Experimental Biology 2015 に参加して

Experimental Biology 2015 に参加して
生命環境科学系博士課程 2 年
皆川秀洋(八田研究室)
2015 年 3 月終わりから 4 月の始めにかけて、
「博士課程学生のための国際研究集会渡航
助成」の支援を受けてアメリカはマサチューセッツ州ボストンで行われた Experimental
Biology 2015 に参加した。Experimental Biology とはアメリカの生理学会や栄養学会、生
化学会など複数の学会が共同して行う、年に一回春に開かれる日本にはない規模の大きな
学会だ。今回はその学会の栄養学のセッションでポスター発表を行った。
写真1:会場のボストンコンベンションセンター
写真2:ボストンの街並み
会場はボストンの中心地に近いボストンコンベンションセンターで行われた。地下1階
から4階まである建物で、非常に広い会場だった。ここで 5 日間、毎日各学会のポスター発
表や口頭発表が行われていて、学会参加者はおよそ数千人にも上るだろうと思われた。
筆者の発表は 3 日目だった。今回は最も抗酸化力の高い食物であるアサイーベリーをマ
ウスに投与し、ミトコンドリアの量で見た適応と走持久力、体組成の変化を測定し、そのデ
ータをまとめて発表した。近年スポーツ科学では抗酸化物質が運動による適応を阻害する
のではないかという説が提唱されており、今回の実験はそれを食物のレベルで検証した実
験だった。
質問者の数は多くなかったが、一人同様の研究をしているアメリカ人と議論ができたこ
とが最も大きな収穫だった。そのアメリカ人研究者は筆者と研究の対象が非常に近く、しか
もその世界では非常に有名な研究者で、そういった人物と議論ができたのは非常に良い経
験になった。
元々論文を読んで発表を聞こうと思っていた科学者以外にも、それまで知らなかった優
れた科学者を知ることができたり、中国やフランス、ブラジルなどの若い研究者達と生で議
論することができた今回の国際学会は、非常に得るものが大きい学会だったといえるだろ
う。