取扱方式と利用基準… …………………………………… 34
問9
事故の責任… ……………………………………………… 35
問10
決済リスク対策… ………………………………………… 36
振 込 , 送 金 , 雑 為 替
問11
振込の取扱方式… ………………………………………… 36
問12
振込取引当事者間の法律関係… ………………………… 37
問13
仕向金融機関における口座相違防止策… ……………… 38
問14
振込契約… ………………………………………………… 39
問15
振込資金および振込手数料… …………………………… 40
問16
犯罪収益移転防止法に基づく顧客本人の確認… ……… 41
問17
振込規定(ひな型)
………………………………………… 42
問18
仕向金融機関の取扱い… ………………………………… 43
問19
振込依頼の受付… ………………………………………… 44
問20
当日扱いの振込通知のテレ為替電文の送達… ………… 45
問21
文書為替の取扱い… ……………………………………… 45
問22
振込の組戻の取扱い… …………………………………… 46
問23
振込金の貯金口座への入金時期… ……………………… 47
問24
入金不能分の振込通知・振込票の処理… ……………… 48
−26−
為替・決済実務
問25
テレ為替の振込の組戻の取扱い… ……………………… 48
問26
送金の取扱い… …………………………………………… 49
問27
付替,請求の取扱い… …………………………………… 50
問28
一般通信の取扱い… ……………………………………… 51
問29
テレ為替の「振込」にかかる電文の取消・訂正… …… 52
問30
テレ為替の「取消」の取扱手続… ……………………… 52
代金取立,手形・小切手
問31
代金取立の当事者の法律関係… ………………………… 53
問32
証券類の代金取立の取扱い… …………………………… 54
問33
代金取立規定(ひな型)
…………………………………… 55
問34
手形の裏書の連続と譲渡裏書の効力… ………………… 55
問35
線引小切手の取扱い… …………………………………… 56
問36
不渡処分… ………………………………………………… 57
問37
不渡事由と不渡届… ……………………………………… 58
問38
代金取立の取立方式… …………………………………… 58
問39
代金取立の不渡の処理… ………………………………… 59
問40
入金報告および不渡通知の取扱い… …………………… 60
決
済
業
務
問41
国庫金振込取扱上の留意点… …………………………… 61
問42
公的年金制度… …………………………………………… 62
問43
年金振込の取扱い… ……………………………………… 62
問44
給与振込の取扱い… ……………………………………… 63
問45
口座振替事務の取扱方法… ……………………………… 64
問46
歳入金の窓口受入上の留意点… ………………………… 65
問47
マルチペイメントネットワークシステム… …………… 66
問48
盗難カードによる被害補てん… ………………………… 66
問49
JA カードの一般カードの商品性………………………… 67
問50
デビットカードの取扱い… ……………………………… 68
−27−
為替・決済実務
には十分配慮し,かつ,個人情報保護法に
内国為替の基本等
即して,情報を取扱う必要がある。
正解率 76%
正解 ⑴
決済業務の重要性と取扱上の留意点
問 1 決済業務の重要性と取扱上の留意点に
解 説
ついて,誤っているものを 1 つ選びなさい。
⑴ 金融機関の決済業務は,その殆どが
⑴ 決済業務を通じて移動する資金は,巨額
流動性貯金の口座からの支払いないし
に達し,そのほとんどが流動性貯金の口座
振替により行われており,この流動性
からの支払いないし振替なので,この資金
の貯金口座には,企業・団体からの年
の滞留分が金融機関で運用することができ
金・給与振込,収納委託による公共料
ず,高いコストの資金源となっている。
金等の引落しなど,絶えず資金が入金
⑵ 決済業務における貯金口座への入金・支
し,支払われている。決済業務を通じ
払いは,貯金口座から各種クレジット・ロー
て移動する資金は,巨額に達し,この
ン等の口座引落のほか,給与・年金等の受
資金の滞留分が融資などに運用するこ
取りに振込が広く利用されているので,決
とができるので,金融機関の大きな低
済業務を通じて得た情報を戦略的に活用で
コストの資金源になっている。したがっ
きる。
て,⑴は誤りであり,これが本問の正
解である。
⑶ 決済業務の収益源は,決済機能提供とい
う役務の対価として手数料を利用者から得
⑵ 決済業務における貯金口座への入金・
支払いは,顧客の家計取引状況,顧客
ることにある。
⑷ 決済業務においては,給与・年金などの
のニーズ,行動パターンを捕捉し,個々
振込日,貯金口座の振替日,通信時限,不
の顧客のニーズにあった商品・機能サー
渡返還時限などの「処理すべき日時」を厳
ビスの提供など,決済業務を通じて得
守する必要がある。
た情報を戦略的に活用できる。したがっ
⑸ 決済業務で得られた情報は,機密の保持
−28−
て,⑵は正しい。
為替・決済実務
⑶ 決済業務の収益源は,振込や自動送
をする 2 つの方法があるが,現在,最も多
金,モバイルバイキングなど利便性の
く利用されているのは,①の小切手を使う
高い決済機能を提供する役務の対価と
方法である。
して手数料を利用者から得ることにあ
正解率 95%
正解 ⑸
る。したがって,⑶は正しい。
⑷ 決済業務においては,振込指定の定
めのある給与・年金などの振込日,貯
解 説
金口座の振替日,手形の事務処理日,
⑴ 為替の種類には,顧客の資金を他へ
あるいは通信時限,不渡返還時限など
送金する機能としての「送金為替」と,
の「処理すべき日時」を厳守する必要
顧客の手形等の金銭債権を債務者から
がある。したがって,⑷は正しい。
取立てる機能としての「取立為替」が
ある。したがって,⑴は正しい。
⑸ 決済業務は,情報の宝庫であるだけ
に,決済業務を通じて得られた情報は,
⑵ 為替取扱店の役割を規定する用語と
機密の保持には十分配慮し,かつ,個
して,仕向店と被仕向店があり,仕向
人情報保護法に即して,情報を厳格に
店とは,実際に為替通知を発する取扱
取扱う必要がある。したがって,⑸は
店をいい,被仕向店とは,仕向店から
正しい。
実際に為替通知を受ける取扱店をいう。
したがって,⑵は正しい。
内国為替業務の取扱い
⑶ 送金為替には,国庫送金を含む送金
および国庫金振込を含む振込があり,
問 2 内国為替業務の取扱いについて,誤っ
取立為替には代金取立がある。したがっ
ているものを 1 つ選びなさい。
て,⑶は正しい。
⑴ 為替の種類には,顧客の資金を他へ送金
⑷ 金融機関が顧客から受付けた振込や
する機能としての「送金為替」と,顧客の
代金取立については,両者間の権利・
手形等の金銭債権を債務者から取立てる機
義務関係および受付後の各種の取扱い
能としての「取立為替」がある。
などは,
「振込規定」や「代金取立規定」
に基づいて取扱う。したがって,⑷は
⑵ 為替通知を発する仕向金融機関の取扱店
正しい。
を仕向店といい,実際に為替通知を受ける
⑸ 送金為替で資金を送る方法には,小
取扱店を被仕向店という。
⑶ 送金為替には送金と振込があり,取立為
切手を使う方法と振込をする方法の 2
つがあるが,現在,最も多く利用され
替には代金取立がある。
⑷ 金融機関が顧客から受付けた振込や代金
ているのは,振込をする方法であり,
取立について,両者間の権利・義務関係お
小切手を使う送金は地方公共団体から
よび受付後の各種の取扱いなどは,「振込
の依頼による場合に限られている。し
規定」や「代金取立規定」に基づいて取扱う。
たがって,⑸は誤りであり,これが本
⑸ 送金為替には,①小切手を使う,②振込
−29−
問の正解である。
為替・決済実務
為替業務取扱いに関する根拠法令等
に必要な内部規定を定める必要がある。
したがって,⑵は正しい。
問 3 系統金融機関の為替業務取扱いに関す
⑶ 系統金融機関における為替の員外利
る根拠法令等について,誤っているものを 1
用は,為替業務取扱開始当初,組合員
つ選びなさい。
利用の 5 分の 1 以内に制限されていた
⑴ 系統金融機関が,業として為替を営む場
が,昭和 57 年 8 月の農協法の改正によ
合は,その法律上の根拠に基づいて,定款
り,為替の員外利用者の制限および為
に為替業務を取扱うことを定めなければな
替取引契約の相手方の制限が撤廃され
らない。
ている。したがって,⑶は誤りであり,
これが本問の正解である。
⑵ 為替取引をする他の金融機関と為替取引
契約を結び,為替取扱いに必要な内部規定
⑷ 農協の内国為替業務取扱いの根拠法
令は,農業協同組合法(第 10 条 6 項 2 号,
を定める必要がある。
8 号)および農業協同組合及び農業協
⑶ 系統金融機関における為替の員外利用は,
同組合連合会の信用事業に関する命令
組合員利用の 5 分の 1 以内に制限されてい
(第 7 条)に基づいている。したがって,
る。
⑷は正しい。
⑷ 農協の内国為替業務取扱いの根拠法令は,
「農業協同組合法」および「農業協同組合及
⑸ 銀行等の為替業務取扱いの根拠法は,
び農業協同組合連合会の信用事業に関する
日本銀行については日本銀行法(第 33
命令」に基づいている。
条 1 項 6 号),普通銀行については銀行
⑸ 系統外金融機関の為替業務取扱いの根拠
法(第 10 条 1 項 3 号),ゆうちょ銀行
法は,普通銀行については銀行法,ゆうちょ
については郵政民営化法(第 98 条)で
銀行については郵政民営化法で規定されて
規定されている。したがって,⑸は正
いる。
しい。
正解率 70%
正解 ⑶
内国為替取引の契約等
解 説
問 4 内国為替取引の契約等について,誤っ
⑴ 信用事業を行う組合や連合会が,業
ているものを 1 つ選びなさい。
として為替を営む場合は,農業協同組
⑴ 為替取引契約は,為替取扱金融機関が振
合法,水産業協同組合法など,その法
込や代金取立など,内国為替取引に関する
律上の根拠に基づいて,定款に為替業
為替通知の授受や為替貸借の決済方法など
務を取扱うことを定めなければならな
取扱上の諸事項について,他の為替取扱金
い。したがって,⑴は正しい。
融機関との間で合意したものである。
⑵ 農協や信連・信漁連が為替業務を営
⑵ 為替取引契約を締結した為替取扱金融機
む場合は,為替取引をする他の金融機
関は,契約先の為替取扱金融機関から振込,
関と為替取引契約を結び,為替取扱い
送金,代金取立の依頼を受けた場合は,こ
−30−
為替・決済実務
たがって,⑶は正しい。
れに応える義務を負う。
⑶ 為替取扱金融機関相互間の為替取引契約
⑷ 委任契約の受任者は,委任の本旨に
の法的性質は,一般に委任契約と解されて
従い善良な管理者の注意をもって委任
いるほか,民法に定める消費寄託契約や事
事務を処理する義務を負うので(民法
務管理などの要素が含まれているといわれ
第 644 条),為替取引の基本となる諸取
ている。
引事項について,契約内容に違反した
⑷ 為替取引の基本となる諸取引事項につい
取扱いをしたことによって事故が起こ
て,契約内容に違反した取扱いをしたこと
り,損害が発生したときは,為替取引
によって事故が起こり,損害が発生したと
契約を守らなかった金融機関において,
きは,為替取引契約を守らなかった金融機
その事故の責任を負い,損害を賠償す
関において,その事故の責任を負い,損害
ることになる。したがって,⑷は正しい。
⑸ 為替取引契約の法的性質である事務
を賠償することになる。
⑸ 為替取引契約の法的性質である事務管理
管理(民法第 697 条)とは,為替を取
とは,資金決済が行われるまで,金融機関
扱う場合に,まず契約条項にしたがっ
でその資金を運用(消費)することができ
て処理するが,何の取決めがない場合
るという法律関係を指している。
でも,相互に信義誠実を旨として事務
を処理する必要があるという法律関係
正解率 80%
正解 ⑸
を指しており,資金決済が行われるま
で,金融機関でその資金を運用(消費)
解 説
することができるという法律関係は消
⑴ 為替取引契約は,為替取扱金融機関
費寄託契約(民法第 666 条)のことで
が個々の内国為替取引(振込,送金,
ある。したがって,⑸が誤りであり,
代金取立,雑為替)に関する取扱上の
これが本問の正解である。
諸事項(為替通知の授受,為替貸借の
系 統 為 替 取 引 契 約
決済方法など)について合意したもの
である。したがって,⑴は正しい。
⑵ 為替取引契約を締結した為替取扱金
問 5 系統為替取引契約について,誤ってい
融機関は,契約先の為替取扱金融機関
るものを 1 つ選びなさい。
から振込,送金,代金取立の依頼を受
⑴ 系統為替取引契約は,為替契約書,為替
けた場合は,これに応える義務を負う。
取扱準則,為替取扱規則およびオンライン
したがって,⑵は正しい。
システム利用規則の 4 つで構成されている。
⑶ 為替取引契約の法的性質は,一般に
⑵ 系統内国為替取扱規則は,系統金融機関
委任契約(民法第 643 条)と解されて
相互間の内国為替取引ならびに系統金融機
いるほか,消費寄託契約(民法第 666 条)
関と全国銀行内国為替制度加盟の系統外金
や事務管理(民法第 697 条)などの要
融機関相互間の内国為替取引および為替決
素が含まれているといわれている。し
済について具体的な事務取扱手続を定めて
−31−
為替・決済実務
ているもので,農林中金が制定してい
いる。
る。したがって,⑷は正しい。
⑶ 県内為替取扱準則は,系統内国為替取扱
規則の内容を受けて,県内為替の内国為替
⑸ 県内為替オンラインシステム利用規
取引,為替決済方法等の取扱基準を定めて
則は,県内為替オンラインシステムの
いる。
運営ならびに利用に関する事項を定め
ている。したがって,⑸は正しい。
⑷ 系統為替オンラインシステム利用規則は,
農林中金が制定している。
全国銀行内国為替制度
⑸ 県内為替オンラインシステム利用規則は,
県内為替オンラインシステムの運営ならび
問 6 全国銀行内国為替制度(以下「全銀内
に利用に関する事項を定めている。
為制度」という)について,誤っているもの
正解率 13%
正解 ⑶
を 1 つ選びなさい。
⑴ 全銀内為制度とは,法令により内国為替
解 説
業務を行うことが認められている金融機関
⑴ 系統為替取引契約は,為替契約書,
を加盟金融機関とし,この加盟金融機関相
為替取扱準則,為替取扱規則およびオ
互間において内国為替取引および為替決済
ンラインシステム利用規則の 4 つで構
を一定のルールに基づいて,公正かつ円滑
成されている。したがって,⑴は正しい。
に行うための制度である。
⑵ 系統内国為替取扱規則は,系統為替
⑵ 全銀内為制度における規則体系は,一般
取扱準則に基づく系統金融機関相互間
社団法人全国銀行資金決済ネットワーク(以
の内国為替取引ならびに一般社団法人
下「全銀ネット」という)の定款の規定に
全国銀行資金決済ネットワークが定め
もとづき業務方法書,業務方法書取扱規則
る内国為替取扱系統金融機関と全国銀
および内国為替取扱規則の三つで構成され
行内国為替制度加盟の系統外金融機関
ている。
相互間の内国為替取引および為替決済
⑶ 全銀内為制度には,銀行,信用金庫,商
について具体的な事務取扱手続を定め
工組合中央金庫,農林中央金庫,信連,信
ている。したがって,⑵は正しい。
漁連,ならびに信用事業を行う農業協同組
⑶ 県内為替取扱準則は,系統内国為替
合,信用組合,労働金庫等の金融機関が加
取扱規則の内容ではなく,系統為替取
盟している。
扱準則の内容を受けて,県内為替の内
⑷ 全銀ネットから出状される諸通達と各地
国為替取引,為替決済方法等の取扱基
区の銀行協会で制定する手形交換所規則や
準を定めている。したがって,⑶は誤
文書交換規定等も全銀内為制度の運営を補
りであり,これが本問の正解である。
足する規範となっている。
⑷ 系統為替オンラインシステム利用規
⑸ 内国為替取扱規則は,加盟金融機関相互
則は,系統為替オンラインシステムの
間の内国為替取引に関する具体的な事務手
運営ならびに利用に関する事項を定め
続を定めた規定である。
−32−
為替・決済実務
相互間の内国為替取引に関する具体的
正解率 41%
正解 ⑵
な事務手続を定めた規定である。した
がって,⑸は正しい。
解 説
内 国 為 替 取 引 の 範 囲
⑴ 全銀内為制度とは,法令により内国
為替業務を行うことが認められている
金融機関を加盟金融機関とし,この加
問 7 内国為替取引の範囲について,誤って
盟金融機関相互間において内国為替取
いるものを 1 つ選びなさい。
引および為替決済を一定のルールに基
⑴ 内国為替取引の範囲として,内国為替取
づいて,公正かつ円滑に行うための制
扱規則では為替取引および資金決済取引の
度である。したがって,⑴は正しい。
2 つを定めている。
⑵ 全銀内為制度における規則体系は,
⑵ 為替取引とは,依頼人・受取人の両者ま
全銀ネットの定款の規定にもとづき業
たはそのいずれか一方が仕向店および被仕
務方法書,業務方法書取扱規則,内国
向店と別人格である取引と規定されている。
為替取扱規則,全銀システム利用規則
⑶ 内国為替取扱規則で規定している為替取
の四つで構成されている。したがって,
引には,法人格の異なる金融機関,顧客の
⑵は誤りであり,これが本問の正解で
4 当事者または,3 当事者から成る為替取
ある。
引を「他行為替」と呼んでいる。
⑶ 全銀内為制度には,法令により,内
⑷ 同一金融機関本支店相互間の為替取引で
国為替業務を行うことが認められてい
ある「自行為替」は,内国為替取扱規則お
る銀行,信用金庫,商工組合中央金庫,
よび系統内国為替取扱規則の適用を受ける。
農林中央金庫,信連,信漁連,ならび
⑸ 資金決済取引とは,為替取引に伴って生
に信用事業を行う農業協同組合,信用
ずる金融機関相互間の資金の受渡しを行う
組合,労働金庫等の金融機関が加盟し
ための取引で,為替取引により生ずる金融
ている。したがって,⑶は正しい。
機関相互間の資金決済取引と為替取引に付
⑷ 全銀内為制度は,全銀内為制度の運
随して生ずる金融機関相互間の資金決済取
営の基本事項を定めた業務方法書,業
務方法書取扱規則,内国為替取扱規則
引の 2 種類に分類される。
正解率 60%
正解 ⑷
等を制定し,これらに基づき運営され
ているが,これらのほか,全銀ネット
から出状される諸通達と各地区の銀行
解 説
協会で制定する手形交換所規則や文書
⑴ 内国為替取引の範囲は,内国為替取
交換規定等も全銀内為制度の運営を補
扱規則において為替取引および資金決
足する規範となっている。したがって,
済取引の 2 つを定めている。したがっ
⑷は正しい。
て,⑴は正しい。
⑸ 内国為替取扱規則は,加盟金融機関
⑵ 為替取引とは,依頼人・受取人(代
−33−
為替・決済実務
金取立の場合は支払人)の両者または
ついて,誤っているものを 1 つ選びなさい。
そのいずれか一方が仕向店(代金取立
⑴ 電信扱いで受付けた振込は,テレ為替で
の場合は受託店)および被仕向店(代
取 扱 い, 先 日 付 振 込 は, テ レ 為 替 ま た は
金取立の場合は委託店)と別人格であ
MT データ伝送,新ファイル転送で取扱う。
る取引と規定されている。したがって,
⑵ テレ為替の種類は,振込,送金,代金取立,
⑵は正しい。
雑為替,通信が取扱いの対象となっている。
⑶ 内国為替取扱規則で規定している為
⑶ MT データ伝送は,金融機関相互間の為
替取引には,法人格の異なる仕向金融
替通知を系統 MT 伝送システムおよび全銀
機関,被仕向金融機関,振込依頼人,
システムの MT データ伝送の機能により送
受取人の 4 当事者または,3 当事者か
達する方式で,振込を取扱いの対象として
ら成る為替取引が該当し,この為替取
いる。
引を「他行為替」と呼んでいる。なお,
⑷ 文書為替の交換振込は,振込票を文書交
系統金融機関相互間で行われる為替取
換によって授受し,金融機関の資金決済を
引も他行為替の分類に属するが「系統
テレ為替の「請求」で行う方式である。
為替」と呼んでいる。したがって,⑶
⑸ 文書為替は,付帯物件付振込および国庫
は正しい。
金・公金の振込で特に急を要しない振込を
⑷ 同一金融機関本支店相互間(または
支店相互間)の為替取引である「自行
取扱いの対象としている。
正解率 28%
正解 ⑷
為替」の取扱いは,内国為替取扱規則
および系統内国為替取扱規則の適用対
象外であり,個別金融機関の内部規定
解 説
である為替事務手続等に定められてい
⑴ 内国為替取引の取扱方式と利用区分
る。したがって,⑷は誤りであり,こ
は,内国為替取扱規則に定められてお
れが本問の正解である。
り,顧客から電信扱いで受付けた振込
⑸ 資金決済取引とは,為替取引に伴っ
はテレ為替で取扱い,先日付振込はテ
て生ずる金融機関相互間の資金の受渡
レ為替または MT データ伝送,新ファ
しを行うための取引で,為替取引によ
イル転送で取扱う。したがって,⑴は
り生ずる金融機関相互間の資金決済取
正しい。
引と振込の組戻・取消など為替取引に
⑵ テレ為替の種類は,振込,送金,代
付随して生ずる金融機関相互間の資金
金取立,雑為替,通信が取扱いの対象
決済取引の 2 種類に分類される。した
となっており,それぞれの通信種目に
がって,⑸は正しい。
よってテレ為替の電文に表記する通信
種目コードが定められている。したがっ
取 扱 方 式 と 利 用 基 準
て,⑵は正しい。
⑶ MT データ伝送は,振込を取扱いの
問 8 内国為替取引の取扱方式と利用基準に
−34−
対象とし,金融機関相互間の為替通知
為替・決済実務
を系統 MT 伝送システムおよび全銀シ
⑸ 全銀内為制度の運営に関して全銀ネット
ステムの MT データ伝送の機能により
に生じた損害については,全加盟金融機関
送達する方式である。したがって,⑶
の共同責任となる。
は正しい。
正解率 15%
正解 ⑵
⑷ 文書為替の交換振込は,振込票を文
書交換によって授受する方法で,金融
機関間の資金決済を手形交換で行う方
解 説
式であり,資金決済をテレ為替の請求
⑴ 内国為替取引における事故責任は,
で行う方式はメール振込である。した
取扱金融機関が業務方法書,内国為替
がって,⑷は誤りであり,これが本問
取扱規則や全銀システム利用規則に違
の正解である。
反したり,自行システムの障害,その
⑸ 文書為替のメール振込と交換振込の
他取扱金融機関の責めに帰すべき事由
取扱いは,付帯物件付振込および国庫
によって事故が生じたときは,取扱金
金・公金の振込で特に急を要しない振
融機関の責任とし,その損害を負担す
込を取扱いの対象としている。したがっ
る。したがって,⑴は正しい。
⑵ 全銀システムの障害あるいは全銀セ
て,⑸は正しい。
ンターの運営上生じた事故は,全加盟
事
故
の
責
任
金融機関の共同責任とし,その損害は
全加盟金融機関が共同して負担する。
問 9 内国為替取引における事故の責任につ
したがって,⑵は誤りであり,これが
いて,誤っているものを 1 つ選びなさい。
本問の正解である。
⑴ 取扱金融機関が全銀システム利用規則に
⑶ 共同システムの障害あるいは共同セ
違反したり,自行システムの障害によって
ンターの運営上生じた事故は,その共
事故が生じたときは,取扱金融機関の責任
同システムに参加する金融機関の共同
となる。
責任とし,その損害は参加金融機関が
共同で負担する。したがって,⑶は正
⑵ 全銀システムの障害あるいは全銀セン
しい。
ターの運営上生じた事故は,全銀センター
⑷ 事故の事由が取扱金融機関と共同シ
の責任となる。
ステム,関係金融機関と共同システム,
⑶ 共同システムの障害あるいは共同セン
ターの運営上生じた事故は,その共同シス
全銀システムと共同システムなどの間
テムに参加する金融機関の共同責任となる。
において,重複して生じたものである
⑷ 事故の事由が取扱金融機関と共同システ
ときは,その重複事故のそれぞれの責
ム,全銀システムと共同システムなどの間
めを負うべきものの共同責任とし,そ
において,重複して生じたものであるとき
の損害は事故に関与した程度に応じて
は,その責めを負うべきものの共同責任と
負担する。したがって,⑷は正しい。
なる。
⑸ 全 銀 内 為 制 度 の 運 営 に 関 し て 全 銀
−35−
為替・決済実務
ネットに生じた損害については,全加
替払いをしている。仕向店が被仕向店
盟金融機関の共同責任とし,その損害
に対してではなく,被仕向店が仕向店
は全銀ネットにおける理事会の承認を
に対して為替通知相当額の信用(与信)
得て,全加盟金融機関が共同で負担す
を与えることとなる。したがって,⑴
る。したがって,⑸は正しい。
は誤りである。
⑵ 仕向超過額管理の仕組みは,各清算
決 済 リ ス ク 対 策
参加者が自らの責任において,自己の
仕向超過にかかる限度額を決め,これ
問 10 全銀内為制度における決済リスク対
を全銀ネットへ申告する方式を採用し
策について,正しいものを 1 つ選びなさい。
ている。したがって,⑵は誤りである。
⑴ 被仕向店は,大口内為取引を除き,口座
⑶ 各清算参加者が全銀ネットに自己申
入金時点から為替貸借決済までの間,仕向
告した仕向超過限度額に相当する担保
店にかわり受取人に対して立替払いをして
は,「担保,保証および仕向超過限度額
いることになり,言い換えれば,仕向店は
に関する取扱要領」に定められた国債,
被仕向店に対して為替通知相当額の信用(与
地方債,金融債,社債,株式および現
信)を与えることとなる。
金とされている。したがって,⑶は誤
りである。
⑵ 仕向超過額管理の仕組みは,各清算参加
者が自らの責任において,自己の仕向超過
⑷ 内国為替取引の為替決済は,決済リ
にかかる限度額を決め,これを日本銀行へ
スクの時間的削減対策として,現在は
申告する方式を採用している。
内国為替取引が行われた日の当日決済
に改正されている。したがって,⑷は
⑶ 仕向超過限度額に相当する担保は,国債
誤りである。
または政府保証債に限られている。
⑷ 内国為替取引の為替決済は,決済リスク
⑸ 為替通知 1 件ごとの金額が 1 億円以
の時間的削減対策として,内国為替取引が
上の給与振込と賞与振込を除くテレ為
行われた日の翌営業日 9 時に決済される。
替(大口内為取引)は,日本銀行の当座
勘定(同時決済口)において,各々の
⑸ 為替通知 1 件ごとの金額が 1 億円以上の
給与振込と賞与振込を除くテレ為替(大口
為替取引毎に決済される。したがって,
内為取引)は,日本銀行の当座勘定において,
⑸は正しく,これが本問の正解である。
各々の内国為替取引毎に決済される。
正解率 19%
正解 ⑸
振 込,送 金,雑 為 替
解 説
振 込 の 取 扱 方 式
⑴ 被仕向店は,大口内為取引を除き,
口座入金時点から為替貸借決済までの
間,仕向店にかわり受取人に対して立
問 11 振込の取扱方式について,誤ってい
−36−
為替・決済実務
⑶ テレ為替による先日付振込は,振込
るものを 1 つ選びなさい。
⑴ テレ為替は,仕向店から被仕向店までお
指定日の 5 営業日前から 1 営業日前の
よそ一時間程度で為替通知が送達される取
5 日間に,振込通知を被仕向店に発信
扱方式である。
するものである。したがって,⑶は誤
りであり,これが本問の正解である。
⑵ テレ為替による振込のうち「当日扱いの
振込」は,仕向店が当日に被仕向店に振込
⑷ MT データ伝送は,全銀システムや
通知を発信し,被仕向店は振込通知を受信
系 統 MT 伝 送 シ ス テ ム の 磁 気 テ ー プ
した当日,直ちに受取人の口座に入金する
データ伝送機能を利用するもので,テ
方法である。
レ為替のように取引 1 件ごとに発受信
するのではなく,一時に大量の振込通
⑶ テレ為替による先日付振込は,振込指定
日の 7 営業日前から 1 営業日前の 7 日間に,
知をまとめて発受信するものである。
振込通知を被仕向店に発信するものである。
したがって,⑷は正しい。
⑷ MT データ伝送は,全銀システムや系統
⑸ 振込票を為替通知として取扱う文書
MT 伝送システムの磁気テープデータ伝送
為替には,メール振込と交換振込の 2
機能を利用するものである。
つの方式があり,振込票の授受方法と
資金決済の方法がそれぞれ異なってい
⑸ 振込票を為替通知として取扱う文書為替
る。したがって,⑸は正しい。
には,メール振込と交換振込の 2 つの方式
がある。
振込取引当事者間の法律関係
正解率 76%
正解 ⑶
問 12 振込取引当事者間の法律関係(法的
解 説
性質)について,誤っているものを 1 つ選び
⑴ テレ為替は,全銀システムや系統為
なさい。
替オンラインシステムなどデータ通信
⑴ 振込依頼人と仕向金融機関との間の法律
システムのテレ為替機能を利用する
関係は,委任契約であるというのが通説・
ため,仕向店から被仕向店までおよそ
判例の立場である。
一時 間 程 度 で 為 替 通 知 が 送 達 さ れ る
⑵ 同一金融機関の本支店または支店相互間
取扱方式である。したがって,⑴は正
の場合は,他行為替と同様,委任契約等の
しい。
法律関係がある。
⑵ テレ為替による振込のうち「当日扱
⑶ 仕向金融機関と被仕向金融機関との関
いの振込」は,仕向店が振込依頼人か
係は,両者間で締結した為替取引契約に
ら振込依頼を受けた当日,直ちに被仕
よって決まり,委任契約等の法律関係があ
向店あて振込通知(為替通知)を発信
る。
し,被仕向店は振込通知を受信した当
⑷ 被仕向金融機関は,振込があった場合に
日,直ちに受取人の口座に入金する方
は遅滞なく受取人の貯金口座に入金する義
法である。したがって,⑵は正しい。
務を負っており,受取人は被仕向金融機関
−37−
為替・決済実務
に対して貯金の払戻請求権(貯金債権)を
る義務を負っており,受取人は被仕向
取得することになる。
金融機関に対して貯金の払戻請求権(貯
金債権)を取得するという関係になる。
⑸ 振込依頼人と受取人の間には,為替取引
したがって,⑷は正しい。
上の法律関係はない。
⑸ 振込依頼人と受取人との法律関係は,
正解率 63%
正解 ⑵
為替取引上の法律関係はなく,当事者
間の商取引上の契約関係などにより振
解 説
込をするものである。したがって,⑸
⑴ 振込依頼人と仕向金融機関との間の
は正しい。
法律関係は,振込依頼人が振込依頼書
仕向金融機関における口座相違防止策
に必要事項を記入して,振込資金およ
び振込手数料を添えて窓口に提出し,
これを仕向金融機関が振込依頼書の記
問 13 仕向金融機関における振込「テレ為
入事項について,正しく記載されてい
替」の口座相違防止策にかかる内国為替取扱
ることを確認のうえ受付けることによ
規則に定める振込通知の記入の仕方について,
り,両者間において振込の委任契約が
正しいものを 1 つ選びなさい。
成立するというのが通説・判例の立場
⑴ 貯金種目が不明で,口座番号のみ判明し
である。したがって,⑴は正しい。
ている場合には,口座番号を記入し,住所,
⑵ 同一金融機関の本支店または支店相
電話番号,受取人名の漢字説明はいずれも
互間の法律関係は,自行為替(本支店
不要である。
為替)という同一人格内の処理である
⑵ 口座番号が不明で,貯金種目のみ判明し
ことから内国為替取扱規則は適用され
ている場合には,貯金種目を記入し,住所
ないので,他行為替のような委任契約
または電話番号が判明しているときは,そ
等の法律関係は生じない。したがって,
のいずれかを記入するとともに,受取人名
⑵は誤りであり,これが本問の正解で
の漢字の説明を記入する。
ある。
⑶ 貯金種目・口座番号とも不明の場合で,
⑶ 仕向金融機関と被仕向金融機関との
住所と電話番号が判明しているときは,住
法律関係は,両者間で締結した為替取
所および電話番号を記入する。
引契約によって決まり,委任契約であ
⑷ 貯金種目・口座番号とも不明で,住所と
ると同時に事務管理と消費寄託の関係
電話番号とも不明の場合には,この振込を
も含まれていると解されている。した
受付けることができないので,振込依頼人
がって,⑶は正しい。
に受取人の貯金種目・口座番号を確認して
⑷ 被仕向金融機関と受取人との法律関
いただく。
係は,振込契約上の関係はなく,貯金
⑸ 貯金種目・口座番号および電話番号が判
契約関係にあり,振込があった場合に
明している場合には,貯金種目・口座番号
は遅滞なく受取人の貯金口座に入金す
および電話番号を記入する。
−38−
為替・決済実務
振
正解率 23%
正解 ⑴
込
契
約
問 14 振込契約について,正しいものを 1
解 説
つ選びなさい。
⑴ 貯金種目が不明で,口座番号のみ判
⑴ 振込依頼書の受取人名または金額が訂正
明している場合には,口座番号を記入
されている場合は,貯金口座の届出印によ
し,住所,電話番号,受取人名の漢字
る訂正または新しい依頼書により書き直し
の説明はいずれも不要である。したがっ
を依頼する。
て,⑴は正しく,これが本問の正解で
⑵ 振込機(ATM)による振込契約の成立時
ある。
期は,振込依頼人が ATM 操作の完了キー
⑵ 口座番号が不明で,貯金種目のみ判
明している場合には,貯金種目を記入
を押下したときに成立する。
⑶ 振込依頼人が振込依頼書に記入した事項
し,住所または電話番号が判明してい
あるいは振込機(ATM)に入力した事項は,
る場合には,そのいずれかを記入すれ
法的には金融機関に対する振込委任の内容
ば,受取人名の漢字の説明は不要であ
を示すものであり,振込の申込を承諾した
る。住所も電話番号も不明の場合には,
金融機関は,善良なる管理者の注意をもっ
受取人名の漢字の説明を記入する。し
て処理する義務を負う。
たがって,⑵は誤りである。
⑷ 振込契約の申込を行う振込依頼人につい
⑶ 貯金種目・口座番号とも不明で,住
ては,仕向金融機関の取引先でない場合は,
所と電話番号が判明している場合には,
被仕向金融機関から照会を受けたとき対応
そのいずれかを記入する。したがって,
できないので,取引先に制限されている。
⑶は誤りである。
⑸ 依頼人番号付振込依頼書による振込依頼
⑷ 貯金種目・口座番号とも不明で,住
を受けた場合は,為替通知上には振込依頼
所も電話番号も不明の場合には,受取
人名を記載すればよいので,依頼人番号を
人名の漢字の説明を記入する。したがっ
記載する必要はない。
て,⑷は誤りである。ただし,実務上
正解率 77%
正解 ⑶
は事故防止上,振込依頼人に受取人の
貯金種目・口座番号を確認していただ
解 説
いたうえ受付けることが望ましい。
⑸ 貯金種目・口座番号が判明している
⑴ 振込依頼書の受取人名と金額は,依
場合には,貯金種目・口座番号を記入
頼人と仕向金融機関間の委任契約の主
する。電話番号は不要である。したがっ
な要素であり,契約内容の正確性・明
て,⑸は誤りである。
瞭性を確保するため,これらの事項を
訂正しない記載方式を採用することが
双方にとって後日のトラブル発生の余
地を少なくすることにつながることか
−39−
為替・決済実務
ら認めておらず,これらが訂正されて
誤っているものを 1 つ選びなさい。
いる場合は,新しい振込依頼書に書き
⑴ 振込資金の法的性質は,振込事務を処理
直しを依頼する。したがって,⑴は誤
りである。
するための事務処理費用である。
⑵ 全銀内為制度において定められた内国為
⑵ 振込機(ATM)による振込契約の成
替取扱規則では,為替通知には他店券受入
立時期は,振込規定により金融機関が
れの旨の表示を一切記入してはならないと
コンピューター・システムにより振込
定めている。
の依頼内容を確認し,振込資金等の受
⑶ 系統為替の場合に,振込資金として他店
領を確認したときに成立する。したがっ
小切手を受入れたときは,為替通知に「タ
て,⑵は誤りである。
テン」と「起算日」の表示を付けて発信し,
⑶ 振込依頼人が振込依頼書に記入した
被仕向店では振込通知を受信した翌日に不
事項あるいは振込機(ATM)に入力し
渡のないことを確認したうえ受取人の口座
た事項は,法的には金融機関に対する
に入金する。
振込委任の内容を示すものであり,振
⑷ 本支店為替の場合には,内部規定により
込の申込を承諾した金融機関は,善良
振込通知に「他店券受入」の表示をして,
なる管理者の注意をもって処理する義
他店小切手を振込資金とする取扱いもある。
務を負う。したがって,⑶は正しく,
⑸ 振込資金とともに受入れる振込手数料の
これが本問の正解である。
法的性質は,委任事務処理に対する報酬な
⑷ 振込契約の申込を行う振込依頼人に
ついては,仕向金融機関の取引先でな
いしは委任事務処理費用と解されている。
正解率 30%
正解 ⑶
ければならないという制限はなく,未
取引先であっても振込依頼人になるこ
とができる。未取引先からの振込依頼
解 説
を受付けるときは,依頼人と連絡がと
⑴ 振込資金の法的性質は,振込事務を
れることが絶対的な必要条件となる。
処理するための事務処理費用であり,
したがって,⑷は誤りである。
委任事務の処理費用としての性質を有
するということになる。したがって,
⑸ 依頼人番号付振込依頼書による振込
⑴は正しい。
依頼を受けた場合は,依頼人番号の利
用により,収納企業等における収納事
⑵ 内国為替取扱規則では,為替通知に
務の効率化が図られることから,極力
は他店券受入れの旨の表示を一切記入
依頼人番号を発信するものとする。し
してはならないと定めている。したがっ
たがって,⑸は誤りである。
て,⑵は正しい。
⑶ 系統為替の場合に,振込資金として
振込資金および振込手数料
他店小切手を受入れたときは,為替通
知に「タテン」と「起算日」の表示を
問 15 振込資金および振込手数料について,
−40−
付けて発信し,被仕向店では振込通知
為替・決済実務
を受信した日に受取人の口座に入金す
る契約開始日から 7 年間保存しなければな
る。ただし,他店小切手の受入れであ
らない。
るので,資金の払戻しを留保し,決済
正解率 6%
正解 ⑷
確認後に払戻しを行う。したがって,
⑶は誤りであり,これが本問の正解で
解 説
ある。
⑷ 本支店為替の場合には,金融機関の
平成 13 年 9 月の米国同時多発テロ
内部規定により振込通知に「他店券受
事件および近年の麻薬や銃器等の犯罪
入」の表示をして,他店小切手を振込
の増加状況を踏まえ,マネー・ローン
資金とする取扱いもある。したがって,
ダリングに対応するため,「金融機関等
⑷は正しい。
による顧客等の本人確認等に関する法
⑸ 振込資金とともに受入れる振込手数
律(本人確認法)」が平成 15 年 1 月に
料の法的性質は,委任事務処理に対す
施行された。さらに平成 20 年 3 月には
る報酬ないしは委任事務処理費用と解
本人確認等の措置をすべき事業者を拡
されている。したがって,⑸は正しい。
大,疑わしい取引に関する情報を集約・
整理・分析する機関を国家公安委員会
犯罪収益移転防止法に基づく顧客本人の確認
(警察庁)に移管した犯罪収益移転防止
法が施行(本人確認法は廃止)された。
問 16 犯罪収益移転防止法に基づく顧客本
また,平成 25 年 4 月からは,一定
人の確認について,正しいものを 1 つ選びな
の取引を行う際の確認事項に,本人特
さい。
定事項に取引を行う目的や職業(自然
⑴ 窓口における現金による振込の場合は,
人)または事業の内容(法人等)の追
振込金額が 10 万円以上について本人確認
加,高リスク取引の類型の追加,取引
を行わなければならない。
時確認等を的確に行うための措置の追
加,罰則の強化等が追加施行された。
⑵ 個人の場合の本人特定事項の確認とは,
運転免許証等の公的証明書等により顧客の
⑴ 窓口における現金による振込の場合
氏名および住居の 2 つを確認することであ
は,振込金額が 10 万円を超えるものに
る。
ついて,運転免許証等の公的証明書類
により本人確認を行わなければならな
⑶ 振込で代理人が来店された場合は,振込
い。したがって,⑴は誤りである。
依頼人の本人確認は必要ないが,代理人個
⑵ 個人の場合の本人特定事項の確認と
人の本人確認が必要である。
⑷ 本人確認書類は,有効期限のない公的証
は,運転免許証等の公的証明書等によ
明書の場合には,提示または送付を受ける
り顧客の氏名・住居および生年月日の
日の前 6 か月以内に作成されたものに限ら
3 つを確認することである。したがっ
れている。
て,⑵は誤りである。
⑸ 本人確認記録の保存は,特定取引にかか
⑶ 振込で代理人が来店された場合は,
−41−
為替・決済実務
代理人取引として,振込依頼人および
等やむをえない事由がある場合には,依頼
代理人個人の本人確認の双方が必要で
日の翌営業日に振込通知を発信することが
ある。したがって,⑶は誤りである。
あることを定めている。
⑷ 本人確認書類は,住民票の写しや印
⑸ 当組合以外の金融機関にある受取人の預
鑑登録証明書など,有効期限のない公
貯金口座への振込を受ける場合には,小切
的証明書の場合には,提示または送付
手その他の証券類による振込資金等の受入
を受ける日の前 6 か月以内に作成され
れを行わないことを定めている。
たものに限られている。したがって,
正解率 55%
正解 ⑴
⑷は正しく,これが本問の正解である。
⑸ 本人確認記録は,口座開設等の継続
的取引の場合は契約が終了した日から,
解 説
一見の客との取引(現金による振込取
⑴ 振込契約の成立は,振込依頼書によ
引等の非継続的な取引)の場合は,そ
る場合には,当組合が振込の依頼を承
の取引が行われた日から 7 年間保存し
諾し振込資金等を受領したしたときに
なければならない。したがって,⑸は
成立するものと定めている。したがっ
誤りである。
て,⑴は誤りであり,これが本問の正
解である。
振 込 規 定 ( ひ な 型 )
⑵ 振込機(ATM)による振込の依頼は,
振込資金が現金の場合には,依頼人名
問 17 振込規定(ひな型)に関する記述内
および依頼人への連絡先として電話番
容について,誤っているものを 1 つ選びなさ
号の入力が必須であることを定めてい
い。
る。したがって,⑵は正しい。
⑴ 振込契約の成立は,振込依頼書による場
⑶ 振込依頼書の記載の不備または振込
合には,当組合が振込の依頼を承諾し被仕
機への誤入力があったとしても,これ
向金融機関あてに振込通知を発信したとき
によって生じた損害については,当組
に成立するものと定めている。
合は責任を負いませんと定めている。
したがって,⑶は正しい。
⑵ 振込機(ATM)による振込の依頼は,振
込資金が現金の場合には,依頼人名および
⑷ 振込通知の発信は,電信扱いの場合
依頼人への連絡先として電話番号の入力が
には依頼日当日に振込通知を発信する。
必須であることを定めている。
ただし,窓口営業時間終了間際,振込
⑶ 振込依頼書の記載の不備または振込機へ
事務の繁忙日等やむをえない事由があ
の誤入力があったとしても,これによって
る場合には,依頼日の翌営業日に振込
生じた損害については,当組合は責任を負
通知を発信することがあることを定め
いませんと定めている。
ている。したがって,⑷は正しい。
⑷ 振込通知の発信は,電信扱いの場合でも,
⑸ 当組合以外の金融機関にある受取人
窓口営業時間終了間際,振込事務の繁忙日
−42−
の預貯金口座への振込の依頼を受ける
為替・決済実務
場合には,小切手その他の証券類によ
正解率 52%
正解 ⑵
る振込資金等の受入れはしませんと定
めている。したがって,⑸は正しい。
解 説
仕向金融機関の取扱い
⑴ 振込契約の成立後に,振込先の金融
機関・店舗名を変更する場合には,訂
問 18 振込事務に関する仕向金融機関の取
正の手続ではなく,組戻の手続により
扱いについて,正しいものを 1 つ選びなさい。
取扱う。したがって,⑴は誤りである。
⑴ 振込契約の成立後に,振込依頼人から振
⑵ 振込契約の成立後に,振込依頼人か
込先の金融機関・店舗名を変更したいとい
ら振込依頼を取りやめたいという申出
う申出があった場合には,訂正の手続によ
があった場合には,当組合所定の組戻
り取扱う。
依頼書に記名押印のうえ,振込契約成
⑵ 振込契約の成立後に,振込依頼人から振
立時に交付した振込資金受取書,振込
込依頼を取りやめたいという申出があった
受付書,利用明細書または振込通帳等
場合には,当組合所定の組戻依頼書に記名
および組戻手数料を提出してもらう。
押印のうえ,振込契約成立時に振込依頼人
したがって,⑵は正しく,これが本問
に交付した振込資金受取書,振込受付書,
の正解である。
利用明細書または振込通帳等および組戻手
⑶ 振込先の金融機関がすでに振込通知
を受信している場合は,組戻ができな
数料を提出してもらう。
いことがある。この場合は振込依頼人
⑶ 振込先の金融機関がすでに振込通知を受
信している場合は,組戻ができないことが
と受取人の協議に委ねる。したがって,
ある。この場合,仕向金融機関は受取人と
⑶は誤りである。
⑷ 振込資金を貯金からの振替で行った
協議し,振込金の返却を依頼する。
⑷ 振込資金を貯金からの振替で行った場合
場合で,振込依頼人に振込内容に関す
で,振込依頼人に振込内容に関する通知・
る通知・照会の連絡先は,振込依頼書
照会をする必要が生じたときの連絡先は,
に記載された住所・電話番号または貯
貯金口座の届出住所・電話番号ではなく,
金口座の届出住所・電話番号により取
あくまでも振込依頼書に記載された住所・
扱う。したがって,⑷は誤りである。
⑸ 当 組 合 ま た は 共 同 シ ス テ ム の 運 営
電話番号により取扱う。
⑸ 当組合または共同システムの運営体が相
体が相当の安全対策を講じたにもかか
当の安全対策を講じたにもかかわらず,端
わらず,端末機,通信回線またはコン
末機,通信回線等に障害が発生し,振込金
ピューター等に障害が生じたとき,振
の入金不能,入金遅延等が生じ,振込依頼
込金の入金不能,入金遅延等があって
人が損害を受けた場合には,当組合が損害
も,これによって生じた損害について
の一部について責任を負う。
は,当組合は責任を負わないことを振
込規定に定めている。したがって,⑸
−43−
為替・決済実務
は誤りである。
関の都合等により選択するものではな
く,依頼人に選択してもらう。したがっ
振 込 依 頼 の 受 付
て,⑴は誤りである
⑵ 振込依頼書の受取人名または金額が
問 19 仕向金融機関における振込依頼の受
訂正されている場合は,振込依頼人の
付について,正しいものを 1 つ選びなさい。
訂正印があっても事故防止上の観点か
⑴ 振込依頼書の取扱いには,「テレ扱い(電
ら受付けることができない。その場合
信扱い)」と「文書扱い」の 2 種類あるが,
は必ず書き直しを依頼する。したがっ
そのいずれによるかは,当日の振込事務の
て,⑵は誤りである。
繁忙度や振込金額の大小によって金融機関
⑶ 振込依頼書の受取人名の氏名につい
ては,氏名を漢字で正確に記入しても
が選択することができる。
⑵ 振込依頼書の受取人名または金額が訂正
らい,氏名には必ずフリガナを記入し
されている場合は,振込依頼人の訂正印が
てもらう。一般に誰でも読める漢字で
ないものは受付けることができない。
あっても,
「文子」は「ふみこ」
「あやこ」
などの読み方があり,被仕向銀行にお
⑶ 振込依頼書の受取人名の氏名については,
一般に誰でも読める漢字にはフリガナは不
いて受取人名不一致となるので,いか
要であるが,読みにくい漢字には必ずフリ
なる漢字でもフリガナの記入は必須で
ガナを記入してもらう。
ある。したがって,⑶は誤りである。
⑷ 視覚に障がいのある人および手が不自由
⑷ 視覚に障がいのある人および手が不
な人から振込依頼書の代筆(代読)を依頼
自由な人から振込依頼書の代筆(代読)
された場合は,家族の同行を求めることな
を依頼された場合は,家族の同行を求
く,役席者が本人の自署が困難と判断した
めることなく,役席者が自筆困難者で
場合には,役席者立会いのうえ,窓口担当
あると判断した場合には,役席者立会
者が代筆を行うことができる。
いのうえ,窓口担当者が代筆を行うこ
とができる。後日のトラブル防止上,
⑸ 組合が組合員以外の一般のお客様から振
込資金を現金で受入れたときは,振込金額
代筆・代読は複数の職員が対応し,取
および振込手数料の合計額が 1 万円以上の
引内容・経過等を記録し保存する。し
場合には,振込金受取書に収入印紙を貼付
たがって,⑷が正しく,これが本問の
して交付する。
正解である。
⑸ 振込金受取書には,現金により受入
正解率 78%
正解 ⑷
れた振込金額および振込手数料の合計
額が 3 万円以上の場合には,印紙税法
解 説
に基づいて所定の金額の収入印紙を貼
⑴ 振込依頼書の取扱いには,「テレ扱い
付しなければならない。ただし,連合
(電信扱い)」と「文書扱い」の 2 種類
会と組合や組合と組合員の間の取引な
あるが,そのいずれによるかは金融機
どは営業に関しないものとされ,非課
−44−
為替・決済実務
税扱いとなるので収入印紙は不要であ
⑵ 被仕向店において受信した振込通知
る。したがって,⑸は誤りである。
が名義人相違,取引なしなどのため入
金不能となった場合の仕向店照会表示
当日扱いの振込通知のテレ為替電文の送達
の付加コードは,照会を不要とする場
合はコード「1」を,照会を必要とする
問 20 為替通知(当日扱いの振込通知のテ
場合はコード「0」を記入する。したがっ
レ為替電文)の送達について,誤っているも
て,⑵が誤りであり,これが本問の正
のを 1 つ選びなさい。
解である。
⑴ 取扱日欄に取組日を記入するが,やむを
⑶ 系統金融機関の「本所」,「本店」を
得ず取組日に発信できず,取扱日欄に発信
受信店欄に記入する場合は,「ホンシ
日を記入する場合には,備考欄に「○○-
ヨ」,「ホンテン」のいずれを記入して
○○アツカイ」と取組日を記入する。
もよい。したがって,⑶は正しい。
⑵ 被仕向店おいて受信した振込通知が名義
⑷ 貯金種目の記入は,普通貯金は「1」,
人相違,取引なしなどのため入金不能となっ
当座貯金は「2」,貯蓄貯金は「4」,そ
た場合の仕向店照会表示の付加コードは,
の他は「9」とコードで記入する。した
照会を不要とする場合はコード「0」を,照
がって,⑷は正しい。
会を必要とする場合はコード「1」を記入す
⑸ 付帯物件付振込をテレ為替で取扱う
ときは,振込通知電文の備考欄に「フ
る。
タイ-○○」として,付帯物件の件数
⑶ 系統金融機関の「本所」,「本店」を受信
を記入する。したがって,⑸は正しい。
店欄に記入する場合は,「ホンシヨ」,「ホン
テン」のいずれを記入してもよい。
文 書 為 替 の 取 扱 い
⑷ 貯金種目の記入は,普通貯金は「1」,当
座貯金は「2」,貯蓄貯金は「4」,その他は「9」
問 21 文書為替の取扱いについて,誤って
とコードで記入する。
⑸ 付帯物件付振込をテレ為替で取扱うとき
は,振込通知電文の備考欄に「フタイ-○○」
いるものを 1 つ選びなさい。
⑴ 振込票に付帯物件(振込通知書など)が
付されていない振込を「通常の振込」といい,
として,付帯物件の件数を記入する。
振込票に付帯物件(振込通知書など)が付
正解率 36%
正解 ⑵
されている振込を「付帯物件付振込」という。
⑵ 振込票の金額および受取人名は,いかな
解 説
る場合も訂正することはできない。
⑴ 取扱日欄に取組日を記入するが,や
⑶ 付帯物件付振込については,仕向店と被
むを得ず取組日に発信できず,取扱日
仕向店とが同一の手形交換地域に所在して
欄に発信日を記入する場合には,備考
いる場合であっても,急を要しないものに
欄に「○○-○○アツカイ」と取組日
限り,取組日の翌々営業日の文書交換に持
を記入する。したがって,⑴は正しい。
出すことができる。
−45−
為替・決済実務
⑷ 国庫金振込と公金の振込については,銀
ることが望ましい。したがって,⑸は
行間手数料の授受の対象外になっている。
誤りであり,これが本問の正解である。
⑸ 仕向金融機関における振込票の取扱いに
振 込 の 組 戻 の 取 扱 い
ついては,メール振込で取扱うか,交換振
込で取扱うかについては,振込依頼人に指
問 22 仕向金融機関における振込の組戻の
定してもらう。
取扱いについて,誤っているものを 1 つ選び
正解率 56%
正解 ⑸
なさい。
⑴ 組戻の法的性質は,委任契約の解除とし
解 説
ての性格を有する。
⑴ 振込票に付帯物件(振込通知書など)
⑵ 組戻依頼人が貯金者(取引先)の場合に
が付されていない振込を「通常の振込」
は,組戻依頼書に貯金取引用印の押印を求
といい,振込票に付帯物件(振込通知
め,その印影が届出印鑑と同一であるかど
書など)が付されている振込を「付帯
うか照合する。
物件付振込」という。したがって,⑴
⑶ 組戻依頼人が貯金者(取引先)でない場
は正しい。
合には,組戻依頼書と振込依頼書の筆跡照
⑵ 振込票の金額および受取人名は,い
合を行うとともに,運転免許証等の提示を
かなる場合も訂正することはできない。
したがって,⑵は正しい。
求めて慎重に本人の確認を行う。
⑷ 振込金が被仕向店において既に受取人口
⑶ 付帯物件付振込については,仕向店
座に入金ずみの場合には,受取人の承諾が
と被仕向店とが同一の手形交換地域に
なければ振込金は返戻されないことを依頼
所在している場合であっても,急を要
人に説明して了解を得ておく。
しないものに限り,取組日の翌々営業
⑸ テレ為替で取扱った振込の組戻はテレ為
日の文書交換に持出すことができる。
替で行い,文書為替で取扱った振込の組戻
したがって,⑶は正しい。
は文書為替組戻用の所定の文書で取扱う。
⑷ 国庫金振込と公金の振込については,
正解率 67%
正解 ⑸
銀行間手数料の授受の対象外になって
いる。このため,「一般の振込」分と区
別するため,公金の場合は振込票送付
解 説
書の右辺余白に丸で囲んだ公金の表示
⑴ 依頼人と仕向金融機関の間の為替契
をゴム印などにより行う。したがって,
約の法的性質が一般に委任契約と解さ
⑷は正しい。
れていることから,為替契約の組戻の
法的性質は,委任契約の解除としての
⑸ 文書為替をメール振込または交換振
性格を有する。したがって,⑴は正しい。
込のいずれにより取扱うかについては,
仕向金融機関の任意であるが,より迅
⑵ 組戻依頼人が貯金者(取引先)の場
速に振込票が送達される取扱方式によ
合には,組戻依頼書に貯金取引用印の
−46−
為替・決済実務
押印を求め,その印影が届出印鑑と同
⑷ 文書為替による「メール振込」は,自金
一であるかどうか照合する。したがっ
融機関の振込センターと同一の手形交換地
て,⑵は正しい。
域に所在している被仕向店は,振込センター
⑶ 組戻依頼人が貯金者(取引先)でな
が振込票の送付を受けた日の翌営業日まで
い場合には,組戻依頼書と振込依頼書
に入金する。
の筆跡が同一であるかどうか照合を行
⑸ 文書為替による「交換振込」は,自金融
うとともに,運転免許証等の提示を求
機関の交換母店と同一の手形交換地域に所
めて慎重に本人の確認を行う。したがっ
在している被仕向店は,文書交換日の翌営
て,⑶は正しい。
業日までに入金する。
⑷ 振込金が被仕向店において既に受取
正解率 82%
正解 ⑵
人口座に入金ずみの場合には,受取人
の承諾がなければ振込金は返戻されな
いことを依頼人に説明して了解を得て
解 説
おく。したがって,⑷は正しい。
⑴ テレ為替による「当日扱いの振込」
の入金時期は,振込通知の受信日に入
⑸ テ レ 為 替 お よ び 文 書 為 替 で 取 扱 っ
た振込の組戻は,すべてテレ為替で取
金する。したがって,⑴は正しい。
扱うことになっている。すなわち,組
⑵ テレ為替による「先日付振込」の入
戻承諾の場合はテレ為替の付替通知に
金時期は,振込指定日に入金する。し
よって被仕向金融機関から資金の返却
たがって,⑵は誤りであり,これが本
を受け,不承諾の場合は一般通信(回
問の正解である。
答)による通知を受ける。したがって,
⑶ MT データ伝送の文書為替(種目「デ
⑸は誤りであり,これが本問の正解で
ンソウ」)の入金時期は,取組日の当日
ある。
から翌々営業日までに入金する。した
がって,⑶は正しい。
振込金の貯金口座への入金時期
⑷ 文書為替による「メール振込」の入
金時期は,自金融機関の振込センター
問 23 被仕向金融機関における振込金の貯
と同一の手形交換地域に所在している
金口座への入金時期について,誤っているも
被仕向店は,振込センターが振込票の
のを 1 つ選びなさい。
送付を受けた日の翌営業日までに入金
⑴ テレ為替による「当日扱いの振込」は,
する。したがって,⑷は正しい。
⑸ 文書為替による「交換振込」の入金
振込通知の受信日に入金する。
⑵ テレ為替による「先日付振込」は,振込
時期は,自金融機関の交換母店と同一
の手形交換地域に所在している被仕向
指定日の前日営業日に入金する。
⑶ MT データ伝送の文書為替(種目「デン
ソウ」)は,取組日の当日から翌々営業日ま
でに入金する。
−47−
店は,文書交換日の翌営業日までに入
金する。したがって,⑸は正しい。
為替・決済実務
入金不能分の振込通知・振込票の処理
向店からの組戻依頼または電文の取消・
訂正依頼によって処理する。したがっ
て,⑴は正しい。
問 24 被仕向金融機関におけるテレ為替の
入金不能分の振込通知・振込票の処理につい
⑵ 当日扱いの振込で,被仕向店からの
て,誤っているものを 1 つ選びなさい。
照会に対し,照会日の翌々営業日まで
⑴ 当日扱いの振込で,入金不能時の仕向店
に仕向店からの回答がなかった場合に
照会表示が照会必要の場合には,原則とし
は,回答を待たずに資金を仕向店へ返
て仕向店へ照会のうえ仕向店からの組戻依
却することができる。したがって,⑵
頼または電文の取消・訂正依頼によって処
は誤りであり,これが本問の正解であ
理する。
る。
⑵ 当日扱いの振込で,被仕向店からの照会
⑶ 当日扱いの振込で,仕向店照会表示
に対し,照会日の翌営業日までに仕向店か
が照会必要「0」の場合であっても,入
らの回答がない場合には,回答を待たずに
金不能理由が取引解約後,振込入金停
資金を仕向店へ返却することができる。
止など,返却理由の明確なものについ
⑶ 当日扱いの振込で,仕向店照会表示が照
ては,仕向店への照会を省略して資金
会必要の場合であっても,取引解約後,振
を返却することができる。したがって,
込入金停止などで返却理由の明確なものに
⑶は正しい。
ついては,仕向店への照会を省略して資金
⑷ 当日扱いの振込にかかる入金不能分
の仕向店への資金の返送は,「付替[そ
を返却することができる。
の他の資金付替(当日)]」によって行う。
⑷ 当日扱いの振込にかかる入金不能分の仕
したがって,⑷は正しい。
向店への資金の返送は,「付替[その他の資
⑸ 大口内為取引ではない先日付振込の
金付替(当日)]」によって行う。
⑸ 大口内為取引ではない先日付振込の照会
照会無回答分,照会省略分および照会
無回答分,照会省略分および照会不要分に
不要分について,仕向店へ資金を返送
ついて,仕向店へ資金を返送する場合には,
する場合には,当日扱いの振込の場合
振込指定日に「付替[その他の資金付替(当
の取扱いに準じて,振込指定日に「付
日)]」か,振込指定日前に「付替[その他
替[その他の資金付替(当日)]」によ
の資金付替(先日付)]」により資金を返送
り行う。なお,振込指定日前に「付替
[その他の資金付替(先日付)]」により
する。
資金を返送することもできる。したがっ
正解率 74%
正解 ⑵
て,⑸は正しい。
テレ為替の振込の組戻の取扱い
解 説
⑴ 当日扱いの振込で,入金不能時の仕
向店照会表示が照会必要「0」の場合に
問 25 被仕向金融機関におけるテレ為替の
は,原則として仕向店へ照会のうえ仕
振込の組戻の取扱いについて,誤っているも
−48−
為替・決済実務
のを 1 つ選びなさい。
に連絡してその同意を得なければなら
⑴ 当日扱いの振込の組戻で,該当する振込
ない。なお,同意が得られない場合は
通知が到着していても,まだ受取人口座に
組戻に応じられないので,その旨を仕
入金記帳していない場合は,該当する振込
向金融機関に通知する。したがって,
通知に基づいて返金処理する。
⑵は正しい。
⑵ 当日扱いの振込の組戻で,該当する振込
⑶ 先日付振込(大口内為取引を除く)で,
通知が到着していて,既に受取人口座に入
振込指定日の前営業日までに組戻依頼
金ずみの場合は,必ず受取人に連絡してそ
を受けた場合には,受取人の貯金口座
の同意を得なければならない。
への入金処理前であるので,組戻依頼
に応じなければならない。したがって,
⑶ 先日付振込(大口内為取引を除く)で,
⑶は正しい。
振込指定日の前営業日までに組戻依頼を受
けた場合には,受取人の貯金口座への入金
⑷ 同一仕向店からの同一依頼人,同一
処理前であるので,組戻依頼に応じなけれ
振込指定日にかかる複数の振込通知を
ばならない。
受信している場合で,これらの取引に
⑷ 同一仕向店からの同一依頼人,同一振込
ついての組戻依頼に対しては,取引 1
指定日にかかる複数の振込通知を受信して
件ごとに資金を返送することなく,1
いる場合で,これらの取引についての組戻
電文にまとめて発信することができる。
依頼に対しては,取引 1 件ごとに資金を返
したがって,⑷は正しい。
送することなく,1 電文にまとめて発信す
⑸ 振込指定日以降に組戻の依頼を受け
た場合には,既に貯金口座に入金済み
ることができる。
⑸ 振込指定日以降に組戻の依頼を受けた場
であるが,⑵のテレ為替「当日扱いの
合には,すでに貯金口座に入金済みである
振込」の組戻の取扱いと同様に,貯金
ので,組戻に応じられない旨を「一般通信」
者の同意が得られた場合には組戻処理
により組戻不承諾の回答をする。
に応じる。したがって,⑸は誤りであり,
これが本問の正解である。
正解率 66%
正解 ⑸
送
金
の
取
扱
い
解 説
⑴ 当日扱いの振込の組戻で,該当する
問 26 送金の取扱いについて,誤っている
振込通知が到着していても,まだ受取
ものを 1 つ選びなさい。
人口座に入金記帳していない場合は,
⑴ 送金は送金資金の支払手段として,送金
該当する振込通知に基づいて返金処理
小切手を利用する普通送金と国庫金送金通
する。したがって,⑴は正しい。
知書を利用する国庫送金がある。
⑵ 当日扱いの振込の組戻で,該当する
⑵ 現在,系統金融機関においては,普通送
振込通知が到着していて,既に受取人
金と国庫送金の両方の取扱いができる。
口座に入金ずみの場合は,必ず受取人
⑶ 普通送金は,依頼人が送金小切手を受取
−49−
為替・決済実務
人に送付し,受取人は小切手を支払人であ
を取組み,取組案内と一致する小切手
る被仕向金融機関に支払呈示して送金額を
の呈示者に送金資金を支払うことを委
受取る仕組みである。
託する。したがって,⑷は正しい。
⑷ 依頼人に送金小切手を交付した仕向金融
⑸ 地方公共団体の依頼に基づき振出し
機関は,被仕向金融機関あてに普通送金取
た「公金」表示のある送金小切手は,
組案内を発信して,普通送金を取組み,取
地方自治法施行令第 165 条の定めによ
組案内と一致する小切手の呈示者に送金資
り,送金資金の交付日から 1 年を経過
金を支払うことを委託する。
した後は,その小切手を支払うことが
できない。なお,小切手の裏面には,
⑸ 地方公共団体の依頼に基づき振出した「公
金」表示のある送金小切手は,振出日から
この小切手は振出日から 1 年を経過し
1 年を経過した後は,当該小切手の支払人
た後は,金融機関ではお支払いできな
である金融機関ではその小切手を支払うこ
い旨の文言が記入されている。したがっ
とができない。
て,⑸は正しい。
正解率 46%
正解 ⑵
付 替 , 請 求 の 取 扱 い
解 説
問 27 雑為替の「付替」,「請求」の取扱い
⑴ 送金は送金資金の支払手段として,
について,誤っているものを 1 つ選びなさい。
送金小切手を利用する普通送金と国庫
⑴ 雑為替によって取扱われる資金決済取引
金送金通知書を利用する国庫送金があ
は,為替取引により生ずる金融機関相互間
る。したがって,⑴は正しい。
の資金決済取引と為替取引に付随して生ず
⑵ 現在,系統金融機関は,普通送金の
る金融機関相互間の資金決済取引に区分さ
取扱いはできるが,国庫送金は日本銀
れており,内国為替取扱規則に定める各取
行代理店引受銀行の国内店舗を支払場
引に限られている。
所として取扱いが行われるため,国庫
⑵ 付替は,電文を発信する取扱店が電文を
送金の取扱いは認められていない。し
受信する取扱店に対して資金を送付する場
たがって,⑵は誤りであり,これが本
合に利用し,請求は,電文を発信する取扱
問の正解である。
店が電文を受信する取扱店から資金を受取
⑶ 普通送金は,依頼人が送金小切手を
受取人に送付し,受取人は小切手を支
る場合に利用する。
⑶ 集中取立・期近手形集中取立の不渡手形
払人である被仕向金融機関に支払呈示
して送金額を受取る仕組みである。し
代り金は,付替で行う。
⑷ 為替種目「付替」および「請求」の為替
たがって,⑶は正しい。
通知については,テレ為替の振込通知と同
⑷ 依頼人に送金小切手を交付した仕向
様に,テレ為替による当日扱いのほか先日
金融機関は,被仕向金融機関あてに普
通送金取組案内を発信して,普通送金
付扱いの取扱いもできる。
⑸ 振込の組戻,取消などに基づく資金の返
−50−
為替・決済実務
いるものを 1 つ選びなさい。
送は,付替で行う。
⑴ 仕向金融機関に対して,振込金の受取人
正解率 40%
正解 ⑶
名の氏名について漢字の説明を依頼する場
合の通信種目は,一般通信「照会」で行う。
解 説
⑵ 被仕向金融機関に対して,振込金の組戻
⑴ 雑為替によって取扱われる資金決済
を依頼する場合の通信種目は,一般通信「連
取引は,為替取引により生ずる金融機
関相互間の資金決済取引と為替取引に
絡」で行う。
⑶ 被仕向金融機関からの照会事項に対して
付随して生ずる金融機関相互間の資金
回答する場合の通信種目は,一般通信「回答」
決済取引に区分されており,いずれも
で行う。
取扱う取引については,内国為替取扱
⑷ 被仕向金融機関に対して,振込金の取消
規則に定める各取引に限られている。
を依頼する場合の通信種目は,一般通信「依
したがって,⑴は正しい。
頼」で行う。
⑵ 雑為替の「付替」は,電文を発信す
⑸ 被仕向金融機関に対して,業務上緊急に
る取扱店が電文を受信する取扱店に対
連絡を必要とする場合の通信種目は,一般
して資金を送付する場合に利用し,「請
通信「連絡」で行う。
求」は,電文を発信する取扱店が電文
正解率 87%
正解 ⑵
を受信する取扱店から資金を受取る場
合に利用する。したがって,⑵は正しい。
⑶ 集中取立・期近手形集中取立の不渡
解 説
手形代り金は,
「付替」ではなく,
「請求」
⑴ 仕向金融機関に対して,振込金の受
で行う。したがって,⑶は誤りであり,
取人名の氏名について漢字の説明を依
これが本問の正解である。
頼する場合の通信種目は,一般通信「照
会」で行う。したがって,⑴は正しい。
⑷ 為替種目「付替」および「請求」の
為替通知については,テレ為替の振込
⑵ 被仕向金融機関に対して,振込金の
通知と同様に,テレ為替による当日扱
組戻を依頼する場合の通信種目は,一
いのほか先日付扱いの取扱いもできる。
般通信「依頼」で行う。したがって,
したがって,⑷は正しい。
⑵は誤りであり,これが本問の正解で
ある。
⑸ 為替取引に付随して生ずる振込の組
戻,取消など,加盟金融機関間の資金
⑶ 被仕向金融機関からの照会事項に対
決済取引は,「付替」により資金の返送
して回答する場合の通信種目は,一般
を行う。したがって,⑸は正しい。
通信「回答」で行う。したがって,⑶
は正しい。
一 般 通 信 の 取 扱 い
⑷ 被仕向金融機関に対して,振込金の
取消を依頼する場合の通信種目は,一
問 28 一般通信の取扱いについて,誤って
−51−
般通信「依頼」で行う。したがって,
為替・決済実務
⑷は正しい。
⑶ 仕向金融機関の錯誤により,重複発
⑸ 被仕向金融機関に対して,業務上緊
信した場合は,取消で処理する。した
急に連絡を必要とする場合の通信種目
は,一般通信「連絡」で行う。したがっ
がって,⑶は正しい。
⑷ 電文の「訂正」とは,仕向金融機関
て,⑸は正しい。
の錯誤あるいは振込依頼人からの申出
により原電文の一部を訂正することを
テレ為替の「振込」にかかる電文の取消・訂正
いい,仕向金融機関の錯誤により,受
取人のカナ名の一部を間違えた場合は,
問 29 仕向金融機関におけるテレ為替の「振
訂正で処理する。したがって,⑷は正
込」にかかる電文の取消・訂正について,誤っ
しい。
⑸ 振込依頼人の錯誤により,受取人の
ているものを 1 つ選びなさい。
口座番号を間違えた場合は,訂正で処
⑴ 振込依頼人の錯誤により,振込金額を間
理する。したがって,⑸は正しい。
違えた場合は,取消で処理する。
⑵ 仕向金融機関の錯誤により,振込指定日
テレ為替の「取消」の取扱手続
を間違えた場合は,取消で処理する。
⑶ 仕向金融機関の錯誤により,重複発信し
問 30 仕向金融機関の錯誤によるテレ為替
た場合は,取消で処理する。
⑷ 仕向金融機関の錯誤により,受取人のカ
の「取消」の取扱手続について,誤っている
ナ名の一部を間違えた場合は,訂正で処理
ものを 1 つ選びなさい。
する。
⑴ 「振込(当日)」の取消は,誤って発信し
た電文発信日の翌営業日までに取消依頼電
⑸ 振込依頼人の錯誤により,受取人の口座
文を発信しなければならない。
番号を間違えた場合は,訂正で処理する。
⑵ 被仕向金融機関は,「振込(当日)」の取
正解率 60%
正解 ⑴
消依頼電文による取消依頼に応諾する場合,
当該電文を受信した日の翌営業日までに仕
解 説
向金融機関に資金を返送しなければならな
⑴ 電文の「取消」とは,仕向金融機関
い。
の錯誤に限定し,発信した原電文の全
⑶ 「振込(先日付)」の取消依頼電文は,振
内容を取消すことをいい,振込依頼人
込指定日の当日までに発信しなければなら
の錯誤により,振込金額を間違えた場
ない。
合は,組戻の手続で処理する。したがっ
⑷ 「振込(先日付)」の取消依頼電文を振込
て,⑴は誤りであり,これが本問の正
指定日の前営業日までに受信したときは,
解である。
振込指定日までに資金を仕向金融機関に返
⑵ 仕向金融機関の錯誤により,振込指
定日を間違えた場合は,取消で処理す
送しなければならない。
⑸ 所定の発信時限までに取消依頼電文の発
る。したがって,⑵は正しい。
信ができなかった場合は,被仕向金融機関
−52−
為替・決済実務
代金取立,
手形・小切手
へ電話等により事前に連絡し,協力を依頼
したうえ,取消依頼電文を発信する。
正解率 46%
正解 ⑶
代金取立の当事者の法律関係
解 説
問 31 代金取立の当事者の法律関係につい
⑴ 「振込(当日)」の取消は,取消依頼
て,誤っているものを 1 つ選びなさい。
電文を誤って発信した電文発信日の翌
⑴ 取立依頼人と委託金融機関の関係は,取
営業日までに発信しなければならない。
立は取引先でなければ受付けられないので,
したがって,⑴は正しい。
法律関係は存在せず,貯金契約に基づく取
⑵ 被仕向金融機関は,「振込(当日)」
立業務の関係にある。
の取消依頼電文による取消依頼に応諾
⑵ 取立依頼人と委託金融機関の関係は,手
する場合,当該電文を受信した日の翌
形の取立依頼人が取立手形に取立委任裏書
営業日までに仕向金融機関に資金を返
をしている場合には,両者間には取立委任
送しなければならない。したがって,
裏書の裏書人と被裏書人の関係がある。
⑵は正しい。
⑶ 取立依頼人と委託金融機関の関係は,委
⑶ 「振込(先日付)」の取消依頼電文は,
託金融機関は取立依頼人の代理人として証
振込指定日の翌営業日までに発信しな
券類の取立をするので,本人と代理人の関
ければならない。したがって,⑶は誤
係も存在する。
りであり,これが本問の正解である。
⑷ 委託金融機関と受託金融機関の関係は,
⑷ 「振込(先日付)」の取消依頼電文を
代理人と復代理人の関係および両金融機関
振込指定日の前営業日までに受信した
で締結された為替取引契約の定めるところ
ときは,振込指定日までに資金を仕向
により事務処理を行うべき関係がある。
金融機関に返送しなければならない。
⑸ 受託金融機関と支払人の関係は,代金取
したがって,⑷は正しい。
立契約上は直接の契約関係はないが,取立
⑸ テレ為替の振込の取消依頼電文は,
依頼人の復代理人として,支払人に証券類
電文発信日の翌営業日までに発信しな
の支払いを請求する者と支払義務者の関係
ければならないが,所定の発信時限ま
がある。
でに取消依頼電文の発信ができなかっ
正解率 67%
正解 ⑴
た場合は,仕向金融機関へ電話等によ
り事前に連絡し,協力を依頼したうえ,
取消依頼電文を発信する。したがって,
解 説
⑸は正しい。
⑴ 取立依頼人と委託金融機関の関係は,
取立依頼人は委託金融機関に対して手
形その他の証券類の取立を委託するも
のであることから,両者間に委任契約
−53−
為替・決済実務
の当事者関係が存在する。したがって,
ないものとします。
⑴は誤りであり,これが本問の正解で
⑴ 約束手形・小切手は代金取立の対象とな
ある。
る。
⑵ 取立依頼人と委託金融機関の関係は,
⑵ 公社債・利札は代金取立の対象となる。
手形の取立依頼人が取立手形に取立委
⑶ 金銭債権の取立に条件が付いて,特別の
任裏書をし,委託金融機関に手形を交
手続を要する荷付為替手形で,手形交換に
付するが,これにより手形から生じる
よる呈示ができないものは代金取立の対象
一切の権利を行使する権限を付与され
となる。
るところから,両者間には取立委任裏
⑷ 他の金融機関の預貯金証書・預貯金通帳
書の裏書人と被裏書人の関係がある。
したがって,⑵は正しい。
は代金取立の対象となる。
⑸ 受付時に金額が確定していない旅館券は
⑶ 取立依頼人と委託金融機関の関係は,
手形・記名式小切手以外の場合でも,
代金取立の対象とならない。
正解率 57%
正解 ⑸
証券の交付等により,取立依頼人の有
する取立権限が授与され,委託金融機
関は取立依頼人の代理人として証券類
解 説
の取立をするので,本人と代理人の関
⑴⑵⑶⑷ 代金取立の対象となる取扱証
券類は,代金取立規定において,
「手形,
係も存在する。したがって,⑶は正しい。
小切手,公社債,利札,配当金領収証
⑷ 委託金融機関と受託金融機関の関係
は,代理人と復代理人(民法第 104 条)
その他の証券のうち,貯金口座へ直ち
の関係および両金融機関で締結された
に受入れができないものは,代金取立
為替取引契約の定めるところにより事
として取扱います」と定めている。し
務処理を行うべき関係がある。したがっ
たがって,⑴の約束手形・小切手,⑵
て,⑷は正しい。
の公社債・利札は代金取立の対象とな
るので正しい。
⑸ 受託金融機関と支払人の関係は,代
金取立契約上は直接の契約関係はない
また,代金取立規定には,手形等の
が,取立依頼人の復代理人として,支
有価証券に限らず,代金取立の対象と
払人に証券類の支払いを請求する者と
なる「その他の証券」として,金銭債
支払義務者の関係がある。したがって,
権の取立に条件が付いていたり,荷付
⑸は正しい。
為替手形のように特別の手続を要する
もので,手形交換による呈示ができな
証券類の代金取立の取扱い
いものや,預貯金証書,預貯金通帳等
の金銭債権を表す証券類も代金取立の
問 32 次の証券類の代金取立の取扱いにつ
対象となる。したがって,⑶,⑷は正
いて,誤っているものを 1 つ選びなさい。た
しい。
だし,証券類は貯金口座に直ちに受入れでき
⑸ そのほか,代金取立の対象となる「そ
−54−
為替・決済実務
の他の証券」には,受付時に金額が確
充を促す義務と白地を補充する義務を
定していない旅館券も代金取立の対象
負っていない。したがって,⑴は誤り
となる。したがって,⑸は誤りであり,
である。
これが本問の正解である。
⑵ 証券類の取立の発送時期については,
「当組合が適当と認める時期,方法によ
代金取立規定(ひな型)
り発送する」旨を定めており,7 営業
日以内に発送を完了することは定めて
いない。したがって,⑵は誤りである。
問 33 代金取立規定(ひな型)の内容につ
⑶ 期日入金手形として取扱ったものに
いて,正しいものを 1 つ選びなさい。
⑴ 手形・小切手要件の白地については,委
ついては,支払期日に貯金元帳へ入金
託金融機関はあらかじめ補充を促す義務を
記帳し,「支払期日の翌営業日の銀行間
負うが,白地を補充する義務を負わないこ
における不渡通知時限経過後に,当店
とを定めている。
でその決済を確認したうえで支払資金
とする」旨を定めている。したがって,
⑵ 証券類の取立の発送時期については,当
⑶は誤りである。
組合の本支店または他の金融機関に委託し
て行う場合には,取立を委託された日から
⑷ 証券類が不渡となったときには,「直
7 営業日以内に発送を完了することと定め
ちにその通知を届出の住所あてに発信
ている。
するとともに,「期日入金手形」につい
ては,その金額を貯金元帳から引落と
⑶ 期日入金手形として取扱ったものについ
ては,支払期日に貯金元帳へ入金記帳し,
す」旨を定めている。したがって,⑷
当日の 12 時までに不渡通知がなければ,そ
は正しく,これが本問の正解である。
のまま支払資金とすることを定めている。
⑸ 不渡となった証券類は,「当店で返
却する」旨を定めており,他の支店で
⑷ 委託金融機関は,証券類が不渡となった
ときには,直ちにその通知を取立依頼人の
返却することはできない。したがって,
届出の住所あてに発信することを定めてい
⑸は誤りである。
る。
手形の裏書の連続と譲渡裏書の効力
⑸ 不渡となった証券類は,当店または他の
支店で返却することを定めている。
問 34 手形の裏書の連続と譲渡裏書の効力
正解率 28%
正解 ⑷
について,誤っているものを 1 つ選びなさい。
⑴ 手形法においては,裏書の連続した手形
解 説
の占有者は,適法な所持人とみなされるが,
⑴ 代金取立規定において,「手形要件,
実質的な権利者である場合に限り,手形上
小切手要件の白地はあらかじめ補充し
てください。当組合は白地を補充する
の権利を行使できる。
⑵ 手形は裏書によって転々と流通するもので
義務を負いません」と定めており,補
−55−
あり,裏書は連続していなければならない。
為替・決済実務
⑶ 裏書の効力には,裏書人から被裏書人に,
⑸ 裏書人は被裏書人およびその後の手
手形上のいっさいの権利が手形とともに移
形関係人に対して支払いの責任を負う
転し,被裏書人が手形上の権利者となる権
担保的効力(手形法第 15 条)がある。
利移転的効力がある。
したがって,⑸は正しい。
⑷ 被裏書人として記載された人は,手形上
線 引 小 切 手 の 取 扱 い
の権利者としての資格が認められる資格授
与的効力がある。
⑸ 裏書人は被裏書人およびその後の手形関
問 35 線引小切手の取扱いについて,誤っ
係人に対して支払いの責任を負う担保的効
ているものを 1 つ選びなさい。
力がある。
⑴ 小 切 手 の 表 面 に,2 本 の 平 行 線 が 引 か
れているが,平行線内に「銀行」等の記
正解率 42%
正解 ⑴
載が何もない小切手も,一般線引小切手で
ある。
解 説
⑵ 線引をすることができるのは,小切手の
⑴ 手形法においては,裏書の連続した
振出人または所持人である。
手形の占有者は,適法な所持人とみな
⑶ 一般線引小切手の支払金融機関は,自己
され,実質的な権利者かどうかという
の取引先または他の金融機関に対してでな
ことは問題とせず,裏書が形式的に連
ければ支払うことはできない。
続していれば,手形所持人は手形上の
⑷ 一般線引を特定線引に変更することはで
権利を行使できる。したがって,⑴は
きる。また,特定線引を一般線引に変更す
誤りであり,これが本問の正解である。
ることもできる。
⑵ 手形は裏書(裏書譲渡)によって転々
⑸ 線引を抹消したり,特定金融機関名(被
と流通するものであり,裏書は受取人
指定金融機関名)を抹消しても,抹消がな
から最後の被裏書人まで切れ目なく連
かったものとみなされる。
続していなければならない。したがっ
正解率 88%
正解 ⑷
て,⑵は正しい。
⑶ 裏書の効力には,裏書人から被裏書
人に,手形上のいっさいの権利が手形
解 説
とともに移転し,被裏書人が手形上の
⑴ 小切手の表面に,2 本の平行線を引
権利者となる権利移転的効力(手形法
いたものまたは平行線内に「銀行」な
第 14 条)がある。したがって,⑶は正
どと記載した小切手は,一般線引小切
しい。
手である(小切手法第 37 条 3 項)。し
たがって,⑴は正しい。
⑷ 被裏書人として記載された人は,手
形上の権利者としての資格が認められ
⑵ 小切手の振出人または所持人は,小
る資格授与的効力(手形法第 16 条)が
切手に線引をなすことができる(小切
ある。したがって,⑷は正しい。
手法第 37 条 1 項)。したがって,⑵は
−56−
為替・決済実務
正しい。
正解率 54%
正解 ⑷
⑶ 一般線引小切手の効力は,支払人に
おいて金融機関に対しまたは支払人の
取引先に対してのみ支払うことができ
解 説
る(小切手法第 38 条 1 項)。したがって,
⑴ 手形交換においては,手形,小切手
のほか債券,利札,配当金領収証その
⑶は正しい。
⑷ 一般線引を特定線引に変更すること
他多種類の証券が交換決済されている
はできるが,特定線引を一般線引に変
が,これらのうち,不渡処分の対象と
更することはできない(小切手法第 37
なる証券は,手形(約束手形・為替手形)
条 4 項)。したがって,⑷は誤りであり,
および小切手に限られている。したがっ
これが本問の正解である。
て,⑴は正しい。
⑸ 線引を抹消したり,特定金融機関名
⑵ 不渡処分の対象者は,手形の最終支
(被指定金融機関名)を抹消しても,抹
払義務者または小切手の遡求義務者の
消がなかったものとみなされる(小切
みを対象としているので,約束手形・
手法第 37 条 5 項)。したがって,⑸は
小切手の振出人および為替手形の引受
正しい。
人である。したがって,⑵は正しい。
⑶ 不渡報告に掲載された者は,不渡手
不
渡
処
分
形・小切手の交換日(呈示日)から 6
か月の期間内に 2 回目の不渡届が提出
問 36 不渡処分について,誤っているもの
されると,取引停止処分の対象となる。
を 1 つ選びなさい。
したがって,⑶は正しい。
⑴ 不渡処分の対象となる証券は,手形およ
⑷ 取引停止処分を受けた者とは,当該
手形交換所の参加金融機関の参加店舗
び小切手に限られている。
⑵ 不渡処分の対象者は,約束手形・小切手
は取引停止処分日から起算して 2 年間,
の振出人および為替手形の引受人である。
当座勘定取引および貸出取引(債権保
⑶ 不渡報告に掲載された者は,6 か月以内
全のための貸出を除く)を行うことが
に 2 回目の不渡届が提出されると,取引停
できない。なお,当座勘定取引以外の
止処分の対象となる。
貯金取引は可能である。したがって,
⑷は誤りであり,これが本問の正解で
⑷ 手形交換所から取引停止処分を受けた者
ある。
とは,当該手形交換所の参加金融機関の参
加店舗は取引停止処分日から起算して 2 年
⑸ 手形・小切手の不渡返還は,交換日
間,いっさいの貯金取引および貸出取引を
の翌営業日に行われる手形交換を利用
行うことができない。
して持出金融機関へ返還しており,こ
⑸ 不渡手形を交換日の翌営業日に行われる
手形交換を利用して持出金融機関へ返還す
ることを逆交換返還方式という。
−57−
れを逆交換返還方式という。したがっ
て,⑸は正しい。
為替・決済実務
不 渡 事 由 と 不 渡 届
したがって,⑶は誤りであり,これが
本問の正解である。
問 37 不渡事由と不渡届について,誤って
⑷ 第 2 号不渡事由である偽造,変造と
いるものを 1 つ選びなさい。
第 1 号不渡事由である資金不足とが重
⑴ 不渡事由が形式不備,期日未到来(手形
複しているときには,偽造,変造が優
の場合),依頼返却の場合は,0 号不渡事由
先するので,第 2 号不渡届を提出する。
として不渡届は提出不要である。
したがって,⑷は正しい。
⑵ 不渡事由が資金不足または取引なしの場
⑸ 手形・小切手が不渡になった場合に
は,手形交換所規則によって,手形・
合には,第 1 号不渡届を提出する。
⑶ 契約不履行と資金不足とが重複している
小切手の支払金融機関は,不渡返還す
ときには,契約不履行が優先するので,第
る手形には貼付する付箋に不渡事由を
2 号不渡届を提出する。
記載,また小切手は通常,小切手面に
⑷ 偽造,変造と資金不足とが重複している
記載等,必ず不渡の事由を付記するこ
ときには,偽造,変造が優先するので,第
とになっている。したがって,⑸は正
2 号不渡届を提出する。
しい。
⑸ 手形・小切手が不渡になった場合には,
代 金 取 立 の 取 立 方 式
手形交換所規則によって,手形・小切手の
支払金融機関は不渡返還する手形・小切手
に,必ず不渡の事由を付記することになっ
問 38 代金取立の取立方式について,誤っ
ている。
ているものを 1 つ選びなさい。
⑴ 全銀内為制度における集中取立の取扱い
正解率 48%
正解 ⑶
では,委託金融機関の集手センターは,手
形の期日の 10 営業日前までに当該手形が
解 説
受託金融機関の集手センターに到着するよ
⑴ 不渡届の提出を要しない 0 号不渡事
うに送付することとされている。
由には,形式不備,期日未到来(手形
⑵ 期近手形集中取立は,集中取立の仕組み
の場合),依頼返却,会社更生手続開始
を小切手および期日に余裕のない手形の取
決定などがある。したがって,⑴は正
立に利用するもので,あらかじめ協定を締
しい。
結した加盟金融機関間でのみ取扱うことが
⑵ 第 1 号不渡届の提出を要する不渡事
由には,資金不足と取引なしがある。
できる取立方式である。
⑶ 個別取立は,依頼人から取立依頼を受け
したがって,⑵は正しい。
た手形類を,1 件ごとに委託店から直接受
⑶ 第 2 号不渡事由である契約不履行と
託店あてに送付し,受託店は手形類 1 件ご
第 1 号不渡事由である資金不足とが重
とに入金報告または不渡通知を委託店あて
複しているときには,資金不足が優先
に通知する取立方式である。
するので,第 1 号不渡届を提出する。
⑷ 代金取立の取立方式は,内国為替取扱規
−58−
為替・決済実務
則において,集中取立によることを原則と
よって,大量の手形の取立事務を合理
している。
化・効率化するために設けられた仕組
⑸ 引受けのない為替手形,一覧払の手形,
みであるため,取立にあたって特別の
付帯物件付の手形は,集中取立の対象外で
手続等を要する引受けのない為替手形,
ある。
一覧払の手形,付帯物件付の手形等は,
集中取立の対象外である。したがって,
正解率 51%
正解 ⑴
⑸は正しい。
代金取立の不渡の処理
解 説
⑴ 集中取立は,手形の取立事務を集手
センターに集中して一括処理する取立
問 39 代金取立の不渡の処理について,誤っ
方式で,自金融機関の集手センターは,
ているものを 1 つ選びなさい。
期日の 7 営業日前までに受託金融機関
⑴ 集中取立で委託した手形が不渡となった
の集手センターに到着するように送付
ときは,期日の翌営業日までに受託店また
する。したがって,⑴は誤りであり,
は受託集手センターから「請求[集手・期
これが本問の正解である。
近の不渡通知]」によって,不渡手形 1 件ご
⑵ 期近手形集中取立は,集中取立の仕
とに不渡通知が送信される。
組みを小切手および期日に余裕のない
⑵ 集中取立について,委託店が不渡通知を
手形の取立に利用するもので,あらか
受信したときは,期日に貯金口座に入金さ
じめ協定を締結した加盟金融機関間で
れている入金の取消と依頼人への不渡連絡
のみ取扱うことができる取立方式であ
を行う。
る。したがって,⑵は正しい。
⑶ 個別取立が不渡となったときは,
「請求[個
⑶ 個別取立は,依頼人から取立依頼を
別取立の不渡通知]」によって,不渡手形 1
受けた手形類を,1 件ごとに委託店か
ら直接受託店あてに送付し,受託店は
件ごとに不渡通知が送信される。
⑷ 依頼人への不渡手形の返却は,依頼人か
手形類 1 件ごとに入金報告または不渡
ら返却手形受取書と不渡手数料を徴求し,
通知を委託店あてに通知する取立方式
受取書の受領印を貯金取引用の届出印と照
である。したがって,⑶は正しい。
合し,依頼人本人であることを確認する。
⑷ 代金取立の取立方式は,内国為替取
⑸ 取立依頼人へ不渡手形を返却するときは,
扱規則において,集中取立によること
取立委任裏書(またはスタンプ)を抹消する。
を原則とし,期近なものなど集中取立
正解率 11%
正解 ⑶
扱いができないものは期近手形集中取
立または個別取立による旨を定めてい
解 説
る。したがって,⑷は正しい。
⑸ 集 中 取 立 は, 同 一 の 支 払 期 日 の 手
⑴ 集 中 取 立 で 委 託 し た 手 形 が 不 渡 と
形を一括して画一的に処理することに
なったときは,期日の翌営業日までに
−59−
為替・決済実務
受託店または受託集手センターから「請
当日に決済が確定した場合は期日当日に,
求[集手・期近の不渡通知]」によって,
手形交換決済で交換日の翌営業日に決済が
不渡手形 1 件ごとに不渡通知が送信さ
確定する場合は交換日の翌営業日に入金報
れる。したがって,⑴は正しい。
告を発信する。
⑵ 集中取立について,委託店が不渡通
⑶ 個別取立で不渡通知を発信する場合は,
知を受信したときは,期日に貯金口座
金額欄は手形金額ではなく,所定の表記方
に入金されている入金の取消と依頼人
式による「0」と記入する。
への不渡連絡を行う。したがって,⑵
⑷ 集中取立で資金不足により不渡通知を発
は正しい。
信する場合は,不渡理由コード「1」を記入
⑶ 個別取立が不渡となったときは,手
する。
形金は貯金口座に入金されていないの
⑸ 集中取立で不渡通知を発信することによ
で,「請求」ではなく,通信種目「個別
り,受託店としては期日当日に合計額で決
取立[不渡通知]」によって,不渡手形
済した取立代金のうち,不渡手形の資金を
1 件ごとに不渡通知が送信される。し
請求する。
たがって,⑶は誤りであり,これが本
正解率 50%
正解 ⑴
問の正解である。
⑷ 依頼人への不渡手形の返却は,依頼
人から返却手形受取書と不渡手数料を
解 説
徴求し,受取書の受領印を貯金取引用
⑴ 集中取立は,期日当日に手形金額を
の届出印と照合し,依頼人本人である
一律的に各手形の取立依頼人の貯金口
ことを確認する。したがって,⑷は正
座に入金記帳するが,委託金融機関・
しい。
受託金融機関間の不渡通知時限を経過
するまで貯金の支払いを留保する仕組
⑸ 取立依頼人へ不渡手形を返却すると
きは,取立委任裏書(またはスタンプ)
みであり,期日には手形 1 件ごとの入
を抹消する。したがって,⑸は正しい。
金報告は発信しない。したがって,⑴
は誤りであり,これが本問の正解であ
入金報告および不渡通知の取扱い
る。
⑵ 個別取立の入金報告は,自店払いで
問 40 代金取立の受託事務における入金報
期日当日に決済が確定した場合は期日
告および不渡通知の取扱いについて,誤って
当日に,手形交換決済で交換日の翌営
いるものを 1 つ選びなさい。
業日に決済が確定する場合は交換日の
⑴ 集中取立の入金報告は,期日に決済が確
翌営業日に入金報告を発信する。した
がって,⑵は正しい。
定した場合は委託店または集手センターか
ら,期日に 1 件ごとの入金報告を受託店あ
⑶ 個別取立で不渡通知を発信する場合
は,金額欄は手形金額ではなく,金額
てに発信する。
⑵ 個別取立の入金報告は,自店払いで期日
−60−
欄を「0」で埋める。したがって,⑶は
為替・決済実務
正しい。
正解率 23%
正解 ⑶
⑷ 集中取立で資金不足により不渡通知
を発信する場合は,不渡理由コード「1」
を記入する。したがって,⑷は正しい。
解 説
⑸ 集中取立で不渡通知を発信すること
⑴ 国庫金振込の入金は,必ず受取人名
により,受託店としては期日当日に合
義の貯金口座に限られており,貯金者
計額で決済した取立代金のうち,不渡
から依頼があっても,夫が受取る国庫
手形の資金を「請求」する。したがって,
金振込を妻名義の貯金口座へ入金する
⑸は正しい。
ことはできない。したがって,⑴は正
しい。
⑵ 日本銀行本店扱いの国民年金,厚生
決
済
業
務
年金等の振込指定日つきの国庫金振込
は,必ず振込指定日に入金処理しなけ
ればならない。したがって,⑵は正しい。
国庫金振込取扱上の留意点
⑶ テレ為替による歳出金集中払振込は,
日本銀行本店から午前に優先扱または
問 41 国庫金振込取扱上の留意点について,
再振込と午後に緊急払が送信されるの
誤っているものを 1 つ選びなさい。
で,国家公務員給与は概ね午前 11 時ま
⑴ 国庫金振込の入金は,必ず受取人名義の
でに,優先扱または再振込は原則午後
貯金口座に限られており,夫名義の国庫金
1 時までに,緊急払は原則午後 3 時ま
振込を妻名義の貯金口座へ入金することは
でに顧客口座に入金しなければならな
できない。
い。したがって,⑶は誤りであり,こ
れが本問の正解である。
⑵ 日本銀行本店扱いの国民年金,厚生年金
等の振込指定日つきの国庫金振込は,必ず
⑷ 振込通知または振込票に記載された
受取人名義の貯金口座がない場合は,
振込指定日に入金処理しなければならない。
⑶ 日本銀行本店から午前にテレ為替による
日本銀行代理店扱いのものに限り仕向
優先扱または再振込の振込明細データを受
店に照会し,結果的に該当口座がなかっ
信した場合には,原則午後 3 時までに顧客
た場合には,不能報告および返金処理
口座に入金しなければならない。
を行う。したがって,⑷は正しい。
⑷ 振込通知または振込票に記載された受取
⑸ 国庫金振込事務にかかる関係帳票に
人名義の貯金口座がない場合は,日本銀行
ついては,個人情報を含んでいること
代理店扱いのものに限り仕向店に照会する。
から厳格な管理が求められ,「国庫金振
⑸ 国庫金振込事務にかかる関係帳票につい
込事務関係帳票の管理事務手続」に基
ては,個人情報を含んでいることから施錠
づき,取扱担当者の限定,施錠可能な
可能なキャビネット等への保存等,厳格に
キャビネット等への保存等,管理に留
管理しなければならない。
意しなければならない。したがって,
−61−
為替・決済実務
⑸は正しい。
月額と賞与の額に所定の保険料率をか
けて計算し,事業主と被保険者が折半
公
的
年
金
制
度
で負担している。したがって,⑵は誤
りであり,これが本問の正解である。
問 42 公的年金制度について,誤っている
⑶ 老 齢 厚 生 年 金 が 受 け ら れ る よ う に
ものを 1 つ選びなさい。
なったとき,厚生年金保険の被保険者
⑴ 厚生年金保険の被保険者・共済組合の組
期間が 20 年以上ある場合には,その
合員の被扶養配偶者であって 20 歳以上 60
人に生計を維持されていた配偶者や子
歳未満の人は,第 3 号被保険者である。
があれば,それぞれが一定の年齢にな
⑵ 厚生年金保険の保険料は,事業主が 3 分
るまで所定の加給年金額が支給される。
したがって,⑶は正しい。
の 2 を負担し,被保険者が 3 分の 1 を負担
⑷ 厚生年金保険の被保険者期間が 1 年
している。
⑶ 老齢厚生年金が受けられるようになった
以上あり,老齢基礎年金の受給資格期
とき,厚生年金保険の被保険者期間が 20 年
間を満たした人には,現在,60 歳から
以上ある場合には,その人に生計を維持さ
65 歳になるまでの間,特別支給の老齢
れていた配偶者や子があれば,それぞれが
厚生年金が支給されている。したがっ
一定の年齢になるまで所定の加給年金額が
て,⑷は正しい。
⑸ 特別支給の老齢厚生年金の額は,定
支給される。
⑷ 厚生年金保険の被保険者期間が 1 年以上
額部分と報酬比例部分を合算した額に
あり,老齢基礎年金の受給資格期間を満た
加給年金額を加算した額である。した
した人には,現在,65 歳前に特別支給の老
がって,⑸は正しい。
齢厚生年金が支給されている。
年 金 振 込 の 取 扱 い
⑸ 特別支給の老齢厚生年金の額は,定額部
分と報酬比例部分を合算した額に加給年金
問 43 年金振込の取扱いについて,誤って
額を加算した額である。
いるものを 1 つ選びなさい。
正解率 40%
正解 ⑵
⑴ 国庫金扱いの年金振込の対象(国庫金年
金)は,国民年金,厚生年金,船員保険年金,
解 説
労災年金の 4 つである。
⑴ 厚生年金保険の被保険者・共済組合
⑵ 国庫金扱い年金の振込は,農林中金の代
の組合員は第 2 号被保険者であるが,
理業務として信連・信漁連が事務取扱いの
厚生年金の被保険者・共済組合の組合
委託を受け,農協・漁協にその事務取扱い
員の被扶養配偶者であって 20 歳以上
を再委託している。
60 歳未満の人は,第 3 号被保険者であ
⑶ 農林年金の特例年金(統合前の職域加算
る。したがって,⑴は正しい。
部分)および恩給は,信連・農協,信漁連・
⑵ 厚生年金保険の保険料は,標準報酬
−62−
漁協の全店舗が取扱える年金である。
為替・決済実務
記載された受取人貯金口座がない場合,
⑷ 定時払いの国庫金扱い年金の振込指定日
は,偶数月の 15 日で年 6 回振込まれるが,
または振込票に記載の指定事項が受取
15 日が休日の場合は翌営業日に繰下がる。
人貯金口座と一致しない場合は,原則
⑸ 被仕向店は,振込票に記載の指定事項が
として振込不能の取扱いをしなければ
ならない。したがって,⑸は正しい。
受取人貯金口座と一致しない場合は,原則
として振込不能の取扱いをしなければなら
給 与 振 込 の 取 扱 い
ない。
正解率 91%
正解 ⑷
問 44 給与振込の取扱いについて,誤って
いるものを 1 つ選びなさい。
解 説
⑴ 仕向金融機関は,受給者の口座相違防止
⑴ 年金振込の取扱形態は,国庫金扱い
として振込通知に受給者名のほか貯金種目,
の年金振込と民間資金扱いの年金振込
口座番号を必ず記入しなければならない。
に分けられるが,国庫金扱いの年金振
⑵ 初回の給与振込金によって新規口座の開
込の対象(国庫金年金)は,国民年金,
厚生年金,船員保険年金,労災年金の
設を行ってはならない。
⑶ テレ為替方式による振込通知の給与振込
4 つである。したがって,⑴正しい。
の発信日の範囲は,振込指定日の 5 営業日
⑵ 国庫金扱いの年金振込の取扱店舗は,
前から 2 営業日前までの 4 日間となってい
国庫金振込事務取扱店舗に限られてお
る。
り,農林中金の代理業務として信連・
⑷ 被仕向金融機関は,振込指定日の営業開
信漁連が事務取扱いの委託を受け,農
始時刻(国家公務員の給与振込については
協・漁協にその事務取扱いを再委託し
午前 10 時)から支払いができるように処
ている。したがって,⑵は正しい。
理しなければならない。
⑶ 農林年金の特例年金(統合前の職域
⑸ 入金不能が発生した場合,被仕向店の為
加算部分)および恩給は,信連・農協,
替担当役席者はすみやかに電話で仕向店の
信漁連・漁協の全店舗が取扱える年金
為替担当役席者に連絡するとともに,直ち
である。したがって,⑶は正しい。
に雑為替「付替[その他の資金付替(当日)]」
⑷ 国庫金扱い年金の定時払いは,偶数
月の 15 日で年 6 回振込まれるが,振
により資金を返送しなければならない。
正解率 51%
正解 ⑷
込指定日の 15 日が休日の場合は前営業
日に繰上がる。また,随時払いの振込
指定日は,奇数月の 15 日であり,15
解 説
日が休日の場合は前営業日に繰上がる。
⑴ 給与振込の取扱いは,系統給与振込
したがって,⑷は誤りであり,これが
取扱要綱および国家公務員給与振込事
本問の正解である。
務手続において,仕向金融機関は受給
⑸ 被仕向店は,送付を受けた振込票に
−63−
者の口座相違防止として,振込通知に
為替・決済実務
口座振替事務の取扱方法
受給者名のほか貯金種目,口座番号を
必ず記入しなければならない。したがっ
て,⑴は正しい。
問 45 口座振替事務の取扱方法について,
⑵ 給与振込を開始する場合,会社等は,
誤っているものを 1 つ選びなさい。
従業員から提出された給与振込依頼書
⑴ 系統の口座振替の仕組みで最も多い例は,
に記載されている指定口座が正確に記
信連・信漁連が収納機関と委託契約を結び,
入されているかどうかを確認するため,
農協・漁協との間で再委託契約を行って,
初回振込に先立って仕向金融機関を通
実務は個々の農協・漁協の本支所が行う方
じて被仕向金融機関へ指定口座の事前
式になっている。
確認を依頼する。この事前確認を行っ
⑵ 口座振替の取扱データが磁気テープ等の
ていることから,被仕向金融機関では
場合は,農協・信連間,漁協・信漁連間の
初回の給与振込金によって新規口座の
委託に基づき,センターカット方式により,
開設を行ってはならない。したがって,
信連・信漁連の電算センターにおいて農協・
⑵は正しい。
漁協の貯金者口座から個別に請求金額の引
⑶ テレ為替方式による振込通知の発信
落処理が行われる。
日の範囲は,振込指定日の 5 営業日前
⑶ 口座振替の貯金口座は,普通貯金・当座
から 2 営業日前までの 4 日間となって
貯金などの要求払貯金で貯金者の指定する
いる。したがって,⑶は正しい。
口座を利用する。
⑷ 被仕向金融機関における給与振込の
⑷ 磁気テープ等の口座振替の振替日は,貯
入金処理は,振込指定日の午前 10 時か
金者の希望する振替日を振替指定日とする。
ら支払いができるように処理しなけれ
⑸ 磁気テープによる口座振替は,通常,信
ばならない。ただし,国家公務員の給
連・信漁連センターで振替日の前営業日の
与振込については,営業開始時刻から
営業時間後いったん電算処理したのち,こ
支払いができるように処理しなければ
れによって引落不能となった分を当日の営
ならない。したがって,⑷は誤りであり,
業終了間際に再度引落しのための電算処理
これが本問の正解である。
を行っている。
⑸ 給与振込の該当口座がないなど,入
正解率 62%
正解 ⑷
金不能が発生した場には,為替担当役
席者はすみやかに電話で仕向店の為替
担当役席者に連絡するとともに,直ち
解 説
に雑為替「付替[その他の資金付替(当
⑴ 系統の口座振替の仕組みで最も多い
日)]」により資金を返送しなければな
例は,信連・信漁連が収納機関と口座
らない。したがって,⑸は正しい。
振替の委託契約を結び,農協・漁協と
の間で再委託契約を行って,実務は個々
の農協・漁協の本支所が行う方式になっ
ている。したがって,⑴は正しい。
−64−
為替・決済実務
⑵ 口座振替の取扱データが磁気テープ
があれば受入れることができる。
等の場合は,農協・信連間,漁協・信
⑷ 農協の窓口で受入れできる歳入金は,当
漁連間の委託に基づき,センターカッ
組合の管轄する都道府県内の官庁分のもの
ト方式により,貯金者口座から個別に
に限られている。
請求金額の引落処理が行われる。した
⑸ 返納金納入告知書,返納金納付書による
がって,⑵は正しい。
受入金は,国庫金であるので農協の窓口で
⑶ 口座振替の貯金口座は,原則として
各種の利用契約者と貯金者の名義は同
受入れることができる。
正解率 63%
正解 ⑴
一のものとし,普通貯金・当座貯金な
どの要求払貯金で貯金者の指定する口
座を利用する。したがって,⑶は正しい。
解 説
⑷ 磁気テープ等口座振替の振替日は,
⑴ 歳入金の受入れに当たっては,納付
収納機関との委託契約において,信連・
金額が「0」円の納付書は受入れること
信漁連と収納機関が特定の日を協議の
ができない。したがって,⑴は正しく,
うえ取決めており,貯金者の希望する
本問の正解である。
振替日とすることはできない。したがっ
⑵ 歳入金の受入れに当たっては,納付
て,⑷は誤りであり,これが本問の正
期限の確認は原則として不要であるが,
解である。
交通反則金についてのみ関係官庁の強
⑸ 磁気テープによる口座振替は,振替
い要請があるので,納付期限後のもの
日の前営業日の営業時間後いったん電
は受入れないよう注意する。したがっ
算処理したのち,これによって引落不
て,⑵は誤りである。
能となった分を当日の営業終了間際に
⑶ 納付金額の合計金額が訂正してある
再度引落しのための電算処理を行って
納付書は,納付人または納付書作成者
いる。したがって,⑸は正しい。
の訂正印があっても受入れることがで
きない。ただし,合計金額の訂正を認
歳入金の窓口受入上の留意点
めていないだけであり,内訳金額が訂
正されているものは受入れてもよい。
したがって,⑶は誤りである。
問 46 歳入金の窓口受入上の留意点につい
⑷ 農協の窓口で受入れできる歳入金は,
て,正しいものを 1 つ選びなさい。
全国どこの官庁分でも受入れることが
⑴ 納付金額が「0」円の納付書は受入れるこ
できる。したがって,⑷は誤りである。
とができない。
⑵ 交通反則金は納付期限後でも取扱うよう
⑸ 国庫金であっても,返納金納入告知
関係官庁の強い要請があるので,納付期限
書,返納金納付書,返納告知書,納入
後でも受入れることができる。
通知書は,農協の窓口で受入れること
⑶ 納付金額の合計金額が訂正してある納付
書は,納付人または納付書作成者の訂正印
−65−
ができない。したがって,⑸は誤りで
ある。
為替・決済実務
マルチペイメントネットワークシステム
⑵ 口座振替データ伝送サービスは,収
納機関と金融機関の口座振替データの
問 47 マルチペイメントネットワークシス
授受を MT 等の媒体ではなく,データ
テム(MPN)について,誤っているものを 1
伝送で行うサービスである。したがっ
つ選びなさい。
て,⑵は正しい
⑴ MPN に よ り, 利 用 者 は 窓 口 の ほ か,
⑶ 利用者が公共料金や税金等をパソコ
ATM・電話・パソコン等を利用して,いつ
ン,携帯電話,ATM などから支払う
でも,どこでも,料金・税金等の支払いが
ことができるものは,ペイジーマーク
(Pay-easy)のついたものに限られる。
できる。
したがって,⑶は正しい。
⑵ 口座振替データ伝送サービスは,収納機
関と金融機関の口座振替データの授受を
⑷ MPN の導入により,金融機関は収納
MT 等の媒体ではなく,データ伝送で行う
機関や信連へ回付する収納済通知書の
サービスである。
仕分け,発送などの事務処理負担が軽
減されるメリットがある。したがって,
⑶ 利用者が公共料金や税金等をパソコン,
⑷は正しい。
携帯電話,ATM などから支払うことができ
るものは,ペイジーマーク(Pay-easy)の
⑸ 収納サービスは,公共料金・税金等
の支払いが窓口の営業時間外であって
ついたものに限られる。
も,ネットバンク(パソコン・モバイル)
⑷ MPN の導入により,金融機関は収納機関
や信連への収納済通知書の仕分け,発送な
を利用することで,自宅やオフィス等
どの事務処理負担が軽減されるメリットが
から支払いが可能である。したがって,
ある。
⑸は誤りであり,これが本問の正解で
ある。
⑸ 収納サービスは,公共料金・税金等の支
払いが窓口の営業時間内であれば,ネット
盗難カードによる被害補てん
バンク(パソコン・モバイル)を利用する
ことで,自宅やオフィス等から支払いが可
問 48 ネットサービスにおける盗難カード
能である。
による被害補てんについて,金融機関が善意
正解率 48%
正解 ⑸
無過失の場合,誤っているものを 1 つ選びな
さい。
解 説
⑴ 補てんの対象となる金額は,原則として
⑴ MPN により,利用者は料金・税金
金融機関に対して,カードの盗難等の通知
等の支払いが金融機関の窓口のほか,
を行った日の 30 日前の日以降に行われた
ATM・電話(モバイル)・パソコン等
払戻しの額に限定されている。
の各種チャネルを利用して,いつでも,
⑵ キャッシュカードなどを入れた財布を自
どこでも,できる。したがって,⑴は
動車などの他人の目につきやすい場所に放
正しい。
置していたため被害に遭った場合,被害額
−66−
為替・決済実務
たがって,⑶は正しい。
の 4 分の 3 が補てんされる。
⑶ 貯金の払戻しが貯金者の配偶者,二親等
⑷ 本人が暗証をキャッシュカード上に
内の親族によって行われた場合,被害額は
書き記していた場合は,貯金者の重大
いっさい補てんされない。
な過失として被害額はいっさい補てん
されない。したがって,⑷は正しい。
⑷ 本人が暗証をキャッシュカード上に書き
記していた場合,被害額はいっさい補てん
⑸ 金融機関が善意無過失であったこと
および貯金者に過失があったことを証
されない。
⑸ 金融機関が善意無過失であったことおよ
明した場合は,被害額の 4 分の 3 が補
び貯金者に過失があったことを証明した場
てんされる。したがって,⑸は誤りで
合には,被害額はいっさい補てんされない。
あり,これが本問の正解である。
正解率 11%
正解 ⑸
JA カードの一般カードの商品性
解 説
問 49 JA カードの「一般カード」の商品性
偽造カードや盗難カード等を使って
について,誤っているものを 1 つ選びなさい。
自動化機器により支払われた場合につ
⑴ ショッピングを分割払いにしたときは利
いては,平成 18 年 2 月に施行された
息はかからないが,リボルビング払いにし
「偽造カード等及び盗難カード等を用い
た場合には所定の利率による利息がかかる。
て行われる不正な機械式預貯金払戻し
⑵ 電気料金や携帯電話料金をクレジット
等からの預貯金者の保護等に関する法
カード払いにした場合は,次年度以降の年
律」
(預貯金者保護法)の適用を受ける。
会費が無料になる。
⑴ 被害補てんの対象となる金額は,原
⑶ 初年度の年会費は無料である。
則として金融機関に対して,カードの
⑷ ショッピングによるカード利用代金の支
盗難等の通知を行った日の 30 日前の日
払いは,毎月 5 日締切の当月 27 日に口座
以降に行われた払戻しの額に限定され
振替により決済される。
ている。したがって,⑴は正しい。
⑸ 海外旅行傷害保険(死亡・後遺障害)が
⑵ キャッシュカードなどを入れた財布
を自動車などの他人の目につきやすい
2,000 万円付保されている。
正解率 55%
正解 ⑴
場所に放置していたため被害に遭った
場合は,貯金者の過失が考慮され,金
融機関の補てん責任は,その分減額さ
解 説
れ,被害額の 4 分の 3 とされる。したがっ
⑴ ショッピングを 3 回から 24 回までの
分割払いにしたときは,利用金額と分
て,⑵は正しい。
⑶ 貯金の払戻しが貯金者の配偶者,二
割払手数料の合計金額を指定の回数に
親等内の親族によって行われた場合は,
分割して支払う方法である。また,リ
被害額はいっさい補てんされない。し
ボルビング払いにしたときは,毎月一
−67−
為替・決済実務
定額(元金+手数料)を支払う方法で
正解率 37%
正解 ⑸
ある。いずれも利息ではなく手数料で
あるが,実質年率○○%と表示されて
いる。なお,キャッシングは融資の利
解 説
息である。したがって,⑴は誤りであり,
⑴ デビットカードは,手持ちのキャッ
シュカードに買物などの代金を支払う
これが本問の正解である。
⑵⑶ 初年度の年会費は無料であるが,
機能を付けたものであり,デビットカー
次 年 度 以 降 の 年 会 費 無 料 化 条 件 は,
ドとしての利用限度額は,普通貯金の
カードによるショッピング利用代金が
残高以内の利用である。ただし,貯金
年間 12 万円以上,クレジットカードに
残高を超えて総合口座の当座貸越を利
よる電気料金または携帯電話料金の
用する場合には,当座貸越限度額まで
支払い,この 3 つのいずれかを満たす
の利用である。したがって,⑴は正しい。
ことである。したがって,⑵,⑶は正
⑵ デビットカードとして利用するため
の年会費や買物などの利用手数料は,
しい。
いっさいかからない。したがって,⑵
⑷ ショッピングによるカード利用代金
は正しい。
の支払いは,毎月 5 日締切の当月 27 日
に口座振替により決済される。したがっ
⑶ デビットカードには,分割払いで支
払うという取扱いはなく,買物代金全
て,⑷は正しい。
額が即座に引落される。したがって,
⑸ 一般カードには,海外旅行傷害保険
⑶は正しい。
(死亡・後遺障害)が 2,000 万円付保さ
⑷ デビットカードの利用時間は,取扱
れている。したがって,⑸は正しい。
金融機関の稼働時間内である。したがっ
デビットカードの取扱い
て,⑷は正しい。
⑸ 利用代金の決済は,加盟店で買物等
問 50 デビットカードの取扱いについて,
をしたとき,レジに置いてある専用端
誤っているものを 1 つ選びなさい。
末機にカードを挿入し,買物代金の金
⑴ 利用限度額は,普通貯金の残高以内(総
額を確認して暗証番号を入力すると,
合取引に基づく当座貸越による引落しを含
貯金口座から即座に引落される。した
む)の利用である。
がって,⑸は誤りであり,これが本問
⑵ 年会費や利用手数料は,いっさいかから
ない。
⑶ 分割払いの取扱いはできない。
⑷ 利用時間は取扱金融機関の稼働時間内で
ある。
⑸ 利用代金の決済は,翌営業日の営業開始
前に行われる。
−68−
の正解である。
為替・決済実務
−69−
為替・決済実務
正解番号
問題番号
正解番号
問題番号
正解番号
問題番号
正解番号
3
1
5
3
2
5
5
2
4
4
2
1
4
1
2
3
4
4
5
3
1
4
2
4
5
3
3
1
5
1
2
2
1
3
1
4
正解番号
1
1
2
5
3
3
4
5
5
3
6
2
7
4
8
4
9
2
問題番号
問題番号
5
1
3
2
5
−70−
50
40
30
20
10
49
39
29
19
48
38
28
18
47
37
27
17
46
36
26
16
45
35
25
15
44
34
24
14
43
33
23
13
42
32
22
12
41
31
21
11