麻酔科専攻医 研修 研修目標 目標:安全かつ安心な周術期医療の提供といった国民のニーズに応えること のできる、麻酔科およびその関連分野の診療を実践する専門医を育成します。 具体的には下記の4つの資質を修得します。 1)十分な麻酔科領域、および麻酔科関連領域の専門知識と技量 2)刻々と変わる臨床現場における、適切な臨床的判断能力、問題解決能力 3)医の倫理に配慮し、診療を行う上での適切な態度、習慣 4)常に進歩する医療・医学を則して、生涯を通じて研鑽を継続する向上心 研修内容 麻酔科専門医資格を取得するには、平成27年度より始まった新しい麻酔科専門 医研修プログラムのいずれかに必ず所属しなければなりません。当院麻酔科は、 大阪市立大学医学部附属病院および大阪大学医学部附属病院が責任基幹施設で ある麻酔科専門医研修プログラム、両方に参加していますので希望するプログ ラムどちらかを選択して下さい。 大阪市立大学医学部附属病院の下には、 基幹研修施設として 大阪労災病院 JCHO大阪病院 関西電力病院 住友病院 JCHO星ケ丘医療センター 八尾徳洲会総合病院 岸和田徳洲会病院 大阪回生病院 大阪市立十三市民病院 市立伊丹病院 宝生会 PL病院 東住吉森本病院 兵庫県立こども病院 大阪医療センター 関連研修施設として 大阪市立総合医療センター 富田林病院 大阪大学医学部附属病院の下には 基幹研修施設として 国立大阪医療センター 1 国立大阪南医療センター 大阪警察病院 関西労災病院 大阪府済生会中津病院 大阪府済生会千里病院 市立豊中病院 府立急性期総合医療センター 府立成人病センター 府立母子保健総合医療センター 大阪労災病院 国立循環器病研究センター 国立成育医療研究センター 関連研修施設として 日生病院 多根総合病院 大阪みなと中央病院 NTT西日本病院 西宮市立中央病院 市立池田病院 箕面市立病院 府立呼吸器アレルギー医療センター 愛染橋病院 大阪脳神経外科病院 心臓病センター榊原病院 が属しています。 各施設単独での後期研修では十分な研修ができない分野があるため、4年間でこ れらの施設のいずれかをローテーションして、麻酔科専門医資格を取得するた めに必要な症例を経験します。各病院の特徴を生かして足りない所をお互いに 補うことでより充実した研修内容を提供します。 2年間の麻酔科研修終了時に厚生労働省の麻酔科標榜医資格および日本麻酔 科学会の麻酔科認定医を取得します。4年間の研修終了後には麻酔科医として十 分な実力が付き、麻酔科専従5年目には麻酔科専門医資格を取得します。 さらに、4年間の研修で習得する技術や患者管理法を、集中治療室での重症患 者の治療やペインクリニックにおける疼痛疾患の治療や緩和ケアに応用し、集 中治療、ペインクリニック、緩和ケアの専門医取得を目指し、それぞれの専門 分野で活躍する麻酔科医を育成します。 特徴 大阪労災病院での研修の特徴としては、麻酔科スタッフが充実しており(麻 酔科専門医・指導医が多い)、外科系各科との関係が良好で、症例数が多いこ とです。麻酔科管理症例数は年間約4、200件で、気管挿管やラリンジアルマス 2 クによる全身麻酔、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔が短期間で習得可能です。 また、心臓手術麻酔の研修が可能で、超音波ガイド下神経ブロックも積極的に 行います。 高リスクの麻酔症例が増えてきています。手術室からICUに入室する患者の周 術期管理や重症患者の集中治療管理に関与する場合もあります。現在、麻酔科 はICUの専従医として関わっていませんが、各科からのコンサルトには十分対応 できるよう研修を行います。 ペインクリニック学会の指定研修施設であり、ペインクリニック科が院内標 榜されています。ペインクリニック科と麻酔科スタッフとともに、外来および 入院で、痛みを有する患者に対する診察方法、診断を学びます。治療方法は、 主に超音波ガイド下神経ブロックを用い、その他理学療法、薬物療法、東洋医 学的療法なども行います。 当院ではがん拠点病院として必須事項である「緩和ケア研修会」を年1回開催 しています。緩和ケアはがん性疾患を扱う領域では避けては通れない分野です。 麻薬や鎮痛補助薬の使用法や神経ブロックの手技を学ぶだけでなく、緩和ケア チーム活動に積極的に参加することでチーム医療のあり方を考え、患者のみな らず他科の医師、他職種専門家とのコミュニケーション技術を養うことができ ます。緩和ケアチームの身体症状担当のメンバーとして、緩和ケア認定看護師 や薬剤師らとともに各病棟を回診しています。 臨床の研修と平行して、学術活動にも力を入れています。学会には積極的に 参加してもらいます。日本麻酔科学会、日本臨床麻酔学会の会員となり、さら に専門性の高い学会にも学術活動の場を広げます(日本心臓血管麻酔学会、日 本ペインクリニック学会、日本集中治療医学会、日本小児麻酔学会、日本緩和 医療学会、その他)。アメリカ麻酔学会(ASA)など海外の学会にも参加します。 単に学会参加するだけではなく学会で発表し、その内容を論文として完成する までしっかり指導します。 指導スタッフ(卒業年度、認定医、指導医) 寺井岳三(昭和 59 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔 科指導医、日本蘇生学会指導医、ペインクリニック専門医、医療 情報技師) 宮田嘉久(昭和 59 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医) 水谷 光(平成5年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔 科指導医、日本医療機器学会第1種滅菌技士、医療機器情報コミ ュニケータ) 藤井 崇(平成 6 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔科 指導医、周術期経食道心エコー認定医、心臓血管麻酔専門医) 松浦康司(平成 6 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔 科指導医、救急科専門医) 山下 淳(平成 15 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔 科指導医、周術期経食道心エコー認定医) 横川直美(平成 10 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医) 3 高橋佳代子(平成 14 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医) 旭爪章統(平成 17 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医) 堀江里奈(平成 20 年卒、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医) 向 陽(平成 24 年卒) 診療実績(年間)、診療設備 手術室 12 室。 平成 26 年の全手術件数は 12,597 件、麻酔科管理手術件数は 4,186 件。 麻酔法別集計: 全身麻酔(吸入) 2180 52.1% 全身麻酔(TIVA) 724 17.3% 全身麻酔(吸入)+硬脊伝 712 17.0% 全身麻酔(TIVA)+硬脊伝 329 7.9% 脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔 2 0.0% 硬膜外麻酔 1 0.0% 脊髄くも膜下麻酔 212 5.1% 伝達麻酔 15 0.4% その他 11 0.3% 計 4186 100.0% 科別集計: 外科 896 21.4% 整形外科 1450 34.6% 形成外科 193 4.6% 脳神経外科 62 1.5% 心臓血管外科 93 2.2% 末梢血管外科 55 1.3% 泌尿器科 424 10.1% 産婦人科 433 10.3% 眼科 6 0.1% 耳鼻咽喉科 447 10.7% 麻酔科 3 0.1% 歯科口腔外科 124 3.0% 内科 0 0.0% 計 4186 100.0% ペインクリニック:外来は週2回。平成 26 年の新患 88 名、再診 920 名。 新患の疾患別集計: 頭痛 0 0.0% 顔面痛 3 3.4% 舌痛症 0 0.0% 歯科処置後 0 0.0% 4 頚椎症 肩関節周囲炎 頚肩腕痛 肋間神経痛 背部痛 術後創部痛 腰下肢痛 神経障害痛 CRPS 帯状疱疹痛/PHN 四肢血行障害 癌性疼痛 その他 合計 治療法別集計: SGB 硬膜外ブロック頚部 硬膜外ブロック胸部 硬膜外ブロック腰部 硬膜外ブロック仙骨部 持続硬膜外カテーテル挿入 神経根ブロック 後頭神経ブロック 三叉神経ブロック 肋間神経ブロック 腕神経叢ブロック 肩甲上神経ブロック 肩峰下滑液包ブロック 傍脊椎神経ブロック 腰神経叢ブロック 下肢ブロック大腿神経 下肢ブロック坐骨神経 下肢ブロックその他 高周波熱凝固 トリガーポイント注射 イオントフォレーシス レーザー照射 遠赤外線照射 局所静脈内ブロック 16 0 3 1 2 18 7 5 2 8 6 9 8 88 18.2% 0.0% 3.4% 1.1% 2.3% 20.5% 8.0% 5.7% 2.3% 9.1% 6.8% 10.2% 9.1% 100.0% 4 4 0 1 66 4 46 18 8 4 13 5 81 6 5 15 42 16 50 18 2 24 63 0 0.3% 0.3% 0.0% 0.1% 4.7% 0.3% 3.3% 1.3% 0.6% 0.3% 0.9% 0.4% 5.7% 0.4% 0.4% 1.1% 3.0% 1.1% 3.5% 1.3% 0.1% 1.7% 4.5% 0.0% 5 投薬 診察のみ その他 合計 623 146 150 1414 44.1% 10.3% 10.6% 100.0% 設備: 手術部門システムが導入され、麻酔記録は電子化され自動記録です。手術室の 麻酔器と麻酔モニターは最新の機種であり、麻酔管理に必要なモニターは充実 しています。 超音波ガイド下神経ブロック用の超音波診断装置 2 台、経食道心エコーは 3D の 機種です。 ペインクリニック:超音波ガイド下神経ブロック用の超音波診断装置を用いて 安全確実に神経ブロックを行っています。低出力レーザー、遠赤外線照射装置、 イオントフォレーシスを有し、神経ブロック療法以外にこれら機器を用いて痛 みの治療を行っています。知覚・痛覚定量分析装置(ペインビジョン)やサーモ グラフィーを用いて痛みの診断を行っています。 専門医、認定医、教育病院など学会の指定状況 日本麻酔科学会麻酔科認定病院 日本ペインクリニック学会指定研修施設認定 心臓血管麻酔専門医認定施設 6
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