警 備 犬 た

ンドラーとペアで行動する。ハン
ドラーが指示を出すときには、言
葉による指示と、手や腕の動きに
よる指示を使い分ける。
同日、それに合わせて、航空自衛隊入
で「犬の日」でもあるそうだ。今年の
る警備も欠かせない。
分からない。だから、人や犬によ
サーが探知できない種類の情報は
を訪れる防衛大臣が、出迎えや警
今回の警備犬への褒賞状授与式
は、小野寺防衛大臣の提案で実現
日ごろの任務に感謝して、
褒賞状と副賞を
間基地で、
警備犬を対象とする「褒賞
備を務めている警備犬に目を留め
するには具合がよいものの、セン
状授与式」が行われた。今回、この授
よく知られているように、犬の
聴覚や嗅覚は人間よりも優れてい
て「お礼の気持ちを」ということで
苦したぐらいだ。なお、警備犬は
機敏すぎて写真を撮るのに四苦八
配られたが、そこには
「私は部隊視
大臣のコメントシートが報道陣に
実現したイベントである。当日、
した。視察などで頻繁に入間基地
与 式 を 取 材 するこ と ができ たので、
る。狭い場所にも入っていけるし、
なぜ警備犬?
単独で巡回するわけではなく、ハ
防衛大臣代理の大臣官房伊藤広報課長から、警備犬代理の中部航
空警戒管制団基地業務群司令に、褒賞状を授与。
自衛隊で現在警備犬を導入して
いるのは海上自衛隊と航空自衛隊
だけ。航空自衛隊では200頭以
上の警備犬が導入されており、規
模の大小に関係なく、主要な基地
に警備犬を配備しているという。
ちなみに、以前は海上自衛隊が警
備犬、航空自衛隊が歩哨犬と呼ん
でいたが、今年から航空自衛隊も
警備犬に改称したそうだ。
その主な任務は、夜間における
基地内の重要拠点の警戒、基地内
のパトロール、基地祭などの広報
係である。もちろん、いまどきの
基地なら警備システムがあるだろ
褒賞状は肉球入り!
警 備 犬への褒 賞 状 授 与 式レポート
文・写真/井上孝司
う。しかし、機械は継続的に監視
(テクニカルライター/軍事評論家)
機敏さの面でも優れている。実際、
実はこの 月1日は「ワンワンワン」
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レポートしよう。
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月1日は自衛隊記念日。ところが、
警備犬たちの日ごろの任務に感謝!
褒賞状と副賞を受け取ったところで、皆で記念撮影。
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察等のためにしばしば入間基地か
警備犬とハンドラーは ら航空機に搭乗していますが、警
一心同体?
備犬は、いつも司令等の隊員とと
じており、お礼の気持ちを込めて、
の警備犬の警備は大変頼もしく感
当たってくれています。これまで
る。もしも不審者の侵入事件があ
抑止効果も当然ながら意図してい
普段は警備任務を担当しており、
警備犬の犬種はジャーマン・シ
ェパードで、雄と雌の両方がいる。
質を持っているそうである。
ェパードはもともと、そういう性
くれるとのこと。ジャーマン・シ
を自分の「主人」なのだと認識して
ようやく新たに組んだハンドラー
ードを食べているそうなので、滅
ムといったもの。普段はドライフ
ドッグフードや、骨の形をしたガ
相手が犬だから、副賞は缶入りの
備犬に授与するものです。
」
とある。
と、任地に派遣した後で警備犬を
入間基地で訓練を施すハンドラー
訓練を施している。ということは、
べて、入間基地の歩哨犬管理班で
ころが、航空自衛隊の警備犬はす
にしか従わないと聞いていた。と
そこで気になったことがあった。
警備犬は担当のハンドラーの指示
自衛隊の警備犬だけだが、航空自
大震災で捜索に派遣したのは海上
ているそうだ。ちなみに、東日本
活用の研究として試験的に導入し
ラブラドール・レトリバーは嗅覚
よりも嗅覚に優れていることから、
場した。ジャーマン・シェパード
「この賞品は誰にも渡さないもんね !」
訓練展示は
「爆発物入りの鞄を探す」
「小屋の中
にいる人の捜索」
「不審者取り押さえ」の三本立
てで行われた。
くれるのだろうか。聞いてみたと
ころ、やはり派遣先では最初は慣
れてくれないものらしい。しかし、
副賞とともに「防衛大臣褒賞状」を
れば、嗅覚や聴覚にモノをいわせ
時間をかけて慣らしていくことで、
授与いたします。全国に約300
て捜索したり、見つけた不審者を
今回の褒賞状授与式では、3頭
のジャーマン・シェパードに加え
もに出迎えてくれ、警備の任務に
頭いる警備犬についても同じ思い
制圧したりする。
多に食べられない御馳走である。
衛隊でも今後に備えて研究を進め
てラブラドール・レトリバーも登
ですが、彼らを代表して、いつも
そのせいか、渡された骨型ガムを
担当するハンドラーは別人だろう。
お世話になっている入間基地の警
離さなかった警備犬がいたのは微
ている。
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それで犬たちはいうことを聞いて
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そして制圧完了。お見事 !
右が不審者役の隊員。ただし、相手が不審な素振りを
見せなければ、吠えかかるだけ。
見つけた! ただし、吠えるのではなく伏せることで知
らせる。
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いったん食らいついたら、相手が暴れても振り回しても、
離さない。
「この小屋だ!」ということで調べると、なるほど、先に
入っていた隊員が中から出てきた。
複数の鞄のうち、ひとつだけ爆発物の臭いをつけた模
擬手榴弾を入れてある。鼻をきかせながら調査中。
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しかし、いざ逃げだそうとすると「待て !」と追いかけ
て…
複数の小屋のうちひとつに、捜索対象になる隊員が入
っている。その間を走り回りながら捜索中。
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授与式の後で行われた
訓練展示の模様
笑ましい。
副賞は、参加した4頭の警備犬が分担して受け取った。