(要約)量子反射とトンネル効果

量子反射とトンネル効果
目次
1. ポテンシャル障壁に対する古典物理学、量子力学
2.量子反射(階段状ポテンシャル障壁)
3.トンネル効果
4.トンネル効果の実例
made by R. Okamoto (Emeritus Prof., Kyushu Inst.of Tech.)
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1.ポテンシャル障壁に対する古典物理学、量子力学
ポテンシャル障壁
古典的な
波動
粒子
粒子は壁を貫通できない
波動は壁で反射されるともに、
一部は壁を透過する
量子的粒子
複素空間の確率波
一部は反射するが、一部は透過する
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2.量子反射(階段状ポテンシャル障壁)
入射波
反射波
x < 0; ψ ( x) =
A⋅ e + B ⋅ e
ikx
E > V0
古典的な反射とは異なる!
−ikx
の場合
V0
x > 0; ψ ( x ) ∝ eik 'x ,
k'≡
0
2m( E − V0 ) /  2
x 反射率>0、透過率<1
反射率+透過率=1
しかし、透過波にも障壁の効果
E < V0
の場合
x > 0; ψ ( x) ∝ e-γ x ,
E
γ ≡ 2m(V0 − E ) /  2
0
反射率=1、透過率=0
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しかし、波動関数は壁の中に浸透する!
3.トンネル効果
入射波 反射波
x < 0; ψ ( x) =
A ⋅ eikx + B ⋅ e−ikx
E > V0
の場合
ψ ( x) ∝ eik 'x ,
k'≡
2m( E − V0 ) /  2
E
V00
V
ψ ( x)= F ⋅ eikx
反射率+透過率=1
x
E < V0
の場合
γ ≡ 2m(V0 − E ) /  2
V0
E
ψ ( x ) = C ⋅ eγ x + D ⋅ e − γ x
ψ ( x)= F ⋅ eikx
反射率+透過率=1
透過率>0
x
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4.トンネル効果の実例
(1)アルファ崩壊
(2)電界による電子の放出
1928年、G.Gamowにより
α崩壊がトンネル効果
の最初の例として理解された。
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(3)薄い絶縁層の透過
波動関数
透過率のエネルギー依存性
古典的には、粒子の入射エネルギーが障壁のポテンシャルよりも小さいときは、透過率
はゼロとなり透過することはできない。しかし、量子的には、エネルギーが障壁のポテン
シャルより小さくても透過率はゼロとはならずに、一部が透過する。
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(3)エサキダイオード
(4)アンモニア分子におけるトンネル効果
モデル化
1957年に江崎玲於奈氏が発明した。
図からわかるように、順方向に電流を
流すと、トンネル効果により、ある電圧
領域では電圧をかけるほどに流れる
電流量が少なくなるという「負性抵抗」
が現れる。
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