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関数の極限 タイプ別 早見チャート
関数の極限を求める問題の解法には,主に下記7つのタイプがある。
Ⅰ.式変形タイプ
Ⅰ.式変形タイプ……
簡単な式変形によって解くタイプ。主に下記3つのタイプがある。
ⅰ.因数分解・約分タイプ ……
分数の形で,分母・分子(またはどちらか)を因数分解して約分する
ことによって,不定形を解消して,代入して解くタイプ。
0
x ® a の極限で, の不定形になる場合に考える。「因数分解」→「約分」→「代入」とイメージ!
0
ⅱ.1番強い項でくくるタイプ …
1番強い項(次数が高い)でくくる(分数の場合は,分母の1番強い項
で,分母・分子を割ると考えても同じ)ことによって解くタイプ。
x ® ∞ の極限で, ∞ や ∞ − ∞ の不定形になる場合に考える。
∞
lim 1 = 0 ( k は自然数)
x ® ±∞のときは x ® ±∞ x k
を使うこと
がポイント!
ⅲ.有理化タイプ …… 有理化することによって,不定形を解消して解くタイプ。
0
無理式が入っている不定形の場合に考える。 0 の不定形は,「約分」→「不定形解消」に,
∞ − ∞ の不定形は,「ⅱ.1番強い項でくくるタイプ」になることが多い。
Ⅱ.三角関数の極限公式タイプ …… 三角関数の極限公式を用いて解くタイプ。
三角関数を含む不定形の極限のときに考える。
sin x
lim x =1 の公式が使えるように変形することがポイント!
x ®0
準公式として lim
x®0
1 − cos x 1
=
の公式も覚えるとよい。
2
x2
使い方のイメージ
sin ★  ★ 

 の形を作って
★  sin ★ 
★ → 0 のとき,極限値は 1 !
Ⅲ.はさみうちの原理タイプ …… はさみうちの原理を用いて解くタイプ。
『数列の極限』等,直接極限を求めることができないときに使う。ガウス記号を含むときや
sin x
e - x sin x , lim
「x ® ∞で『(減少関数)×(周期関数)』」 例: lim
x®∞
x®∞
x のときに考える。
はさみうちの原理
f (x) ≦ g (x) ≦ h (x) のとき, lim f (x) =α かつ
x®∞
h (x) =α ならば lim g (x) =α
lim
x® ∞
x® ∞
Ⅳ.微分係数の定義タイプ …… 微分係数の定義を用いて解くタイプ
微分係数の定義
f ¢ (a ) = lim
x®a
f ( a + h) − f ( a )
f (x ) − f (a)
= lim
にあてはまるときに使う。
h
®
0
x−a
h
Ⅴ.e に関する極限公式タイプ …… e に関する極限公式を用いて解くタイプ。
1
∞
x
1
æ1 + 1 ö = e
x
(
)
= e の公式を用いて解くことを考える。
lim
ç
÷
1
+
x
の不定形の極限は lim
x®∞ è
xø
x®0
log (1 + x )
= 1 の公式を用いて解くことを考える。
対数関数を含む不定形の極限は lim
x®0
x
ex − 1 =1
指数関数を含む不定形の極限は lim
の公式を用いて解くことを考える。
x®0
x
Ⅵ.平均値の定理タイプ …… 平均値の定理を用いて解くタイプ。 ※関数の極限では省略。
Ⅶ.区分求積法タイプ …… 区分求積法を用いて解くタイプ。
※関数の極限では省略。
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関数の極限の基本とポイント
■ 関数の極限と数列の極限
数列の極限では, n が(1,2,…と飛び飛びに)限りなく大きくなるときの第 n 項 a n の値を考えたが,関数の極限
では,x が実数となり, x → ∞の極限だけでなく, x → a の極限も考える。考え方は数列の極限とほぼ変わらない。
■ 右方極限と左方極限
x ® a の極限で,x を aより大きい値から限りなく a に近づけるとき,右方極限といい,「x ® a + 0 」と表し,
a より小さい値から限りなく a に近づけるとき,左方極限といい,「x ® a − 0」と表す。
lim f( x ) と lim f( x ) が存在し,一致するとき lim f( x ) が存在する。
x ® a+0
x ® a−0
x®a
x ® a の極限を求める場合は,左方,右方両方の極限を考える。特に,分数でx ® aで分母が0 になるとき,
ガウス記号,絶対値を含むときには注意する!
分数
ガウス記号
例
lim
x® 1
絶対値
例
x
2 において
( x - 1)
(x- [ x ]
lim
x®1
2
y = x - [ x ] のグラフ
y
[ x ]® 1
1
一致しない!
x ® 1- 0 のとき,( x - 1) ® + 0 より
-2
[ x ]® 0
lim x 2 = ∞
x® 1-0 x ( 1)
x
=∞
2
x
( - 1)
-1 O
x
lim
x®0
y = x のグラフ
x>0 のとき, x = x
y
x = lim x = 0
lim
x®+0
x®+0
x ® 1− 0 のとき,
2
よって, lim
x® 1
)
x ® 1+ 0 のとき,
x ® 1+ 0 のとき,( x - 1) ® + 0
lim x 2 = ∞,
x® 1+0 x ( 1)
例
1
2 x
lim ( x - [ x ] ) = 0
x® 1+0
O
x<0 のとき, x = - x
x
一致する!
x = lim (- x) = 0
lim
x®-0
x®-0
lim ( x - [ x ] ) = 1
x® 1−0
よって,極限値は存在しない。
よって,
x =0
lim
x®0
■ 関数の発散速度
発散速度とは,関数 y = f( x )において,わかりやすくいうと「 x の値を大きくすると, y の値がどれだけ
大きくなるか」ということで,対数関数<<整関数<<指数関数の順で発散速度が大きい。
対数関数は亀みたいにノロノロと進み,指数関数はロケットみたいに速く進む!
遅い
y
グラフは n による
この場合はn=3
1
O
y
速い
y
1
x
O
y = x n( n> 1)
y = log a x ( a> 1)
O
x
x
y = a x( a> 1), y = e x
実際の計算は,不等式を利用して,はさみうちの原理等から求めるが,グラフを描く際に,x → ±∞,x → ±0 のとき,
どんな値になるかを調べる際には,下記のように証明なしに用いてよい。
例1
log x
lim
=0
x →∞
x
x2 − 2x + 1
lim
=0
x→ ∞
ex
例2
x の方が log xより速く∞にいくので
ex の方が x 2 − 2 x + 1 より速く
∞にいくので
例3
ex
=∞
x →∞ n
x
lim
ex の方が xn より速く∞にいくので
■ 極限公式の覚え方
sin x ,log( 1 + x ) , e −1 を,それぞれ f( x )とおくと f '( 0 )= 1となり,原点で y = x と接し
ている。つまり,原点付近では y = x のグラフとほぼ同じとみなすことができ,極限
が1となる!公式を忘れたら,右記グラフを考えれば,うまく式をつくることができる!
y
y = e x −-11
y=x
x
sin x
lim
=1
x→0
x
sin x ≒ x
lim log ( 1+ x ) = 1
x
log ( 1+ x ) ≒ x
x→0
ex −1 =1
lim
x→0
x
y = log ( 1+ x )
)
O
y = sin x
x
e − 1≒ x
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式の変形タイプ
Ⅰ.式変形タイプ
Ⅰ.式変形タイプ……
簡単な式変形によって解くタイプ。主に下記3つのタイプがある。
ⅰ.因数分解・約分タイプ ……
分数の形で,分母・分子(またはどちらか)を因数分解して約分する
ことによって,不定形を解消して,代入して解くタイプ。
0
x ® a の極限で, の不定形になる場合に考える。「因数分解」→「約分」→「代入」とイメージ!
0
例1
3 x - 2 x - 8 lim
lim
= x®2
2
x®2
2
2x - x - 6
= lim
x®2
0
の不定形
0
=
( x - 2) ( 3 x + 4 )
( x - 2 ) ( 2 x + 3)
3x + 4
2x + 3
x 2 + 3 x - 4 lim ( x - 1) ( x + 4 )
lim
=
2
x®1
x®1 (
)(
)
例2
因数分解
約分
3 × 2 + 4 10
=
2×2+3 7
= lim
x®1
0
の不定形
0
=
代入
因数分解
x - 1 2x + 5
2x +3 x - 5
x+4
2x + 5
約分
5
1+4
=
2×1+5 7
代入
1番強い項でくくる(分数の場合は,分母の1番強い項で,
ⅱ.1番強い項でくくるタイプ …… 分母・分子を割ると考えても同じ)ことによって解くタイプ。
∞
∞ − ∞ の不定形は,1番強い項(最高次の項)でくくり, ∞ の不定形は,1番強い項でくくるか,
1
lim
= 0 ( k は自然数)
1番強い項で分母・分子で割って, x ® ±∞のとき x ® ±∞ x k
1番強い項で分母・分子で割る解法
lim
x®
∞
3x 2 - 2 x - 8
2x2 - x - 6
0
= lim
x®∞
2 8
3 - x - x2
0
=
3x 2 − 2 x − 8
lim
x®
2
∞
0
1
∞
最高次の項 x2
で割った

x2 3 −


x2 2 −

2 8 
− 
x x2 
1- 6 

x x2 
0
0
= lim
x®∞
約分
∞ の不定形
∞
2x − x − 6
= lim
x®∞
分母・分子を
3
2
Image
1番強い項でくくる解法
∞ の不定形
∞
2- 1 - 6
x x2
を用いて解く!
2 8
3 − x − x2
1 6
2− − 2
x x
0
1
100…00
0
例
( x 3 - 3x 2 + 5 x )
lim
x®∞
分母・分子を
最高次の項 x2
0
でくくった
0
æ 3 5ö
x 3 ç1 - + 2 ÷
= lim
x®∞
x x ø
è
0
∞
=
3
2
=∞ × 1 =∞
0
ⅲ.有理化タイプ …… 有理化することによって,不定形を解消して解くタイプ。
0
無理式が入っている不定形の場合に考える。0 の不定形は,「約分」→「不定形解消」に,
∞ − ∞ の不定形は,「ⅱ.1番強い項でくくるタイプ」になることが多い。
∞ タイプ
∞−∞タイプ
∞
例
lim
x®4
= lim
x®4
=
例
x-4
x -2
( x - 4 ) ( x + 2)
( x - 2) ( x + 2)
( x - 4 ) ( x + 2)
lim
x®4
x-4
有理化
約分
lim x 2 + 1 - x
x®∞
x2 +1 + x
= lim æè x 2 + 1 - x öø ×
x®∞
x2 +1 + x
=
lim
=
lim
( x + 2)
= lim
x®4
= 4 +2=4
代入
x®∞
x®∞
有理化
x2 +1- x2
x2 +1 + x
1
x +1 + x
2
=0
x ® ∞とすると
1
より
∞
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三角関数の極限公式
Ⅱ.三角関数の極限公式タイプ …… 三角関数の極限公式を用いて解くタイプ。
三角関数を含む不定形の極限のときに考える。
sin x
lim x =1 の公式が使えるように変形することがポイント!
x ®0
使い方のイメージ
sin ★  ★ 

 の形を作って
★  sin ★ 
三角関数を含んだ式で,不定形になる形は,まずこのタイプを考えるとよい。
lim
x ®0
★ → 0 のとき,極限値は 1 !
sin x
= 1 の簡略証明
x
例1
π
θ ® + 0 のとき, 0 < θ< のときで考える。
2
C
O
= lim
x®0
※右下扇形の面積参照
A
θ
1
3x
左図,△OAB,扇形△OAB,直角三角形OBCに着目して,
C
面積の大きさを比べると下記の関係が成り立つ。
A
1
sin 2 x
lim
x®0
1
A
O
1
B
sinθ
2
θ
O
<
<
B
1
1
⋅ 1 ⋅θ
2
θ
2
1 2
⋅ 1 sinθ <
2
辺々に2を掛けて逆数
をとると(符号は逆になる)
θ
<
θ
B
tanθ
O
<
<
cosθ<
sinθ
<1
θ
1
B
1
tanθ
2
tanθ
2
lim
θ→ 0
sinx
=1
lim
x
x® 0
2
3
例2
1
lim
x sin x
x®
∞
t=
x® ∞であること
に注意!
1
とおく。
x
x ® ∞ のとき t ® 0
評価できた!
与式 =
θ® + 0 のとき,cosθ® 1,となるので,はさみうちの原理より
よって
2
を掛けた
2
θ
1
1
cosθ
> >
sinθ θ sinθ
辺々にsinθを掛ける
= 1×
sin 2 x 2
×
2x 3
lim
t® 0
sin t
=1
t
扇形の面積
sinθ
=1
θ
※ θ® − 0 のときは,θ= − t と置きかえて,t = + 0 の形にして証明する。
準公式として
lim
x®0
1 − cos x 1
=
2
x2
弧
半径
の公式も覚えるとよい。
半径×弧の長さ×
1
2
右下例のような複雑な式の極限を求める場合には,この公式を用いてよいとされている。
lim
x®0
例
1 − cos x 1
= の証明
2
x2
lim
x®0
Point !
1 − cos x 1 + cos x
1 − cos x
= lim
⋅
x®0
x2
1 + cos x
x2
= lim
x®0
1 + cos x
を掛けた
1 + cos x
2
sin x
x 2 ( 1+ cos x )
sin 2 x + cos 2 x = 1
2
1
 sin x 
= lim

 ⋅
x®0
(
 x  1 + cos x)
= 12 ⋅
1
1
=
1+1 2
sinx
=1
lim
x
x® 0
sin 3x(1 − cos 2 x)
lim
x® 0
tan 3 x
= lim
x® 0
3
(1 − cos 2 x)
sin 3x
2 cos x
⋅ 3x ⋅
⋅
2
x
⋅
3x
2x 2
sin 3 x
= lim
x® 0
3
(1 - cos 2 x)
sin 3x
 1
2  x


⋅ 3x ⋅
⋅
(
2
x
)
⋅
⋅
⋅ cos 3 x
 sin x  x 3
3x
(2 x) 2
= 1⋅ 3 ⋅
=6
sinx
=1
lim
x
x® 0
1
⋅ 4 ⋅ 13 ⋅ 1 × 13
2
lim
x®0
1 − cos x 1
=
2
x2
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はさみうちの原理・微分係数の定義
Ⅲ.はさみうちの原理タイプ …… はさみうちの原理を用いて解くタイプ。
『数列の極限』等,直接極限を求めることができないときに使う。ガウス記号を含むときや
sin x
e - x sin x , lim
「x ® ∞で『(減少関数)×(周期関数)』」 例: lim
x®∞
x®∞
x のときに考える。
減少関数
主に三角関数
ガウス記号とは?
[ x ]は, x を超えない最大の整数のこと。例えば [3.6] だったら 3, [−2.4] だったら −3 に( −2 ではない)なる。
x ]≦ x
ガウス記号を含んだ問題のポイントは, x − 1<[ の不等式を作ることで,関数の極限でもこの不等式を利用する。
はさみうちの原理
はさみうちの原理の使い方のイメージ
f (x) ≦ g (x) ≦ h (x) のとき,
lim
x®∞
f (x) =αかつ
lim
x®∞
lim
★ が求められないとき,
x®∞
h (x) =α
x®∞
h (x) =α
lim
x®
ならば
★より小さくて極限が求められる●と,★より大きくて極限が求められる
▲で評価(不等式ではさむ)する。
ただし, lim ● = lim ▲
あとは,はさみうちの原理から,
∞
ガウス記号タイプ
例
Point !
lim
x®∞
x®∞
(減少関数)×(周期関数)タイプ
例
[x ]
x
sin x
lim
x®∞
x
x − 1< [ x ] ≦ x ……※
Point !
x ®∞より,x>0
x® ∞であることに注意!
x® 0だったら,公式から1!
−1≦sin x≦1 ……①
x ®∞より,x>0と考えてよいので,①全体をxで割って
と考えてよいので,※全体をxで割って
∴
▲ の値)
● = lim
lim
★ が求められる。( lim
x®∞
x®∞
x®∞
− 1 sin x 1
≦
≦
x
x
x ……②
[ x]
x−1
<
≦1
x
x
0
x−1
 1
lim
1 +  = 1 より,
= lim
x®∞
x®∞
x
x

1
lim − 1 = 0 , xlim
= 0 より
→∞ x
x

x→∞
[x ]
=1
∞ x
はさみうちの原理から lim
x®
はさみうちの原理から
sin x
lim
=0
x→∞
x
Ⅳ.微分係数の定義タイプ …… 微分係数の定義を用いて解くタイプ
f ¢ (a) =
微分係数の定義
lim
x→ a
f ( a + h) − f ( a )
f (x ) − f (a)
= lim
h ®0
h
x−a
にあてはまるときに使う。
ほとんどの場合,他の方法でも解けるが,この方法を使うと.早く解けることがある。
例1
lim
x®
0
例2
x
3 −1
x
lim
x
®0
ex − e− x
x
f ( x ) = 3 とおくと
x
−x
f ( x) = e − e とおくと
f ( 0 ) = 30 = 1
f (0) = e 0 − e − 0 = 0
f ¢(x ) = 3 x log 3 となり
f ¢(x ) = e x + e − x となり
x
与式 =
lim f (x ) − f (0) = f ′(0 ) = log 3
x® 0
x−0
与式 =
lim
x® 0
f (x ) − f (0)
= f ′(0 ) = e 0 + e − 0 = 2
x−0
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eに関する極限公式
これが e の定義で出発点
ココがポイント!
n
1ö e
æ
1
+
① lim
ç
÷ = ( n は自然数)
n®∞
n
è
ø ( =2.71818 ) ※証明は大学でやる。
自然数を
実数に拡張
xを自然数ではさんで(n ≦x≦n + 1)
はさみうちの原理から示す。
①∼④の使い方のイメージ
æç1 +
lim
x®∞
x
1ö e
æ
1
+
② lim
ç
÷ = ( x は実数)
x®∞
x
è
ø
と
x = − t とおくと,x ® −∞のとき,t ® ∞ より
x ® ∞から
x ® −∞
に拡張
−t
−t
1ö
æ t − 1 ö lim æ t ö
æ
lim
lim
1
−
÷
ç
÷
ç
÷
= t®∞ ç
= t®∞
t®∞
t
t
t 1
è
ø
è
ø
è − ø
例題
証明
æ
ö
ç1 + 1 ÷
lim
x
÷÷
x®∞ ç
ç
è
4ø
x
1ö e
æ
1
+
③ xlim
ç
÷ = ( x は実数)
® −∞
x
è
ø
②と③から④
が導ける!
1
=e
例題
証明
1
h
④ lim ( 1 + h ) = e
h®0
( 1+ 8 x )
lim
x®0
3
x
両辺に底をe
とする対数を
とると
1
lim log ( 1 + h ) h = log e
( 1+ 8 x )
= lim
x®0
log (1 + h ) = t とおくと
log (1 + h ) = t
とおくと
æç1 + 1 ö÷ = e
lim
x
x®∞
x
è
ø
8
を掛ける
8
24
1
(1 + x ) x = e
lim
x®0
= e 24
log ( 1 + h )
=1
h
log (1 + h )
=1
⑤ lim
h®0
h
4
{(1 + 8 x ) 8 x }
= lim
x®0
h®0
⇔ lim
h®0
4
ココがポイント!
3´8
8x
1
両辺に底をeとする対数をとると
ココがポイント!
4
x ® ±∞のとき,h ® ±0 となるので
h®0
Point !
x
x
を掛けた
ìï
ü
4
æ
ö 4ï
1
ç
÷
1
+
= lim
ý
í
x®∞ ç
x÷
ïè
4 ø ïþ
î
x
= t とおくと,x ® ∞ のとき,t ® ∞
4
4
t
ìïæ
1 ö üï
与式 = lim
1
+
÷
t ® ∞ íç
t ø ýï
îïè
þ
1
= h とおくと
x
lim ( 1 + h ) h = e
® ∞ つまり,1∞ ⇒ e
t
æ + 1 ö
1 ö æ + 1 ö
æ
ç1
÷ = lim ç 1 +
÷ × ç1
÷ = e ×1= e
= lim
t®∞
t − 1 ø t®∞ è
t −1 ø è
t −1 ø
è
②と③において
1
= h とおくと
x
が逆数の関係になっていて
®0,
t −1
t
ö÷ = e
ø
è
例題
証明
使い方のイメージ
lim log(1 + 2 x)
x® 0
log (1 +★)
lim
=1
★® 0
★
x
= lim
x® 0
log(1 + 2 x)
´2
2x
= 1× 2 = 2
t
t
1 + h = e より h = e − 1
t
=1
よって lim t
t®0 e − 1
となることより
使い方のイメージ
eh − 1 =1
⑥ lim
h®0
h
e − 1 =1
lim
®
★ 0
例題
証明
★
lim log (1 + x ) = 1
x®0
x
3x
lim e − 1
x® 0
=
★
2
を掛けた
2
lim
x® 0
x
e 3x − 1
×3
3x
= 1× 3 = 3
3
を掛ける
3
x
lim e − 1 = 1
x®0
x
※ この6つは特に指示がなければ証明なしに用いてよい。
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ロピタルの定理の使い方
ロピタルの定理
lim
x® a
f(x)
f(x)
= lim
において, f ( a )= 0, g( a )= 0 のとき, lim
x®
a
g( x )
g( x ) x® a
f ( 0 )= 0
例えば
f '( x )
f(x)
0
ex - x -1
ex - 1
e0 - 0 - 1
ex - x -1
のとき,
なので,
lim
=
lim
lim
が成り立つ。
lim
x ®0
x ®0
x® 0
x® 0
x2
0
02
2x
x2
f '( x )
= lim
g ' ( x ) x® a
さらに, f ' ( a )= 0, g' ( a )= 0 のとき, lim
x® a
f '( 0 )= 0
e -1
e
0
e0 - 1
= lim
なので, lim
x ®0
x ®0
2x
2
2 ×0
0
x
g'( x )
例1
f ''( x )
が成り立つ。
g' ' ( x )
f ' '( x )
f '( x )
g' ( 0 )= 0
g'( x )
g( x )
g( 0 )= 0
lim
x®0
f '( x )
が成り立つ。
g' ( x )
微分
x
ex 1
e x - 2x - 1 =
ex - 2 =
=
lim
lim
lim
2
x ®0
x® 0
x® 0 2
x
2x
2
つまり
g' ' ( x )
x = 0 を代入すると
約分
因数分解
微分
0
0
まだ
0
x=0 を代入すると 0
やっと代入できる!
代入
( x - 2) ( 3 x + 4 )
3 x + 4 3 × 2 + 4 10
3x - 2 x - 8
=
= lim
=
=
lim
2
x →2 ( x - 2) (2 x + 3)
x ®2 2 x + 3
- x-6
2×2+3 7
2
lim 2 x
x→2
ロピタルの定理
を使うと
微分
一般的な解法
代入
lim 3x - 2 x - 8 =lim6 x - 2 = 10
2
x→2
2x2 - x - 6
x→2
4x - 1
7
微分
例2
一般的な解法
1 + cos x を掛ける
1 + cos x
1 - cos x
1 - cos x 1 + cos x
= lim
×
=
lim
2
x→0
x→0
x
x2
1 + cos x
ロピタルの定理
を使うと
微分
微分
2
1
1
sin 2 x
1
æ sin x ö
= 12 ×
=
= limç
÷ ×
lim
2
1+1 2
x ®0 x ( 1+ cos x )
x ®0 è
x ø (1 + cos x)
1
代入
1 - cos x
sin x
cos x cos 0 1
= lim
= lim
=
=
2
x→0
x→0
x→0
x
2x
2
2
2
lim
微分
微分
cos 0 = 1
5 を掛ける
5
例3
e10 x - 1 × 5 = 1 × 5 = 5
e10 x - 1 =
lim
lim
x→0
x→0
2x
10 x
1
ロピタルの定理
を使うと
微分
代入
e10 x - 1
10 × e10 x 10 × e 0 10
=lim
=
= =5
lim
x→0
x→0
2x
2
2
2
微分
一般的な解法
※一般にロピタルの定理は「高校の範囲外」
ということで、入試では使ってはいけない
と言われている。しかし、穴埋め問題や
検算に使うと非常に便利である。
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関数の極限 例題 一覧表
例題1
例題2
x3 + x2 + x - 3
lim
x®1
1 − cos 3θ
lim
θ® 0
θ2
例題9
例題13
例題10
x + 3x + 4 + x
2
2 x 2 - x - 15
lim
2
x®3
x -9
2x
lim
x®
∞
x
2
 2x 

lim 
x®∞  2 x − 1 
cos x
lim
π
π
3x
x®
2
x-
2
例題26
例題25
x
lim a − 1
x® 0
例題29
x
1 − e 2x
x
1
lim
x sin x
x®
5x
∞
例題20
sin (sin2 x)
lim
x®0
x
4x
∞ 2 x + 3x
lim
x®
例題24
2
sin xθ
lim
2
x→
lim
x® 0
x2
lim
x®0 x
x
∞
例題28
例題27
lim
x
x® 0
例題16
例題23
例題22
例題21
5x
lim e − 1
例題19
x { log ( x + 1) - log x }
lim
x®∞
x
例題12
sin 3 x
lim
x®0
x -9
例題18
( 1+ 6 x ) x
lim
x®0
x®0
例題15
x®∞
例題17
1+ 2
lim tan x
x
lim x tan 1x
x→∞
2
lim 2x -2 x - 15
cos x
lim
x→∞
lim {log ( x + 1) − log x}
x®∞
例題8
例題11
例題14

lim
1 −
x ®∞

4x + 4
lim
x®∞
log ( 1+ 3 x )
lim
x®0
2x
例題10
e − x sin x
lim
x→∞
例題4
例題7
例題6
例題5
x® 0
例題3
x
lim
x ® 0 sin x
x -1
※次の関数の極限値を求めよ。
2
1
x
1
x
2 −2
1
−
x
lim
( x 2 + 2x + 3 - x 2 − 2x + 3 )
x®∞
例題30
2

x
x
x
−x
lim e − e
x® 0
x
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関数の極限 練習問題①
例題1
例題2
x3 + x2 + x - 3
lim
x®1
x
lim
x ® 0 sin x
x -1
= lim
x®1
( x - 1)( x 2 + 2 x + 3)
x -1
( x 2 + 2x + 3 )
= lim
x®1
=6
因数分解
約分
代入
x
lim
= 1 としていいが
x ® 0 sin x
ここではきちんと示した。
x
x
sin x
x
1
= =1
1
分母分子を x で割った
lim sinx x = 1
x® 0
例題4
4x + 4
lim {log ( x + 1) − log x }
x®∞
x + 3x + 4 + x
2
0
= lim
x®∞
= lim
x®0
例題3
lim
x®∞
公式として
4+ 4
x
3 4 x
1+ + 2 +
x x
x
0
分母・分子を
最高次の項 x で 割った
0
æ x + 1ö
= xlim
log
ç
÷
®∞
è x ø
log a - log b = log
a
b
1
= lim log æç1 + ö÷
x®∞
xø
è
0
4
4
=
= =2
1 +1 2
= log 1
=0
例題6
例題5
1 − cos 3θ
lim
θ® 0
θ2
ココでは準公式を用いる
方法を使った。
1 - cos 3θ
⋅9
= θlim
®0
( 3θ) 2
9
を掛ける
9
lim
θ® 0
=
1
9
⋅9 =
2
2
1 - cosθ 1
=
2
θ2
lim
x®0
log ( 1+ 3 x )
2x
log ( 1+ 3 x ) 3
= lim
×
x®0
3x
2
3 3
= 1× =
2 2
3
を掛けた
3
log ( 1+ x )
lim
=1
x®0
x
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関数の極限 練習問題②
例題7
例題8
tan x
lim
x®0
2x
lim
x®∞
1+ 2x
1
= lim
x®∞ 1
+1
2x
x
分母・分子を
最高次の項 2 x で 割った
1
2 x = ∞ より lim x = 0
lim
x®
x®
∞
∞
2
1
=1
∴ 与式 =
0 +1
æ 1 sin x ö
= lim
ç ×
÷
x®0
è x cos x ø
æ sin x 1 ö
= lim
×
ç
÷
x®0
è x cos x ø
= 1×
1
cos 0
lim sinx x = 1
x® 0
1
= 1× = 1
1
例題9
tan x = sin x
cos x
cos 0 = 1
例題10
e − x sin x
lim
x→∞
(減少関数)×(周期関数)
x -9
−1≦ sinx≦1 より
-x
2 x 2 - x - 15
lim
2
x®3
-x
はさみうちを使うため評価した
-x
-x
−e ≦ e sinx≦e
( − e −x ) = 0
lim
x→
両辺にe を掛けた
= lim
x®3
グラフから考える!
∞
e = 0 より
lim
x→
−x
∞
= lim
x®3
グラフから考える!
はさみうちの原理から
=
e − x sin x = 0
lim
x→
( x - 3) ( 2 x + 5 )
因数分解
( x - 3 ) ( x + 3)
2x + 5
x+3
約分
2 × 3 + 5 11
=
6
3+3
代入
∞
例題11
例題12
5x
lim e − 1
lim x tan 1x
x® 0
x →∞
t=
1
とおくと x ® ∞ のとき,t ® 0
x
tan t
与式 = lim
t→0
t
1
 sin t 
⋅
= lim 
t → 0  t  cos t
x
e 5x − 1
lim
×5
=
x® 0
5
を掛けた
5
5x
tan x = sin x
cos x
x
lim e − 1 = 1
x®0
= 1× 5 = 5
x
lim sinx x = 1
x® 0
= 1⋅
1
=1
1
cos 0 = 1
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関数の極限 練習問題③
例題13
例題10
例題14
cos x
lim
x→∞
(減少関数)×(周期関数)
x
2
lim 2x -2 x - 15
x -9
x®∞
−1≦cos x≦1 ……①
はさみうちを使うため評価
x ®∞より,x>0と考えてよいので,
①全体をxで割って
0
= lim
x®∞
− 1 cos x 1
≦
≦
x
x
x
0
1 15
2 - x - x2
分母・分子を
最高次の項 x2
1 - 92
x
で割った
0
1
lim − 1 = 0 , xlim
= 0 より
→
∞
x
x
=2
x→∞
cos x
=0
∞
x
はさみうちの原理から lim
x→
例題15
例題16
sin 3 x
lim
x®0
1
lim
x sin x
x®
5x
x® ∞であること
に注意!
∞
sin 3 x 3
= lim
×
x®0
3x 5
3
を掛けた
3
t=
1
とおくと
x
x ® ∞ のとき t ® 0
lim sinx x = 1
x® 0
= 1×
3
5
与式 =
例題17
lim sinx x = 1
x® 0
x { log ( x + 1) - log x }
lim
x®∞
2
( 1+ 6 x )
= lim
x®0
6
を掛けた
6
2´6
6x
1
æ x + 1ö
= lim
x
log
ç
÷
x®∞
è x ø
log a - log b = log
a
b
æ 1ö
= lim
x logç1 + ÷
x®∞
xø
è
12
{(1 + 6 x ) 6 x }
= lim
x®0
1
=e
sin t
=1
t
例題18
( 1+ 6 x ) x
lim
x®0
12
lim
t® 0
(1 + x ) x = e
lim
x®0
=
æ 1ö
log ç1 + ÷
lim
x®∞
xø
è
x
k log a m = log am k
æç1 + 1 ö÷ = e
lim
x
x®∞
x
= log e = 1
è
ø
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関数の極限 練習問題④
例題19
例題20
与式= lim
x® 0
= lim
x® 0
sin2x
を掛ける
sin2x
sin (sin2 x) sin 2 x
⋅
sin 2 x
x
2
を掛ける
2
sin (sin2 x) sin 2 x
⋅
⋅2
sin 2 x
2x
lim sinx x = 1
sin (sin2 x)
lim
において
x® 0
4x
∞ 2 x + 3x
lim
x®
= lim
x®
∞
x® 0
sin 2 x
1
x
1 3
  + 
2 4
0
sin 2 x = t とおくと x ® 0 のとき t ® 0
分母・分子を
最高次の項 4 x で 割った
x
0
=∞
sin t
sin (sin2 x)
lim
= lim
=1
x®0
t® 0
t
sin 2 x
よって, 与式 = 1 ⋅ 1 ⋅ 2 = 2
例題21
 2x 

lim 
x®∞  2 x − 1 
例題22
3x
1 

1 +

= lim
x®∞ 
2x − 1 
3x
分子の次数を下げた
2x − 1
を掛ける
2x − 1
3x
2 x −1

1   2 x −1
lim
= x ® 1 +
 
∞ 
2 x − 1  


1 
1+
= lim



x ®∞
 2 x − 1 
=e
2 x −1
3
 2− 1x

0

æç1 + 1 ö÷ = e
lim
x
x®∞
だと考えにくいので
- sin t
t
æ πö
cos ç t + ÷ = - sin t
2ø
è
x
3
2
è
x
(減少関数)×(周期関数)
はさみうちを使うため評価した
辺々を x で 割った
1
lim
= 0 より
x → ∞ x2
はさみうちの原理から
2
sin xθ
lim
=0
2
x→
x
lim sinx x = 1
x® 0
例題24
0≦ sin 2xθ≦1 より
sin 2xθ 1
≦ 2
0≦
x2
x
= -1
ø
2
sin xθ
lim
2
x→
∞
π
2
cos x
lim
π
置換するのがポイント!
π
x®
2 x 2
π
π
x - = t とおくと x = t +
2
2
π
x ® のとき t ® 0
2
æ πö
cos ç t + ÷
2ø
è
与式 = lim
t®0
t
= lim
t®0
例題23
∞
x®
2
x2
lim
x®0 x
x>0 のとき, x = x
x2 =
x 2 = lim x =
lim
lim
0
x®+0
x®+0
x®+0
x
x
x<0 のとき, x = - x
x2 =
x 2 = lim (- x) = 0
lim
lim
x®-0 - x
x®-0
x®-0 x
x2 =
0
よって, lim
x®0 x
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関数の極限 練習問題⑤
例題26
例題25
x
lim a − 1
x® 0
lim
x
x® 0
f ( x) = a x とおくと
= lim
x® 0
f (0) = a = 1
0
f ¢(x ) = a x loga となり
与式 =
2
lim
x® 0
1
x
=
−
1
1
1− 2
−
2
x
x®0
x
( x 2 + 2x + 3 - x 2 − 2x + 3 ) ⋅
= lim
x®∞
= lim
x®∞
1
lim
x® +0
1
x
lim 2 = ∞ より
1− 2
lim
x® −0
−
2
x
=1
1
2
−
x
1− 2
=0
よって,極限値は存在しない。
例題29

lim
1 −
x ®∞

1 −1
1
⋅
=−
1+1 1
2
分母・分子に 2 x で割った
lim 2 = 0 より
x® +0
x® −0
x
lim e − 1 = 1
lim ( x 2 + 2 x + 3 - x 2 − 2 x + 3 )
x®∞
1
x
1
−
x
−
分母分子を x で割って変形
例題28
1
x
2 −2
= lim
x® 0
因数分解
1
−1
⋅ x
x
x® 0 1 + e
e −1
x
微分係数の定義
x−0
= a 0 loga = loga
例題27
x
(1 + e )(1 − e x )
x
= lim
lim f (x ) − f (0) = f ′(0 )
x® 0
x
1 − e 2x
x 2 + 2x + 3 + x 2 − 2x + 3
x 2 + 2x + 3 + x 2 − 2x + 3
( x 2 + 2 x + 3) − ( x 2 − 2 x + 3)
= lim
x®∞
= lim
x®∞
有理化
x + 2x + 3 + x − 2x + 3
2
2
4x
x + 2x + 3 + x 2 − 2x + 3
4
2
2 3
2 3
1+ + 2 + 1− + 2
x x
x x
0 0
0
0
4
lim
= x®∞
=2
1+1
分母分子を x で割った
例題30
2

x
x
−x
lim e − e
x
x® 0


−
2




= lim
 
x ®∞ 1 +
x  


x
−2
−2
を掛けた
−2
−2
x
e x − 1 + 1 − e −x
lim
=
x® 0
ex −1
e −x − 1
lim
lim
−
= x® 0
x® 0
x
æç1 + 1 ö÷ = e
lim
x
x®∞
分子に1を足して引いた
x
x
x
=e
−2
1
= 2
e
è
ø
ex −1
e −x − 1
lim
lim
+
= x® 0
x® 0
x
−x
x
lim e − 1 = 1
x®0
x
=1+1 = 2
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