2015 年度数学 A no. 3(担当:日野) コース名 学籍番号 氏名 [3-1] 微分方程式 y 0 = y で初期条件 y(0) = 2 をみたすものについて,コーシーの折れ線近似法を 適用してみよう.F (x, y) = y とおく. (微分方程式に対応するベクトル場は (1, F (x, y)) と なる. )h > 0 とし,x0 = 0, y0 = 2 とする.n = 1, 2, 3, . . . に対して xn = xn 1 + h, y n = yn 1 + hF (xn 1 , yn 1 ) と順に定める. (1) x1 , y1 , x2 , y2 , x3 , y3 を求めよ. (2) 一般に xn と yn を求めよ.答のみでよい.(証明は数学的帰納法を使えば簡単なので) (3) h を消去することで,yn を xn を用いて表せ. (4) (3) の答を yn = gn (xn ) とする.本来は点 (xn , yn ) (n = 0, 1, 2, . . . ) を折れ線で結ぶと ころだが,ここでは関数 y = gn (x) で補間してしまおう*1 .n ! 1 の極限を取ったと きの関数 y = g(x) を求めよ. [3-2] 微分方程式 y 0 x2 x y = x の一般解を定数変化法を用いて求めよ.今回も式変形の途中 +1 で分数の分母が 0 にならないかという点は気にせず,形式的に論じてよい. (解答欄) [3-1] (1) x1 = h, y1 = 2(1 + h), x2 = 2h, y2 = 2(1 + h)2 , x3 = 3h, y3 = 2(1 + h)3 (2) xn = nh, yn = 2(1 + h)n ⇣ xn ⌘n (3) yn = 2 1 + ✓ n ◆n t (4) gn (t) = 2 1 + となるので,n ! 1 として g(t) = 2et . よって極限関数は n y = 2ex . p x y = 0 の一般解は(…計算略…) y = C x2 + 1(C は実数定数)となるの x2 + 1 p で,y = C(x) x2 + 1 の形の解を探す.元の方程式に代入して計算すると(…計算略…) Z p x x 0 p C (x) = p となるから,C(x) = dx = x2 + 1 + C1(C1 は実数定数). x2 + 1 x2 + 1 p よって,一般解は y = x2 + 1 + C1 x2 + 1. [3-2] y 0 *1 このようにすることで,h ! 0 の極限を取るところを n ! 1 の極限移行に変換した.
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