講義資料

システム最適化特論
担当:平田 健太郎
第4回 (5/7)
1.グラフとネットワークにおける数理
・ 双対問題 (続)
・ 多項式時間アルゴリズム, 内点法(1)
1
講義日程(予定)
4/13 1.グラフとネットワークにおける数理
・ 輸送問題とLP
4/20
・ シンプレックス法(1)
4/27
・ シンプレックス法(2), 双対問題
5/7
・ 多項式時間アルゴリズム, 内点法(1)
5/11
・ 内点法(2)
5/18
・ 最短経路問題とダイクストラ法(1)
5/25
・ 最短経路問題とダイクストラ法(2)
6/1
・ 組合せ最適化(1)
6/8
・ 組合せ最適化(2)
2
[第2反復]
3
[第2反復]
が基底変数に入る
1 1
3 1
0 12
3 8
2/3
4/3
4
4
∆
min
/ 0
を3まで増加させると
1 1
3 1
4
,
4
0 2
3 2
2/3
4/3
x2
3
の下側が先に0になる.
4
1
が非基底変数に入る
次反復では
,
,
,
6
3
x1
4

双対性
主問題 primal problem (P)
双対問題 dual problem (D)
Proof
5
Proof
∗
≔
6
「(P)が最適解を持てば, (D)も最適解を持ち, 両者の最適値は等しい」ことはいえた.
逆は?
(D)の解き方は知らないので, (D)を標準形に直して, (P’) と見る.
上から, (P’) が最適解を持てば (すなわち(D)が最適解を持てば), 双対問題(D’) も
最適解を持ち, 両者の最適値は等しい.
(D’) が (P) に等しいことを示す.
7
(D)
max
s.t.
(P’)
min ̃
s.t.
,
0
8
(D’)
(P’)
min ̃
s.t.
,
0
よって,
min
̅
̅
s.t.
̅
(D’) に最適解が
存在
,
0
(P) に最適解が
存在
9
「素数の数は無限個である」 第2の証明:
Pierre de Fermat (数論の父)
10
11
12

多項式時間アルゴリズム
その計算量が変数の数,制約条件の数などの問題の規模を表す
パラメータの多項式関数で表されるもの. 一般的に“効率的な”
アルゴリズムとみなされる
• シンプレックス法 (1947 Danzig)
反復回数は経験的に制約条件数の1.5倍から3倍. 実用上問題なし
人工的なある種の問題では問題のサイズにつれて計算量が爆発的に
増加. 多項式時間アルゴリズムでない.
•
楕円体法 (1979 Khachiyan)
線形計画問題に対する初めての多項式時間アルゴリズム. 実際の計算
効率ではシンプレックス法に劣る.
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• 内点法 (1984 Karmarkar)
新しい多項式時間アルゴリズム. 大規模な問題に対してはシンプレッ
クス法をしのぐ方法として評価が定着している.
⇒ システム制御工学における LMI approach の普及にも関連
14
アイデア
線形計画問題を考えるにあたって, 「線形方程
式を解く」という立場から離れて, 高速な「非線
形方程式の求解法」からの接近を図った.

15
 非線形方程式の求解
例) 2の数値 1.41421356 … を求めよ
2 を満たす
非線形方程式 f (x) 0
の求解
0 を求めよ
Algorithm 1:
0 であるような2点 ,
とし,
2
を入れ替える.
をとる.
f (x)
と同符号の または と
所望の近似値が得られるまで繰り返す.
二分法 (Bisection Method)
x1
xM
x2
収束は遅い
x
16
Algorithm 2:
初期値 に対して
接線を引く.
接線と 軸の交点を
f ( x)
における
の
f ( x1 )
とする.
所望の近似値が得られるまで繰り返す.
x2
x1
x
ニュートン法 (Newton’s Method)
収束は速い
非線形方程式の求解において, 線形近似した1次方程式を逐次解いて
解に収束する点列を生成する反復法をNewton法という.
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
パス追跡・主双対内点法
主問題 primal problem (P)
双対問題 dual problem (D)
双対問題
(D’)
18
双対定理より
スカラ量
少なくとも一方は0: 相補性条件
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線形相補性問題
非線形
パス追跡法
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(Newton法)
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