ご っ た に mini - 岐阜県作業療法士会

Gifu Occupational Therapist Association News
ご っ た に mini
2015年 3月
事務局:平成医療専門学院 岐阜市黒野 182
℡&Fax:058-234-6763
E-mail:[email protected]
http://gifu-ot.com
「恩師の背中」
平成医療専門学院
樅山 貴子
最近、私にしては本当に珍しく、お二人の恩師にお会いしてゆっくり話をする機会を得た。一人は専
門学校時代の先生で、もう一人は実習生として赴いた施設で働いてみえた方だ。お二人とも女性で、
今では珍しくなくなった「仕事と家庭を両立」する、私が出会った初めての人である。
久しぶりにお会いした先生方は、子供を育てながら変わらずに理想を持ち仕事に邁進し、作業療法
の知見に富み、情報通で、日々の悩みもありながら努力を惜しまず、本当に頭の下がる思いだった。
話が弾みあっと言う間に時間が過ぎて、とても刺激的な気持ちになるのと同時に、なんだかよしよしと
頭を撫でられているような、そんな幸せな時間だった。
時代は変わり続け、「複雑・簡単」から単位制へ、介護保険が始まり回復期病棟ができ、加算が付
いては消え、今度は地域包括ケアと生活行為向上マネジメント。世の中のニーズに対応を迫られな
がら、また転職や昇進、何を極めるかなど自分の作業療法士としてのキャリアとは別に、結婚や女性
ならば出産、親の介護など、様々なライフステージが待っていて、軸足をどこに置き何を優先するの
か、大きな選択を迫られる。誰に聞いても明確な答えはなく、自分で決めなくてはならないときに、前
を行く恩師の姿は頼もしく映る。今回、普段自分が考えていることや答えは出ないが悩んでいること
を聞いてもらうだけで、そっと背中を押されたような気持ちになった。
もうすぐ卒業式。昨今言われているように、学生は他者目線や自分自身を冷静に見る力、問題解決
力など、経験不足からか少なくなっている印象はあり、私の葛藤も続いている。このような力はきっと
日々失敗を重ねながら挑戦し、自分を振り返ることでしか身に付かないだろう。だからこそ、これから
多くの経験を通して作業療法士としてはもちろん、社会に出て行く一人の大人として人生を切り開き、
幸せな人生を送ってほしいと願う。送り出す側として恩師がそうであったように私も、その後どんな選
択をしても、一人の大人として話を聞き、応援できるような人でありたい。そして自分も気持ちを引き
締めなければ。
このごったにが届くのは、別れと出会い、そしてスタートの春の頃だろうか。県士会の皆さんが恩師
の背中を思い初心にかえりながら、新たなスタートを切れる春になりますように。
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ごったに mini 3 月号
大垣市民の健康広場・岐阜市健康まつり報告書
社会局:事業部 君垣義紀
「第 18 回 大垣市民の健康広場」
日時
: 平成 26 年 10 月 19 日(日)8 時~15 時半(市民の参加は 9 時~15 時)
スタッフ : 6 名/西濃地区を中心として 6 名
内訳
: 和田由賀里(大垣市民病院)廣瀬武(揖斐厚生病院)中島啓一郎(西美濃厚生病院)
君垣義紀、野本知恵、河野美波(博愛会病院)
会場
: 大垣城ホール
内容
: 1)「字がうまく書けるかも!?」
2)治療器具体験:アクリルコーン、ペグ、オコナー、ペットボトルキャップ等
3)自助具体験:箸、スプーン等
4)作業療法士のイメージ動画再生
参加者 : 見学者/103 名(男性 37 人、女性 66 人)
男性:16 名(活動参加 5 名)、小人 21 名(活動参加 10 名)
女性:51 名(活動参加 24 名)、小人 15 名(活動参加 6 名)
報告
: 今年度は晴天に恵まれましたが、来客者としては例年通り、健常者や家族連れや高
齢の方が主流で、中高生の参加はほとんど見ませんでした。スタッフは 6 名で対応しま
した。大垣市としては 18 回目を迎え、大垣市医師会を始め、保育園や地域クラブ活動
をしている方々の発表会も行われて盛り上がっていました。活動内容ですが、治療器
具体験や自助具体験、作業療法士のイメージ動画再生、パンフレットなどを配布し作
業療法の啓蒙活動を行いました。また、メインとして「字がうまく書けるかも!?」という
題目でスライド映写後体験参加してもらいました。やはり、最初の入りは血液検査など
の集中し、こちらのブースへの参加も少なかったのですが、見学者や活動参加者も
徐々に増えました。中には、介護相談や小児に関する相談も増えてきており、作業療
法士として地域に少しずつ浸透し、相談に訪れる方もいるのではと感じました。
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ごったに mini 3 月号
「第 34 回岐阜市健康まつり」
日時
: 平成 26 年 11 月 3 日(日)10 時~15 時半
スタッフ : 7 名/岐阜地区を中心として 6 名、西濃地区から 1 名
内訳
: 瓜田英明、竹内典之、永井千尋(松波総合病院)長野詩織、塩﨑章嘉(岩砂病院)
石川真太郎(山田病院)河村ひろ子(サンビレッジ国際医療福祉専門学校)
会場
: 岐阜市文化センター1 階催し広場、金公園
内容
: 1)上肢機能検査(STEF)
2)マクラメストラップ製作
3)作業療法紹介
4)個別相談
報告
: 岐阜市医師会をはじめ、医療や健康に関する多くの団体が出展されており、会場は
老若男女問わず多くの方が来場・参加され、活気にあふれた一日となりました。連休中
の中日ではありましたが、多くの病院・施設から人員のご協力を頂き、無事に終えること
ができました。作業療法のブースでは、主に上肢機能検査(STEF)とアクティビティ(マク
ラメストラップ製作)を出展。多くの方に「手の動きのチェック」と「作業活動」を体験してい
ただきました。市民の皆様に「からだ」や「こころ」の健康を振り返るきっかけづくりの一助
になったのではないでしょうか?また、「作業療法紹介」では作業療法についての紹介や
個別の相談事項に対して対応させていただきました。健康祭を通して感じることですが近
年、作業療法に対する地域の要望は高まってきていると感じております。私たちはこれ
からも地域に対してできることを日々考え、切磋琢磨していかなければならないと感じま
した。
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ごったに mini 3 月号
平成26年度 東海北陸リーダー養成研修 in 福井
医療法人和光会 山田病院 石川真太郎
東海北陸リーダー養成研修は、東海北陸地域の各県士会において、県士会の在り方や取り組み
について、今後を担うリーダー的存在を養成するための研修です。今回は、平成26年11月29日、
30日の2日間の日程で、福井県福井市にある AOSSA という会場で開催されました。私を含め、選
出された5名の県士会役員が参加させて頂きました。
初日は、コミュニケーションについての講演があり、伝えたい内容について、受け手と送り手の差
をいかになくすかというお話がありました。作業療法士は、患者さんとはもちろん、同じ作業療法士
や他職種など様々な人たちとコミュニケーションを図ります。そのような方々に自分の思いを伝える
際には、相手の立場に立つという基本的な態度が大切であると感じました。
同じ講師の先生より、組織とリーダーについての講演もありました。その先生の考えるリーダー像
とは、「意味を与える人,道筋をつくる人」というものでした。所属する組織やチームの中で、他のメ
ンバーがどう行動するか、どうあるべきか役割を持ってもらったり、動き方を伝えたりして、それぞれ
の道筋を作るのがリーダーの役割ではないかと思いました。
また、日本作業療法士協会 会長の中村春基先生より、「協会の取り組み、県士会に望むこと」と
いうテーマでご講演頂きました。初めて会長にお会いし、お話を聞くことができましたが、会長の熱
い思いを聞くだけでも参加した価値があったなと思います。生活行為向上マネジメントを通して、患
者さん、利用者さんの「活動と参加」に着目した作業療法の実践の重要性を、改めて実感しました。
活動と参加に介入するためには、機能的側面も十分理解できなければならないという言葉も、とて
も印象に残っています。作業療法士が、文字通り対象者の方の生活「マネジメント」できる能力が、
これから求められてくると思いました。こうした、会長の思いや協会の動向については、県士会会員
の皆様に伝達する機会を設定する必要があると思います。
2日目は、「来年度の県士会活動を考えよう」というテーマでグループワークを行いました。県士会
の問題点について、県士会に関心が持てないことを課題として、目的や役割が不明確であることを
挙げました。理由には、情報が一方通行である、県士会の全体像がみえないといった意見が出さ
れ、対策としてメールや広報誌の工夫、SNS の利用を提案し、
OT 協会の動向や制度が理解できる内容を入れ込むなどの意
見が出ました。
会長からも、まずはやりたい人が集まり、徐々に拡げていくこ
とが大切であるとご助言を頂きました。
平成27年2月には、早速地方局員の廣瀬先生が、岐阜地区
を盛り上げるための懇親会の企画をして下さいました。まずは
お互いを知るところからはじまり、年齢や経験年数にとらわれず、
県士会が一体感のある組織になるように、私自身も何ができる
か考えながら、日々の臨床や県士会業務に取り組んでいきたい
と思います。
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ごったに mini 3 月号
平成26年度第4回学術部研修会報告
学術部長:渋谷 玲二
地域領域担当:寺倉 恭子
平成 27 年 2 月 22 日(日)、平成医療短期大学にて学術部研修会(地域領域)が行われました。以下
に報告をします。
テーマ:学習理論を基盤とした積極的上肢訓練~課題指向型訓練と Transfer package~
講師 :竹林 崇 氏(兵庫医科大学病院 リハビリテーション部 副主任技士・作業療法士)
参加者:51 名(県士会員 47 名)
普段臨床で、機能は向上しているのに、生活に繋がらない。そんなジレンマを打開するヒントにな
らないかという思いから行動変容も視野に今回の研修を企画しました。学習を基盤とした上肢機能訓
練の重要なコンポーネントとして、麻痺手に対する量的な訓練・課題指向型訓練・麻痺手に対する行
動学的手法を掲げ、先生の臨床及び脳科学的裏付けに基づいた研究等幅広い知見からの講義は、
とても興味深く充実したものでした。行動変容に関わるメカニズムや、最近接領域を意識した課題設
定や、効果的な報酬やフィードバックの設定や頻度や、重度麻痺手に対して装具を利用することで訓
練できる方法等盛りだくさんの充実した内容でした。
運営設定ミスで、5 時間半程度の講義を、午前午後計 4 時間に短縮というハードな時間で行ってい
ただいたため質疑応答の時間等が持てず申し訳ありませんでした。できたら、各人が臨床で実践し
抱いた疑問や壁となっている事を持ち寄り次の打開策に繋がるような今回の第二陣となるような講
義を、再び竹林先生にお越しいただいて行えたらいいなという妄想を抱いています。
また、本研修の会場運営を西濃地区勉強会参加者の方々にお手伝いいただけましたことを心より
感謝いたします。今回の研修の前に行われた西濃地区勉強会で疑問として上がった報酬設定のヒン
トが、今回の講義にて出てきました。このように各地で行われている勉強会等で話題になった事等が、
学術部の研修とリンクするなど繋がりができると尚一層充実した研修を行うことができると思います。
是非、学術部で行ってほしい研修等ありましたら学術部員までご一報ください。
平成 26 年度 第4回理事会 議事録
■日時:H27/1/24(土)14:00~17:30 ■場所:ふれあい福寿会館2階会議室 ■出席者:柴、須貝、山河、永田、渋
谷、廣渡、中根、石川、木下、廣瀬(武)、廣瀬(哲)、加藤
東海北陸リーダー養成研修会
岐阜県理学療法学会:H27/2/15(日)、開会式 東海北陸リ (H26/11/29)開催報告。
ーダー養成 協会長より生活行為向マネジメントの
へ参列 ⇒柴会長出席
研修
重要性を強調。県士会内で協会の
査読委員会の設置:業務範囲①機関誌原稿の
(石川)
動向や取り組みを理解し、周知し
査読、②学会(県、東海北陸)原稿の査読
てもらいたい。
⇒H27/2 中には査読委員選出。
認知症対策検討委員会(仮):認知症初期対応
投稿予定論文数は現時点qで 10
機関誌編集
支援チーム活動を含め、県内の OTR が積極的
題。証明書発行依頼があったため
部
会 長
に介入し職能を発揮。現在、メンバー選出中。
対応した。
(石川)
(柴)
次年度の体制:①副会長 2 名体制、②地方局
発行は、H27/4 予定。
員・岐阜地区体制の強化。⇒理事の構成人数
広報誌発送状況 : ごっ たに mini
増を規約改正含め検討(継続審議)。
(12P)11/14 発送済。ごったに 77
総会資料作成:H27/2 末までに各部署事業報
号(12P)1/15 発送済。
広報誌
告作成。来年度事業計画・予算を作成し会長、
広報誌の検討事項:ごったに、ごっ
(会員向け)
財務部へ H27/2 中旬提出。
たに mini を 6 回/年発送している
(吉田)
第 20 回岐阜県作業療法学会:H28 年度西濃地
が、ページ数減となっている。年 4
区で開催。
回の発送とし会員への原稿依頼を
検討する。
各地区健康祭り開催
都道府県
大垣市:第 19 回市民の健康広場
「47 委員会」キックオフ会議:H27/2/15(日)、
OT 士会
場所:大垣城ホール。日時:10/19
生活行為向上マネジメント ⇒須貝副学会長出席
事業部
連絡協議
(日)。見学者:103 名。
都道府県作業療法士会連絡協議会・役員:選
(君垣)
会
岐阜市:第 34 回岐阜市健康祭り
挙開示 ⇒H27/4/21 まで
(柴)
場所:岐阜市文化センター。日時:
11/3(日)。見学者:大多数。
H27 年度事業計画①訪問リハ研修会、②災害
第 1・2回研修会:11/9(日)、3月8
リハ研修会、③高校生 1 日体験のバックアッ
岐阜県リハ
日(日)。会場:平成医療専門学
プ、④「岐阜県リハビリテーション白書」の作成
ビリテーション
院。内容:概論と演習。講師:第1
協議会会計担当者の変更:H27 年度 白井氏
協議会
生活行為マ 回 塩田氏(石川県立高松病院)第
H27 年度 PT・ST 士会の代表者:PT 士会は、槇
(柴)
ネジメント推 2回 尾崎氏(市立御前崎病院)。
林会長、舟木事務局長、ST 士会は、佐野会
進委員会
参加者:第1回 17 名。第 2 回は 49
長、森事務局長。
(須貝)
名予定。
第 15 回
第 15 回東海北陸 OT 学会(兼第 19 回岐阜県
生活行為向上マネジメント全国推
東海北陸
OT 学会)進捗状況
進会議:H27/1/31(土)~2/1
作業療法
日時:H27/11/28~11/29。場所:じゅうろくぷら
(日)。場所:東京。出席者:須貝
学会
ざ。参加費:会員 7,000 円、非会員 10,000 円、
氏、山本氏、吉田氏。
(柴)
学生無料。演題発表目標:100 題。
広報部
(一般向
け)
(永田)
配布用の新チラシが完成し、健康祭り、高校生
一日体験にて配布した。
デザインコストを抑えつつ、印刷枚数を増やせ
るよう検討。
学術部
(渋谷)
H26 年度学術研修会
第4回学術部研修会
日時:H27/2/8(日)開催予定。テーマ:学
習理論を基盤とした積極的上肢訓練。講師:
竹林 崇氏(兵庫医科大学病院)。会場:平成
医療短期大学。
H27 年度学術研修会
日時:平成 27 年5月 24 日(日)。場所:大垣
市情報工房。研修内容:①市民公開講座「リ
ハビリが人生を面白くする」講師 藤原茂氏。
②学術研修 老年期障害領域「認知症につい
て(仮)」講師 佐藤良枝氏、精神障害領域「統
合失調症の認知機能障害について」講師 中
村泰久 発達障害領域「子供の将来を考える」
講師 相羽秀子氏
IT 事業部
(山河)
メール登録者数(%):395 名
(88%)、
ホームページのスマートフォン対
応:対応できる新ページを作成中。
岐阜県医療推進協議会・岐阜県糖
尿病対策推進協議会:同日開催で
あるが、内容が異なるため、来年
度以降の参加について検討。
会員情報部
(山河)
新人会員の入会手続き:例年 5 月
の学会時期に入会している新人が
少ない。より円滑に手続きを出来
るよう検討。
会員動向と会費納入状況:448 名、
会費納入率 97%(435 名、平成 26
年 12 月現在)
総務部
(加藤清)
・岐阜県摂食嚥下研究会と人間福
祉学会からの後援依頼を承認
・日本作業療法士協会の表彰候補
者は該当会員なし
平成27年3月2日現在 岐阜県作業療法士会会員数453名 会員所属施設数134
岐阜県作業療法士会ニュース
「ごったに」編集:岐阜県作業療法士会(広報部)
岐阜中央病院 リハビリテーション療法課 作業療法室
〒501-1198 岐阜市川部 3 丁目 25 番地
TEL. 058-239-8111 FAX. 058-239-8216
岩砂病院・岩砂マタニティ
リハビリテーション科 作業療法室
〒502-0812 岐阜市八代 1-7-1
TEL. 058-231-2631 FAX. 058-294-1480
【編集後記】
今年度も締めの時期となりました。作業療法士として、対象者にどのような笑顔を提供できたでしょ
うか。来年度に向けて、更なる努力を積み重ね、多くの笑顔を提供できるとよいと思います。
来年度もよろしくお願い致します。