20150403週次レポート

Precious Metals Weekly Update
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3 April 2015
WEEK IN REVIEW:
Macro indicators:
Yen
(0.1%)
Euro
0.7%
S&P
(2.3%)
FTSE
0.8%
Oi l
2.4%
Copper
8.5%
Ma r 23rd - Ma r 27th
Platinum prices
$/oz
last week:
23-Mar
27-Mar
四半期末、年度末を慌ただしく迎える最中、パラジウム以外の貴金属は底堅く推移した。サウジアラビア主導
の連合軍がイエメンを空爆したことで地政学リスクが高まり貴金属は安全資産として買われ、またドルが直近
の買われ過ぎていた水準から下落したことによってサポートされた。この先ヨーロッパと米国ではイースター休
暇を前に取引量は減少する見込みだが、休暇中に米雇用統計及び中国 HSBC 製造業 PMI という市場の注
目が集まるデータが発表される為、激しい値動きとなる可能性がある。
プラチナ



Change: 0.4%
Support: $1,090
Resistance: $1,165
Outlook:
Palladium prices
$/oz
パラジウム

last week:

23-Mar
27-Mar
Change: -4.7%
Support: $730

Resistance: $787
Outlook:
Gold prices $/oz
last week:

27-Mar
Change: 1.5%
Support: $1,180
マクロ: 最近パラジウムは PGM やその他貴金属価格に連動しておらず、ドル安に伴いその他貴金属が上
昇する中、パラジウムは下落した。これには 2 つの要因があると見ている。1 つは価格が上昇せず、失望
感からロングポジションが手仕舞われたこと(先週は 1.6t のロングポジションが手仕舞われた)、もう 1 つは
ドル安に推移したことを受け米国の経済成長に対する不安が再燃し、工業需要の後退が予測されたことで
ある。
テクニカル: 先週パラジウムは 2014 年 10 月振りに$740/oz の安値を更新し、2010 年 5 月から続いた上昇
トレンドのサポートラインを割り込んだ。先週終値ベースでは、2014 年 10 月と 2015 年 1 月に二重底を形
成した$746/oz の水準も割り込んだことから、次の支持線は 2014 年安値$730/oz になると考えられる。こ
の水準をさらに下回ると 2013 年以来の長期的下降トレンドに陥る可能性があり、4~6 月は$690/oz まで
下落する可能性もある。
ファンダメンタル: 今週発表される米年間自動車販売台数が、原油安、低金利ローン、そしてカリフォルニア
州やその他の州で新たな排ガス規制 LEVIII が施行されたことで堅調に伸びている自動車触媒需要に更
に色を添えるだろう。2 月に米国のガソリン価格が上昇したことで、大型車の販売台数の伸びが落ち込む
可能性がある。
ゴールド

23-Mar
マクロ: NYMEX のグロス・ショートポジションは前週の過去最高水準から減少したが、引き続き 52t の高
水準を維持していることから、今後更にショートカバーが入る可能性がある。投資家はより強気になってお
り、グロス・ロングポジションは 90t(過去最高値の 90%)に達した。
テクニカル: 先週プラチナのスポット価格は上昇したが、2015 年 1 月高値と 3 月安値を結んだ 38.2%フィボ
ナッチリトレースメントである$1,165/oz で頭打ちとなった。1 月後半以来続いている下降トレンドから脱する
為には、今後マーケットの引け値ベースで$1,150/oz を更新する必要がある。足元プラチナ軟調に推移して
おり、$1,090/oz~$1,100/oz となると予想される。
ファンダメンタル: 先週の報道によると、Anglo American Platinum 社は、買い手が見つからなかった
Rustenburg 鉱山及び Union 鉱山の資産をスピンアウトさせる可能性が高い。6 月に何らかの発表がある
と思われるが、プラチナ価格が低迷している中、多少はランド安による恩恵はあるものの、資産の分割を行
うことは難しいかもしれない。

Resistance: $1,225
Outlook:
マクロ: ドルが直近でつけた 12 年振りの高値から下落し、またショートカバーも入ったことで、ゴールドは
2015 年 1 月以来 2 週連続で上昇した。先週木曜日には COMEX の 4 月限のオプション取引が満期を迎
えた際に$1,200/oz を突破し、直近 3 週間の最高値をつけた。
テクニカル: 先週ゴールドは上昇したが上げ止まり、50 日移動平均である$1,220/oz で跳ね返された。3 月
中旬以来の上昇トレンドが続けば、2015 年の高値と安値を結んだ 50%フィボナッチリトレースメントである
$1,225/oz を再び試すだろう。
ファンダメンタル: 2 月の香港から中国へのゴールド輸入量は前年比 40%減少し 75t となり、同輸入ルート
を通じた輸入量(中国国内の需要を測る上で最も信憑性のあるデータ)は 2014 年 1-2 月と比較して約 31%
減少した。一方、上海黄金交易所(SGE)におけるゴールド売買高は 2015 年始まって以来非常に堅調なこ
とから(3 ページご参照)、国内の供給ソース(スクラップを含む)からの供給量が増加、あるいは密輸が増加
していることを示している。
Silver prices $/oz
last week:
シルバー


23-Mar
27-Mar
Change: 2.0%
Support: $16.52
Resistance: $17.41
Outlook:

マクロ: 先々週の上昇に引き続き、先週シルバーは 5 週振りの高値$17.00/oz を越えて底堅く推移した。一
方、今週発表される米雇用統計を受けドル高に推移すれば、シルバー価格の重しになるだろう。
テクニカル: シルバーは 2014 年 7 月高値$21/oz と 2015 年 1 月高値$18.49/oz を結んだ下降トレンドライン
に近づいており、前週スポット取引にてつけた高値$17.41/oz 付近に抵抗線があると考えられる。
ファンダメンタル: BHP 社が South32 という新会社を設立し、オーストラリアと南アの鉱山を切り離すことが
計画されている。5 月 6 日に行われる株主総会で承認が下りれば、オーストラリアにある世界最大の銀鉱
山 Cannington 鉱山は South32 へ移るだろう。事業を分離することで Cannington 鉱山に巨額の投資を
行う余地が広がり、事業拡大に向けて BHP グループ内で巨大なベースメタルのプロジェクトと資金繰りを
競う必要が無くなるだろう。これにより長期的にはシルバーの供給量が増加し、他の鉱山の産出量減少と
今後の供給不足を相殺しうる。
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Precious Metals Weekly Update
3 April 2015
MACRO OUTLOOK: Economic calendar from Bloomberg
Mar-30
UK:
2 月住宅ローン承
認件数
前 6.08 万件
予 6.15 万件
US:
2 月個人所得
(前月比)
前 0.3% 予 0.3%
2 月個人消費支出
前-0.2% 予 0.2%
2 月中古住宅販売
仮契約指数
(前月比)
前 1.7% 予 0.4%
Mar-31
EU:
2 月失業率
前 11.2% 予 11.2%
3 月 CPI(前年比)
前-0.3% 予-0.1%
マークイット製造業 PMI
前 51.9 予 51.9
UK:
マークイット製造業 PMI
前 54.1 予 54.4
10-12 月 GDP(前年比)
前 2.7% 予 2.7%
US:
シカゴ購買部協会景気指数
前 45.8 予 52.0
3 月消費者信頼感指数
前 96.4 予 96.5
Apr-1
Japan:
マークイット製造業 PMI
前 50.4
China:
3 月 HSBC 製造業 PMI
前 49.2 予 49.3
3 月製造業 PMI
前 49.9 予 49.7
US:
MBA 住宅ローン申請指数 前 9.5%
3 月 ADP 民間部門雇用者数
前 21.2 万 予 22.5 万
3 月 ISM 製造業景況指数
前 52.9 予 52.5
3 月 ISM 製造業価格指数
前 35.0 予 38.0
年間自動車販売台数
前 1,616 万 1,685 万
Apr-2
US:
新規失業保険申請
件数
前 28.2 万件
予 28.5 万件
2 月貿易収支
前$418 億
予$410 億
2 月製造業受注指
数(前月比)
前-0.2% 予-0.3%
Apr-3
UK: 祝日
US: NYMEX 休場
3 月非農業部門雇用
者数
前 29.5 万人
予 25.0 万人
3 月失業率
前 5.5% 予 5.5%
FUTURES MARKET: Source – Commitments of Traders, Commodity Futures Trading Commission
NYMEX プラチナ ネット・ロングポジション
3 月 24 日時点: 37.6t
グロス・ショートは先週つけた過去最高値の 53t から減少したが、直近 7 週間のショートポジションの増加分(週平均 4.2t)と比較する
と、ショートカバーの規模は控えめ(1.4t)であった。グロス・ロングは 6 週連続で増加しており、2014 年 7 月以来の値となっている(過去
最高値の 90%である 90t)。今後更にショートカバーが入れば価格が上昇する可能性があるが、ロングポジションが手仕舞われれば
その上昇分を相殺し、更には下落する可能性もある。
NYMEX パラジウム ネット・ロングポジション
3 月 24 日時点: 58.8t
先週も引き続き失望感からロングポジションが手仕舞われ、グロス・ロングは更に 1.6t 減少した。同時に、グロス・ショートが大幅に増
加し(1.5t)、ネット・ロングは 2014 年 2 月振りに 59t にまで減少した。パラジウム価格が下落している為か、投機筋は一時的にパラジ
ウムに対して投資意欲を失っているようだ。
COMEX ゴールド ネット・ロングポジション
3 月 24 日時点: 184.4t
先週ゴールド価格は上昇したが、2015 年 2 月後半以来 7 週連続でショートポジションは増加している。ゴールドが$1,200/oz を上抜け
上昇したことで 3 月 24 日までに積み上げられたショートポジションが手仕舞われ、上昇トレンドを形成した。現在グロス・ショートが
2014 年 11 月振りに歴代最高値の 84%に達していることから、ショートカバーによって更に価格が上昇する可能性がある。グロス・ロ
ングは 2015 年 1 月後半振りにやや増加し 2.5t(0.4%)増となった。
COMEX シルバー ネット・ロングポジション
3 月 24 日時点: 6,102.8t
ショートポジションが 1,421.4t 減少した結果、2015 年 1 月後半振りにネット・ロングが増加した。先々週シルバー価格が 16/oz まで値
を戻し、先週は$17/oz を試す水準まで大幅に上昇したことでショートポジションが手仕舞われ、グロス・ショートは歴代最高値の 75%
から 62%に減少した。
3rd April, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
転用・転送 堅くお断りいたします
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Precious Metals Weekly Update
3 April 2015
SHANGHAI GOLD EXCHANGE: Source – Shanghai Gold Exchange
SGEプラチナ売買高 3 月 27 日時点
th
Implied premium 5.7% (7.1% to 20 Mar)
SGEゴールド売買高 3 月 27 日時点
th
Implied premium: -0.1% (0.7% to 20 Mar)
Thousands
Platinum sales (koz)
Price (RMB/g)
200
400
350
150
300
250
100
200
150
50
100
50
0
0
Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec
2013
2014
2015
2013 monthly average price
2014 monthly average price
2015 monthly average price
EXCHANGED TRADED FUNDS: Source – various ETF providers
プラチナ ETF 残高
3 月 26 日時点: 2.73 Moz
ABSA と ETFS funds が更に売り手仕舞われ
たことで、プラチナ ETF 残高は 529kg(総残高
の 0.6%)減少した。
パラジウム ETF 残高
3 月 26 日時点: 2.85 Moz
Standard Bank の ETF 残高が 529kg(2.4%)
増加したことでパラジウム ETF 残高は 3 月に
入って初めて増加したが、US fund が利益確
定の為売られたことで増加分は相殺された。
ゴールドETF残高
3 月 26 日時点: 46.0 Moz
ゴールド ETF 残高は先週、主に SPDR ETF
の残高が減少したことで 7.6t(0.5%)減少した。
SPDR ETF の残高は年初来約 31t 増加してい
るが、投資家がゴールドから投資資金を引き
揚げている為、毎週その増加幅を削っている。
シルバーETF残高
3 月 26 日時点: 429.4 Moz
シルバーETF は今週も売り手仕舞われ、残高
は 121.3t(0.9%)減少した。最大の取引量を誇
る iShares の 残 高 が 31t 減 少 し 、 ETFS
London fund の残高も減少した。
3rd April, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
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Precious Metals Weekly Update
Spot
Gold
Forwards
Silver
Platinum
Leases
Palladium
3 April 2015
Futures
Rhodium
Options
Ruthenium
Swaps
Iridium
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© Mitsubishi Corporation RtM Japan Ltd., 2015
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3rd April, 2015
三菱商事 RtM ジャパン(株)貴金属事業部
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