Document 18514

VOL.34
CHEMOTHERAPY
S-5
新 経 口 抗 生 物 質Cefuroxime 717
axeti1(CXM-AX)の
尿 路 ・性 器 感 染 症 に 対 す る 基 礎 ・臨 床 的 検 討
鈴 木 恵 三 ・高 梨 勝 男
平塚市民病院泌尿器科
長 久 保一 朗
立川共済病院泌尿器科
名 出頼 男
藤田学園保健衛生大学医学 部泌尿器科
新 し い 経 ロ セ フ ェ ム 系 抗 生 物 質Cefuroximev
axetil(CXM-AX,SN407)に
つ いて 以 下 の 知 見 を
得 た.
1.前
立 腺 組織 移行
500mg内
服 後0.5∼1.5時
μg/g(n=4),4.0∼6.0時
2.臨
間 ま て の 組 織 内 濃 度 は0.96μg/g(n=5),2.0∼3.5時
間 で は0.99μg/g(n=6)で
問 で は1.15
あ っ た。
床成 績
53例
のUTIと17例
(1)急
の 前 立 腺 炎 に 本 剤 を 投 与 し た.
性 単 純 性 膀 胱 炎:主
の 有 効 率 は26例
(2)慢
で は24例
(3)前
と し て1日750mg(分3),3日
中26例(著
効21例,有
間 投 与 後 のUTI薬
効5例),100%て
性 複 雑 性 尿 路 感 染 症:主
と して1日1.59(分3),5日
中18例(著
効10例),75%の
立 腺 炎:主
6例56%の
効8例,有
効評 価 基 準 て
あ っ た。
間 投 与 後 のUTI薬
効評価基準
有 効 率 を得 た 。
と し て1日1.59(分3),5∼14日
間 投 与 後 の 成 績 で は 評 価 可 能 な11例
3.安
全性
自 覚 的 副 作 用 と して 軟 便1例,胃
部 不 快 感1例(発
現 頻 度70例
中2例,2.9%)を
み とめ た が,
いず れ も軽 症 で あ っ た 。 無 処 置 で 投 与 終 了 後 数 日 で 正 常 に 復 した 。 臨 床 検 査 値(末
能 検 査)で
は 被 験37例,全
4,ま
axetilは
単 純 性 膀 胱 炎 と軽 症 で 本剤 に 感受 性 を示 す 細 菌 に よ る慢 性 複 雑 性 尿 路 感 染
存 の 同 系 剤 と比 べ て 特 に 差
題 が な い と考 え られ た 。
Cefuroxime
axetil(CXM-AX
,SN407)は
英国 グ
ラ ク ソ社 に よ っ て 開 発 さ れ た 新 し い 経 ロ セ フ ェ ム 系 抗 生
剤 は 既 に 開 発 さ れ 広 く臨 床 に 使 用 さ れ て
い る注 射 用 抗 生 物 質 で あ るCefuroxime(CXM)を
Fig. 1
肝 ・腎 機
て で 本 剤 に も と つ く と思 わ れ る 異 常 を み な か っ た 。
立 腺 炎 に 対 し て 有 効 性 が 高 い 薬 剤 で あ る 。 安 全 性 に つ い て は,既
が な く,問
物 質 てあ る.本
梢血
とめ
Cefuroxime
症,前
中
有 効 率 で あ った 。
Chemical
structure
of CXM-AX
,エ
ステ ル化 し経 口用 と し て開 発 され た も の で あ る(Fig
1)。 従 っ てCXM-AX抗
はCXMと
CXM-AXの
菌 スペ ク トラム 及 び 抗 菌 活 性
同様 で あ る1)。わ れ わ れ は基 礎 的 検 討 と して
前立 腺 組 織 移 行 を 測 定 した。 臨 床 的 検 討 と
して は,本 剤 を 尿 路 ・性 器 感 染症 の治 療 に 投 与 して,有
効 性 と安 全 性 に つ い て 検 討 を行 った 。
1.対
1.前
象 と 方 法
立 腺 組織 移行
CXM-AXを500mg内
切 除 術(TUR-P)を
服 させ た後,経 尿 道 的 前 立 腺
行 った15例
の患 者 か ら得 た 前 立 腺
組 織 切 除 標 本 を用 い て,本 剤 の濃 度 を測 定 した 。 標 本採
取 時 間 は0.5∼6.0時
間 に 及 ん だ。 切 除 と同 時 に採 血 を
CHEMOTHERAPY
718
立 腺 炎 で は1日1.59を
行 い血 中 濃 度 の測 定 を行 った 。
前 立 腺 組 織 の 濃 度 測 定 方 法 はS.pyogenes
検 定 菌 と し10%羊
血 液 加HI
Agar(栄
IID
研)を
697を
(3)効
ン酸 塩
UTI症
ス ・キ ネ マ チ カ 社)で
希 釈 しPolytron(ス
イ
ホ モ ジ ナ イ ズ し,3,000rpm,15分
間 遠 沈 後 の上 清 を 測 定 溶液 と した。
2.臨
床的検討
(1)対
で あ る。 患 者 背 景 はTable
し た 通 り で あ る 。 性 比 は 男 性28対
で 全 体 の16%を
内 訳 は 急 性 単 純 性 膀 胱 炎(acute
で あ っ た.慢
腺 炎 で は,前
立 腺 圧 出 液(expressed
の 細 菌 の 動 向,白
Table 3
Concentrations
prostatic
全 て 経 口投 与 で,原
以上
com-
の内 訳 は 膀 胱
であ った 。 性 器 感 染 症 は
で あ っ た。
則 と して 食 後30分
は1日750mg,分3,3日
に 与 え た 。AS
間,CC-UTIで
1500mg,分3,5日
は1日
間 投 与 す る こ と を 原 則 と した 。 前
1
secreti状 に対す
of CXM in serum and
tissues ( 500 mg p.o.)
cystitis,ASC)
で,そ
盂 腎 炎 が12例
示
与 方 法 ・量 ・期 間
Table
prostatic
血 球 の 消 長,症
占め た 。疾 患 の
simple
UTI,CGUTI)は26例
(2)投
効評 価 基準を満た
の 基 準 に従 っ て効 果 判 定 を行 った。前立
on,EPS)中
あ り,年
性 複 雑 性 尿 路 感 染 症(chronic
全 て 前 立 腺 炎 で 症 例 数 は17例
Cで
女 性42で
1に
ま で で あ っ た 。 こ の うち65歳
の 高 齢 者 は 合 計11名
炎 が14例,腎
す 症 例 で は,こ
る 反 応 等 を 参 考 に して 主 治 医 に よ り判 定 を 行 った(Tab-
齢 構 成 は20∼86歳
plicated
果判定
le 2)。
象
症 例 数 は 合 計70名
27例
間 原 則 と して
例 の 効 果判 定 可 能 な例 は 全 て主 治 医 の 判断に
よ り効 果 判 定 を 行 っ た 。 ま た,UTI薬
用 い た 。 な お 前 立 腺 組 織 は1/20M
リ ン 酸 塩 緩 衝 液(pH6.0)で4倍
分3で7∼14日
1986
投 与 した 。
検定用培
地 と す る 重 層 法 を 用 い た 。 標 準 曲 線 は1/20Mリ
緩 衝 液(pH6.0)を
NOV.
Age
and
Table
Replaced
sex
2
distribution
Criteria
by another
of patients
of evaluation
strains
after
on bacteria,
administration
leukocytes
in EPS
and
symptoms
VOL.34
CHEMOTHERAPY
S-5
Table
A.S.C.:
Acute
simple
cystitis
4-1
Clinical
Before
After
summary
treatment
treatment
719
of acute
simple
cystitis
Inoculum
size:
* ** U
.T.I. : Criteria
Dr.:
Dr's
cases
106 cells/ml
by
the U.T.I.
evaluation
committee
CHEMOT
720
Table
4-2
*
A. S. C.: Acute
simple
cystitis
Clinical
Before
summary
treatment
HERAPY
of
acute
**
NOV.
simple
cystitis
cases
Inoculum size: 106cells/ml
***
After
treatment
U. T. I.: Criteria
Dr.:
Fig. 2
Concentration of CXM in serum
(CXM-AX 500 mg p. o.)
Serum
Dr's
by the
U. T. I. committee
evaluation
and prostatic
Prostatic
tissues
tissues
1986
34
VOL.
Table
(4)安
HERAPY
CHEMOT
S-5
5
Overall
clinical
efficacy
721
of CXM-AX
in acute
simple
cystitis
全性
Table
自覚 的 副 作 用 は,再
診 時 に 問 診 と 視 診 等 に よ り,本
6
剤
Bacteriological
response
in acute
cystitis
simple
to CXNI-AX
に よ る と思 わ れ る副 作 用 の 有 無 を み た 。 臨 床 検 査 値 異 常
は,主
と し て5日
間 以 上 治 療 を 行 っ た 例 で,末
肝 ・腎機 能 検 査 値 を,投
梢 血,
与 前 後 に 測 定 し て,本
剤 に よる
影 響 の有 無 を 検 討 した 。
II.成
1.前
績
立 腺 組 織 内 移 行(Table
3 , Fi9. 2)
前 立 腺 組 織 を 切 除 した 時 間 に よ っ て3つ
成 績 を検 討 した 。 ま ず0.5∼1.5時
績 は0.20∼2.00
0.96μg/gで
0.52∼2.08
gで
μg/gの
濃 度 と の比 は0.5∼1,5時
体 で の成 績 ぱ
均 で は1.15
μg/
間 ま で の 組 織 移 行 は0.28∼
均0.99μg/gで
間 で は0.39,4∼6時
間 の4検
濃 度 範 囲 に あ り,平
あ っ た 。4.0∼6.0時
1.65 μg/gで,平
体 の成
濃 度 範 囲 で あ った 。 平 均 で は
あ っ た02.0∼3.5時
μg/gの
の群に分けて
間 ま で の5検
あ っ た 。血 清 と組 織 内
間 の 成 績 で0.56,2∼3.5時
間 ま で は0.50で
あ っ た 。こ の成
Table
績か ら6.0時
間 まで の各 組 織 内濃 度 と 血 清 と 組 織 内濃
7
Strains
appearing
in acute
simple
after
cystitis
度 の比 に大 き な 差 が み られ な か っ た 。
2.臨
床 成績
(1)UTI
(a)ASC
27症
例 の 成 績 一 覧 はTable4に
も とに26症
示 した
。 こ の成 績 を
例 の 成 績 の 総 括 を ,UTI薬
効評価基準 によ
って 行 っ た も の がTable5で
あ る
。 総 合 臨 床 効 果 は26
*
Reglardless
of bacterial count
CXM-AX
treatment
CHEMOT
722
Table
例 中26例,100%の
8
Relation
between
MIC
HERAPY
and
bacteriological
有 効 率 を 得 た。 そ の 内容 は 著 効
21例,81%,有
効5例,19%で
NOV.
著 効 率 が 有効 率 のほ ぼ
response
21例,88%が
in acute
simple
1986
cystitis
単 独菌 感 染群 で,3例
が 複数 菌感染群で
あ った 。 単 独菌 感 染群 に対 す る総 合有 効 率 は21例 中18
4倍 であ った 。 効果 の 内容 につ いて み る と,細 菌 尿 に対
例,86%の
す る効 果 は 消 失26例
て が 無 効 で あ っ た。 単 独 菌 感 染群 の うち特 に優 れた有効
中26例,100%で
あ っ た。 症 状
に対 す る効 果 は,消 失25例,96%,改
不 変0%で
85%,減
善1例 ,4%,
率 で あ っ た群 はG-3の11例
あ っ た。 膿 尿 に対 す る効 果 は,正 常 化22例
少3例 ,12%,不
変1例,4%で
菌 に対 す る効 果 はTable6に,投
あ っ た 。分 離
20株
2株 の他3種3株
S. epidermidis
内容 は E. faecalis
Table
22株
8は
2株
とYLOの1株
分 離 菌 種 のMICと
に つ い てMICを
計
下 のMlcを
3.13
あ っ た 。 な お ,全
μg/mlに
た が,全
み られ た 。 そ の
て あ っ た。
菌 株100%が
示
し,感
。
受 性 の ピ ー クは
て の分 離 菌 は先 項 に 述 べ
除 菌 され た 。
も と にUTI薬
績 をTable
75%の
示 した。 この成 績 を
効 評 価 基 準 に 合 致 した24症
10に
効10例
例 の総 合 成
示 した 。 総 合 有 効 率 は24例
,42%で
は 消 失14例,58%,菌
%で
9に
有 効 率 で あ っ た 。 有 効18例
33%,有
中18例
の 内 訳 は 著 効8例
減 少3例,13%,不
11は
,
,
あ っ た 。細 菌 尿 に 対 す る 効 果
交 代5例,21%
,不
変5例,21
あ っ た 。 膿 尿 に 対 す る 効 果 は 正 常 化12例,50%
Table
中16株100%で
株 につ い て は2株,67%に
2株
効 果 をみ た 。投与 後 出現菌は
2株 な ど で あ っ た 。
分 離 菌 のMICと
変9例,38%で
検 し た13株
のMIC分
分 布 し,ピ
ー ク は3.13
病 態 群 別 効 果 を み た も の で あ る 。24例
17症
,
つ い て み る と,被
布 は0.78∼12.5
μg/mlに
μg/ml以
の 除 菌 効 果 は50%で
μg/mlの 範 囲;こ
あ っ た 。 こ れ ら は全 て
上 の 耐 性 を 示 した3
あ っ た。
立腺炎
例 に 対 す る成 績 の 一 覧 はTable
15に
示 した 。こ
の 分 離 菌 と 白 血 球 の 消 長 か ら評
価 が 可 能 で あ っ た11例
の 臨 床 効 果 の ま とめ た も の が
16で
あ る 。 総 合 的 有 効 率 は 著 効3例
や や 有 効0例,無
Table
中
coliに
の 成 績 を も と にEPS中
Table
あ った 。
細菌 学 的効 果 をみたもの
で あ る 。 主 な 起 炎 菌 で あ るE.
(c)前
あ っ た。P.
が 検 出 され た。 主 な もの は P. aerubinosa
E. faecalis
菌 種6株
が 分離 さ
3株 は全 て除 菌 され なか った。E.faecalis 3
除 菌 さ れ た 。 こ の 他,100
例 の 成 績 一 覧 はTable
13は 投与 後出現菌
除 菌 され た。主 な菌 種に対
16株
す る効 果 は, E. coli
Table14は
(b)CC-UTI
26症
有 効 率 で効 果 が 劣 った 。
を 示 した もの で あ る。 治 療 前 に8菌 種27株
6菌 種,8株
測 定 した 結 果22株(100%)が
6.25 μg/ml以
例 中1例,25%の
aerugznosa
細 菌 学的 効 果 をみ た
中9例,82%とG-4の
あ っ た0カ テ ー テル 留置例 では4
れ,こ の うち22株81%が
5株 であ った 。治 療 後 は全 て の菌 株 が除 菌 され100%の
効 果 で あ っ た。 投 与 後 出 現 菌 は2種3株
8例 中8例,100%で
Table 12は 菌 種 別 有 効 率,Table
を含
で あ っ た。 そ の主 な もの は E. coli
で あ っ た 。GPCは
,
与 後 出現 菌 はTable7
に示 した。 治 療 前 に 分離 され た菌 種 はYLOの1株
め て9種29株
有 効 率 であ った が 複 数菌 感 染群 で は3例 全
17に
効5例
で あ っ た 。 細 菌学的 効果 は
示 した 。 ≧104/ml分
株 であ った 。GPCは
有 効3例,
離 さ れ た 菌 種 は10種16
S. epidermidis
4株 を主 とす る5
VoL.
34
S-5
CHEMOT
HERAPY
723
724
CHEMOT
HERAPY
NOV,
1986
VOL.34S-5
CHEMO
THERAPY
725
CHEMO
726
Table
Table
11
10
Overall
Overall
clinical
clinical
THERAPY
efficacy
efficacy
of CXM-AX
of CXM-AX
NOV.
in complicated
classified
by the
U. T. I.
type
of infection
1986
VOL.34
Table
THER
CHEMO
S-5
12 Bacteriological
in complicated
response
U. T. I.
to CXM-AX
APY
727
た 。 治 療 後 の 新 たな 出 現 菌 はTabte18に
示 した 、Tab-
le19は
例 の 細菌 の 消
治 療 前 に ≧104/ml検
出 した11症
長 を 治 療 期 間 別 に み た もの で あ る。終 了時 の 効 果 を,消
失 と減 少 でみ る と11例
加 え る と91%で
中6例,55%,こ
れ に菌 交 代 を
あ った 。Table20はEPS中
に対 す る効 果 をみ た も の であ るが,11例
の 白血 球
中4例,36%
に効 果 が み られ た 。
(d) 主 治 医 に よ る効 果 判 定
全 症 例70例
の うち 主 治 医 に よ って 疾 患 別 に 効 果 判 定
を 行 っ た成 績 はTable21に
51例
IV.
*
Regardless
of bacterial count
13
appearing
after
Strains
in complicated
U. T. I.
安
全
中
得た。
性
本 剤 に よ る と思わ れ る 自覚 的 副 作 用 は2例 認 め られ た
(Table22)。
*
Table
示 した 。総 合 的 に は64例
が有 効 以上 と判 定 され,)有 効 率80%を
CXM-AX
treatment
そ の 内容 は軟 便1例,胃
った 。 程 度 は い ず れ も1+(軽
部 不 快 感1例
であ
度)で あ っ た。 治 療 継 続
に 支 障 な く,治 療後 中 止 して無 処 置 で数 日中 に正 常 に復
した 。 臨 床 検 査 値 は37例
につ い て検 討 を行 った(Tab-
le23)。 本 剤 に よ る と思 わ れ る 異 常値 は全 例 に認 め られ
なか った 。
V.考
察
前 立 腺 炎 に対 す る治 療 の 基 礎 的検 討 の1つ
と して,本
剤 の前 立 腺 組 織 内濃 度 を 測 定 した 。 対 象 は いず れ も前 立
腺 肥 大 症 患 老 で,TUR-Pの
*
Regardless
of bacterial
際 に 切除 した 組 織 を 用 い
た。 本 来 こ う した 組 織 を も って 濃 度 測 定 の試 料 とす る こ
count
とは,必 ず しも妥 当 とは 言 え な い が,現 況 で は これ 以 外
種10株,
GNBはEcoJi2株
を 主 とす る5種6株
った 。 治 療 後 の 除 菌 効 果 はGPC10株
れ,除
菌 率90%,GNBは6株
た 。 ≦103/mlの
中5株
し得 な い の で,参
菌 数 は4種6株
14
Relation
が除 菌 さ
で,83%で
認 め た が,起
考 資 料 に と ど め,集
Table
中9株
であ
あ っ
炎 菌 と断 定
計に 加えな か っ
between
MIC
and
に標 本 を得 る こ とが 不 可 能 なの でや む を 得 な い 。500mg
内 服後 の 組 織 内移 行 は,0.5∼1.5時
間,4.0∼6.0時
間,2.0∼3.5時
間 ま で の各 群 で 組 織 内 濃 度 に 大 きな 差
を み なか っ た 。 も っ とも高 い濃 度 は2.0∼3.5時
り,そ の値 は1.15μg/gで
bacteriological
response
間であ
あ っ た。 この 時 の 血 中 濃 度 は
in complicated
UTI
728
CHEMC
THER
APY
NOV.
1986
VOL.
34
S-5
CHEMO
THER
APY
729
CHEMO
730
Table
*
Table
16
Viable organisms
17
Bacteriological
Overall
clinical
THER
effiCacy
APY
on 11 cases*
NOV.
of prostatitis
in EPS before treatment,>104/ml
response
on original
organisms
in total
cases
of prostatitis
1986
VOL.
34
CHEMOT
S-5
HER
APY
2.95μg/mlで,他
Table
18
Strains
appearing
after
treatment
731
の2群 に 比 べ て 高か っ た の で,組 織 内
濃 度 が 高か った こ とは これ に対 応 した も の で 当然 の結 果
on 11 cases * of prostatitis
で あ る と考 え られ る。 こ の値 が,他 の2群 と大 き な差 が
なか っ た の は,手 術や 麻 酔 下 の影 響 が あ っ た こ と等 を考
慮 す る必 要 があ る。
これ ま で に経 口抗 菌 剤 につ い て前 立 腺 組 織 移 行 を検 討
した 報 告 は 数 が 少 な い。 この うち,OOSTERLINCKら2)は
Doxycychne200mg内
服 投 与 後 の 組 織 内濃 度 を 測 定 し
て い る。これ に よ る と,14時
1.29μg/gで,前
*Vi
able
organisms
in
EPS
before
treatment,
間 後 の組 織 内 濃 度 の 平均 は
立 腺 と血 清 との比 は0 .568で あ っ た。
こ の成 績 は 今回 行 っ たわ れ わ れ の検 討 と比 較 して,投 与
≧104/ml
量 と検 体採 取 時 間 に差 はあ るけ れ ど。 数 値 的 に は 一 致 し
Table
*Vi
able
organisms
19
in
Table
Bacteriological
EPS
20
before
response
and
efficacy
on 11 cases*
of prostatitis
treatment,≧104/ml
Response
on
leukocytes
in EPS
on 11 cases * of prostatitis
*Vi
ableorganismsinEPSbefOretreatment,≧104/ml
Table 21
Overall
clinical efficacy
by the investigator*s
judgement
CHEMOTHERAPY
732
Table
22
NOV.
Incidence
*
of side
1986
effects
**
No.
Total
No.
of side
effect/
of patients
+++: Discontinued
due
Total
×100
to side
of patients
No.
with
of patient
side
effects/
×100
evaluated
effect
++: Treatment
for
side
effect
was
necessary,
+:
for
side
effect
was
not necessary,
Treatment
No.
Total
evaluated
but
continued
and
continued
た もの で あ る。 一 方,わ れ わ れ は,先 にCefuroximeの
な 対 象 とな る。E.faecalisに
注 射 剤 を 投与 した時 の前 立 腺 組 織 内 移 行 を検 討 した3)が,
くみ られ る よ うに,多 くの 有 効性 は期 待 出来 ないか もし
そ の成 績 で は750mg静
れ な い。 総 体 的 に高 い除 菌 率 に比 べ て,白 血球 に対す る
注 後,45分
も高 く,14.1∼22.8μg/gで
ま で の濃 度 が も っ と
あ っ た。 こ の成 績 は,血
中
効 果 が36%6と
は投 与 後 出現 菌が比較的多
低 い の は慢 性 前 立腺 炎 の一 般的 な特徴で
濃 度 の 推 移 と一 致 した も の であ った 。注 射剤 と比 較 す る
あ って,容 易 に完 全 に 治癒 しない 傾 向 であ る ことを示 し
と経 口剤 の 方 が 移 行 が低 い こ とが わ か る。 これ は吸 収 の
て い る。 白血 球 に対 す る効 果 が 低 い の で,細 菌 学的効果
差 に よ る と考 え られ る。組織 内 の濃 度 が 低 い と当 然EPS
との組 合 わ せ で の 総 合有 効 率 は56%6とUTIに
へ の移 行 も低 い こ とが 予 想 され た。
ば 低 くな って い る。前 立 腺 炎 に対 す る評 価方 法 は未だ統
UTIの
臨 床 的 効 果 につ い てみ る と,ASC26例
例,100%6に
中26
有 効 で あ っ た。 分 離 菌 の うちMICを
比べれ
的 基 準 が な く,治 療 期 間 のみ 取 り上げ ても,ど の程度
一
測定
を標 準 とす べ きか 明 らか で な い。 今 回 の検 討 内容 が必ず
した 全 てが,本 剤 に 優 れ た 感受 性 を示 して お り,対 象疾
しも妥 当 とは いえ ない が,細 菌 の消 長 を主 体 と してみれ
患 か らみ て納 得 のゆ く成 績 とい え る。 そ の 内容 は 著 効 率
ば,慢 性 で は本 剤 の有 効 性 は 充分 評 価 して よい と考えら
が81%と
れ た 。 な お,一
優 れ た 成 績 で あ り,本 剤 の有 効 性 を充 分 評 価
出 来 る もの であ るが,こ れ を 裏 づ け る1つ
出現 菌 が3株
と して 投 与 後
と少 な い こ とが あ げ られ る。CC-UTIで
は
日量 は1.5∼2.09を
必要 とす ると思わ
れ る。
安 全 性 につ い て は,2例
軽 度 の 消化 器 異常 をみたが,
本 剤 が経 口剤 であ る とい うこ とか ら,基 礎 疾 患 の程 度 が
程 度 も軽 く治 療上 特 に支 障 が なか っ た。頻 度 も2.9%と
軽 く,か つ 起 炎 菌が 本 剤 に感 受 性 を 示す 菌 種 を 出来 るだ
相 対 的 に 低 く,他 の類 縁 抗 菌 剤 と比 べ て特筆す べ きもの
け選 択 した 。 そ の結 果UTI薬
では ない 。 臨 床 検 査値 で は何 ら問 題 とな る所 見はみ られ
18例,75%と
効 評 価 基 準 で,24例
中
高 い有 効 率 を得 た 。 効 果 が 劣 った 例 は,
本剤 に 耐性 を示 すP.aeruginosaに
よ る もの が主 な もの
ず,こ れ らの 点 か ら有 用 性 は経 口抗 菌剤 と して高 く評価
して よ い と思 わ れ た 。
で あ っ た 。一 般 に こ う した経 口抗 菌 剤 は,投 与 対 象 を軽
症 で,カ テ ー テ ル 留 置が な い単 独 菌 感 染 症(本 剤 に 感受
文
1)
第33回
シ ソ ポ ジ ウ ムI。Cefuroxime
性 を 示す 菌 種 に よる)に 限 定 す べ き であ る。
大 阪,
前 立 腺 炎 に対 して は本 剤 が経 口剤 で組 織 移 行 性 が 低 い
の で,対 象 は 急性 で な く症 状 の軽 い慢 性 症 に適 応 が あ る
2)
OOSTERLINCK,
The
と思 わ れ た 。 細 菌 学 的 検 討 か ら 明 らか な よ う に,GNB
man
prostate
ではE.coli,Klebsiellaに
ment
epidemidisや
はS.
本剤 に 感受 性 を 示 す 菌 種 に よ る も のが 主
pl.
of
9:
axetil
(SN
407),
1985
ELE:
基 づ く炎 症 や 。GPCで
献
日本 化 学 療 法 学 会 西 日 本 支 部 総 会, 新薬
W.;
E. WALLIJN
concentration
gland
prostatits.
85•`88,
of
and
Scand
1976
&
J. J. WIJNDA-
doxycycline
its
role
J.
Infect
in
in
the
dis,
hu-
treatSup-
VOL.
34
S-5
CHEMOTHERAPY
733
734
CHEMOTHERAPY
NOV.
1986
VOL.
34
3)
CHEMOTHERAPY
S-5
名 出 頼 男,
秀 亀,
男,
藤 田 民 男,
新 村 研 二,
浅 野 晴 好,
山越
剛,
長 久 保 一 朗,
小川
泌 尿 器 科 領 域 に おけ
忠:
6):
三井久
LABORATORY
CEFUROXIME
るCefuroximeの
玉井
鈴 木 恵 三,
森 口 隆 一 郎,
AND
(CXM-AX),
KEIZO
SUZUKI and
of Urology,
27
(S-
1979
STUDIES
ON
A NEW
IN UROGENITAL
Department
評 価 。Chemothempy
531∼543,
CLINICAL
AXETIL
ANTIBIOTIC,
735
ORAL
INFECTIONS
KATSUO TAKANASHI
Hiratsuka
Municipal
Hospital
ICHIRO NAGAKUBO
Tachikawa
Kyosai
Hospital
YORIO NAIDE
Departrment
The
following
AX,
SN
findings
were
Fu iita-Gakuen
obtained
on
a
new
University
oral
cephem
School
of Medicine
antibiotic,
cefuroxime
axetil
(CXM-
407).
(1)
Diffusion
After
0.96
of Urology,
oral
peg
into
prostatic
tissues:
administration
(n=5)
at
at
0. 5-1.
a
dose
5 hrs,
of
500
mg,
1.15 ƒÊ/g(n
the
=4)
at
drug
concentrations
2.0-3.
5 hrs
and
17
patients
into
prostatic
0.99 ƒÊg/g
tissues
were
at
4.0-6.0
hrs,
daily
dose
(n=6)
respectively.
(2)
Clinical
results:
CXM-AX
was
(i)
mg
Acute
in
three
derate:
5)
(ii)
daily
8,
administered
divided
of
to
for
the
3
moderate:
g
patients
with
Most
days.
of
by
urinary
of
UTI
tract
UTIs
the
100%
assessment
complicated
1.5
53
cystitis:
doses
according
Chronic
dose
to
uncomplicated
and
patients
the
26
the
patients
Committee
prostatitis.
drug
at
responded
well
a
of
(excellent:
750
21,
mo-
Criteria.
infections:
Most
in
three
divided
doses
for
5 days.
18
and
the
efficacy
rate
was
75%,
according
10)
with
received
of
the
patients
patients
out
of
to
the
a
daily
24
received
the
responded
assessment
drug
at
well(excellent:
by
UTI
Committee
Criteria.
(iii)
doses
Prostatitis:
for
(3)
As
symptoms,
2.9%,
of
there
(4)
the
patients
received
efficacy
Cefuroxime
profile
anticipated
soft
2/70)
the
was
Overall
complicated
is
of
Clinical
rate
the
was
drug
56%
at
dose
of
1.5
g
in
three
divided
(6/11).
Safety:
completion
event
days.
subjective
(incidence:
test),
Most
5-14
These
therapy.
no
stool
were
In
the
abnormality
was
mild,
observed
and
in
one
disappeared
laboratory
case
without
tests(peripheral
attributable
to
the
and
gastric
any
blood
drug
in
37
discomfort
treatment
in
test,
liver
investigated
in
another.
several
and
days
renal
after
function
cases.
evaluation:
axetil
urinary
is
in
is
a
drug
infections
comparable
its
safety
with
and
to
.
those
high
clinical
prostatitis
of
existing
effects
with
on
uncomplicated
organisms
cephem
antibiotics
cystitis
susceptible
on
to
the
the
market,
and
drug
and
mild
.
Its
no
chronic
adverse
problem
a