「分かる」 「伝わる」 効果的な学習・研修教材の作り方 自己実現」と考え,個々のキャリア発 「自ら学ぶ」主体性のある 新人看護職員育成のための 教材の工夫 三重県厚生農業協同組合連合会 鈴鹿中央総合病院 看護師長/教育委員 東川友紀 1994年山田赤十字(現・伊勢赤十字病院)看護専門学校卒業。 同年,山田赤十字病院脳神経外科神経内科病棟入職。1997年三 重県厚生連鈴鹿中央総合病院循環器内科病棟入職。2003年 ICU病棟配属,呼吸療法認定士取得。2006年看護師主任。以降,看護教育委員会担 当。2007年循環器病棟勤務。2014年消化器内科小児科病棟配属,看護師長へ。 いつも患者様を自分の家族と同様,大切な存在として接することを心掛けています。病 に冒されている身体的所見だけでなく,感情の変化や時間の経過と共に変化する季節 など,その方を取り巻く環境すべてに配慮をし,毎日笑顔で患者様に声を掛けています。 それが,快適な療養環境の一部となるよう願っています。 達を組織の育成システムに位置付け, 個人と組織が調和する構造を取ってい る(図1,P.78) 。また,看護職者の 責務・組織の理念を含めた「個人の目 的・目標(なりたい看護師像) 」を達 成するために,院内外の研修を利用 し,キャリア開発を進めている。 看護職個々のキャリアを開発するた めの骨幹として,SGH(Suzuka General Hospital)継続教育システムがある。 これは,個人のライフスタイルやキャ リア発達に応じた教育を受けられ,個 人の意思を「エントリー」という形で 当院の概要 表明してもらうことにより,教育ニーズを満 たすことができるよう配慮したものである 当院は,人口20万人を診療圏とした鈴鹿市 (図2,P.78) 。このシステムでは,次年度に の急性期医療を担う地域基幹病院である。災 向けて自身の学習計画を立案し「エントリー 害拠点病院,地域医療支援病院,三重県地域が する」 ,または,ライフイベントのために「エ ん診療連携拠点病院など,各種指定を受け, 「良 ントリーしない」という選択ができる。つま 質で高度な医療を提供することにより,地域の り,個々のニーズに合った研修を自ら選択す 皆様に信頼され,選ばれる病院でありたい」 ることで, 「能力」と「やる気」が伸びるこ という理念の下,医療活動を展開している。 とを期待している。 外来診療:24科目 病床:460床(一般病床) 「看護師像」を漠然としか描くことのできな 看護職員数:約520人(非常勤を含む) い経験の浅い看護職員には,当院の看護職員と 入院基本料:7対1 して修得すべき研修プログラム(Basic)を準 急性期看護補助体制加算:25対1 備し,全員が受講するよう指導している(資料 新卒入職者:26人(2014年度) 1, 2〈P.79,80〉 ) 。その後は,自身のライフ 離職率:0%(2015年2月時点) スタイルを考慮しながら,キャリアデザインを 看護方式:PNS(パートナーシップ・ナーシ 描いていくことができるように支援している。 ング・システム) ®方式(2014年4月より このような考えの下で,効果的な教育によ 全病棟導入) り人材を育成するためには,教材の工夫を欠 看護部理念:病院の理念に基づき,創造性豊 くことはできない。次に,当院の新人看護職 かな人間性と専門性を駆使した看護を提供 員研修を例に取り,教育効果が上がる教材の します 工夫について述べる。 当院の院内研修の概略と特徴 当院看護部は,教育方針を「専門職業人と 効果が上がる研修を行うために 必要な教材作成の工夫 して個々に即したキャリア開発支援」と掲げ ●新人看護職員研修の概要 ており,キャリアを「看護専門職者としての 当院では,厚生労働省の『新人看護職員研 看護人材育成 Vol.12 No.1 77 図1:看護部キャリア開発モデル 所属部署の 目的・目標 修ガイドライン』に示され ている,幅広い看護実践能 力を新人看護職員が獲得で 時代背景や育った環境か ら, 新 人 看 護 職 員 は「 マ 看護部理念・方針・目標 積極的に取り組まず,自ら 病院理念 込むがそうでないことには 三重県厚生連理念 に対してはとことんのめり 教育評価委員会 傾向にある 1)。そのため, 教育委員会では,新人看護職員が主体的に学 教育委員会 看護職者の社会的責務 他の人々を指導し助言 を与え,継続的発展と 質の高いケアのための環 境と条件を創出する※2 看護部 看護管理者の責務 看護の質を維持・向上 させるために,看護職 者の継続教育を支援す る※1 図2:SGH継続教育システムモデル Pre-Basic Basic1 成長が感じられるよう,研修の企画・運営に 新人 取り組んでいる。 Basic2 署でローテーションし,基本的な看護技術の Standard2 主任補佐 修得を目指している。また,ローテーション 役割や地域との連携,他職種との協働により 看護業務が成り立つことなどを肌で感じること Standard 総合 Generalist G-A1 S-A1 専門 Specialist G-A2 S-A2 Advance G-A3 S-A3 G-A4 S-A4 ができ,組織の一員としての自覚が芽生える。 78 新人看護職員支援体制としては,部署での 原則とした。そして,4月後半より夜勤業務 研修の企画・運営を行う教育担当者,臨床実 (シャドーイングから段階的に行う)を経験し, 践に関する指導・評価などを行う実地指導者 ローテーション研修を終え,部署配属となる。 (サポーター)と,新人看護師の支援的役割 インターネットや携帯電話が当たり前の環 を果たす実地指導者(メンター)が配置され 境で育ってきた新人看護職員は,ごく限られ ている。また,2014年4月からPNS(パー た範囲でしか人間関係を築けないと言われて トナーシップ・ナーシング・システム) ®を全 いる。入職して間もない不安の強い時期に, 病棟で導入したことから,前期研修は実地指 いつも同じ先輩とかかわることは,新人看護 導者(サポーター)と一緒に勤務することを 職員にとって人間関係を築きやすく,安心し 看護人材育成 Vol.12 No.1 エントリー方式 プリセプター チームリーダー の研修も行っている。座学と異なり,当院の SHG Expert コース Standard1 ちの4カ月ずつを内科系・外科系病棟の2部 ビリテーション科・栄養科・中央検査科)で Basic 日替わりリーダー 新人看護職員研修期間を1年とし,そのう 室)や外来,他部門(薬剤部・資材課・リハ 院外講座 日本看護協会 三重県看護協会 厚生連本部 各種学会,委員会 看護専門学校,高等学校 など 院外委員 三重県看護協会 厚生連本部 各種学会,行政関連など ※1 日本看護協会:継続教育の基準ver.2,2012. ※2 日本看護協会:ICN所信声明「看護およびヘルスケア・サービスの管理」 , 2010. 平井さよ子: 「21世紀の病院看護部のCDPモデル」を参考に作成 び,考える力が備わるよう,さらに,自己の の合間に,特殊部門(救急外来・ICU・手術 院外研修 日本看護協会 三重県看護協会 厚生連本部 厚生連看護教育委員会 三重県 その他 大学,大学院など 院内研修 SGH継続教育システム 所属部署 委員会・チーム・サーク ル その他 主任会議 師長会議 学ぶというよりは,与えら れたことや範囲に終始する レベル エントリー 教育目的・ 方針・目標 修を行っている。 フィード バック 使用したローテーション研 れ,興味や関心があること レベル評価 カリキュラム評価 自分の目的・目標 (自分がなりたい看護師像) きるように,複数の領域を ニュアル世代」 と も 言 わ 看護職者の責務 専門職として,自らの責任において,生涯にわ たって自己の能力開発・維持・向上に努める※1 資料1:看護職員として必要な 基本姿勢と態度 厚生労働省:新人看護職員研修ガイドライン【改訂版】 ,P.12,2014.を用い,筆者作成 評価方法 Ⅳ:知識として分かる Ⅲ:演習でできる Ⅱ:指導の下でできる Ⅰ:できる 看護職員としての 自覚と責任ある行動 到達の評価 目安 到達の月 目安 Ⅰ 3月 評価時期 7月 11月 3月 自己 担当 自己 担当 自己 担当 Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ①笑顔であいさつし,自己紹介ができる Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ②患者・家族の質問や意見を聴き入れ,速やかに対応することができる Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ③コミュニケーションスキルを用いて患者・家族と良好な関係を築くこと ができる Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ④速やかにナ−スコ−ルの対応ができる Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ①患者・家族から受けた質問に誠意を持って対応できる Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ②必要時,支援を受けながら患者・家族に説明できる Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ①家族もケアの対象であることが分かる Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ②家族にも笑顔であいさつや説明ができる Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ③家族と共に患者ケアや患者の意思決定を尊重することができる Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ ①守秘義務を厳守し,患者のプライバシーに配慮ができる Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ②個人情報の保護に努めることができる Ⅳ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ①患者・家族を尊重した看護サ−ビスの提供の必要性が分かる Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ②クレ−ムや意見について自ら対応できない時は,速やかに報告できる (報告すべき人が分かる) Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ ①病院の理念が分かる Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ②看護部の理念が分かる Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ①報告・連絡・相談ができる Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ ②病棟看護師の一員としての自覚を持って行動できる Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ ③他職種との連携の必要性が理解できる Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ ①笑顔で対応できる Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ②コミュニケーションスキルを用いて同僚や,ほかの医療従事者と良好な 関係を築くことができる Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ①5W1Hに沿ってメモをとり,復唱して内容を確認することができる Ⅲ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ②電話対応の内容を正確に伝達することができる Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ ①日々の行動を振り返り整理することができる Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ②他者の助言から課題を見いだすことができる Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ ①得た情報や知識・技術をどのように実践に生かすか具体的に述べ,支援 を受けながら実施できる Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ ②「未来の私」の発表を通じて,自己の看護観を表現することができる Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅰ Ⅰ 医療倫理・看護倫理に基づき,人間の生命・尊厳を尊重し患者の人権を擁 護する ①医療倫理・看護理論に基づき,患者の立場に立った看護の重要性が理解 できる 看護行為によって患者の生命を脅かす危険性もあることを認識し行動する Ⅰ 7月 ①自らが行う看護行為によって患者の生命を脅かす危険性があることを理 解し行動できる 職業人としての自覚を持ち,倫理に基づいて行動する Ⅰ 3月 Ⅰ 3月 Ⅰ 7月 ①職業人としての自覚を持ち,自らの行動に責任が持てる 患者のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する ①患者に関心を持ち,多角的に患者のニーズを把握することができる 患者を一個人として尊重し,受容的・共感的態度で接する 患者の理解と患者・家族との良好な人間関係の確立 患者・家族が納得できる説明を行い,同意を得る 家族の意向を把握し,家族にしか担えない役割を判断し支援する 守秘義務を厳守し,プライバシーに配慮する 看護は患者中心のサービスであることを認識し,患者・家族に接する 病院及び看護部の理念を理解し行動する 組織における役割・心構えの理解と適切な行動 病院及び看護部の組織と機能について理解する Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ 3月 3月 11月 3月 3月 Ⅱ 3月 Ⅱ 3月 ①当院の機能・役割について分かる チーム医療の構成員として役割を理解し協働する 同僚や他の医療従事者と適切なコミュニケーションをとる 身だしなみを整え,医療人として行動できる Ⅰ 11月 Ⅰ 7月 Ⅰ 7月 ①清潔で爽やかな印象を持たれるように身だしなみを整えることができる 電話の応対(伝達)ができる 自己評価及び他者評価を踏まえた自己の学習課題をみつける Ⅰ 3月 生涯にわたる主体的な 自己学習の継続 ③学習に意欲的に取り組むことができる 課題の解決に向けて必要な情報を収集し解決に向けて行動する Ⅱ 3月 Ⅱ 3月 ①主体的に研修会・勉強会に参加できる 学習の成果を自らの看護実践に活用する 看護人材育成 Vol.12 No.1 79 資料2:管理的側面における到達目標 厚生労働省:新人看護職員研修ガイドライン【改訂版】 ,P.15,2014.を用い,筆者作成 評価方法 Ⅳ:知識として分かる Ⅲ:演習でできる Ⅱ:指導の下でできる Ⅰ:できる 安全管理 情報管理 業務管理 薬剤等の管理 災害・防災管理 物品管理 コスト管理 80 施設における医療安全管理体制について理解する ①医療事故防止マニュアルの設置場所及び活用方法が分かる ②患者確認の必要性を理解し,マニュアルに基づいた行動がとれる ③ポケットマニュアルを携帯し,活用できる ④医療機器の取り扱いが安全マニュアルに準じて行える インシデント(ヒヤリ・ハット)事例や事故事例の報告を速やかに行う ①事故発生時の報告体制が分かる ②インシデント・アクシデントレポートの記入方法が分かる ③医療安全の視点からリスクを回避する行動がとれる 施設内の医療情報に関する規定を理解する ①個人情報保護に応じた行動がとれる ②コンプライアンスに沿った行動がとれる 患者等に対し適切な情報提供を行う ①患者や家族の状況を理解し,提供すべき情報は何かを判断できる ②看護行為を行う前に,必ず患者や家族に説明ができる ③患者や家族から受けた質問に誠意を持って対応できる プライバシーを保護して医療情報や記録物を取り扱う ①個人情報とは何かを説明できる ②個人情報を保護するための行為ができる(記録等の扱い,院外で患者の話 をしない,電話での問い合わせへの対応等) 看護記録の目的を理解し,看護記録を正確に作成する ①電子カルテの使用後はログアウトを行う ②ベッドサイドでの患者情報の取り扱い時(電子カルテ・ワークシート等) に注意が払える 業務の基準・手順に沿って実施する ①看護基準マニュアルや看護手順マニュアルに沿って,看護行為が正確かつ 安全に実施できる 複数の患者の看護ケアの優先度を考えて行動する ①2人以上の患者のケアを行う場合,優先順位を考え正確かつ安全に実施す ることができる ②支援を受けながら夜勤業務を行うことができる 業務上の報告・連絡・相談を適切に行う ①分からないことは分からないと言うことができる ②事実を正確に伝えることができる ③報告・連絡・相談をタイムリーに行える 決められた業務を時間内に実施できるように調整する ①支援を受けながら時間を使うことができる 薬剤を適切に請求・受領・保管する(含,毒薬・劇薬・麻薬) ①劇薬・毒薬・麻薬の取り扱いマニュアルの設置場所及び活用方法が分かる ②マニュアルに基づき薬剤を取り扱うことができる 血液製剤を適切に請求・受領・保管する ①輸血マニュアルの設置場所及び活用方法が分かる ②マニュアルに基づき血液製剤の受領保管が正しくできる 定期的な防災訓練に参加し,災害発生時(地震・火災・水害・停電等)には 決められた初期行動を円滑に実施する ①院内の災害対策マニュアルのある場所と活用方法が分かる ②防災訓練に参加し,消火器・消火栓の使用方法が分かる ③部署の避難経路や災害時に自分が取るべき行動を述べることができる 施設内の消火設備の定位置と避難ルートを把握し患者に説明する ①部署の消火設備の定位置が分かる ②部署の避難経路を把握し,患者が入院した際に説明できる 規定に沿って適切に医療機器・器具を取り扱う ①機器・器具をマニュアルに沿って適切に取り扱うことができる ②使用した機器・器具をその都度,片づけられる ③破損・紛失・故障時は速やかに報告でき,修理や点検などの所定の手続き 方法が分かる 看護用品・衛生材料の整備・点検を行う ①配置してあるものの使用後は,速やかに物品を補充できる ②不足時請求できる ③物品のバーコードの取り扱い方法が分かる 患者の負担を考慮し,物品を適切に使用する ①物品を無駄に使わないよう注意する ②使用した薬剤や衛生材料,行った検査などのコストがとれる 費用対効果を考慮して衛生材料の物品を適切に選択する ①必要な物品を過不足なく準備することができる 看護人材育成 Vol.12 No.1 到達の評価 目安 到達の月 目安 Ⅰ 3月 Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ 7月 3月 Ⅱ Ⅱ Ⅱ 担当 自己 担当 Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅲ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅳ Ⅱ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅱ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ 3月 3月 7月 3月 Ⅱ 3月 自己 3月 Ⅱ Ⅰ 11月 担当 3月 3月 Ⅰ 7月 自己 11月 Ⅱ Ⅱ 評価時期 3月 11月 7月 3月 3月 3月 3月 て研修を進めることができる。実地指導者を 人材・資料・道具などから教材の選定を行っ 含むペアナースにプラス1人でシャドーイン ている。 グ研修から始めた夜勤研修も,同様に高評価 特に新人看護職員研修では,人材を教材と を得ている。指導者が同一であることは,成 して効果的に活用できる環境を整えていく必 長過程に応じた指導を提供しやすい。現在, 要がある。人材とは,教育担当者,実地指導 新人看護職員は,支援を受けながら,一人も 者(サポーター・メンター)をはじめとする 脱落することなく交代勤務を行っている。 部署のスタッフ全員,および患者とその家族, そのほかに,研修の振り返りおよびメンタ そして同期の新人看護職員である。 ルフォローを中心とした集合研修を定期的に つまり,人材という教材を有効活用するた 行っている。研修時期は,夜勤導入による心 めには,新人教育を推進していく教育担当者 身共に変化を来しやすい入職1カ月目と,ロー や,指導的役割の中心となる実地指導者(サ テーションや配属時期などの節目を目安とし ポーター・メンター)の選出並びに育成,全 た。また,初の試みとして,野外でのリフ スタッフを巻き込んだ教育体制の整備,また, レッシュ研修を導入した。 新人看護職員が友好的な人間関係の中でさま 例年,新人看護職員の離職徴候を察知でき ざまな学びを得られるよう,患者・家族への ないことが教育委員会の課題でもあった。そ 介入が必要である。特に,新人看護職員に関 こで,職場での緊張度や食欲・睡眠・健康に しては,彼ら自身が教材であり,かつ学習者 関する自覚など,職場適応アンケートを研修 であるという特殊性から,共に学び,成長し ごとに実施した。個人情報であるため取り扱 ていけるような関係性を築けるよう支援する いには十分に配慮し,集計結果のみを教育委 ことで,より学習効果の高まりが期待される。 員会で共有し,個人的に配慮を要するケース ②学習者のニードと教材選定 については配属部署の教育担当主任に伝え, 集合研修における教材には道具・人材・資 サポートを依頼している。また,職員全員を 料が考えられるが,当院では教材である資料 対象にメンタルヘルスケアに取り組んでいる の工夫を行っている。例年,新人看護職員の 中,特に新人看護職員には年間を通し,定期 集合研修に対するアンケートでは,現場で求 的に就業時間内に面談を実施している。 められる実践機会の多い事項に対する研修時 ●新人看護職員研修の教材 期の検討や,実践に即した内容が多く含まれ ①教材とは ていることという,学習者のニードを把握し 教材とは,主に図書をはじめとする資料や ている。そこで,その結果を反映し,院内で 道具が該当するが,物品にとどまらず,人材 実際に使用している文書や電子カルテ画面を や自然環境,地域社会なども,学習に用いれ 資料として使用している。 ば,それは教材としてとらえられる。教材は, 教育の目標を達成するためには,教材の選 教育の具体的目標,学習者の発達段階や興味 定が重要である。しかし,教育提供側の提案 など,教育内容に応じて選択,編成していか だけでなく,学習者のニードを把握した上で なければならない。 の教材の工夫・選定も,興味を引く研修企画 当院の新人看護職員研修は,聴講・演習を には欠かせない視点である。 含む集合研修,OJT(On the Job Training) , ③個人用研修ファイル Off-JT(Off the Job Training)で構成される。 毎年,新人看護職員研修の概要説明の際に, 前述したように,ローテーション研修を中心 個人に研修ファイルを配布している。この個 に据え,多くの学びを得ることができるよう, 人用研修ファイルは,これから始まるロー ➡続きは本誌をご覧ください 看護人材育成 Vol.12 No.1 81
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