15基礎地惑_第3回(4月28日) のコピー

15/04/28
海洋プレートが今でも定常的に生産・消費される
プレートテクトニクスがあるからこそ、陸と海がはっきり異なる
重力とジオイド
P62
「地球惑星科学入門 図1.3」
P68
重力ベクトルはジオイドに直交
その場所の地下の密度異常で、ジオイド
高が変わる
海洋と大陸では構造も化学組成
(鉱物組成)も、年代も大きく異なる
ジオイド高(平均からのずれ)の測定法
人工衛星から真下
にレーダーを放射し、
海面からの反射した
往復時間を測定(正
確な軌道決定が不
可欠)
P59
ジオイド高
Radar Altimetryによる海水面高度
の測定:往復時間より測定
(EGM96)
平均海面高度=Geoid の分布
ジオイド高さは(後で示す)アイソスタシーからのずれをほぼ表す
→ 地球内部の動的な動きを示す
e.g. カナダの古い大陸塊の負: 昔の氷河の重みによる凹み インド南の大きな負:冷たく重い物質が沈んでいく
新しい沈み込み帯がいずれ誕生する場所
約100m
最大の凸凹
「地球惑星科学入門 図1.4」
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日本列島付近の
ジオイド高さの
分布をよく見ると、
内部構造や生成の
歴史が推定できる
・海溝による凹み
・海溝の外の高まり
・縁海(日本海など)
の構造
・琉球の背弧の
高まり
・天皇海山の重みに
よる太平洋プレ
ートの湾曲
重力 万有引力は常に地球中心を
向くが、重力は必ずしもそうで
ないことに注意:
その場の重力の向きが「鉛直」
万有引力の大きさ
重力 万有引力ベクトルと
遠心力ベクトルの和
f1 = G
Mm
R2
G = 6.67x10-11 m3/kg/s2
万有引力定数
M:地球の質量
(m:物質の質量)
R: 地球中心からの距離
遠心力の大きさ
f 2 = mrω 2
r:自転軸からの距離
ω: 自転の角速度
「地球惑星科学入門 図1.2」
重力 P58
測定される重力の大きさは
mg ⇒ mは求まらない!
kx = mg で、質量 mとばね定数
k が分かれば、質量の位置 x は
重力の大きさ gに比例
P58
自転による遠心力によって赤
道での重力は極よりも0.05
m/s2 (0.5%)小さくなる
重力とジオイド
落下距離 l = 1/2 gt2 より、
距離 l だけ落ちる時間tが正
確に測定できれば、重力の
大きさ gが求まる
アイソスタシー
(新地学図表ではP63)
エアリー・ハイスカネン モデル
「地球惑星科学入門 図
1.3」
重力ベクトルはジオイドに直交
密度が大きな物質があれば、ジオイド高さは
上がる(動的な動きはないとする)
プラット・ヘイフォード モデル
地球では山脈などの高い所の重力は、その山の重さの重力分だけ大
きくなっていない。 → 山脈の下には密度の小さい物質があり、あたかも水の浮力で浮か
ぶ氷山のようである。
「地球惑星科学入門 図1.6」
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日本列島付近の重力異常の分布 P59
フリーエア異常
重力補正 P58
高度 h 上がると、地球の さらに地形の影響を正確に
中心から離れるので
加える場合もある
重力は減少
重力減少量
δg (m/s2) = 3.1 x 10-6 h (m) 地形が高度hの地点で測定
すると、その下には岩石が
ジオイド面より上にあるので、
その岩石部分の質量による 重力分が増加。
重力増加量
δg (m/s2) = 4.2 x 10-10 ρ h
ρは岩石密度で普通は
約 2700 kg/m3 だから
δg (m/s2) ~ 1.13 x 10−6 h(m)
とフリーエア補正と符号が
逆で大きさが約1/3
北海道周辺のブーゲー異常 (mgal)
日高山脈の東西両側の負の異常
→ 東西から地殻が衝突して、密度の小さい
地殻が余分に下に凸に出ている
「地球惑星科学入門 図
1.7」
超伝導重力計:液体ヘリウム(絶対零度付近の低温)
を用いるので極めて高価!
ブーゲー異常
日本海溝の
凹みによる岩
石質量の欠
損による負の
異常
本州中央
部の山脈で
は地殻(密
度が下のマ
ントルより
小さい)が
厚いので、
負の異常
中国 • 四国地方東部から近畿地方のブーゲー異常
赤が正で、青が負の異常。赤い高まりは何に対応
しているか?青い場所はどんな地域か?
落下測定の原理を用いた
移動型の絶対重力計
真空中の筒の
中で上からガラ
ス玉を落とし、
上下2カ所の通
過時刻をレー
ザー光で測定
絶対零度(-273度)付近で「電気抵抗がゼロになる」
超電導現象を利用し、金属玉を小さな磁場の中に浮かせ、
その位置のずれ(重力が大きいとわずかに沈む)による磁
場の変化を測定する。
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重力場:ひとつの衛星軌道ー>最新の双子衛星
2つの衛星の距離変化をレーザー光で正確に常時測定
地磁気 (配布した「まとめ」2ページ目)
GRACE以前の衛星から測定された重力場(左)と
GRACEの結果(右)の比較:フリーエア重力に対応
mGal = 0.001ガル
1 Gal = 1 cm/s2
地球表面の平均は?
地磁気
磁石のN極はどこでも北を向く(?)
赤道付近:水平で弱い
(極から離れている)
緯度が高くなるにつれ、強度 が大きくなり、一方の極が
下へ向く → 伏角
磁極:垂直(北極でNが真下、
伏角は90度)
16世紀、英国の医師 William
Gilbertの発見:
磁石の実験や当時から可能と なった全地球的観測から、
「地球全体がS極が北の磁石
(N極が南の一対の双極子)」
「地球惑星科学入門 図1.9」
「地球惑星科学入門 図1.8」
双極子磁場の下では、磁場の強度
や向きが緯度によって異なる
磁極と北南極点が10度ほ
ど違うので、磁石は北から
ずれる → 偏角
P60
偏角
世界の地磁気
偏角
伏角
伏角
全磁力
実際には完全な双
極子磁場でないの
で、磁場の空間分
布は複雑
P60
完全な双極子磁場の場合はどうなるか、考えよ。
「地球惑星科学入門 図1.10」
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地球全体の地磁気を差し引いた、局所的な地磁気場の
分布(主に、その場の「地殻での磁化の強度」を示す)
日本の地磁気
P60
札幌付近では、N極は真北から西に
9度ずれる
地磁気の偏角の永年変化:
1900年から2000年まで
日変化や磁気嵐:太陽風など外部からの磁場の擾乱による
永年変化:地球内部起源の地磁気が変動
GIlbertの時代から世界各地で観測(磁石の向きなので簡単)
P61
地磁気は長期的な変化が大きい ⇔ 地震波速度や重力などはほぼ不変
地球内部は高温で、通常の磁石による定常磁場は不可能
大規模数値シミュレーションによるダイナモ作用による地磁気発生機構の再現
自転する核(液体の外核)の流体について
(1)流体運動方程式
(2)電磁場の方程式(Maxwell方程式) 流体でかつ鉄・ニッケル
の外核の自転に伴う
複雑な運動パターン
ダイナモ理論
P64
外核の流体運動(黄色が速度大の部分)
核から発生する磁場(磁力線)、青がS
Glatzmeier and Roberts (1995)
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