平成26年度 第4号 - 佐賀県理学療法士会

佐賀県理学療法士会ニュース
2015
vol.101
平成 26 年度 第 4 号
HAGAKURE
会員数 1064
施設数 170
●巻頭言
CONTENTS
●リハビリテーション介護技術研修会報告
●九州理学療法士・作業療法士合同学会 2014 報告
●フットサル九州ブロック大会優勝報告
●第 23 回佐賀県理学療法士学会報告
●各種研修会参加報告
●職場紹介
●会員動向 / 編集後記
今月の表紙 / 九州 PT・OT 合同学会 2014
巻 頭 言
社会局公益事業推進部 秀島 聖尚
(医療法人友和会 鶴田整形外科)
会員の皆様、いかがお過ごしでしょうか?最近は日を追うごとに暖かくなり、春の訪れを感じる方も多くおら
れるのではないかと思います。日々過ごしやすくはなって来ますが、私としては春の陽気に誘われ過ぎず、心の
緩みだけは起こさないように努めていきたいと思うこの頃です。
さて、つい先日(1月30日)ではありますが日本理学療法士協会から急告が届きました。ご存知の方も多いと思わ
れますが、保険適用外の理学療法士の活動に関するものです。要は「医療保険、介護保険を利用せず、理学療法
を実施する行為をホームページ等で宣伝」したり、「理学療法士が医師の指示を得ずに障害のある者に対し、理
学療法を提供し、業とすること」に対する注意喚起です。皆様もご存じの通り…理学療法士とは厚労大臣の免許
を受け、理学療法士の名称を用い、医師の指示の下、理学療法を行うことを業とする者…を指すことが身分法上
決められています。したがって上記のような行為を行えば法律に抵触し、法的責任を負うことになります。しか
もすでに各地から違反行為として指摘を受けている状態だということです。
われわれ理学療法士の職域拡大に関しては、協会はじめ諸先輩方がずっと取り組んでこられ、今ではいろんな
分野で活動している理学療法士も増えてきました。しかもその職域拡大に関しては、徐々に理学療法士の数が増
えていき、今後働く場所が少なくなっていけないと、後から来る後輩の理学療法士の為に行っていた努力でもあ
ったはずです。しかしながら、今回の件は「理学療法士は自分達の範疇を超えて活動しようとしている」といっ
た印象を世間に与えることにつながり、職域を拡大していこうとする活動を逆に抑え込んでしまう怖れもありま
す。
理学療法士という名称は、世の中にはだいぶ浸透してきていると思います。“医学療法士”や“理学療養士”
など、以前はその間違いに対して説明しなければならないこともありましたが、テレビや雑誌、新聞などのメデ
ィアで取り上げられることも多くなり、今では世間から職業としての認知も頂き、何よりいろんな分野で働いて
いる姿をフォーカスされることも珍しくなくなりました。どんどん会員数も増えていっている中、今一度われわ
れに与えられた役割は何なのかを問い、またその活動をする上でどんなルールがあるのかを見直さなければなら
ないのではないかと思います。
巻頭からだいぶ堅い話になってしまいましたが、担当である公益事業を通して、少しでも対象となる方をサポー
トできるよう、まずは私自身も初心をたずね、そして様々な活動をする中でわが身を省みながら、今後その業に
当たりたいと思っています。
Saga physical therapy Association News
①
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
研修会報告
「平成26年度第2回リハビリテーション
介護技術研修会を終えて」
【報告者 高塚 直希 / 宇都宮病院】
平成27年1月11日に医療福祉専門学校緑生館にて開催されましたリハビリテーション介護技術研修会の
実施報告をさせて頂きます。
今回の研修会の参加者は24名であり、内訳は介護職13名、看護職5名、柔道整復師2名、作業療法士3
名、その他1名。県士会スタッフは20名で運営に携わりました。
午前中は大川内直木先生の「リハビリテーション医学概論」の講義から始まりました。患者様に対してな
ぜリハビリテーションを実施するのか、多職種での協同作業が大切ということ、廃用症候群についての説
明までわかりやすく教えて頂きました。介護現場でも廃用症候群を呈している患者様を介護されるスタッフも参加者の中に
たくさんいらっしゃいました。そのなかで今回の講義は貴重な時間になったのではないかと思うし、自分自身も勉強するこ
とができました。
次に、一ノ瀬英治先生の「福祉用具の選び方」の講義が始まりました。杖の種類及び使い方、車椅子の正しい選定等がわか
りやすく紹介されていました。介護現場において福祉用具を使用して移動を行っている患者様はたくさんいらっしゃると思
います。 私自身も現場で補助具を選択する機会がたくさんあります。今回参加されたスタッフはとても勉強になられたと
思いますし、私自身も福祉用具を学ぶ貴重な時間となりました。 次に野方徳浩先生の「トランスファー理論」の講義が始まりました。今回参加のスタッフは午後からの介護技術実技指導を
受ける前にこのような講義があることで午後からの時間が非常に充実されるのではないかと思いました。そして、野方先生
のキレのあるユーモアたっぷりのトークにより、活き活きとした楽しい講義になっていました。
午後からは本研修会のメインである、介護技術実技指導が行われました。12グループ(1グループ2名)に分かれて、寝返
り・起き上がり等の起居動作の介助方法に始まり、中盤からはトランスファーを中心に様々な介助方法を指導されていまし
た。 参加者の皆さんは午前中の「トランスファー理論」の講義を受けているため介助方法のイメージがつきやすかったの
ではないかと思います。また、実習を行う前に、野方先生がお手本となって実際に介助方法を行う際に、動画撮影を行って
いる参加者を多く見かけました。私自身も実技は回数をこなさないと、なかなか習得するのが困難だと思っており、数日後
にいざ練習を行おうとしても忘れてしまったという経験が多々あります。そんな中、動画として残しておくことでいつでも
練習することが出来るということは介助方法習得にとても近づくのではないかと思いました。私自身も教えるという立場に
立つことで非常に勉強になりました。 本研修会を通してリハビリテーションを行う事の意義や、福祉用具の知識や介護技術を改めて学ぶことができました。また
介護スタッフがどのように患者様に対して福祉用具を選択しているのか、介助を行っているのかを間近で感じることが出来
たのは私自身、そしてその他のスタッフも良い経験なったのではないかと思います。
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
②
九州理学療法士・作業療法士合同学会2014
テーマ:『九州発。くらしを考える ~障がいと生涯を見つめて~』
会 期:2014年11月22日(土)~23日(日)
会 場:佐賀市文化会館
「九州理学療法士・作業療法士合同学会2014」を終えて
【学会長 小柳 伸一郎 】
平成26年11月22日(土)~23日(日)に行なわれました九州理学療法士・作業療法士合同学会2014。会
員皆様の御協力により無事終了することが出来ました。
心より感謝申し上げます。
平成24年より準備委員会を立ち上げ、以来25回に及ぶ会議を重ねてまいりました。
学会の各局・部を担当された会員の皆様の協力・指導なくしては実現できなかったのもだと思っています。あり
がとうございました。
また、各講座の講演を快く受けていた頂いた講師の先生・各講師との連絡調整を頂いた担当の会員。口述・ポ
スターでの演題発表をしてくれた九州各県の会員。学会前日よりスタッフとしてご苦労頂いた会員。当日参加頂
いた九州各県の会員。すべてに感謝です。
お陰をもちまして、収支決算でも九州ブロックからの持ち出しをお願いすることなく終了できました。また8
年後に佐賀県担当の学会がめぐってまいります。今回の会員皆様の一意団結を再度発揮していただきたいもので
す。
学会までの長い道のりを思い返すとあの頃のなんともいえない気持ちがよみがえります。しかし今、学会長を
やってよかった。学会長をやらせてもらってよかった。と思うことばかりです。皆さんの協力の下に達成できた
ことを忘れずに今後も職務に励みたいと思います。
「無常」という言葉があります。今この時間は変わっていく。今のこの姿も変化していく。常に変化していく
現実を避けることが出来ないなら、前を向いて変化し続けることが生きるということかもしれません。生まれた
ばかりの赤ちゃんの「無常」であるがゆえに成長をしていきます。
学会を通じて、また「無常」の意味を考えさせられました。
九州各県の会員・佐賀県理学療法士会・作業療法士会会員に感謝です。誠にありがとうございました。
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
③ 【教育講演】 森岡 周先生
(畿央大学)
吉尾 雅春先生
(千里リハビリテーション病院)
石井 慎一郎先生
(神奈川県立保健福祉大学)
山根 寛先生
山本 伸一先生
土井 勝幸先生
(京都大学大学院)
(山梨リハビリテーション病院)
(介護老人保健施設 せんだんの丘)
榎勢 道彦先生
神津 玲先生
(四天王寺和らぎ苑)
(長崎大学病院)
澤潟 昌樹先生
(在宅総合ケアセンター元浅草)
【市民公開講座】 長谷川 幹夫先生(三軒茶屋リハビリテーションクリニック院長)
『障害者の主体性の再構築に向けて』
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
④
第23回佐賀県理学療法士会学会
守・破・離
~求められるプロフェッショナルを目指して~
【学会長 田中 正昭 / 白石共立病院 】
1月25日(日)、白石町総合センターにおきまして
第23回佐賀県理学療法士会学会、テーマを“守・破・離”
と銘打ち、開催させて頂きました。
私自身、過去22回開催されてきた本学会への関わりと
しては、座長役を2度ほど勤めさせて頂いた程度で、学会
の準備運営に関しては全くの素人でありました。
第22回学会の副学会長(次期学会長)を引き受けた時
は、正直不安で一杯だったことを思い出します。そんな思
いの強かった私が、唐津の準備員会に出席していくうちに
“自分なりの学会運営”というものを考えている自分に気
付きました。それは“既成の学会とは違った内容”でもい
いのではないかということです。お気付きの会員も多いか
と思いますが、学会テーマは基より、サブテーマ、教育講
演、市民公開講座がこれまでの学会とは内容であったと思います。県士会理事及び学会担当の渡部氏には、色々
とご迷惑をおかけしました。今回の学会では幸いにも一般演題を16題エントリーして頂きました。実を言いま
すと、“一般演題申込みが一桁だったらどうしようか”という心配がありました。この心配ごとに対しても、私
なりの策を練っておりましたが幸いにして、この策を打つ必要はありませんでした。エントリーして頂いた会員
諸氏にこころより感謝申し上げます。
さて今回の学会長を務めさせて頂くうえで、私自身のテーマを掲げておりました。それは、まず学会長である
私自身が楽しいと思える学会にしたいという事です。さすれば準備委員諸氏も楽しんで運営に当たってもらえる
のではないかと。それが最終的には、学会に参加して頂く方々も楽しんで頂けるのではないかと。勝手な思い込
みかもしれません。しかしその思いに至った根拠として、これまで私が経験した県内外の学会というもので“良
いな”と感じた学会の共通点は、学会に携っている準備委員の方々が笑顔で、活きいきと役割を果たされていた
という事です。今回協力して頂いた準備委員諸氏が、楽しんで運営に当たれたのかどうかは聞いておりませんが
私自身は十分楽しめました。改めまして、この誌面をお借りしてお礼申し上げます。有難うございました。併せ
て、来年度中部地区担当の第24回学会が成功される事を祈念しております。
⑦
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
【受賞者紹介】
学会長賞 COPD患者に対するMNAで分けた差の検討 吉原 麻美 氏(敬天堂 古賀病院)
今回、佐賀県理学療法士会学会に参加し、今まで関わることが少
なかった疾患の症例報告やいろいろな分野での研究を聞くことが
でき、とても勉強となる学会となりました。
今回はCOPD患者に対し簡易的栄養評価であるMNA評価を用い
ての差について検討を行いましたが、殆どの項目に差がみられ、
MNAも栄養評価として行うことが好ましいという結果となりま
した。今後も、MNA含め、栄養についての知識を深め、またい
ろいろな視点で考察していきたいと思っています。
学会奨励賞 様々な高次脳機能障害を呈した症例 ~坐位保持獲得を目指して~ 光野 敬彦 氏(医療法人智仁会 佐賀リハビリテーション病院)
中部地区症例検討会に症例を出させて頂いたことがきっかけで
今回シングルケースで発表させて頂きました。まさかこのよう
な素晴らしい賞が頂けるとは思っていなかったのでとても喜ん
でいます。今後も精進していきたいと思います。
【教育講演】 「守・破・離~求められるプロフェッショナルを目指して」のテーマの元
4人のベテラン理学療法士によるシンポジウム形式で行なわれました。
【市民公開講座】 DJ YUYA氏による「僕は僕で、他の誰でもない!」のテーマでの講演。
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
⑧
「平成26年度介護予防実践者研修会 事業報告」
【報告者 一ノ瀬 英治 / 介護老人保健施設ケアコートゆうあい】
平成26年9月21日、佐賀県理学療法士会の公益事業として介護予防実践者研修会を佐賀県立病院好生館多目的ホールにて開催しました。
この研修会は日頃介護の現場で働いておられる皆様を対象に行われており、介護福祉士、生活相談員など介護職の方を中心に、他にも看
護師など計55名と多くの参加者に集まって頂きました。ちなみに、今年で4回目の研修会となっており、内容は例年のように摂食嚥下、
認知症、運動器の3つのテーマで構成されています。
最初に宇都宮病院の平いつき先生より『美味しく楽しく食べるためには』とのタイトルで言語療法士の立場から摂食嚥下について講演頂
きました。食事の基本姿勢とその環境、また臨床で経験する誤嚥のパターンやその対処方法、口腔ケアの方法まで幅広く話して頂き、口
から食べる事がいかに重要かを気付かせてくれる内容でした。また、実際にトロミ系の飲水を準備し、どの程度の粘性のものが飲み込み
やすいかを参加者全員に体験してもらったこともあり、より実践的な内容で参加者の方も頷きながら聴いておられました。
次に西九州大学の上城憲司先生からは、『認知症予防について ~周辺症状の対応を中心に~』をテーマに講演して頂きました。先生は作
業療法士として大学で講師をされる立場から、これまでの我が国における対認知症政策の紹介、基本的な認知症の症状、また介護現場で
問題となる周辺症状を中心にその対応方法やこれからの認知症予防プログラムなど幅広く講義して頂きました。先生が実際に行なわれて
いる物忘れ外来での作業療法の風景も見せて頂いたことで、実際の現場で認知症に携わっている参加者にとっては共感が持てる内容とな
ったのではないかと思います。
午後の講義は若楠療育園の渡部雄一先生に『運動器機能向上について ~地域生活と転倒予防~』というテーマで講演頂きました。今回も
要介護認定者数の推移が増加していることに基づき、歩くチカラの重要性や生活圏の広がりが大切だということを話して頂きました。ま
た転倒の原因を内的な要因(身体因子)と外的な要因(住環境)に分けて説明し、その後の身体的な機能へのアプローチや住環境への工夫にわ
かりやすく結びつけて頂きました。さらに評価実技では、新たに足関節の関節角度の計測を取り入れられ、背屈可動域の低下によるつま
ずき転倒についても言及し、ちょっとしたチェックでもリスク管理は可能という事も参加者に訴えかけられていました。
今回は3名の講師の先生のお陰で、とても充実した研修会を開催することができました。今後も理学療法士の立場からだけではなく、日頃
から取り組んでおられる各事業所のスタッフの皆様に少しでも役に立つよう介護予防事業を進めていきたいと思います。今回の研修会で
の課題を活かし、さらに必要な介護予防アプローチを見直して、また来年の研修会につなげていきたいと思います。
⑨
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
研修会報告
「地域理学療法研修会」に参加して
【報告者 新郷 修二 / ひろおか内科・神経内科クリニック 訪問リハビリテーション事業所】
平成26年9月2日(火曜日)19:00から開催されました、地域理学療法研修会に参加させていただきました。テー
マは「来年の介護保険改正とリハビリテーション専門職の関わり」でサブタイトルとして、佐賀県が取り組む地域包
括ケアシステムの方向性を踏まえてということでありました、講師に佐賀県長寿社会課係長の八坂 要様のお話を聞
かせていただきました。来年の介護保険改定、地域包括ケアシステムというキーワードのため、PT・OT・STのみな
らず、介護支援専門員、相談員の参加もあり100名超す参加があっております。
我々理学療法士は「地域に根付いたリハビリテーションを」いうことで現在に至るまで様々な活動に関わって参りま
した。私の経験では昭和58年に施行された、老人保健法による、市町村主体で行う機能訓練事業、巡回指導に関わっ
て参りました。その時も市町村により地域の特色を持った取り組みがなされておりました。在宅におられる寝たきり
の方の掘り起し、更には外に連れ出すといった活動を保健師の方と共に行っておりました。当時はデイサービス、デ
イケアなどなかったため、地区保健所であったり、市町村単位で機能訓練事業、相談業務を行っていたものです。そ
の後、老人保健施設ができ、デイケア事業が始まったことにより、PT・OT・STが地域、在宅に関わることが多くな
ったように思います。
これから始まる地域ケアシステムに対し、我々理学療法士が必要とされる事が幾つかあげられます。
①課題アセスメント能力(分析・評価)と今後の生活の予後予測を行う。
②地域ケア会議に参加し、アドバイスに行ったり、他職種からのアドバイスを頂く。
③退院前カンファレンスに声が掛かるように普段から理学療法の啓発を行う。
④自立支援を常に考え、生活行為を高めることに重点をおく。
⑤自分が所属する病院、施設が地域でどんな位置づけで、今後何を行っていくのかを熟知する。
⑥地域にどんなリハビリテーションに関する施設があり、どのような役割を担っているのかを知る。
⑦地域の社会資源を知り、活用する。
まとめると、地域を知ること、ひいては所属施設のことを知り、自分がどういう動きを行うかといったことが重要に
なると思います。色んな方向にアンテナを張り、同職種との連携、他職種との連携を持って地域住民の方の生活に参
加していくことが必要ではないかと私自身考えております。
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はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
⑩
「平成26年8月10日(日)開催 新人教育プログラム」
【主催/(公社)佐賀県理学療法士会 開催場所/西九州大学】
新人教育プログラムに参加して
今回、研修内容は「理学療法と倫理」、「リスクマネジメント」「人間関係および接遇」「理学療法に
おける関連法規」の4科目でした。
「理学療法と倫理」では多久市立病院の小栁伸一郎会長より職業倫理について講義をしていただきまし
た。理学療法士として、知識・技術を学ぶとともに倫理観の常なる向上を心掛けていかなければならな
いということを改めて考えさせられる内容でした。
「リスクマネジメント」では佐賀県医療センター好生館の片渕宏輔副会長より講義をしていただきまし
た。リハビリを実施するにあたり中止基準はもちろんのこと、急変時において、いかに迅速にどのよう
な対応ができるかが大切であると学びました。
「人間関係および接遇」では佐賀中部病院付属介護老人保健施設の大川内直木先生より講義をしていた
だきました。人間関係を構築していく上で、患者様や利用者の方、また職場のスタッフも含めて、コミ
ュニケーションの図り方の違いが対象者に与える影響は良くも悪くも大きく変わってくることを教えて
いただきました。
「理学療法における関連法規」では河畔病院の溝上昭宏先生より講義をしていただきました。理学療
医療法人醇和会 法士・作業療法士法はじめ介護保険法、健康保険法など身のまわりに様々な法律があり、それらを遵守
有島病院 しながら患者様や利用者様へ理学療法を提供できるよう務めていきたいと思います。
今回、新人教育プログラムを受講させていただき、この研修会をきっかけに今後も様々な研修会や学会
島ノ江 敏輝 に参加することで、理学療法士としての知識や技術、人間性を高めて患者様や利用者様に還元していけ
るように努力していきたいと思います。
医療法人
ひらまつ病院
伊東 雅也
⑪
私は「生涯学習と理学療法の専門領域」と「ティーチングとコーチング」を受講しました。
「生涯学習と理学療法の専門領域」では、生涯学習のシステムや各専門分野の説明、履修ポイントなど
について講義して頂きました。その中でも講義のはじめに言われた『理学療法士は資格取得をして終わ
りではなく、生涯にわたって学習する必要がある。』という言葉が印象的でした。多くの理学療法士が
いる中で、淘汰されないためにも、自分が学習したい専門分野を見つけ、その分野について深く学んで
いくことが求められていると感じました。今後、新人教育プログラムを修了し、認定・専門理学療法士
を目指すために県内の研修会はもちろん、県外の研修会等にも参加していければと思いました。
「ティーチングとコーチング」では、ティーチングとコーチングの違いやコミュニケーションの基本と
なるスキル、相手の特徴に合わせたタイプ別の接し方などについて講義して頂きました。講義はロール
プレイング形式で行われ、実際に体験することができたため話し手と聞き手の感じ方や場面や相手での
使い分けなどが分かりやすかったです。臨床の場では様々な人と関わる機会があるため、よい信頼関係
を形成できるように今回の講義で学んだことを生かしていきたいと思いました。
最後に、今回の新人教育プログラムにおきまして講義して頂いた佐賀県理学療法士会の先生方をはじめ
運営に関わって下さった先生方に深く感謝申し上げます。
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
「第3回 神経理学療法研修会に参加して」
【講師 玉利 誠先生 / 福岡国際医療福祉学院】
平成26年8月9日(土)に武雄看護リハビリテーション学校において開催された、佐賀県理学療法士会主催の神経理学療法研修会に参加
させていただきました。今回は、福岡国際医療福祉学院 玉利誠先生を講師にお招きし、①脳画像のみかた、②近年の脳画像研究から考
えるニューロリハビリテーションの2つのテーマを講義していただきました。
脳画像の読解は見慣れておらず苦手意識を持っており、今回の講習会に参加したのも苦手を克服したいという思いからでした。前半の
講義では、脳画像の基礎から学び各スライスレベルでの解剖学的ランドマークとその部位に関連したトピックス、理学療法士にとって重
要な経路である白質神経線維(連合線維、投射線維など)の走行についてわかりやすく学ぶことができました。これまで、損傷を受けた
部位から障害を考えて予後予測を検討していました。しかし、これからは「どの結合線維がどの程度損傷しているから」といった視点か
ら障害を捉え、アプローチをしていく必要があるということを学びました。
後半では、MRI画像を用いた脳機能回復過程での脳機能画像の変化と損傷後の神経機能回復の促進を目的にしたニューロリハビリテーシ
ョンについて教えていただきました。理学療法士の介入により運動ネットワークの活性化を促すことができること、将来は活性化させる
部位をコントロールするリハビリが可能になるという今後のリハビリテーションの可能性について知ることができました。ガイドライン
やエビデンスの「読み方」についても触れられ、脳卒中のリハビリテーションを行っていく中で、指針として必要であるけれども、社会
復帰のために目の前の患者様へどのような治療が最適かを常々考えていくことが重要だと感じました。
この日は、脳画像が患者様の病態を予測し、適切な評価・治療を選択するうえで非常に重要ということを再認識し、今以上に知識を深
める必要があると痛感した講習会でもありました。
(報告者 / 医療法人朋友会 山口病院 入口 奈々)
⑤
はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101
「中部広域部・学術局地域理学療法共同企画研修会」
【報告者 土井 秀幸 / 樋口クリニック】
平成27年2月23日、地区担当局中部広域部と学術局地域理学療法とで共同企画した研修会を開催しました。参加者の中にはPT・OTに
加えCMやMSWも数名交じり、約50名の参加となりました。
本研修会は、国が計画する地域包括ケアシステムの構築を見据え、医療と介護の連携による取り組みを、実際の事例を通して身近に感じ
る機会とする事を趣旨としました。そこで、入院から退院そして在宅支援とシームレスなサービス連携が図れた事例の報告会にしたいと
考え佐賀リハビリテーション病院のセラピストと同系列居宅支援事業所のケアマネージャーに講師を依頼しました。
はじめに、回復期からの関わりとしてPT吉竹氏に、そして退院後のケアプランについてCM西川氏に、最後に在宅での生活支援として
訪問リハのPT藤木氏にそれぞれの視点で捉えた問題点に対応した内容を紹介頂きました。
症例は、40歳代の男性で右被殻出血による右片麻痺を呈したA氏。リハ開始時は弛緩性麻痺で高次脳機能障害や感覚障害も著明で基本
動作は全介助レベルでした。
PT吉竹氏は回復期でのリハビリテーションでは、生活再建を視野に入れた治療的アプローチとしてエビデンスを常に意識することが重
要と言われていました。
本症例は約半年間の訓練で歩行能力の回復に至りました。そこに到達するまでには姿勢保持に要するコアコントロールをはじめ多角的な
評価とエビデンスに基づいたプログラミングによるアプローチをされていました。急性期を脱し身体機能の回復が著しい時期だからこそ
その後のADLに与える影響も大きいため、よりダイナミックな動作を主に取り入れたことで歩行動作能力が向上し移動の再建が図れた
内容でした。疾患による後遺障害は十人十色で一人として同じ症状、同じ障害、同じ回復過程をとるものではなくその訓練内容も障害の
程度や個人レベルに応じたものとなります。退院後の在宅生活を見据えた回復期の訓練はその人の将来を左右する一つの分岐点だと思い
ました。
CM西川氏のケアプランについては、区分支給限度基準額を大きく超過したプランとなってしまったが在宅生活における問題点を様々
な角度から捉え、本人や家族の意向を最重視した内容でした。A氏の退院後の生活は身体的、精神的不安に加え、財政的にも苦しく生活
保護の申請まで検討されていました。これについてはCMの立場から説明することはすごく重圧となり自治体との調整も大変だったと思
います。ケアマネジメントの考え方もICFの視点で捉えた活動と参加に視点を置き、訪問リハと通所リハを明確に使い分けされている
ところが印象的でした。本人、家族との深い関わりと関係スタッフとの信頼関係が十分に構築されていたからこそ生活支援における問題
点を的確に把握でき必要な時期に必要なサービスを導入できたのだと感じました。
PT藤木氏の訪問リハでは、生活の中にある多くの問題点を整理し負の連鎖を引き起こす課題に対し優先的に対応していくアプローチ
法をとられていました。特に、回復期で再獲得できた移動能力の向上はA氏の活動と参加を促すには重要課題と捉え、装具の装着方法や
環境整備の評価を十分にされていました。装具装着に関してはベルクロに工夫を施し、踵部をくり貫く事で履き易さを追求され、手すり
の取り付けはA氏の残存能力を考慮した最小限のものでした。さらに通所リハでも情報を共有しながらADL再建に必要な訓練内容を検
討するなど多職種との連携も十分図れている内容でした。
今回の症例は、同一系列の事業所が絡む在宅支援計画の一例であることから、医療介護の連携や多職種間の情報共有もスムーズにでき
たように思われるかもしれません。しかし、抑えるべきポイントは情報の伝達と共有だと思います。生活期においては常に時節的な時時
間軸を意識することが大切です。今後、A氏に導入されるサービス内容もその時の状況や時期に応じて見直しが必要となります。その際
に新たな多職種でシームレスな連携を図るために必要なのは支援経過に関する情報です。
本研修会を終えて、医療側と介護側で情報の伝達と共有がどうすればスムーズにできるようになるか今一度考える機会となりました。
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はがくれ 平成 26 年度 第 4 号 No.101