解 答 作 成 要 領 - 日本補償コンサルタント協会

共通科目
平成26年度補償業務管理士検定試験問題
受 験
番 号
受験地
氏 名
試験開始時刻前に、開いてはいけません。
(注意)この試験問題の解答は、電子計算機で処理しますので、以下の解答作成要領をよく読んで、別
紙の解答用紙に記入してください。
解 答 作 成 要 領
1.配布される書類
配布される書類は、
「試験問題(この印刷物)1部」及び「解答用紙1枚」です。もし、配布に間
違いがあったら、すぐ手をあげて、係員に知らせてください。
2.試験問題
⑴
試験問題は、表紙も含めて25頁(問題数は、50問)を1部につづったものです。試験開始後、
試験問題を開いて、紙数が足りないもの、印刷がはっきりしないもの等があったら、手をあげて、
係員に知らせてください。
⑵
試験問題は試験終了まで試験室に在室した方に限り、試験問題の持ち帰りを認めます。
3.解答作成の時間
9時15分から11時45分までの2時間30分です。終了時間がきたら解答をやめ、係員の指示に従って
ください。
4.解答用紙の記入方法
⑴
解答は、この問題には記入せず、必ず別紙の解答用紙(1枚)に記入してください。
⑵
解答用紙には、受験地(該当する
受験地名のマーク欄の
印を黒
く塗り潰してください。)、氏名、受
験番号〔5桁〕
(算用数字で縦に記入
し、該当数字の
も黒く塗り潰し
てください。
)を忘れずに記入してく
ださい。
⑶
解答用紙への記入は、必ず B 又は
HB の黒鉛筆を用いて、濃く書いて
ください。ボールペン、インキ、色
鉛筆等を使った場合は無効になりま
す。
⑷
解答用紙には、必要な文字、数字及び
を黒く塗り潰す以外は一切記入しないでください。
共―1
解答は、前頁の例のように、各問題に対し、正しいと思う選択肢の番号一つを選び、その下の
⑸
枠内を黒く塗り潰してください。これ以外の記入法は無効になります。
⑹
解答は、各問について一つだけです。
二つ以上を黒く塗り潰した場合は、無効になります。
⑺
解答を訂正する場合には、間違えた個所を消しゴムで、跡が残らないように、きれいに消して
ください。消した跡が残ったり、
や
のような訂正は無効になります。
5.退室について
⑴
試験開始後、1時間を経過するまでと試験終了前30分間は、退室が許されません。
⑵
途中で退室する際は、試験問題、解答用紙及び受験票を全部係員に提出してください。そのと
き各自の携行品を全部持って行き、試験問題等を提出したら、そのまま静かに退室してください。
退室後、再び試験場に入ることは許されません。
6.その他
⑴
受験票は、机上の見やすいところに置いてください。
⑵
受験中は、鉛筆(黒-B 又は HB)、消しゴム及び定規のみの使用に限ります。したがって、電
卓等の計算機器類等の使用は一切できません。
⑶
試験問題を写したり又は試験問題及び解答用紙を持ち出してはいけません。
⑷
試験問題の内容についての質問には応じられません。また、試験中は、受験者の間で話し合っ
てはいけません。
⑸
用便などのときは、手をあげて係員の指示を受けてください。なお、試験室内は禁煙です。
⑹
受験に際し不正があった場合は、受験を停止されます。
⑺
この問題の表紙にも受験地、受験番号及び氏名を忘れずに記入してください。
⑻
携帯電話の電源はお切りください。
共―2
《用地事務概要》
問1
用地事務の内容に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
用地事務の内容を手続面からいえば、補償客体の調査、補償額の算定、相手方との交渉、契
約の締結、登記、補償金の支払に至る一連の事務及び土地収用手続事務をいう。
2
用地事務は、公共事業のための用地取得等とそれに必要な損失補償に関する事務であること
から、公平かつ適正な補償額を自ら算定し、できるだけその額で契約することが望ましい。
3 国が、売買、賃借、請負その他の契約を締結する場合は、会計法(昭和22年法律第35号)に
より、原則として公告して申込みさせ「競争」に付さなければならないが、公共事業による用
地取得等の契約は、同法の適用外となっている。
4
公共事業が同一地域において競合する場合、各々の起業者が個々に同一権利者と用地交渉を
行うよりも、どちらか一方の起業者に委託して用地事務を進めた方が円滑に進むことがあるが、
このように用地事務を自ら行わず、他の起業者に委託する方法を用地の先行取得という。
問2
用地事務の手続に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
取得しようとする土地の登記記録を調査するためには、土地の地番を把握する必要がある。
このための公的資料調査による唯一の方法は、不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条第
1項に規定する地図を転写することである。
2
土地の測量及び物件等の調査を完了した際には、土地所有者ごとの土地調書及び物件所有者
ごとの物件調書を作成する必要があるが、調査を実施した責任者の署名押印を得ておけば、当
該調書の各権利者への確認及び署名押印を得ておく必要はない。
3
用地交渉は、単独で行うことは避け、必ず2名以上の職員が一組となって交渉に当たらなけ
ればならない。また、用地交渉の適正を期するため、交渉の経過等を明らかにした用地交渉記
録簿を備えておくことが必要である。
4 嘱託登記手続は、民法(明治29年法律第89号)第423条の規定に基づき債権者(国、県等)は
債務者(売主)に代位し、その者の有する登記請求権を代わって行使できる。ただし、相続登
記の申請手続については、債権者は債務者に代位して行うことができない。
共―3
《補償の法理》
問3
損失補償と損害賠償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 不法行為による基づく損害賠償は、日本国憲法(昭和21年憲法)第17条を基礎とし、国家賠
償法(昭和22年法律第125号)や民法の不法行為の規定等が規律している。
2
公共事業の施行に伴う日陰、臭気、騒音、水質等の汚濁等により起業地の所有者以外の第三
者に生ずる損失又は損害の発生が確実に予見される場合には、あらかじめ賠償することは差し
支えない。
3
不法行為に対する損害賠償においては、精神的損失等の非財産的損害についても賠償の対象
となり得、適法に基づく損失補償についても、実務上は精神的損失等の補償を認める場合もあ
る。
4
適法行為に基づく損失補償、不法行為に基づく損害賠償は、行政の作用に起因する損害・損
失を補填し個人の権利利益を擁護する機能を営むという点では、共通の性格を有している。
問4
憲法と損失補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
憲法第29条第3項を根拠として、財産権を公共の利益のために、正当な補償を行った上で収
用したり、制限したりすることが認められている。
2
損失補償は、適法な公権力の行使により生じた特別の犠牲を、全体的な公平負担の見地から
調整するための法技術である。
3
適法な公権力の行使によって加えられた財産上の損失に対する補償は、憲法上要請される場
合と、必ずしも憲法上は要請されないが、政策上の要請から立法措置や行政措置を講じて補償
が行われる場合とがある。
4
憲法第29条第3項の「正当な補償」の解釈については、生じた損失のすべてについての完全
な補償を要するとする完全補償説と、規制目的や社会、経済状況等を考慮し、合理的に算出さ
れた相当な額であればよいとする相当補償説とがあるが、土地収用法(昭和26年法律第219号)
における損失の補償についての判例(最高裁昭和48年10月18日判決)は相当補償説に立ってい
る。
共―4
問5
公共事業における権原の取得に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
公共事業を施行するための権原は、土地の所有権を取得することで、所有権以外の権原の取
得は認められない。
2
公共施設等に係る事業を施行し、又は当該施設を公共の用に供するためには、必要な土地に
ついて権原を取得する必要があるが、権原を取得しないまま私人の土地上で工事を実施した場
合には、民法又は国家賠償法の規定に基づく損害賠償責任が生じることはない。
3
国や地方公共団体の行う事業は、すべて土地収用法に規定する収用適格事業であるので、同
法に基づく権原の取得が可能である。
4
公共事業のための用地の権原の任意取得とは、国、公共団体等の公共事業施行者が、一般私
人と同等の立場で土地所有者等の関係権利者と話し合い、当事者双方の合意の上で、売買契約
等の契約を締結して権原を取得することである。
《土地収用法概説》
問6
事業の認定を行う機関に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
起業地が2以上の都道府県の区域にわたる事業については、国土交通大臣が事業の認定に関
する処分を行う。
2 一の県の区域内にとどまる電気事業法(昭和59年法律第86号)による一般電気事業の用に供
する電気工作物に関する事業の認定に関する処分は、起業地を管轄する県知事が行う。
3
本体事業の起業者が市町村であっても、関連事業の起業者が国の場合は原則として、国土交
通大臣が事業の認定に関する処分を行う。
4
都道府県が行う事業については、起業地を管轄する地方整備局長等が事業の認定に関する処
分を行う。
共―5
問7
事業の認定の申請単位に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
事業の認定は、当該事業の公益性や土地利用上の合理性等を判断する処分であるので、それ
らの判断が可能となるような事業の単位とする必要がある。
2
事業の認定は、その公益性を発揮できる単位を事業認定の申請単位とする必要があるので、
バイパス事業の場合は、現道から分岐して再び現道に取りつくまでの区間を一つの申請単位と
することができる。
3
一部の区間について用地取得がすべて完了している場合又は区間相互の用地取得のスケジュ
ールに大きな差がある事業等については、事業の認定の申請単位の縮小をすることができる。
4
申請起業地を縮小することは審査の簡素化に資するので、残件箇所のみを申請起業地区間と
する申請単位の縮小ができる。
問8
事業の認定の手続きに関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
起業者は、事業の認定の告示があったときは、直ちに土地所有者、関係人に対して土地所有
者、関係人が受けることができる補償の内容、支払い請求の方法等について周知する措置を講
じなければならない。
2
土地所有者及び物件所有者は、自己の権利に関して損失の補償金を支払うべきことを起業者
に請求することができる。
3
事業の認定の告示があったときには、あっせんは打ち切られる。
4
事業の認定が行われると、起業地を表示する図面は起業地の存する市町村で縦覧され、事業
認定の効力を失う日又は土地等の取得完了の通知を受ける日まで公衆の縦覧に供される。
問9 土地収用法第15条の14に定める事業の説明会(以下、「事業説明会」という。)に関する次の記
述のうち、妥当なものはどれか。
1
事業説明会では、起業者は事業の目的及び内容について、当該事業認定について利害関係を
有する者に説明しなければならない。
2
事業説明会を開催する場合は、起業者は事業の施行を予定する土地の存する地方の新聞紙に
一週間前までに公告しなければならない。
3
起業者は、新聞紙に公告した事項を事業の施行を予定する土地等に関して権利を有する全て
のものに対し、文書で通知しなければならない。
4
事業説明会を開始する時において、起業者は参加する者がないときにおいても事業説明会を
開催しなければならない。
共―6
問10 土地収用法に係る土地調書及び物件調書の作成に関する次の記述のうち、妥当でないものはど
れか。
1
起業者は、土地調書及び物件調書を作成する場合、土地所有者及び関係人(起業者が過失が
なくて知ることができない者を除く。)を立ち会わせた上、土地調書及び物件調書に署名押印さ
せなければならない。
2
起業者は、事業の認定告示後は土地調書及び物件調書の作成のために土地に立入る調査権が
あるので、必ず実地に測量又は調査し、調書を作成しなければならない。
3
起業者が、過失がなくて知ることができない土地所有者及び関係人がいる場合は、その土地
の所在する市町村長に立会い及び署名押印を求めることにより、土地調書及び物件調書を作成
することができる。
4
土地所有者及び関係人は、調書の記載事項について異議があるときは、その内容を当該調書
に附記して署名押印をすることができる。
問11 事業の認定の要件について、次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
土地を収用又は使用することができる事業は、土地収用法第3条各号に掲げられている事業
に限られる。
2
起業者である市町村の財政状況が良好でない場合は、事業の認定の要件である十分な意思と
能力に欠ける。
3
道路事業のルートが都市計画と整合しない場合、土地収用法第20条第3号の要件に該当せず、
事業の認定を受けることができないことが多い。
4
土地収用法第20条第4号の「土地を収用し、又は使用する公益上の必要があること。」につい
ては、事業の施行により「得られる利益」と「失われる利益」を比較衡量し総合的に判断する。
共―7
《一般補償基準》
問12 「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」
(昭和37年6月29日閣議決定。以下「一般補償基準」
という。)の基本的事項に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
任意交渉の場合においても、各起業者において、資金面の制約、工期の切迫、交渉上の駆引
きその他の理由から、収用の場合における補償額に比して過大あるいは過小の価額を提示する
ことなく、常に正当、公平なものであるべきである。
2
補償額は、契約締結の時の価格によって算定するものとし、その後の価格の変動による差額
については、追加払いしないものとしているので、例えば、起業者の工事が遅延したため仮住
居期間が延びたことに伴う仮住居補償費の不足分に対する追加の補償はできない。
3
反射的利益については補償をする必要がないが、単なる利益の程度にとどまるものであって
も、事業の施行によって著しい社会的摩擦をひきおこす結果となる場合においては、その例外
として、その実情に応じてこれらの利益の喪失を損失としてとらえ、これに対して補償し、あ
るいは補償することができる。
4
損失の補償を金銭で行う場合は、土地等の取得等の前後において財産価値の総額において増
減がないように行うものとし、土地の取得にあたり金銭により補償をする場合には、土地所有
者が近傍において代替地を取得するに足る金額でなければならない。
問13 一般補償基準に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
建物移転工法において構内再築工法を認定した場合、残地を処分する必要がないので、残地
補償における売却損についての補償はできない。
2
移転雑費は、土地等の取得又は土地等の使用に伴い建物等を移転する場合にのみ補償される
ので、例えば、資材置場に供され、かつ、その用に応ずるためのフェンス等の施設が整備され
ている土地等で、当該土地の所有者が引き続き資材置場の代替地を必要とすることが認められ
るときであっても移転雑費を補償することはできない。
3
営業休止等の補償において、通常休業を必要とする期間は、建物移転工法別補償期間表によ
る期間に前後の準備期間を加えた期間を標準とする。
4
残地等に関する損失の補償における売却損率は、移転雑費補償における従来の利用目的に供
するために必要と認められる代替の土地等を取得するため当該土地を早急に売却する必要があ
る場合には考慮する必要がある。
共―8
問14 土地の補償額算定に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
取得する土地に対しては正常な取引価格をもって補償するが、当該土地に建物その他の物件
があるときは、当該物件がないものとしての当該土地の正常な取引価格によるものとする。
2
土地の附加物とは、土留設備、石垣、石段等土地に付加され、土地と一体となって効用を有
するものをいい、土地そのものの構成部分であるから、その価値は土地に含まれる。
3
起業者が施行する道路等の建設が予定されることにより土地の取引価格が高騰した場合、当
該起業者が当該道路用地として取得するときは、当該道路事業の影響がなかったものとして予
想される価格で補償することとなる。
4
土地所有者が当該土地を取得するために支払った金額及び改良又は保全のために投じた金額
並びに課税の場合の評価額は、正常な取引価格を定める場合において参考となる。
問15 土地の正常な取引価格に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
土地の正常な取引価格は、近傍類地の取引価格を基準とし、これらの土地及び取得する土地
の位置、形状、環境、収益性その他一般の取引における価格形成上の諸要素を総合的に比較考
量して算定する。
2
土地の正常な取引価格を定める場合においては、土地所有者がその土地に対して有する主観
的な感情価値は、考慮しない。
3
山間部の宅地のように農地又は林地等を宅地に造成したものであって、取引事例の極めて少
ない場合においては、農地又は林地等の取引価格に宅地の造成に通常必要とする費用相当額を
加えた額は一つの重要な参考要素となる。
4
土地の正常な取引価格を定める場合において参考となる収益価格の算出に当たっての還元利
回りは、宅地、農地及び林地とも6パーセントで運用されている。
問16 土地に関する所有権以外の権利に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
長期間権限なく占用を続けていたものに対しても、本権がないのであるから占有権に対する
補償はできない。
2
地上権等の権利は、原則として登記をしなければ第三者に対抗し得ないものであり、無登記
であれば補償することはできない。
3
消滅させる土地に関する所有権以外の権利に対しては、正常な取引価格(一般的に譲渡性の
ないものについては、土地の正常な取引における当該権利の有無による土地の価格の差額)を
もって補償することとなる。
4
土地の価格は、土地の所有権価格と所有権以外の権利の価格との合計額に等しいという前提
に立っている。
共―9
問17 建物等の移転料の補償に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
従前の建物と同種同等の建物が残地に再現することができると認められるときは、残地を通
常妥当と認められる移転先と認定するものとする。この場合、植栽、自動車の駐車スペース等
の利用環境の面について考慮する必要はない。
2
従前の建物が複数の用途に供されているときは、従前の建物と同種同等の建物又は従前の建
物に照応する建物を残地に再現することができるか否かの判断を当該用途の一ごとに行うこと
ができる。
3
復元工法は、建物の部材の希少性の程度等を勘案して、原形で復元することが合理的と認め
られる場合においてのみ採用することができる工法である。
4
建物等が分割されることとなり、その全部を移転しなければ従来利用していた目的に供する
ことが著しく困難となるときは、当該建物等の所有者の請求により、当該建物等の全部を移転
するのに要する費用を補償するものとする。この場合の建物等の所有者からの請求は書面でな
ければならない。
問18 建物等の移転料の補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
建物に付随する工作物(大規模な工作物を除く。)については、原則として、建物の移転料と
して算定する。
2
借家人が附加した造作は、建物本体から分離可能で独立した経済価値を有するものについて
も、建物に附合するものとして建物所有者に補償する。
3
照応する建物による補償においては、従前の建物の機能を確保するために必要と認められる
最低限の建物階数の増加又は建物の形状の変更並びにこれらに伴う床面積の増加、構造の変更
又は設備の設置が認められている。
4
曳家工法による建物の移転料は、曳家工事費+補修工事費の式により算定するが、そのうち
の曳家工事費には整地費が含まれる。
共―10
問19 法令改善費の補償に関する記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
法令の規定に基づく施設改善費用そのものの補償は、本来、改善措置は建物等の所有者の責
任において実施すべきものであること及び財産価値増をもたらすことになるとしてできない。
2
法令改善費用に係る法令には、施設の改善について制限を課している条例は含まれるが、要
綱等の行政指導(成文化され、かつ、公表されているものに限る。)は含まれない。
3
既設の施設を法令の規定に適合させるために必要となる最低限の改善費用とは、設備の新増
設を伴う場合にあっては設備の推定設置費から既設の設備の推定設置費を控除した額を標準と
している。
4
法令の規定に基づき改善を必要とする時期とは、法令の規定に基づき改善の時期が明らかな
場合を除き、原則として、既設の施設の耐用年数満了時である。
問20 家賃減収補償又は借家人補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
アパートを移転する場合においては、当該アパートの経営が業としての営業をなすと認めら
れる場合には、家賃減収補償を適用することなく営業補償の規定により補償する。
2
家賃減収補償の算定における従前の建物の家賃(月額)は、補償契約締結前の一年間におけ
る当該建物に係る家賃収入額を十二で除した額とする。
3
借家人補償の算定における補償年数は、別途定める家賃差補償年数表の区分による範囲内で
定めるものとされているが、借家人が高齢である等生活再建上特段の事情があると認められる
ときは、各区分の補償年数について40パーセントを限度に増加補正することができる。
4
借家人補償において、貸主と借主とが親子であるとかの特別な関係がある場合には、移転先
の建物において事実上借家が継続する可能性が高いので、借家人補償に代えて仮住居補償をす
る場合がある。
共―11
問21 庭木等の補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
庭木等を伐採することが相当であると認められるときは、当該庭木等の正常な取引価格と伐
採除却に要する費用相当額との合計額から伐採により発生する材料の価格を控除した額を補償
する。
2
当該庭木等が防風、防雪その他の効用を有し、かつ、当該効用を維持し、又は再現する特別
の事情があると認められる場合は、代替工作物の設置に要する費用その他当該効用を維持又は
再現するのに通常要すると認められる費用に相当する額を庭木等の正常な取引価格に代えるこ
とができる。
3
残地に庭木等が存することとなる場合において、建物等を残地以外の土地に移転することに
伴い、建物等の関連移転とすることが妥当であると認められるときは、当該庭木等の所有者か
ら当該庭木等の移転の請求がなくても当該庭木等を移転するのに要する費用を補償する。
4
建物等を残地に移転する場合であって、庭木等が建物等の建築予定土地内に存するときは、
当該庭木等を移転するのに要する費用を補償する。
問22 動産移転料に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
屋内動産の移転費は、建物の占有面積及びその収容状況を調査し、地域における標準的な一
般貨物自動車の運賃により算定する。
2
一般動産の移転費は、品目、形状、寸法、容量、重量、その他台数算出上必要な事項を調査
し、地域における標準的な一般貨物自動車の運賃により算定する。
3
取扱いの困難な動産については、その実情に応じて梱包、積上げ及び積卸し人夫賃、易損品
割増料、その他必要と認める特殊経費を加算することができる。
4
土地等を使用する場合における使用終了後に従前地に移転する動産に対する補償は、移転す
る直前である使用終了時に補償する。
共―12
問23 営業補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
営業廃止補償の対象となるものは、取引の慣行のある営業の権利、資本及び労働に関する損
失並びに転業期間中における得意先喪失による損失である。
2
営業休止補償における通常休業を必要とする期間中の収益減の補償は、休業期間中に当該営
業所により得られる予想収益相当額を補償することを要するが、セールスマン等により営業の
一部を継続できる場合には、それによる予想収益相当額を控除しなければならない。
3
営業を休止することなく仮営業所を設置して営業を継続することが必要かつ相当であると認
められる場合として、病院、銀行等公益性の強い事業が該当する。
4
営業規模縮小の補償において、通常営業の規模を縮小しなければならないときとは、営業用
建物を改造工法により、その規模を縮小して残地に存置する場合又はその規模を縮小して構内
移転をする場合である。
問24 残地等に関する損失の補償に関する記述について、妥当でないものはどれか。
1
事業の施行により生ずる日陰、臭気、騒音その他これらに類するものによる不利益又は損失
については、補償しない。
2
残地に関して生ずる損失の補償額は、次式により算定する。
{取得に係る当該画地の評価格-当該残地の評価格×(1-売却損率)}×当該残地の面積
3
借地権等の残権利については、取得に係る画地が宅地のときであっても補償することができ
ない。
4
農地地域内の田で、残地の水利が不良となることにより、田に供することが著しく困難にな
ると認められる場合は、当該残地を相当と認める他の利用目的に転換するために通常要する費
用及び当該利用目的に転換することにより生ずる価格低下に相当する額を、取得に係る画地の
評価格に残地の面積を乗じて得た額を限度に補償することができる。
共―13
問25 移転雑費の補償における就業不能補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
移転先又は代替地等の選定、移転前後の動産の整理、移住、法令上の手続、移転工事監督そ
の他の事由により建物等の所有者及び借家人が就業できないときは、それらの者が就業できな
いことによる通常生ずる損失を補償する。
2
就業不能日数は、移転工法、建物等の種類、規模により異なる。なお、営業、農業、漁業等
の休止補償と重複しないよう考慮する必要がある。
3
就業できないことにより通常生ずる損失の補償額の算定に当たっては、就業不能日数に、1
日当たりの損失額として被補償者個人の所得を基準とした額を乗じて行う。
4
土地等の使用に係る場合において、当該使用の終了後に従前地へ移転するときの就業不能日
数については、移転先の選定に要する日数を考慮してはならない。
問26 その他通常生ずる損失の補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
立毛補償は、当該立毛の収穫後に土地の引き渡しを受けることとすればその補償を要しない。
2
養殖物補償は、土地等の取得又は土地等の使用に伴い藻類、魚介類等の養殖物を移植する場
合又は移植不可能な場合における損失の補償である。
3
特産物補償では、野生のわらび、ぜんまい、なめこ、くり、薬草等で特定人の管理に属して
いない経済的価値の比較的高い植物を補償対象としている。
4
移転先を造成する費用の補償による補償費は、当該移転先の土地代金と宅地造成費用の合計
額から起業地の土地代金を控除して算定しなければならない。
共―14
《公共補償基準》
問27 公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱(昭和42年2月21日閣議決定。以下、「公共補償基準」
という。)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
公共補償基準は、公共事業の施行に伴う公共補償の基準の原則的な大綱を定めたものであり、
その運用に当たっては、公共事業の性格及び公共補償に係る個々の具体的な事情に応じて社会
通念上妥当な補償となるよう適正に運用するものとする。
2
公共施設とは、土地収用法その他の法律により土地等を収用し、又は使用することができる
公共事業の用に供する施設をいい、当該施設に関する事業を施行するに当たって収用権が付与
されていた事業であれば、当該事業完成後に特定の個人に譲渡され、個人の使用に供されてい
る施設も公共施設に該当する。
3
公共補償の対象となる施設は、土地収用法その他の法律により土地等を収用し、又は使用す
ることができる公共事業の用に供する施設で、村落共同体その他の地縁的性格を有するものが
設置し、又は管理する施設は公共補償の対象とならない。
4
機能回復とは、公共事業の施行により廃止し、又は休止することが必要となる起業地内の公
共施設等の機能を、当該機能を構成している諸要素を、総合的にみて、技術的に可能な範囲で、
合理的な形で再現し又は復元することをいい、この場合、機能回復に要する経済的な要素は考
慮しないものとする。
問28 公共補償基準の補償の方法に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
公共補償は金銭をもって補償することを原則としているが、公共事業に係る工事の施行上、
起業者が代替の公共施設等を建設し、若しくは公共施設等を移転することが、技術的、経済的
に合理的と認められる場合は、現物補償によることができる。
2 公共補償は金銭をもって補償することを原則としているが、道路法(昭和31年法律第101号)
第22条又は河川法(昭和39年法律第167号)第18条等の法令の規定により現物補償とすることが
命ぜられた場合は、現物補償によることができる。
3
公共補償を金銭をもって補償する場合、原則として、渡し切りとされており、公共施設等の
管理者が既存公共施設等の機能回復のための工事を請負に付し、入札手続をとることを予定し
ている場合において、設計額と落札額に差金が生じたときでも、精算しないことができる。
4
公共補償を現物補償をもってする場合、当該工事に係る公共施設等をその管理者に引き渡し
たときは、同時に、廃止施設の敷地は原則として公共事業の起業者に帰属するものとし、廃止
施設(敷地を除く。)は、あらかじめ協議したところに従い管理者が撤去し、又は起業者に引き
渡すものとする。
共―15
問29 既存公共施設等に対する補償に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
既存公共施設等の機能回復は、原則として同種施設によって行うものとするが、既存公共施
設等と異なる種類の施設によることが技術的、経済的に合理的と認められるときは、異種施設
によることができる。
2
既存公共施設等に代替する公共施設等を建設し、又は既存公共施設等を移転するに当たり、
法令の規定により当該公共施設等を一定の構造等のものとする義務が課されている場合におい
ては、その必要の限度において、機能回復の限度をこえる部分の一部を補償することができる。
3
既存公共施設等の機能回復が同種施設により行われる場合において、既存公共施設等に代替
する公共施設等の機能の発揮に必要な電力料等の維持管理費が従前に比べて著しく増加すると
認められる場合は、適正かつ合理的な一定期間中の維持管理費の増加分を補償することができ
る。
4
既存公共施設等の機能回復が異種施設により行われる場合において、当該既存公共施設等及
び異種施設の種類、状態等に応じて,完成後の維持管理の態様が異なる場合は、適正かつ合理
的な一定期間中の維持管理費の全額を補償することができる。
問30 公共補償基準の土地代に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
公共施設等を合理的な建設地点に建設し,又は合理的な移転先に移転するために必要な土地
を取得するために要する費用を補償するときは、一般補償基準に基づいて算定した正常な取引
価格をもってするものとする。
2
公共施設等を合理的な建設地点に建設し,又は合理的な移転先に移転するために必要な土地
を取得するために要する土地代が、廃止施設敷地の正常な取引価格に満たない場合には、一般
補償基準に基づいて算定した正常な取引価格により、起業地部分の土地代を補償するものとす
る。
3
公共施設等の合理的な建設地点若しくは合理的な移転先を残地とする場合には、一般補償基
準に基づいて算定した正常な取引価格により、起業地部分の土地代を補償するものとする。
4
公共施設等の合理的な建設地点又は合理的な移転先の土地代の補償を行う場合、廃止施設敷
地に残地が生じるときは、原則として、敷地の一部を取得することによって生ずる利用価値の
減少等を考慮しない当該残地の正常な取引価格を控除するものとする。
共―16
問31 公共補償基準に定める建設費に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
既存公共施設等の機能回復が代替の公共施設等を建設することにより行われる場合において
は、当該公共施設等を建設するために必要な費用(土地代及び建設雑費その他通常要する費用
を除く。)から、既存公共施設等の処分利益及び既存公共施設等の機能の廃止の時までの財産価
値の減耗分を控除した額を補償するものとする。
2
地方公共団体等が管理する既存公共施設等であって、当該公共施設等に係る決算が継続的に
赤字状況にある等、減耗分相当額を調達することが極めて困難な場合は、減耗分の全部又は一
部を控除しないことができる。
3
道路、水道等減耗分の算定が不可能と認められる施設又は鉄道の線路、電線路等でその一部
を付替する場合において、当該部分のみの減耗分を算定することが適当でない施設については、
減耗分相当額として当該施設の工事費の20%を控除することができる。
4
現物補償による場合、当該補償工事の施行時期に既存公共施設等の管理者が、予算上等の理
由により既存公共施設等の減耗分相当額を負担することができないときは、あらかじめ協議し
て,公共事業の起業者において減耗分相当額を立替えて当該工事を施行することができる。
問32 公共施設等の損傷等に対する費用の負担に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
公共事業に係る工事の施行により、起業地外の公共施設等の損傷又は機能の著しい低下で、
社会通念上受忍の範囲をこえるものが生ずる場合は、公共事業の起業者は、これらの措置をと
るために必要な最小限度の費用を負担することができるが、この場合の必要な最小限度の費用
には、土地代、建設雑費及び維持管理費が含まれる。
2
公共事業に係る工事の施行により、起業地外の公共施設等の損傷又は機能の著しい低下で、
社会通念上受忍の範囲をこえるものが生ずる場合は、公共事業の起業者は、これらの措置をと
るために必要な最小限度の費用を負担することができるが、この場合の社会通念上受忍の限度
としては、単に不便が生ずるだけではなく、経済的に著しい損失があることが必要である。
3
公共事業に係る工事の施行により、一時的な行政需要の増大に対する費用を負担することが
できる場合とは、当該公共事業の工事期間中及びその残務整理期間中に当該工事により流入す
る労務者等の一時的な人口増加に伴い、小中学校、診療所及び交番等を充足する場合等である。
4
完成した公共施設に起因する起業地外の公共施設等の損傷又は機能の著しい低下で、社会通
念上受忍の範囲をこえるものが生ずる場合は、公共施設等の管理者又は地方公共団体が、これ
を防止し、又は除去するために、公共施設等の建設等を行うときは、公共事業の起業者は、こ
れらの措置をとるために必要な最小限度の費用を負担することができる。
共―17
《事業損失・生活再建》
問33 事業損失の意義に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
公共事業の施行とは、事業の準備、計画、立入調査、用地取得、建設工事、工事の完成、使
用又は稼働、維持管理等に至るすべての段階を含んでおり、これらのいずれかの段階で発生し
た損害等を事業損失という。
2
一般に、公害とは、騒音振動、水質汚濁、大気汚染の三大公害のほか、電波妨害、日照阻害、
地盤沈下などがあり、これらの公害が、公共事業の施行に伴って発生する場合にこれを事業損
失というが、公共事業の施行に伴う悪臭や貯水池による蚊やハエの大量発生は事業損失とはい
わない。
3
収用損失は、統一的な補償基準等が整備されているが、事業損失は、その損失、損害等の発
生態様が複雑多様なこともあって、必ずしも定型化された取扱いがなされていない分野もある。
4
事業損失とは、公共事業の施行により発生する騒音、振動、日照阻害等により第三者に与え
る不利益、損失又は損害をいい、公共事業の施行に必要な土地等の取得又は使用に伴い生ずる
経済的損失であるところの収用損失とは区別されている。
問34 代替地対策に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
提供方式のうち、起業者自らが代替地(素地)を取得し、造成及び提供を行う等、代替地業
務のすべてを行うのが直轄方式であり、直轄方式による場合の提供方法については、分譲又は
交換の二通りがある。
2
あっせん方式とは、起業者が地元地方公共団体又は地元有力者等に協力を依頼し、市町村所
有地(土地開発公社所有地を含む。)、売却物件等のあっせんを受け、これらを候補地として代
替地希望者に提示し、いずれか一つについて合意を得る方式である。
3
協力方式のうち、全面協力方式とは、地元地方公共団体等が代替地(素地)の取得、造成、
分譲等代替地業務のすべてを行う方式である。
4
協力方式のうち、一部協力方式とは、起業者が代替地(素地)の取得、分譲を行い、地元地
方公共団体等が造成を行う等代替地業務の一部について協力を得る方式である。
共―18
《土地利用規制法概説》
問35 都市計画法(昭和43年法律第100号)の定める地域地区に関する次の記述のうち、妥当なものは
どれか。
1
高層住居誘導地区は、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度及び建築物
の敷地面積の最低限度を定める地区である。
2
高度利用地区は、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
3
特例容積率適用地区においては、必ず建築物の高さの最高限度が定められる。
4
準都市計画区域においては、いかなる地域地区を定めることもできる。
問36 建築基準法(昭和25年法律第201号)の建ぺい率又は容積率に関する次の記述のうち、妥当でな
いものはどれか。
1
建ぺい率は、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合であり、同一敷地内に二以上の建築
物があるときには、二以上の建築物の建築面積の合計が、建ぺい率を計算する場合の基礎とな
る建築面積となる。
2 建ぺい率の制限は、建ぺい率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内又
は準防火地域内にある耐火建築物については、適用されない。
3
建築物の容積率算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下、階段の用に供する
部分は、算入されない。
4 前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの)の幅員が12メートル未満
である建築物の容積率は、前面道路の幅員のメートルの数値に、建築物のある地域・地区・区
域の区分に従い、それぞれに定められた数値を乗じたもの以下でなければならない。
問37 農地法(昭和27年法律第229号)における農地又は採草放牧地の転用に関する次の記述のうち、
妥当でないものはどれか。
1 都道府県知事が、4haを超えない市街化調整区域内の農地を農地以外のものに転用すること
を許可する場合には、条件を付けることができる。
2 4haを超えない市街化区域内の農地を農地以外のものに転用しようとする者は、都道府県知
事の許可を得る必要はないが、事前に農業委員会に届出を行わなければならない。
3 4haを超えない市街化調整区域内の採草放牧地を採草放牧地以外のものに転用しようとする
場合には、都道府県知事の許可が必要である。
4
国が4haを超えない農地を病院の用に供するために転用しようとする場合においては、国と
都道府県知事との協議の成立をもって、都道府県知事の転用の許可があったものとみなされる。
共―19
問38 河川法又は道路法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
河川管理者は、河岸又は河川管理施設を保全するため必要があるときは、河川区域内に限っ
て、一定の区域を河川保全区域として指定することができる。
2
河川保全区域内においては、河川管理者に届け出ることによって、土地の掘削、盛土又は切
土その他土地の形状を変更する行為を行うことができる。
3
道路の区域が決定された後、道路の供用が開始されるまでの間は、道路管理者が土地に関す
る権原を取得していなくても、道路管理者の許可を受けなければ、区域内において土地の形質
を変更することはできない。
4
道路を構成する敷地、支壁その他の物件について所有権を有する者は、物件に抵当権を設定
することができない。
《補償関係税制概説》
問39 譲渡所得に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
譲渡所得とは資産の譲渡による所得をいい、土地建物等の譲渡が長期譲渡所得として分離課
税の対象となるためには、その譲渡の日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超え
なければならない。
2
譲渡所得には棚卸資産を含むが、営利を目的とする継続的な資産の譲渡による所得や山林の
伐採譲渡による所得は含まれない。
3
譲渡所得として分離課税の対象とされるのは、土地建物等の譲渡による所得のほか、建物又
は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定に伴い受け取る権利金などの所得である。
4
長期譲渡所得の金額の計算上、収入金額から控除する資産の取得費は、当該収入金額の100
分の5に相当する金額と定められている。
共―20
問40 収用交換等の場合の譲渡所得の特別控除の特例(以下この設問において「5,000万円控除の特例」
という。)に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
同一年に二以上の収用交換等に係る事業に収用等された場合、その全部について5,000万円控
除の特例の適用を選択しなければ、当該特例の適用は受けられない。
2
一の収用交換等に係る事業につき、二以上の年にまたがって譲渡がなされた場合には、最初
の年に譲渡した資産に限り5,000万円控除の特例の適用が受けられるが、当該事業の施行地の計
画変更に伴い地域が拡張されたときに、変更前後の地域をそれぞれ別個の事業として取り扱い、
当該特例が適用される場合がある。
3 5,000万円控除の特例の適用を受けるためには、確定申告書等の提出を要するが、その年分の
確定申告書の提出の必要がない者は、何らの手続きを要することなく当該特例の適用が受けら
れる。
4
事業施行者等から最初に資産の買取等の申出を受けた者が、その後当該資産を売買や贈与等
により譲渡した場合でも、これらの譲受人が当該資産を収用交換等により譲渡すれば5,000万円
控除の特例の適用が受けられる。
問41 補償金の課税上の取扱いに関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
建物の収用等に伴い収益補償金名義で補償金を受けた場合で、当該建物の対価補償金として
受ける金額が、当該建物の再取得価額に満たない場合は、当該収益補償金名義で受ける補償金
のうち、その満たない金額相当分を対価補償金に振り替えることができる。
2
借家人が賃借している建物が収用等をされたことに伴いその使用の継続が困難となった場合
に、転居先の建物の賃借に要する権利金に充てるものとして受ける補償金は、対価補償金とし
て取り扱われる。
3
送電線やトンネル等の構築物を所有するための地下又は空間において上下の範囲を定めた地
上権の設定により受ける権利金について、その金額が当該権利の設定対象地の時価の2分の1
を超える場合は、対価補償金として取り扱われる。
4
土地とその上にある建物等の所有者が異なる場合で、双方が親族関係にあり、借地権の設定
ではなく使用貸借のときには、当該土地の対価補償金の全額がその土地の所有者に帰属するこ
ととなる。
共―21
問42 公共用地の取得等に伴う損失の補償等に関する消費税及び地方消費税の取扱いについて(平成
26年3月12日中央用地対策連絡協議会理事会申合せ)の消費税及び地方消費税相当額(以下この
設問において「消費税等」という。)の補償の要否に関する次の記述のうち、妥当でないものはど
れか。
1
損失の補償等の補償金算定上消費税等を考慮不要との申し出のあった土地等の権利者等につ
いては、個別調査を不要とし、消費税等を積算上考慮を要しない。
2
消費税等を考慮不要との申し出のない土地等の権利者等については、消費税等の確定申告書
(控)の写しを収集する等により個別に調査を行い、消費税法(昭和63年法律第108号)上、仕
入税額控除の対象となると認められるときは、消費税等の補償につき積算上考慮を要する。
3
権利者が国、地方公共団体の特別会計、消費税法別表第三に掲げる法人又は人格のない社団
等であるときは、消費税法第60条第4項の規定による特定収入に該当し、特定収入割合が5%
を超える場合には、仕入税額控除の特例が適用されるため、消費税等の補償につき積算上考慮
を要する。
4 権利者が国、地方公共団体の一般会計であるときは、消費税法第60条第6項の規定により課
税売上げに係る消費税額と課税仕入れ等に係る消費税額とを同額とみなすこととされており、
補償等の額に対しては納付税額が生じないため、消費税等は全額補償を要する。
《発注仕様概説》
問43 国土交通省の直轄事業に必要な土地等の取得若しくは使用又はこれらに伴う損失補償基準に関
連する業務の請負(委託を含む。)基準に定められている「用地調査等共通仕様書」(以下「共通
仕様書」という。)に定める用地調査等に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
調査対象物件の工作物のうち附帯工作物とは、建物及び他の区分に属するもの以外のすべて
のものをいい、門、囲障は含まれるが、一般住居の屋外の給・排水設備は含まれない。
2
調査対象物件の工作物のうち生産設備とは、当該設備が製品等の製造に直接・間接的に係わ
っているもの又は営業を行う上で必要となる設備でテニスコート、工場等の貯水池、牛、豚、
鶏その他の家畜の飼育又は調教施設も含まれる。
3
工作物は、機械設備、生産設備、附帯工作物、庭園及び墳墓に区分されるが、キュービクル
式受変電設備は建築設備に区分される。
4
テラス、ベランダ等建物と一体となって施工されるものは建物の調査に含めて行うが、電話
設備、放送設備、テレビジョン共同受信設備は建物の調査に含めて行わない。
共―22
問44 共通仕様書に定める用地調査等に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
受注者は、用地調査等を着手するに当たっては、共通仕様書及び特記仕様書並びに現地踏査
の結果等を基に主任担当者に作業計画を策定させなければならない。
2
受注者は、用地調査等を行うため障害物を伐除しなければ調査が困難と認められるときは、
関係権利者の同意を得て伐除し監督職員に報告しなければならない。
3
受注者は、用地調査等のために権利者が占有する土地、建物等に立ち入ろうとするときは、
あらかじめ、当該土地、建物等の権利者の同意を得なければならない。
4
受注者は、権利者から要望があった場合は、十分にその意向を把握した上で、速やかに処理
を行い、その旨を監督職員に報告しなければならない。
問45 共通仕様書に定める用地調査等に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
1棟の建物が2以上の用途に使用されているときの面積計算は、用途別に面積を算出するも
のとし、小数点以下第2位(小数点以下第3位四捨五入)までの数値を求めるものとする。
2
建物等の移転料の算定のための共通仮設費及び諸経費等の端数処理と、補償額算定に必要と
なる資材単価等の端数処理方法は異なる。
3
立竹木の計測単位は、根本周囲、胸高直径、枝幅はセンチメートル(小数点以下第1位四捨
五入)とし、樹高はメートル(小数点以下第1位<小数点以下第2位四捨五入>)とする。
4
建物及び工作物の調査において、長さ、高さ等の計測単位は、メートルを基本とし、小数点
第2位(小数点以下第3位切捨て)とする。
問46 主任担当者の業務として立会いが義務づけられているものに関する次の記述のうち、妥当でな
いものはどれか。
1
用地調査の実施に先立ち監督職員から業務の実施について必要な指示を受ける場合
2
用地調査等の実施に当たり監督職員の指示について疑義が生じたときの協議
3
検査職員が用地調査等の完了検査を行うとき
4
監督職員が用地調査の進捗状況の報告を求めた場合に、その報告を行うとき
共―23
《不動産登記法概説》
問47 不動産登記に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1
登記することにより対抗力が生ずる不動産の権利に関する登記は、その登記申請をするか否
かは、当事者の意思に委されている。
2 甲が自己所有の土地を平成26年10月1日に乙に売却した後、更に平成26年11月1日に丙にも
売却した場合において、丙が乙より先に所有権移転の登記を行ってしまえば、乙は先に買い受
けたものであるとして、丙に対して所有権を主張できない。
3
甲・乙間で不動産の売買契約が有効に成立した場合に、甲から乙への所有権移転の効力が生
ずるのは、その所有権移転の登記をした時である。
4
登記を信頼して取引をした善意の者は、無過失と推定される。
問48 不動産登記に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
不動産の権利に関する登記の申請をする場合には、申請人(代理人を含む。
)は、登記所に出
頭しなければならない。
2
登記識別情報の提供が必要とされる登記の申請について、その提供ができないときは、登記
申請は不能となる。
3
民法上物権とされている入会権は、不動産登記法によって登記できる。
4
不動産の売買による所有権移転の登記は、売主と買主の共同による申請が原則である。
問49 不動産登記に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1
不動産の表示に関する登記については、その登記の対象となる土地又は建物を実地調査する
権限を登記官に与えている。
2
登記に備え付けられている地図に準ずる図面は、登記事務の処理に際して重要な役割は果た
していない。
3
抵当権設定の登記は、登記記録中の表題部に記載される。
4
甲から乙に売買による所有権移転の登記がなされているが、実体は丙が甲から買い受けてい
た場合でも、この売買による所有権移転・登記は、無効とならない。
共―24
《補償コンサルタント業》
問50 補償コンサルタントの登録を受けようとする者(登録の更新を受けようとする者を含む。)は、
一定の要件に該当する者でなければならないが、当該要件に関する次の記述のうち、妥当でない
ものはどれか。
1
登録を受けようとする登録部門(総合補償部門を除く。
)ごとに当該登録部門に係る補償業務
の管理をつかさどる専任の者で次のいずれかに該当する者を置く者であること。
イ
当該登録部門に係る補償業務に関し7年以上の実務の経験を有する者
ロ
国土交通大臣がイに掲げる者と同程度の実務の経験を有するものと認定した者
2 総合補償部門の登録を受けようとする者にあっては、当該部門に係る補償業務の管理をつかさ
どる専任の者は、上記イに該当する者であって補償業務に関し10年以上の指導監督的実務の経
験を有するもの、又はこれと同程度の実務の経験を有するものとして国土交通大臣が認定した
者でなければならない。
3
補償業務に関する契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明ら
かな者でないこと。
4
法人である場合においては当該法人及びその役員が、個人である場合においてはその者及び
当該個人の支配人が、補償業務に関する契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明
らかな者でないこと。
共―25