耐震診断等の改訂版の取扱いについて

耐震診断等の改訂版の取扱いについて
2012年に「木造住宅の耐震診断と補強方法」が改定され 一般社団法人 日本建築
防災協会から、一般診断法による診断プログラムが出されました。
札幌市木造住宅耐震診断には、2004年版やその他の認定プログラムも使用すること
ができますが、今後最も使用が多くなると思われる、2012年版の入力上の注意事項に
ついて、記載します。
1 基本設定
「新規」のアイコンをクリックすると、画面上部に「基本設定」として3項目が表
示されます。
①計算モード
耐震診断の場合は「現況診断」、耐震設計の場合は「補強計算」を選択します。
②診断方法
方法1を選択します。 ③モジュール
診断対象住宅のモジュールに合わせて、基本的には900mmまたは910mmを正しく入力
してください。300(303)mmや600(606)mmの部分がある場合は、300(303)㎜を
入力すると合理的です。
2 建物概要(51・52P参照)
確認申請書等から正確に記載してください。特に注意が必要なのは以下の項目です。
②所在地
住居表示ではなく、地番を入力してください。
④建物仕様
屋根仕様が鉄板葺でモルタル外壁等の場合は、軽い建物を選択してください。
外壁が2重になっている場合は、当初の外壁を入力してください(各階平面の壁の
入力も同様)。
⑤地域係数 Z
0.9を選択してください。
⑧積雪深さ(cm)
「多雪区域」を選択し、140(小金湯以南は190)cmを入力します。積雪時の耐震
診断(補強計算)が終了した後、「多雪以外の区域」を選択し直すと無積雪時の検
討になります。
⑨基礎仕様
布基礎と束石を併用している場合は、布基礎の仕様を入力してください。
1階平面の壁を入力する場合に、束石上の壁や基礎に載っていない壁については、
基礎の仕様を「Ⅲ」として入力する必要があります。
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※⑨基礎仕様⑩床仕様⑫接合部仕様については、平面図等に仕様を明記してください。
3 劣化度の入力(53P参照)
診断対象住宅が有している部位等の存在点数のアイコンをクリックしてください。
クリックすると、劣化点数の欄にアイコンが表示されますので、劣化事象が確認され
た場合は、これもクリックしてください。劣化度による低減係数は0.7が下限となり
ます。
4 外周の入力
各階の外周を入力します。玄関ポーチなど、柱のみが設置され外壁がない部位も外
周に該当します。レイヤ上で始点としたい位置(グリッドの交点に限られる)でマウ
スを左クリックし、ドラッグと左クリック解除を繰り返すことで作図できます。各階
の外周が閉鎖した一つの領域になった時点でESCキーを押すと完了します。
外周線を2重になぞると、面積が2倍になるなどの現象が生じますので、各階の壁
配置図に出力される面積を必ず確認してください。
5 壁の入力
「壁」のアイコンをクリックすると、右側に次ページの壁の仕様や壁基準耐力が表
示され、レイヤ上に壁を配置できるようになります。2012年版では、斜めの外周線や
壁も入力できます。また、壁仕様の60「その他(別添仕様)」を選択すると、特殊な
仕様の壁基準耐力やモジュール寸法と合わない長さの壁の耐力を換算して入力するこ
とができます。
無開口壁以外に、窓型開口壁や掃出し型開口壁も入力しますので、現地調査の際、
条件に適合するか否かの確認が必要です。有開口壁の区分を平面図に記載してくださ
い。
※2012年版に限らず、上記の入力が必ず必要になりますので、現地調査の際に見落と
さないように留意してください(51~53P参照)。
※22Pに「札幌市木造住宅耐震診断精査上のコメント」が、23Pから「札幌市木
造住宅耐震診断の質問・回答集」が、また、134Pから「「2012年改定版 木造住
宅の耐震診断と補強方法」の質問・回答集」が記載されていますので、参考にして
ください。
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(「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法」より抜粋)
一般診断法での工法と壁基準耐力 F W (2012年版)
壁基準耐力
工法の種類
土塗り壁
[kN/m]
塗厚40mm以上 横架材まで達する場合
2.4
~50mm未満
1.5
横架材間7割以上
塗厚50mm以上 横架材まで達する場合
2.8
~70mm未満
1.8
横架材間7割以上
塗厚70mm以上 横架材まで達する場合
3.5
~90mm未満
横架材間7割以上
2.2
横架材まで達する場合
3.9
横架材間7割以上
2.5
塗厚90mm以上
1.6
筋かい鉄筋9φ
筋かい木材15×90以上
筋かい木材30×90以上
筋かい木材45×90以上
筋かい木材90×90以上
びんた伸ばし
1.6
BPまたは同等品
2.4
釘打ち
1.9
BP-2または同等品
3.2
釘打ち
2.6
M12ボルト
4.8
筋かい製材18×89以上(枠組壁工法用)
【1.3】
0.8
木ずりを釘打ちした壁
5.2(1.5)【5.4】
構造用合板(耐力壁仕様)
3.1(1.5)
構造用合板(準耐力壁仕様)
構造用パネル(OSB)
5.0(1.5)【5.9】
ラスシートモルタル塗り
2.5(1.5)
木ずり下地モルタル塗り
2.2
窯業系サイディング張り
1.7(1.3)
石膏ボード張り(厚9以上)
1.1(1.1)
石膏ボード張り(厚12以上)(枠組工法用)
【2.6】
0.9(0.9)
合板(厚3以上)
ラスボード
1.0
ラスボード下地しっくい塗り
1.3
( )内は胴縁仕様の場合、【 】内は枠組壁工法の場合
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