paperChart <CaseView

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データ検索,集計,作表,ファイル保守機能
<CaseView>
このプログラム(BIN\CV.exe)は,今までに記録した麻酔症例の検索,任意のデータ項目の集計,一覧表示と,それらの表
示画面上で選択した症例の一例一例についての麻酔記録画面表示,バイタルサイン値の時系列数値出力(Excel など
へ)をおこないます. このソフトで表示した結果は CSV ファイル出力または画面のコピー/貼り付けで,Excel に転送すること
ができます. 症例ファイルの複写/移動/削除は下図右端 12 のツールメニューの中に入っています.
このプログラム(BIN\CV.exe)には表データの加工やレイアウト,印刷機能がありません.印刷は,データを一旦 Excel へ転
送して,そちらで行ってください. このソフトの起動は BIN\Cv.exe をダブルクリックするか,KickStart で作られるショートカット
から行ってください.
Cv.exe 画面上縁のツールバーの図
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データ処理の流れ
1. フォルダの選択.
症例データを保存したフォルダを選択します. 以後の処理はすべて,ここで選択したフォルダに対して行います. 本ソフ
トは複数のフォルダにまたがった処理はできません.複数のフォルダに分散した症例データは,まず一つのフォルダにコピー
してまとめてから処理してください.Cv.exe 起動時には,,インストール時に KickStart で決めた data directory を処理の
対象とします.他に save directory が指定されていれば,これを選ぶことができます.どちらにも登録されていないフォル
ダは「その他のフォルダ」で選んでください.
2. 検索条件による絞込み.
1 で選んだフォルダの中の症例のうち,ここで入力する検索条件に合致する症例を, 3 の集計表示と 4 の一覧表
示に送ります. 検索条件を何も設定しないと, 1 で選んだフォルダの中の全症例が 3 と 4 へ送られます. 検索
条件は複数件設定することができ,設定した条件すべてを満たす症例だけが選ばれます. たとえばモニタ記録開始日
を指定して,さらに術者1を指定したばあい,両方の条件を満たす症例の積集合になります. しかし,個々の条件の
中で複数の値を指定した場合は,その条件を満足する症例の和集合になります. たとえば術者1に 金田 高松 福
本 と複数の名前を半角空白で区切って入力した場合は,術者1が金田か高松か福本かのいずれかの症例を選ぶこ
とになります. 詳しい検索条件の書き方は後述.(OF.exe の絞込条件の書き方と異なります.)
3. 集計表の作り方の設定.
縦横の集計表の設定画面を表示します. 分類項目は縦軸と横軸の2次元までです.表内の項目は件数(いわゆる
度数分布表),または縦横の項目とは別に選んだ項目値の合計/平均/最大/最小を選べます. 3 をクリックすると
予め作っておいた集計表の設定の一覧が表示されます.この中から集計表として適用するべき物(どれか1つ)を選ん
で「適用」ボタンを押してください. 4 の集計表タブで縦横集計表を表示します.各集計項目の設定方法は後述.
4. 集計表表示タブ.
ここをクリックすると,現在設定されている条件で集計表を作って表示します.
5. 一覧表の作り方の設定.
一覧表は,横軸に種々のデータ項目(患者名,ID,手術日など)を並べて,縦方向に症例を1例づつ並べて表示しま
す.このための横軸項目の設定を行う画面を表示します. 3 をクリックすると予め作っておいた一覧表の設定の一覧
が表示されます.この中から一覧表として適用するべき物(どれか1つ)を選んで「適用」ボタンを押してください. 7 の
一覧表タブで一覧表を表示します.各々の一覧項目の設定方法は後述.
6. 一覧表を表示する際の,縦方向の並べ替え条件を設定します.
たとえば普通に見かける手術予定台帳は,まず手術日の順に並べ替えられ,同じ手術日の症例は手術室の順に並
べられ,同じ手術日で同じ手術室の症例は手術開始時刻順に並べられると思います.このような条件を設定します
が,この設定はほとんど変更されることは無いと思います.
7. 一覧表表示タブ.
ここをクリックすると,現在設定されている条件で一覧表を作って表示します.
8. CSV(コンマ区切り形式)ファイルで結果を書き出す.
集計表または一覧表(そのときにどっちが表示されているかによります)をコンマ区切り形式ファイルで書き出します.この
ファイルは Excel で読むことができます.
9. クリップボードへ格納する.
Windows に含まれる機能として,「コピー」または「切り取り」と「貼り付け」があります.これは,ある1つのアプリから別のア
プリへ,ファイルを介さずにデータを転送する仕組みです.通常は「編集メニュー」の中の「コピー」「切り取り」「貼り付け」
で行われます.
ここをクリックすると,そのときに表示されている集計表または一覧表が Windows のクリップボードに格納(コピー)されます.
この後,Excel の画面の編集メニューの「貼り付け」を選んでください.Excel にデータが転送されます.
10. 全て選択.
11. 選択解除.
集計表のセル(縦横の交点の1つの値(単数または複数症例)),または一覧表(の1つまたは複数の症例)をマウス左
ボタンクリックすることにより,白黒反転表示することができます.集計表のセルを白黒反転表示したばあい,後段の一
覧表画面には,その白黒反転したセルに含まれる症例の内容のみが表示されます.たとえば集計表で SpO2<85%の欄
を順次マウス左クリックして白黒反転表示してから一覧表タブをクリックすると,SpO2<85%の症例のみが一覧表示されま
す.もし集計表画面で何も選択しなかったばあいは,後段の一覧表示は 2 で選択された症例全てが表示されます.
この機能は予め 2 だけで検索することができない(実際の値を見てから,どれを一覧するか決める)ばあいの検索手段
として使えます.ちなみに「すべて選択」したばあいと「選択解除」したばあいの後段へ及ぼす効果は,後述する症例ファ
イル複写/移動/削除以外で同じです.なお一覧表示画面で白黒反転した場合はさらに後段のツールメニューの複写
/移動/削除対象ファイルになり得ます.何も選択しないと何も複写/移動/削除できません.さらに1症例だけを白黒反
転した場合は,ツールメニューでその症例の麻酔記録表示と,バイタルサインの経時的な値のCSVファイル書き出しが
できます.これは個々の症例の経時的なバイタルサインの記録として Excel に取り込むことができます.
12. その他のツールメニュー.
複写
移動
一覧表画面で症例を選択(複数症例可)してから,このメニューを選んでください.このメニューのサブメニューとして
送り先フォルダのメニューが表示されます.ここで選ばれたフォルダ内へ複写/移動します.
「××に新フォルダ作成」を選ぶと,フォルダ名の入力を求める画面が現れます.ここで入力された名前で「××」フ
ォルダの中に新しいフォルダを作り,その中へ複写/移動します.
KickStart 画面で指定する4つの save directory の下にのみフォルダの中にフォルダを作ることができます,ただし症
例ファイルをすでに格納してしまったフォルダの下には,新たにフォルダを作ることはできません.この機能は save
directory の下に月別分類フォルダを作るときなどにお使いください.
削除
一覧表画面で選択されている症例を削除します.この削除メニューは,ゴミ箱への移動ではなく完全に削除します.
ゴミ箱から元へ戻すことはできません.
麻酔チャート表示
選択されている症例(1例のみ選択可)の麻酔記録を NV.exe を使って表示します.複数症例を選択して一度に
表示させることはできません.1例ずつ順番に表示してください.
バイタル数値書き出し
選択されている症例(1例のみ選択可)のバイタルサイン値の経時記録を CSV 形式のファイルにします.これは
Excel で読み込むことができます.複数症例を選択して一度に出力させることはできません.
HR や SpO2 など連続的に測定される数値は(本システム上は5秒ごとにデータ収集しますが)ある程度の時間ごと
に代表的な値をファイルに書き出します.たとえばデータ書き出し間隔を1分にして HR の平均をチェックすると1分毎の
心拍数の平均値を出力します.SpO2 の最小にチェックを入れると各1分間の最低値を出力します.ここで言う 最大
/平均/最小 は 収縮期/拡張期/平均値 とは異なります.たとえばデータ書き出し間隔を 3600 秒として NBP/d
の最大と SpO2 の最小にチェックを入れると1時間毎の非観血拡張期圧の最大値と SpO2 の最低値を出力します.
もしデータ書き出し時間内に測定が1回しか行われていなければ,平均/中央/最大/最小 のいずれを選んでも出
力される値は同じ(その1回の値)です.書き出したいもの(複数可)にチェックを入れてから「ファイルへ書き出し」ボタン
を押して,保存先を指定してください. クリップボードへコピーして Excel への貼り付けもできます.
フォントを大きく
フォントを小さく
集計表画面と一覧表画面の文字サイズを5段階に変更できます.
症例の再読み込み
1(フォルダの選択)で指定されているフォルダのデータを読み直します.これは単なる動作テスト用です.
暗号鍵の設定
Nv.exe の「ご案内とヘルプ」メニューの「暗号鍵の設定」と同じものです.インストール時の KickStart で暗号機能が
設定されていないと選択できません.
バイタルサインファイルの修復
詳しくは「一般的な使い方.pdf」末尾の「データが読めない症例が発生したとき」をお読みください.破損しているファ
イルは一覧表と集計表の画面で背景色がオレンジ色で表示されます.とりあえず応急的に,この「バイタルファイルの
修復」で破損箇所を切り捨てることにより対処できますが,根本的な解決にはなりません.破損したバイタルサインフ
ァイルが発見されたときだけ,このメニューが選択可能になります. この機能は BIN\SQUEEZE.exe と同じものです.
一覧表と集計表の背景色
マウス左ボタンクリックで選択したセルは背景が濃紺色になります.もう一度クリックすると背景が白に戻り,
非選択状態になります.あるいはマウスをドラッグすることで複数のセルを選択できます.
背景が薄緑色の症例は現在麻酔進行中であることを示します.集計表のセルが薄緑色のものは,その中に
現在麻酔進行中の症例が含まれることを意味します.麻酔進行中の症例は複写/移動/削除できません.
背景がオレンジ色の症例は,ファイルが破損していることを示します.破損にはバイタルサインファイルの破損と患者
属性ファイルの破損の2種類があります.バイタルサインファイルの破損は,上記ツールメニューの「バイタルファイルの
修復」で応急的に対処できます.患者属性ファイルは修復できません.
文字色が黒ではなく褐色のばあい,その欄の文字が複数行にわたって書かれていることを表します.画面には
1行目しか表示されませんが,マウス矢印をその行に持っていくとすべての行を表示します.
検索条件の書き方
前記のメニューバー3をクリックすると右図のウィンドウがでます.検索範囲の年月日を入力してください.入力しないと全範
囲になります.たとえば 2010 年 4 月__日 ~ 20__年__月__日 ( __ は未入力つまり空白) は 2010 年4月(1日)から現
在までを意味します.
次に「▼」ボタンを押すと左図のようなリストが表示されます.このリストの中から項目名を選んでください.項目名の下の欄に,
その項目が取るべき値を書き込んでください.検索条件には1つの項目に半角スペースで区切って複数個の条件を書くこと
ができます. たとえば,▼で“科名文字列”を選び,その下の欄に
外科 眼科 歯科
と入力すると,科名文字列の中に, 外科 または 眼科 または 歯科 という文字を含む症例を検索します. ただし 外科
という言葉は“脳外科”や“心臓外科”という言葉にも含まれています.
もし正確に“外科”という言葉にだけ一致させたい時は,
"外科" 眼科 歯科
というふうに外科という単語を半角ダブルクォーテーションで囲んでください.眼科や歯科は間違って他の科名に一致すること
はないと思いますのでクォーテーションで囲む必要はないでしょう.
さらに半角チルド ~ (キーボードの「=」の右隣)を用いて数値の範囲を指定できます.
13~17
などと書いて年齢の範囲指定などにお使いください.ただし数字は半角数字を使用してください.マイナスや小数点も半角
文字を使用してください.ダブルクォーテーションやスペースも,全角文字を使ったときは,単なる文字とみなし,ここで述べた
役目は果たしません.
集計項目の設定方法
前記メニューバーの3を押すと左図のウィンドウが表示されます.ここから,どの集計セットを用いるかを選んで「このセットを適
用」ボタンを押してください.各セットの内容が具体的に何を集計するのかは「セット内容編集」を押してください.
右図のウィンドウが表示されます.左欄の項目名プールから項目を選んで横軸/縦軸/表内へ「→設定→」してください.
刻み幅は,項目の値が数値であった場合にのみ意味を持ちます.たとえば年齢を刻み幅:5にすると5歳ごとの表になります.
刻み幅には小数点も使えます.もし,逆順(大きい値を表の上のほう)に並べたいときは,刻み幅をマイナスの数にするので
はなく □逆順 にチェックを入れてください.
縦軸/横軸の項目が英数の場合はアルファベット順に,漢字やカナの場合は Shift-JIS コードの順に並べます.ただし曜日
(英小字3文字略記:sun,mon,tue,wed,thu,fri,sat)は,この順に並びます.しかし日月火・・・はできませんし(和文
の単語の区切りができなかった),jan,feb,mar ・・・もやってません.
表内項目を「→設定→」した場合は件数/合計/平均/最大/最小を選ぶことができます.この場合の“件数”は表内項目
が数値として解釈できるデータの件数です.表内項目として選んだデータが数値として解釈できなかったり空白(未入力)で
あった場合,件数として数えられません.同じように,合計/平均/最大/最小も数値として解釈できるデータのみを対象とし
ます.数値とは正負または符号なしの実数です.Excel などに時々出てくる -12E+3 などという表現はダメです.
表内項目に何かを設定して総件数を数えることは無意味です.なぜなら表内データが空欄(未入力)であっても数えるから
です.表内項目に何も設定せずに総件数を数えるのと同じことで,パソコンの計算時間の無駄です.
一覧項目の設定方法
前記メニューバーの3を押すと左図のウィンドウが表示されます.ここからどの一覧セットを用いるかを選んで「このセットを適
用」ボタンを押してください.各セットの内容が具体的に何を一覧するのかは「セット内容編集」を押してください.
右図のウィンドウが表示されます.左欄の項目名プールから項目を選んで右欄へ「→追加→」してください.一覧表示の並
び順を変えるには右欄で項目を選択して,「上へ」「下へ」で動かしてください.項目名とは異なる名前をタイトル文字にした
いときは,右側の出力名欄をクリックしてから文字を入力してください.
検索/集計/一覧で用いる項目名プールについて
これらの項目名は設定ファイルに書かれている計算式の名前です.paperChart\CONF フォルダのファイル(???cnf.txt)の中
の calc 節に書かれている計算式を以下の順序で列挙したものです.
dmgcnf,remcnf,iocnf,parcnf,prdcnf,,dircnf,そして clccnf の内容すべてです.
項目を追加するときはこれらのファイルの calc 節(大括弧 { } でくくられた内部)に計算式を追加してください.
clccnf には calc { } はありません.ファイル全体が calc 節です.clcnf 内の output 節は以前のバージョン(FM.exe)で使うた
めに残しているだけで,この Cv.exe では使用しません.
バイタルサインや患者属性の計算方法については「設定ファイルの文法.pdf」の「関数」の項もあわせてお読みください.
ここに記載されていない計算を追加する際も「設定ファイルの文法.pdf」と「設定ファイルの書き方.pdf」をお読みください.
バイタルサイン値の参照を伴う計算にはかなり時間がかかります.以前の FM.exe よりはかなりスピードアップしたつもりですが,
全データを(ネットワーク経由ではなく)ローカルハードディスクにおいた場合でも,2千例のスキャンに5~15分かかります.
ネットワーク経由でデータにアクセスした場合はさらに数倍遅くなります.基本的にデータの転送速度によって計算時間が決
まってしまうところまで来ました.(デュアルコアのペンティアムにて,2011年夏)
Research 目的などで,数千例を一度に処理しようとして,一回の計算に数時間あるいは丸一日かかろうとも
越川は一切責任を負いません.
動脈圧フラッシュやゼロ点校正などのアーチファクトの除去について (一般的な使いかたから再掲)
例として,上の図の灰色線は観血圧波形,赤点は 5 秒ごとにハートモニタから送られてくる平均血圧値です.
データは 20 秒毎(データの受信タイミングにもよるが,おおよそ4点づつ)の区間平均を用います.“最大値”を指定した
ときは,この 20 秒毎の区間平均の最高値を,また“最小値”を指定すると 20 秒毎の区間平均の最低値を算出しま
す.何も指定しない(平均値)ときは,単純に指定された時刻区間内の各赤点の平均値です.ただし,それぞれの区
間の両側 20 秒間も加えた合計 60 秒間の平均値の上 30%または下 50%の範囲から逸脱した値(A)を含む 20 秒区
間(B)のデータは計算から除外します.この方法では圧波形の鈍りによる不正確な計測値や加圧バッグ内圧の低下
によるダラダラフラッシュの影響を除外することはできません.圧ラインフラッシュは高圧で短時間に行ってください.ゼロ点
校正も 10~20 秒以内でお願いします.圧ラインを使用しないときはトランスデューサとハートモニタの間の電線をはずし
てください.そうしないと「血圧ゼロ」という値が麻酔記録に持続的に送られてしまいます.