DESとFW-Hによるシロッコファンの送風音予測

STAR Japanese Conference 2015
June 2nd, 2015 Yokohama
DESとFW-Hによるシロッコファンの送風音予測
Prediction of aerodynamic sound from a multi-blade fan
using DES and FW-H model
ダイキン工業株式会社
環境技術研究所
岩田 透
DAIKIN INDUSTRIES, Ltd.
Environmental Technology Laboratory
IWATA Toru
本発表の概要
・STAR-CCM+を用いて小型シロッコファンの送風音を予測した
・定常計算を行い、非定常計算の初期値を作成
・次に非定常FW-H計算を用いて送風音を計算
・非定常計算手法はDESを用いた
・計算した送風音のスペクトルを実測値と比較した
解析対象のシロッコファン
・解析の対象としたファンの外観と仕様
項目
仕様
形式
両吸込
羽根径
135mm
羽根枚数
41枚(片側)
シロッコファンの送風音
・吸込側1mでのスペクトル(A補正)
・適切に設計すればBPFは突出しない
BPF
10dB
解析領域
・流入側は計測室のサイズをほぼ再現
・音測定点(FW-H受音点)は流入側(解析領域内)
圧力モニターポイント
(性能検証用)
流出側
ファン
流入側
メッシュ
・本解析に用いたメッシュ外観を示す
・トリム/プリズムメッシュ
メッシュ
・ファン近傍にはメッシュ細分化領域を設けた
細分化領域③
細分化領域①
細分化領域②
メッシュ
・舌部近傍、羽根断面のメッシュを示す
・羽根面のWall Y+ が大部分で1未満になるようにプリズムレイヤーを設定
メッシュ
・羽根面のWall Y+ を示す
メッシュ
・メッシュ数(Cell数)を示す
領域
メッシュ数
回転領域
4,067,771 Cells
静止領域
2,229,402 Cells
合計
6,297,173 Cells
解析条件
・境界条件は表のように設定した。記載のない値はデフォルト値を使用
入口境界
圧力出口
静圧 [Pa]
0 (Default)
出口境界
流量入口
質量流量
設定値
流れ方向の設定
[-1.0,0,0]
回転領域
回転数
1500 rpm
ソルバーの設定
・STAR-CCM+ v.9.06.009 (倍精度)
・作動流体は理想気体とした。
・定常・非定常計算の設定を示す。記載のない設定はデフォルト値を使用
解析タイプ
定常解析
離散化手法
分離型流体温度
乱流モデル
SST k-ω
解析タイプ
非定常解析
離散化手法
分離型流体温度
乱流モデル
DES with SST
時間ステップ
2.22e-5 [s]
内部イタレーション
5回
← 0.2°回転に相当
FW-Hの設定
・FW-H表面として不透過面を選定(impermiable)
・FW-Hレシーバー(受音点)は回転軸上1m
不透過面
レシーバー
羽根面
ハブ面
スクロール内面
1m
音計算位置 (吸込み側軸上1m)
計算結果(残差履歴・定常計算)
・400 iteration で停止
計算結果(流速分布・定常計算)
・400 iteration 後
計算結果(残差履歴・非定常計算)
・内部イタレーション5回だがきれいに収束する
ファン性能の計算精度検証
静圧
・ファンの静圧をモニター
・実験値とほぼ一致しており、問題ない
流量
計算結果(流速分布・非定常計算)
・8回転 後
計算結果(FW-H送風音)
A補正音圧レベル [dBA]
・1000Hzまでは実験値(青)に比較的良く一致する
10dB
周波数 [Hz]
FFT設定
A特性音圧レベル
周波数
解析ブロック5
窓関数 Hann
計算結果(音圧の可視化)
まとめ
STAR-CCM+を用いてシロッコファンの送風音を計算した
・1000Hzまでは実験値と計算値は比較的良好に一致した
・1000Hz以上の周波数では計算結果が一致しなくなる
・メッシュ解像度の不足が要因の可能性がある